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第四章
第160話『結果報告会』
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「まあ、詳しいデータはワイも分からんけど、個人的には結構レベル高かったと思うで。特にあそこにおる青髪の子供は、化け物やった」
ファルコさんは少し離れた場所に居るシムナさんを顎で示し、苦笑する。
『ほんま、テスト監督やったワイが死ぬかと思ったわ』と冗談交じりに言いながら。
「じゃあ、次は防御班の結果報告ですね。ウチの総人数は七十三人。内訳としては結界師三十一人、盾使い四十二人です。全体的なレベルは中の下ですが、この人数なら問題ないと思います」
「お~。意外と多かったな?五十人くらいかと思っとったわ~」
「結界師はさておき、盾使いの装備は一度こちらで点検させてほしいのです~。場合によっては、新調しなきゃいけないので~」
「装備の問題で、実力を出し切れなかったら困りますもんね」
「なら、盾使いと言わずプレイヤー全員の装備を点検する場を設けてはどうでしょう?アイテム製造組には負担を掛けますが、その分準備期間は長くしますので」
万全の状態でダンジョン攻略に挑みたいのか、アヤさんはそう提案する。
が、点検の手間や時間を考えると賛成は出来なかった。
「アイディア自体はいいと思いますが、それではアイテム製造組に負担が掛かり過ぎじゃありませんか?ただでさえ、ポーションや帰還玉の製造で忙しいのに……」
苦言を呈する私に、アヤさんは『やっぱり、そうですよね』と肩を落とす。
────と、ここでアスタルテさんが得意げな表情を浮かべた。
「心配ご無用なのです!」
そう言って軽く胸を叩き、彼女は僅かに身を乗り出す。
「田中に相談して、『田中研究所』の協力を取り付けてきたので!点検作業、可能なのです!」
「おお!あの研究オタクだらけの『田中研究所』をよく味方に引き込めたなぁ!さすがやわ!」
「彼らの力を借りられれば、まさに百人力ですね!」
『わあ!!』と沸き立つメンバーに、私は何とも言えない表情を浮かべた。
だって、彼が力を貸したのはきっと────愛する妹のためだろうから。
「とりあえず、点検作業は問題ナッシングなのです。という事で、このままサポート班の結果報告もして行きますです~。サポート班の総人数は百二十四人。内訳はアイテム製造組が九十二人、後方支援組が三十二人なのです」
「ちと後方支援組が足らんなぁ」
「あと、二十人弱はほしいところですね」
「でも、後方支援組の予備動作・詠唱中の守りを考えると、これくらいがちょうど良いかもしれませんよ?防御班は治療班の守りもありますし」
「それもそうやなぁ。でも、多いに越したことはあらへんし……ま、これは後でヘスティアの方に相談するわ!てことで、一旦保留や!」
即決を避ける判断のファルコさんに、私は首を縦に振った。
こういうことは慎重に決めた方がいいから。
『別に焦る必要もないし』と考えつつ、私は言葉を紡ぐ。
「じゃあ、最後に治療班の結果報告を。治療班の総人数は六十七人です。全体のレベルは……正直、そこまで高くありません。とりあえず治癒魔法が使えるプレイヤーを全員採用しましたが、場合によってはお荷物になる可能性もあります」
「お荷物か~。でも、治癒魔法の使い手は少ないからなぁ」
「回復系の職業はレベル上げに時間が掛かるので、仕方ないかもしれませんね」
「とりあえず、様子見しましょうなのです~」
無闇矢鱈に人数を減らす訳にもいかないため、アスタルテさんは保留を勧めてくる。
『ゆっくりじっくり見極めましょう~』と述べる彼女に、私はコクリと頷いた。
「ほな、結果報告会はここまでや。もう夕方やし、気をつけて帰るんやで」
ファルコさんは少し離れた場所に居るシムナさんを顎で示し、苦笑する。
『ほんま、テスト監督やったワイが死ぬかと思ったわ』と冗談交じりに言いながら。
「じゃあ、次は防御班の結果報告ですね。ウチの総人数は七十三人。内訳としては結界師三十一人、盾使い四十二人です。全体的なレベルは中の下ですが、この人数なら問題ないと思います」
「お~。意外と多かったな?五十人くらいかと思っとったわ~」
「結界師はさておき、盾使いの装備は一度こちらで点検させてほしいのです~。場合によっては、新調しなきゃいけないので~」
「装備の問題で、実力を出し切れなかったら困りますもんね」
「なら、盾使いと言わずプレイヤー全員の装備を点検する場を設けてはどうでしょう?アイテム製造組には負担を掛けますが、その分準備期間は長くしますので」
万全の状態でダンジョン攻略に挑みたいのか、アヤさんはそう提案する。
が、点検の手間や時間を考えると賛成は出来なかった。
「アイディア自体はいいと思いますが、それではアイテム製造組に負担が掛かり過ぎじゃありませんか?ただでさえ、ポーションや帰還玉の製造で忙しいのに……」
苦言を呈する私に、アヤさんは『やっぱり、そうですよね』と肩を落とす。
────と、ここでアスタルテさんが得意げな表情を浮かべた。
「心配ご無用なのです!」
そう言って軽く胸を叩き、彼女は僅かに身を乗り出す。
「田中に相談して、『田中研究所』の協力を取り付けてきたので!点検作業、可能なのです!」
「おお!あの研究オタクだらけの『田中研究所』をよく味方に引き込めたなぁ!さすがやわ!」
「彼らの力を借りられれば、まさに百人力ですね!」
『わあ!!』と沸き立つメンバーに、私は何とも言えない表情を浮かべた。
だって、彼が力を貸したのはきっと────愛する妹のためだろうから。
「とりあえず、点検作業は問題ナッシングなのです。という事で、このままサポート班の結果報告もして行きますです~。サポート班の総人数は百二十四人。内訳はアイテム製造組が九十二人、後方支援組が三十二人なのです」
「ちと後方支援組が足らんなぁ」
「あと、二十人弱はほしいところですね」
「でも、後方支援組の予備動作・詠唱中の守りを考えると、これくらいがちょうど良いかもしれませんよ?防御班は治療班の守りもありますし」
「それもそうやなぁ。でも、多いに越したことはあらへんし……ま、これは後でヘスティアの方に相談するわ!てことで、一旦保留や!」
即決を避ける判断のファルコさんに、私は首を縦に振った。
こういうことは慎重に決めた方がいいから。
『別に焦る必要もないし』と考えつつ、私は言葉を紡ぐ。
「じゃあ、最後に治療班の結果報告を。治療班の総人数は六十七人です。全体のレベルは……正直、そこまで高くありません。とりあえず治癒魔法が使えるプレイヤーを全員採用しましたが、場合によってはお荷物になる可能性もあります」
「お荷物か~。でも、治癒魔法の使い手は少ないからなぁ」
「回復系の職業はレベル上げに時間が掛かるので、仕方ないかもしれませんね」
「とりあえず、様子見しましょうなのです~」
無闇矢鱈に人数を減らす訳にもいかないため、アスタルテさんは保留を勧めてくる。
『ゆっくりじっくり見極めましょう~』と述べる彼女に、私はコクリと頷いた。
「ほな、結果報告会はここまでや。もう夕方やし、気をつけて帰るんやで」
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