135 / 315
第三章
第134話『四本目』
しおりを挟む
────それからも私達は時間と体力の許す限り、あちこち駆け回り……気づけば、ナイトタイムに差し掛かっていた。
すっかり暗くなった周囲を見回し、私は『昼間より、大分ゴーレムの数が減ったな』と考える。
そして、手元にあるマジックポーションを見下ろした。
これで四本目……。
もし私の予想通り、限界量が三本だったなら……これを飲んだ瞬間、体調を崩すだろう。
でも、とりあえずイベント終了まで持てばいいから……何とかなる、よね?
『あと二時間半くらいは持つと思いたい……』と思案する中、徳正さんはふとこたらを見る。
「ラーちゃん、どうしたの~?マジックポーションと睨めっこ中~?それなら、俺っちの方が得意だよ~?」
「別に睨めっこしている訳じゃありません!」
『どういう状況ですか、それ!』とツッコミを入れつつ、私は瓶の蓋を開けた。
ええい!女は度胸だ!!一気飲みだー!
半分ヤケクソになりながら、私はマジックポーションを一気に飲み干す。
「……ぷはー!イチゴ味はやっぱり甘ったるいですね」
「あっ、それ分かる~。やっぱり、ブドウが一番だよね~」
「分かります。ブドウ味が一番美味し、い……」
ドクンッと大袈裟なくらい心臓の音が大きく響き、私は目を剥く。
何?これ……。
胸が苦しい……頭が痛い……気持ち悪い……息がしづらい……。
な、んか……自分の体じゃないみたい。
自身の胸元をギュッと握り締める私は、『はっ……はっ……』と短い呼吸を繰り返した。
「ラーちゃん?どうしたの~?顔、真っ青だよ~?具合でも悪いの~?」
「徳正さ、ん……何でもありません。ちょっと甘ったるいイチゴ味に、吐き気を催していただけです」
マジックポーションを作ってくれたアラクネさんには申し訳ないが、イチゴ味を言い訳に使わせてもらった。
じゃないと、過保護な徳正さんに勘づかれそうだったから……。
マジックポーションの過剰摂取による体調不良だと気づいたら、徳正さんは絶対前線から退けようとする筈。
プレイヤー達の治療なんて、以ての外だ。
だから、お願い……あと二時間半だけ頑張って、私の体!
イベント終了後なら、幾らでも休ませてあげるから!
大きく深呼吸して体調不良を誤魔化す私は、ダルい体に鞭を打つ。
職業別ランキング一位の回復師のプライドにかけて、ここで治療を中断する訳にはいかなかった。
『これ以上、誰も死なせたくない!』という信念の元、私は真っ直ぐ前を見据える。
────もう後戻りは出来ない。
すっかり暗くなった周囲を見回し、私は『昼間より、大分ゴーレムの数が減ったな』と考える。
そして、手元にあるマジックポーションを見下ろした。
これで四本目……。
もし私の予想通り、限界量が三本だったなら……これを飲んだ瞬間、体調を崩すだろう。
でも、とりあえずイベント終了まで持てばいいから……何とかなる、よね?
『あと二時間半くらいは持つと思いたい……』と思案する中、徳正さんはふとこたらを見る。
「ラーちゃん、どうしたの~?マジックポーションと睨めっこ中~?それなら、俺っちの方が得意だよ~?」
「別に睨めっこしている訳じゃありません!」
『どういう状況ですか、それ!』とツッコミを入れつつ、私は瓶の蓋を開けた。
ええい!女は度胸だ!!一気飲みだー!
半分ヤケクソになりながら、私はマジックポーションを一気に飲み干す。
「……ぷはー!イチゴ味はやっぱり甘ったるいですね」
「あっ、それ分かる~。やっぱり、ブドウが一番だよね~」
「分かります。ブドウ味が一番美味し、い……」
ドクンッと大袈裟なくらい心臓の音が大きく響き、私は目を剥く。
何?これ……。
胸が苦しい……頭が痛い……気持ち悪い……息がしづらい……。
な、んか……自分の体じゃないみたい。
自身の胸元をギュッと握り締める私は、『はっ……はっ……』と短い呼吸を繰り返した。
「ラーちゃん?どうしたの~?顔、真っ青だよ~?具合でも悪いの~?」
「徳正さ、ん……何でもありません。ちょっと甘ったるいイチゴ味に、吐き気を催していただけです」
マジックポーションを作ってくれたアラクネさんには申し訳ないが、イチゴ味を言い訳に使わせてもらった。
じゃないと、過保護な徳正さんに勘づかれそうだったから……。
マジックポーションの過剰摂取による体調不良だと気づいたら、徳正さんは絶対前線から退けようとする筈。
プレイヤー達の治療なんて、以ての外だ。
だから、お願い……あと二時間半だけ頑張って、私の体!
イベント終了後なら、幾らでも休ませてあげるから!
大きく深呼吸して体調不良を誤魔化す私は、ダルい体に鞭を打つ。
職業別ランキング一位の回復師のプライドにかけて、ここで治療を中断する訳にはいかなかった。
『これ以上、誰も死なせたくない!』という信念の元、私は真っ直ぐ前を見据える。
────もう後戻りは出来ない。
4
あなたにおすすめの小説
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
追放されたら無能スキルで無双する
ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。
見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。
僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。
咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。
僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!
たとえば勇者パーティを追放された少年が宿屋の未亡人達に恋するような物語
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。
ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。
だから、ただ見せつけられても困るだけだった。
何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。
1~2話は何時もの使いまわし。
リクエスト作品です。
今回は他作品もありますので亀更新になるかも知れません。
※ つい調子にのって4作同時に書き始めてしまいました。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる