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第二章
ケジメ《ヴィンセント side》②
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「クライン令息ならもう把握しているかもしれないけど、ローガンは私やセシリアのことを嫌っているの。だから、今後どうのような対応に出るか分からない。ただこちらに無関心なだけならまだいいけど、もしセシリアに危害を加えるようなことになったら……」
最悪の事態を想像しているのか、シエラ様は表情を曇らせた。
と同時に、こちらを真っ直ぐ見つめる。
「ローガンの暴走を止められるのは、同じ公爵家の人間か皇族だけ……でも、セシリアのためにわざわざ火中に飛び込むような者は居ないでしょう────貴方を除いて」
確信の籠った声色でそう断言し、シエラ様はそっと目を伏せる。
『はぁ……』と深い溜め息を零しながら。
「正直、危険なことも平気で行えるような人間にセシリアの命運を託したくないけど……でも、背に腹は代えられないわ。それに貴方なら、セシリアを裏切るような真似はしないでしょうし」
『ある意味、信用出来る』と主張し、シエラ様はスッと表情を引き締めた。
自分の中にある迷いを捨て去るように。
「もちろん、『タダで』とは言わないわ。きちんと対価は支払う。けれど、物に残るような形ではローガンに見つかりそうだから────情報提供なんて、どうかしら?」
『これなら、バレる心配はない』と語り、シエラ様はゆるりと口角を上げる。
真っ青な瞳に、自信を滲ませて。
「私の情報は結構役立つと思うわよ。皇室のことも色々把握しているから」
「皇室のことも、ですか?」
反射的にそう聞き返す私に、シエラ様は小さく頷く。
「ええ、ロジャー皇帝陛下やイライザ皇后陛下とは旧知の仲だから……まあ、本当は友人を売るような真似したくないのだけどね。でも、貴方だけにリスクを負わせるのは違うでしょう?それに私の覚悟を貴方に知ってもらいたくて」
『これだけ、真剣かつ切実にセシリアの幸せを願っているんだ』と訴え、シエラ様は居住まいを正した。
「それで、どうかしら?取り引きに応じてくれる?」
最悪の事態を想像しているのか、シエラ様は表情を曇らせた。
と同時に、こちらを真っ直ぐ見つめる。
「ローガンの暴走を止められるのは、同じ公爵家の人間か皇族だけ……でも、セシリアのためにわざわざ火中に飛び込むような者は居ないでしょう────貴方を除いて」
確信の籠った声色でそう断言し、シエラ様はそっと目を伏せる。
『はぁ……』と深い溜め息を零しながら。
「正直、危険なことも平気で行えるような人間にセシリアの命運を託したくないけど……でも、背に腹は代えられないわ。それに貴方なら、セシリアを裏切るような真似はしないでしょうし」
『ある意味、信用出来る』と主張し、シエラ様はスッと表情を引き締めた。
自分の中にある迷いを捨て去るように。
「もちろん、『タダで』とは言わないわ。きちんと対価は支払う。けれど、物に残るような形ではローガンに見つかりそうだから────情報提供なんて、どうかしら?」
『これなら、バレる心配はない』と語り、シエラ様はゆるりと口角を上げる。
真っ青な瞳に、自信を滲ませて。
「私の情報は結構役立つと思うわよ。皇室のことも色々把握しているから」
「皇室のことも、ですか?」
反射的にそう聞き返す私に、シエラ様は小さく頷く。
「ええ、ロジャー皇帝陛下やイライザ皇后陛下とは旧知の仲だから……まあ、本当は友人を売るような真似したくないのだけどね。でも、貴方だけにリスクを負わせるのは違うでしょう?それに私の覚悟を貴方に知ってもらいたくて」
『これだけ、真剣かつ切実にセシリアの幸せを願っているんだ』と訴え、シエラ様は居住まいを正した。
「それで、どうかしら?取り引きに応じてくれる?」
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