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第二章
地下牢①
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「会議はこれでお開きだ。より詳しい話し合いは、各自で行ってくれ」
『固まって話し合う必要は、もうないだろう』と主張し、ロジャー皇帝陛下はこの場を後にする。
恐らく、己の役目を全うするため然るべき場所に行ったのだろう。
「じゃあ、僕達も行こうか」
ヴィンセントは“混沌を律する剣”を手に持ち、ソファから立ち上がった。
かと思えば、ルパート殿下の方へ視線を向ける。
「一応確認しますが、前公爵の居場所は地下牢で合っていますか?」
「ああ、こちらの包囲網を突破してなければまだそこに居る筈だ」
「まあ、牢屋からはもう出ているみたいだけどね。だから、正確な位置は地下牢の通路あたりかな」
ルパート殿下の説明を補う形で、エレン殿下は言葉を紡いだ。
すると、ヴィンセントは『なるほど』と相槌を打つ。
「情報提供、感謝します。では、これで」
「ああ、健闘を祈るよ」
「無事にまた会おう」
エレン殿下とルパート殿下は軽く手を上げて、こちらを送り出す。
あちらはまだ話し合うことがあるのか、もう少しここに残るようだ。
なので、私達は一足先に部屋を出て地下牢へ向かう。
「セシリア、アイリス嬢。移動しながら聞いてほしいんだけど」
先頭を走るヴィンセントは、そう前置きしてから語り出した。
これから巻き起こる戦闘のことを。
「前公爵との戦いでは、基本セシリアに攻撃をしてもらいたい。この中で最も戦闘向きの魔法属性を持っているのは、君だからね。アイリス嬢には、そのサポートをお願いするよ」
『光で相手の視界を奪ったり、注意を引いたりしてくれ』と話し、ヴィンセントは目の前の角を曲がる。
「僕は盾役として、“均衡を司りし杖”の能力の無効化に集中する。と言っても、全ての効果を打ち消せるとは限らないから、二人とも僕の傍を離れないようにね」
『油断して、前へ出過ぎないように』と釘を刺すヴィンセントに、私とアイリスは大きく頷いた。
────と、ここで鉄製の大きな扉を目にする。
「地下牢の入り口が、見えてきたね。二人とも、気を引き締めて。それから────」
一度言葉を切ってこちらを振り返り、ヴィンセントはスッと目を細めた。
「────フランシス卿を保護でき次第、打って出るからそのつもりで」
『固まって話し合う必要は、もうないだろう』と主張し、ロジャー皇帝陛下はこの場を後にする。
恐らく、己の役目を全うするため然るべき場所に行ったのだろう。
「じゃあ、僕達も行こうか」
ヴィンセントは“混沌を律する剣”を手に持ち、ソファから立ち上がった。
かと思えば、ルパート殿下の方へ視線を向ける。
「一応確認しますが、前公爵の居場所は地下牢で合っていますか?」
「ああ、こちらの包囲網を突破してなければまだそこに居る筈だ」
「まあ、牢屋からはもう出ているみたいだけどね。だから、正確な位置は地下牢の通路あたりかな」
ルパート殿下の説明を補う形で、エレン殿下は言葉を紡いだ。
すると、ヴィンセントは『なるほど』と相槌を打つ。
「情報提供、感謝します。では、これで」
「ああ、健闘を祈るよ」
「無事にまた会おう」
エレン殿下とルパート殿下は軽く手を上げて、こちらを送り出す。
あちらはまだ話し合うことがあるのか、もう少しここに残るようだ。
なので、私達は一足先に部屋を出て地下牢へ向かう。
「セシリア、アイリス嬢。移動しながら聞いてほしいんだけど」
先頭を走るヴィンセントは、そう前置きしてから語り出した。
これから巻き起こる戦闘のことを。
「前公爵との戦いでは、基本セシリアに攻撃をしてもらいたい。この中で最も戦闘向きの魔法属性を持っているのは、君だからね。アイリス嬢には、そのサポートをお願いするよ」
『光で相手の視界を奪ったり、注意を引いたりしてくれ』と話し、ヴィンセントは目の前の角を曲がる。
「僕は盾役として、“均衡を司りし杖”の能力の無効化に集中する。と言っても、全ての効果を打ち消せるとは限らないから、二人とも僕の傍を離れないようにね」
『油断して、前へ出過ぎないように』と釘を刺すヴィンセントに、私とアイリスは大きく頷いた。
────と、ここで鉄製の大きな扉を目にする。
「地下牢の入り口が、見えてきたね。二人とも、気を引き締めて。それから────」
一度言葉を切ってこちらを振り返り、ヴィンセントはスッと目を細めた。
「────フランシス卿を保護でき次第、打って出るからそのつもりで」
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