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第一章
魔法の講義③
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「結局、家族としての情を捨て切れなかったのよね」
『いつかは分かってくれると信じていた』と語り、虚しい気持ちを吐き出した。
────と、ここで妹の手から丸い光が飛び出す。
どうやら、守護精霊の属性は珍しい無属性……もっと正確に言うと、光属性だったらしい。
「そう。お姉様は本当に優しいのね。私だったら、迷わず全てを吹き飛ばしていたわ」
「ふふふっ。貴方なら、確かにやりそうね」
最近、大分丸くなった……というか我慢を覚え始めたとはいえ、アイリスの本質は変わらない。
物事をシンプルに捉え、事実を事実として受け取る直情型だ。
良くも悪くも、サッパリしている性格と言えるだろう。
「ところで、家宝の魔法はどういう原理で発動しているの?魔力を魔法に変えられる存在って、守護精霊しか居ないのよね?」
話題を変えるためか、それともふと気になったのか、アイリスは疑問をぶつけてきた。
と同時に、光の玉が消える。
「もしかして────あの家宝は守護精霊なの?」
「半分正解よ」
アイリスの鋭い指摘に目を細めつつ、私は両腕を組む。
「私も詳しいことは知らないのだけど、エーデル公爵家やクライン公爵家の家宝は守護精霊と人間……ご先祖様の血を媒介にして、作ったものらしいの」
「ふ~ん。だから、その家の血を引いている人しか使えないの?」
「そういうこと。ちなみに家宝の魔法の正式名称は、血統魔法よ」
『まあ、そのままの意味ね』と苦笑し、私はポケットから懐中時計を取り出す。
アイリスの守護精霊の属性も分かったことだし、一旦休憩を挟みましょうか。
今日は本当に天気がいいから、あまり長く外に居ると体調を崩しそうだわ。
────と判断し、アイリスを引き連れて中に戻るとヴィンセントを発見した。
どうやら、私達に用があるらしい。
事前の連絡もなしに訪問してくることもそうだけど、アイリスの同席を求めてくるなんて珍しいわね。
普段は『セシリアと二人きりがいい』と言って、聞かないのに。
『これは確実に何かある』と確信しながら、私は一先ず応接室へヴィンセントを案内した。
一度部屋に戻って着替えてから戻ると、既にアイリスの姿もある。
お互い無言で紅茶を飲んでいる二人に、私は苦笑を漏らした。
『相変わらず、仲が悪いわね』と思いつつ、ヴィンセントの隣へ腰を下ろす。
「それで、話って何かしら?」
このあとまだ講義があるため早速本題を切り出すと、ヴィンセントは少しばかり表情を硬くした。
どことなく張り詰めたような空気を放ち、正面に座るアイリスを見つめる。
「単刀直入に言うね────何者かにアイリス嬢の命を狙われている」
「「!?」」
ハッとして息を呑む私達に、ヴィンセントはこれまでの経緯を説明した。
かと思えば、不意に頭を下げる。
「エーデル公爵家を守るためとはいえ、勝手に人を配置してごめん」
「ううん、気にしないで。まあ、これからは事前に言ってくれると助かるけど」
『突然だとビックリしちゃうから』と述べる私に、ヴィンセントはコクリと頷く。
「分かった。じゃあ、早速なんだけど────これからもその部下をここに置いてもいいかな?」
『いつかは分かってくれると信じていた』と語り、虚しい気持ちを吐き出した。
────と、ここで妹の手から丸い光が飛び出す。
どうやら、守護精霊の属性は珍しい無属性……もっと正確に言うと、光属性だったらしい。
「そう。お姉様は本当に優しいのね。私だったら、迷わず全てを吹き飛ばしていたわ」
「ふふふっ。貴方なら、確かにやりそうね」
最近、大分丸くなった……というか我慢を覚え始めたとはいえ、アイリスの本質は変わらない。
物事をシンプルに捉え、事実を事実として受け取る直情型だ。
良くも悪くも、サッパリしている性格と言えるだろう。
「ところで、家宝の魔法はどういう原理で発動しているの?魔力を魔法に変えられる存在って、守護精霊しか居ないのよね?」
話題を変えるためか、それともふと気になったのか、アイリスは疑問をぶつけてきた。
と同時に、光の玉が消える。
「もしかして────あの家宝は守護精霊なの?」
「半分正解よ」
アイリスの鋭い指摘に目を細めつつ、私は両腕を組む。
「私も詳しいことは知らないのだけど、エーデル公爵家やクライン公爵家の家宝は守護精霊と人間……ご先祖様の血を媒介にして、作ったものらしいの」
「ふ~ん。だから、その家の血を引いている人しか使えないの?」
「そういうこと。ちなみに家宝の魔法の正式名称は、血統魔法よ」
『まあ、そのままの意味ね』と苦笑し、私はポケットから懐中時計を取り出す。
アイリスの守護精霊の属性も分かったことだし、一旦休憩を挟みましょうか。
今日は本当に天気がいいから、あまり長く外に居ると体調を崩しそうだわ。
────と判断し、アイリスを引き連れて中に戻るとヴィンセントを発見した。
どうやら、私達に用があるらしい。
事前の連絡もなしに訪問してくることもそうだけど、アイリスの同席を求めてくるなんて珍しいわね。
普段は『セシリアと二人きりがいい』と言って、聞かないのに。
『これは確実に何かある』と確信しながら、私は一先ず応接室へヴィンセントを案内した。
一度部屋に戻って着替えてから戻ると、既にアイリスの姿もある。
お互い無言で紅茶を飲んでいる二人に、私は苦笑を漏らした。
『相変わらず、仲が悪いわね』と思いつつ、ヴィンセントの隣へ腰を下ろす。
「それで、話って何かしら?」
このあとまだ講義があるため早速本題を切り出すと、ヴィンセントは少しばかり表情を硬くした。
どことなく張り詰めたような空気を放ち、正面に座るアイリスを見つめる。
「単刀直入に言うね────何者かにアイリス嬢の命を狙われている」
「「!?」」
ハッとして息を呑む私達に、ヴィンセントはこれまでの経緯を説明した。
かと思えば、不意に頭を下げる。
「エーデル公爵家を守るためとはいえ、勝手に人を配置してごめん」
「ううん、気にしないで。まあ、これからは事前に言ってくれると助かるけど」
『突然だとビックリしちゃうから』と述べる私に、ヴィンセントはコクリと頷く。
「分かった。じゃあ、早速なんだけど────これからもその部下をここに置いてもいいかな?」
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