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第二章
緊急事態③
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「ヴィ、ヴィンセント様、大変です!」
何やら慌てている様子の彼は、少しばかり身を乗り出した。
「今、皇城から使者が来ていて……!────エーデル公爵家の前当主が家宝を使って暴れている、と報告を受けました!」
「「「!?」」」
私達は大きく目を見開き、固まった。
だって、地下牢に閉じ込められている筈の人物が逃げ出しただけでも驚きなのに、家宝を使って暴れているなんて……夢にも思わなかったから。
『自分の聞き間違いなのでは?』と本気で疑ってしまう程度には、衝撃を受けた。
動揺のあまり声も出せずにいると、使用人の男性がこう言葉を続ける。
「なので、至急皇城へ赴いて事態の鎮圧に手を貸してほしいとのことです!」
クライン公爵家は長年、軍事関係を扱う家門。
しかも、“均衡を司りし杖”の能力に唯一対抗出来る“混沌を律する剣”を使える一族。
救援要請を受けるのは、必然と言える。
「分かった。直ぐに皇城へ向かう」
ヴィンセントは真剣な面持ちで前を見据え、『馬車の手配だけしておいて』と指示を出した。
かと思えば、急いでこの場を離れようとする。
────だが、しかし……
「「待って、ヴィンセント|(様)!」」
と私達に声を掛けられ、足を止めた。
おもむろにこちらを振り返る彼を前に、私とアイリスはソファから立ち上がる。
「お願い、私達も連れて行って!」
「エーデル公爵家の一員として、お父様の娘として知らん振りは出来ません!」
身内の不始末ということで同行を申し出る私達に、ヴィンセントは困ったような反応を示した。
家宝を使って暴れている以上、身の安全は保証出来ないため連れて行きたくない様子。
「二人の気持ちは分かったけど、先程襲撃を受けたばかりじゃないか。身も心も疲弊し切っている状態で、また荒事に対応するのは……」
「大丈夫よ!アルマンのおかげで、身も心も無事だから!」
「心配してくれるのは有り難いですが、ここで何もしなかったら私達は一生後悔します!なので、連れて行ってください!」
アメジストの瞳に強い意志と覚悟を宿し、私達は頼み込んだ。
すると、ヴィンセントは難しい顔をして少し無言になる。
が、私達の決意の固さを理解するなり小さく肩を落とした。
「……いいよ。そこまで言うなら、連れて行ってあげる」
渋々ながらもこちらの要求を受け入れたヴィンセントに、私とアイリスはお礼を言う。
僅かに表情を和らげながら。
「ただし、無茶はしないようにね。それから、僕の指示には絶対従うこと」
「「ええ、もちろん|(はい)!」」
勝手な行動を起こせば、ヴィンセントの身も危険に晒されるかもしれないので、即座に了承した。
『大事なのは、迅速かつ確実にお父様を無力化すること』と肝に銘じる中、彼は視線を前に戻す。
「それじゃあ、行こうか」
何やら慌てている様子の彼は、少しばかり身を乗り出した。
「今、皇城から使者が来ていて……!────エーデル公爵家の前当主が家宝を使って暴れている、と報告を受けました!」
「「「!?」」」
私達は大きく目を見開き、固まった。
だって、地下牢に閉じ込められている筈の人物が逃げ出しただけでも驚きなのに、家宝を使って暴れているなんて……夢にも思わなかったから。
『自分の聞き間違いなのでは?』と本気で疑ってしまう程度には、衝撃を受けた。
動揺のあまり声も出せずにいると、使用人の男性がこう言葉を続ける。
「なので、至急皇城へ赴いて事態の鎮圧に手を貸してほしいとのことです!」
クライン公爵家は長年、軍事関係を扱う家門。
しかも、“均衡を司りし杖”の能力に唯一対抗出来る“混沌を律する剣”を使える一族。
救援要請を受けるのは、必然と言える。
「分かった。直ぐに皇城へ向かう」
ヴィンセントは真剣な面持ちで前を見据え、『馬車の手配だけしておいて』と指示を出した。
かと思えば、急いでこの場を離れようとする。
────だが、しかし……
「「待って、ヴィンセント|(様)!」」
と私達に声を掛けられ、足を止めた。
おもむろにこちらを振り返る彼を前に、私とアイリスはソファから立ち上がる。
「お願い、私達も連れて行って!」
「エーデル公爵家の一員として、お父様の娘として知らん振りは出来ません!」
身内の不始末ということで同行を申し出る私達に、ヴィンセントは困ったような反応を示した。
家宝を使って暴れている以上、身の安全は保証出来ないため連れて行きたくない様子。
「二人の気持ちは分かったけど、先程襲撃を受けたばかりじゃないか。身も心も疲弊し切っている状態で、また荒事に対応するのは……」
「大丈夫よ!アルマンのおかげで、身も心も無事だから!」
「心配してくれるのは有り難いですが、ここで何もしなかったら私達は一生後悔します!なので、連れて行ってください!」
アメジストの瞳に強い意志と覚悟を宿し、私達は頼み込んだ。
すると、ヴィンセントは難しい顔をして少し無言になる。
が、私達の決意の固さを理解するなり小さく肩を落とした。
「……いいよ。そこまで言うなら、連れて行ってあげる」
渋々ながらもこちらの要求を受け入れたヴィンセントに、私とアイリスはお礼を言う。
僅かに表情を和らげながら。
「ただし、無茶はしないようにね。それから、僕の指示には絶対従うこと」
「「ええ、もちろん|(はい)!」」
勝手な行動を起こせば、ヴィンセントの身も危険に晒されるかもしれないので、即座に了承した。
『大事なのは、迅速かつ確実にお父様を無力化すること』と肝に銘じる中、彼は視線を前に戻す。
「それじゃあ、行こうか」
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