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第二章
教皇聖下の黒い杖《ヴィンセント side》①
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「おっと、我が弟を材料にして作った血統魔法を侮られては困ります。これは他のガラクタと違って、とても優秀なんですから」
うっとりした表情で黒い杖を見つめ、教皇聖下は悦に浸る。
「まあ、だからこそこれまで生成に踏み切れなかったんですが……失敗した時の損害は計り知れないので。でも、こんな状況になってはそうも言ってられませんから一か八か試してみたんですよ。そしたら、見事成功して……!」
ちょっと気が昂ってきたのか、教皇聖下は少しばかり声量を大きくした。
かと思えば、チラリと足元の死体を見てちょっと冷静になる。
「『出来なければ、次はお前の娘を媒介にする』と脅したおかげでしょうか?これまでの研究結果を鑑みるに、血統魔法は強い願いや想いを持つ者の方が成功する傾向にあるので」
「なるほど。子供ばかり研究のターゲットにしていたのも、そのためですか?」
大人に比べて感情豊かで希望に満ち溢れていることを指摘し、僕は『それなら、合点が行く』と思案した。
すると、教皇聖下はゆるりと口角を上げる。
「さすがは、クライン公爵家のご嫡男。勘がいいですね」
『素晴らしい』と絶賛し、教皇聖下はこちらの見解を肯定した。
その途端、ルパート殿下達は殺気立つ。
「……本当にとんでもないクズだな」
『人体実験をやっている時点でまともじゃないのは分かっていたが……』と零し、ルパート殿下は嫌悪感を露わにした。
今にも襲い掛かってきそうな彼を前に、教皇聖下は肩を竦める。
「おやおや?そんなことを仰って、いいんですか?皇族の貴方だけは、特別に見逃して差し上げてもいいかと思ったんですが」
『帝国には何かとお世話になったので』と語り、教皇聖下はあくまで強者の立場を貫く。
その思い上がりも甚だしい態度に、ルパート殿下はスッと目を細めた。
「寝言は寝て言え」
淡々とした口調ながらも冷たい声色で言い放ち、ルパート殿下は剣を握る手に力を込める。
「この場で生殺与奪の権を握っているのは、お前じゃなくて私達なんだということを思い知らせてやる」
そう言うが早いか、ルパート殿下は剣を振り上げた。
他の者達もそれに続き、一斉攻撃を仕掛ける。
だが、しかし……
「威勢はいいね。ですが、この程度の攻撃では私に傷一つ付けられませんよ」
教皇聖下に我々の刃が届くことは、なかった。
何故なら────彼が杖を振るった途端、その軌道をなぞるようにして強風が巻き起こったから。
おかげで、ルパート殿下達は吹き飛ばされてしまった。
まあ、殿下だけはあのまま踏ん張って攻撃出来なくもなさそうだったけど。
でも、無茶は禁物だから敢えて下がったんだろうね。
『相手の出方を窺うつもりかな』と思案する中、教皇聖下はニヤリと笑う。
ちゃんと自分の血統魔法が通じていることに、快感を覚えたようだ。
「ふふふっ……やはり、私の血統魔法の前ではみんな赤子同然ですね」
うっとりした表情で黒い杖を見つめ、教皇聖下は悦に浸る。
「まあ、だからこそこれまで生成に踏み切れなかったんですが……失敗した時の損害は計り知れないので。でも、こんな状況になってはそうも言ってられませんから一か八か試してみたんですよ。そしたら、見事成功して……!」
ちょっと気が昂ってきたのか、教皇聖下は少しばかり声量を大きくした。
かと思えば、チラリと足元の死体を見てちょっと冷静になる。
「『出来なければ、次はお前の娘を媒介にする』と脅したおかげでしょうか?これまでの研究結果を鑑みるに、血統魔法は強い願いや想いを持つ者の方が成功する傾向にあるので」
「なるほど。子供ばかり研究のターゲットにしていたのも、そのためですか?」
大人に比べて感情豊かで希望に満ち溢れていることを指摘し、僕は『それなら、合点が行く』と思案した。
すると、教皇聖下はゆるりと口角を上げる。
「さすがは、クライン公爵家のご嫡男。勘がいいですね」
『素晴らしい』と絶賛し、教皇聖下はこちらの見解を肯定した。
その途端、ルパート殿下達は殺気立つ。
「……本当にとんでもないクズだな」
『人体実験をやっている時点でまともじゃないのは分かっていたが……』と零し、ルパート殿下は嫌悪感を露わにした。
今にも襲い掛かってきそうな彼を前に、教皇聖下は肩を竦める。
「おやおや?そんなことを仰って、いいんですか?皇族の貴方だけは、特別に見逃して差し上げてもいいかと思ったんですが」
『帝国には何かとお世話になったので』と語り、教皇聖下はあくまで強者の立場を貫く。
その思い上がりも甚だしい態度に、ルパート殿下はスッと目を細めた。
「寝言は寝て言え」
淡々とした口調ながらも冷たい声色で言い放ち、ルパート殿下は剣を握る手に力を込める。
「この場で生殺与奪の権を握っているのは、お前じゃなくて私達なんだということを思い知らせてやる」
そう言うが早いか、ルパート殿下は剣を振り上げた。
他の者達もそれに続き、一斉攻撃を仕掛ける。
だが、しかし……
「威勢はいいね。ですが、この程度の攻撃では私に傷一つ付けられませんよ」
教皇聖下に我々の刃が届くことは、なかった。
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おかげで、ルパート殿下達は吹き飛ばされてしまった。
まあ、殿下だけはあのまま踏ん張って攻撃出来なくもなさそうだったけど。
でも、無茶は禁物だから敢えて下がったんだろうね。
『相手の出方を窺うつもりかな』と思案する中、教皇聖下はニヤリと笑う。
ちゃんと自分の血統魔法が通じていることに、快感を覚えたようだ。
「ふふふっ……やはり、私の血統魔法の前ではみんな赤子同然ですね」
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