私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

皇城から脱出②

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「安心しろ。この上はちょうど物置部屋だから、きっと誰も居ない。非常事態のときなら、尚更な」

 『だから、思い切りやれ』と促す祖父に、私は頷いた。
少しばかり表情を和らげながら。

「では、直ぐに発動準備へ入ります」

 崩壊の速度を考えたらあまり悠長にしていられないため、私は即座に魔力を高める。
────と、ここでずっと沈黙を守ってきたヴィンセントが口を開いた。

「セシリア、念のためカウントダウンをお願いね。タイミングが合わなかったら、困るから」

 『それにこれは何度も使える手じゃないし』と言い、ヴィンセントはこちらへ手を伸ばす。
と同時に、私のことを抱き上げた。
恐らく、こちらの身体能力を考慮してのことだろう。
『階段もなしに上階へ登るのは、至難の業だから』と考えつつ、私は横髪を耳に掛ける。

「分かったわ。じゃあ、カウントダウンを始めるわね」

 そう前置きしてから、私は天井を見上げた。

「魔法発動まで3、2、1────フレイムアタック」

 インフェルノと同じくらい強力な火炎魔法を発動し、私は天井目掛けて放つ。
その途端、肌を焦がすような熱気と咳き込むほどの煙が発生し、頭上に大きな穴を開けた。
荷馬車よりやや大きい脱出口を前に、ヴィンセント達は床を蹴り上げる。

 皆、凄い跳躍ね。特に人一人を抱えた状態で、飛んでいるヴィンセントとお祖父様。

 『ジャンプ力も然る事乍ら、バランス力が……』などと考えていると、

「えっ……?」

 アイリスの声が耳を掠めた。
反射的にそちらを向く私は、目に入った光景に息を呑む。
何故なら────アイリスが、父に手を引っ張られていたから。
『空中でそんなことをしたら……!』と焦る私を前に、彼女は案の定とでも言うべきか体勢を崩して落ちる。

「アイリス……!」

 私は咄嗟に身を乗り出し、彼女の腕や足を掴もうとする。
が、ほんの一瞬の出来事だった上、互いの距離もそこそこ離れていたため届かず……煙の奥へ消えるアイリスを見届けることしか、出来なかった。

 ど、どうしよう……!?どうすれば……!どうやって……!

 動揺のあまりまともに物事を考えられず、私はただただ自問を繰り返す。
────と、ここで父が私の方にも手を伸ばしてきた。
恐らく、アイリスの時と同じようにするつもりなのだろう。

「っ……!」
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