婚約者の妹が結婚式に乗り込んで来たのですが〜どうやら、私の婚約者は妹と浮気していたようです〜

あーもんど

文字の大きさ
20 / 37
第一章

勘違い

しおりを挟む
 無知すぎて話にならないカーティス様に呆れていれば、不意に彼と目が合った。
虚ろな目が縋るようにこちらを見つめている。

 何かしら?まだ何か言いたいことでも?

「なあ、ニーナは僕のことを愛しているよな……?だから、あんなに親切にしてくれたんだろう?なら、僕を助けてくれよ……そしたら、お前にも少しくらい愛情を与えてやっても……」

「────はい?私がカーティス様のことを愛している?一体何のことですか?」

「……えっ?」

 突然何を言い出すのかと思えば……随分と面白い勘違いをしているようね?
私がカーティス様を愛してるなんて……そんな訳ないじゃない。
確かにカーティス様の容姿は格好いいと思うけど、別に好きという訳じゃないし……何より、腹違いの妹に手を出している時点でアウトよ。好きとかそれ以前の問題だわ。

 内心げんなりする私は、父にアイコンタクトを送る。
すると、父は『言ってやれ』とばかりに大きく頷いた。

「何かとんでもない勘違いをしているようなのでハッキリ言わせてもらいますが、カーティス様を愛したことは一度もありません」

「なん、だと……!?じゃあ、何であんなに親切にしてくれたんだ!?好いてもいない相手に優しくする奴なんて居ないだろう!?」

「私がカーティス様に優しくしていたのは────人質として・・・・・、嫁いできた貴方を哀れに思ったからです」

「へっ……?人質……?一体、何のことだ!?」

 ダンッ!とテーブルに拳を叩きつけたカーティス様は、意味が分からないと言わんばかりに目を白黒させた。

 やはりと言うべきか……カーティス様は結婚の目的や自分の役割をこれっぽっちも理解していなかったようね……だとしたら、哀れを通り越して無様だわ。

「カーティス様は何も知らないようなので言わせてもらいますが、私と貴方の結婚は平和条約を結ぶためだけのものではありませんわ。表向きはそうなっていますが、裏の目的は人質として、貴方を我が国へ嫁がせること。表面上は和解していますが、いつ・どこで裏切られるか分かりませんから……だから、人質の貴方が必要だったのです」

「な、なっ……!?僕が人質だと……!?」

「はい。カラミタ王国が裏切れば、人質の貴方は見せしめの意味も兼ねて、真っ先に処刑されるでしょう。だから、私は貴方の境遇を哀れみ、親切にしていたのです。まあ、カーティス様に人質の自覚はなかったようですが……」

 最後に嫌味を零すが、カーティス様はそれどころじゃないようで、目を見開いて固まった。
まさか、人質として嫁がされたとは思わなかったのだろう。

 よく考えてみれば分かりそうなことだけどね……。
だって、本当に平和条約を結ぶためだけなら、リナさんを始めとする未婚の王女をお父様の側室に迎え入れれば、いいだけの話だから……。
それなのに次期国王の補佐に当たる第二王子を嫁がせた。別の目的があるのは、明らかでしょう……。

 呆然とする婚約者様を前に、私は思わず苦笑を漏らす────と、ここで部屋の扉が勢いよく開け放たれた。

「─────私抜きでお話を進めるなんて、有り得ないわ!何故、話し合いに呼んで下さらなかったの!?」

 そう言って、扉の向こうから現れたのは────全ての元凶であるリナさんだった。
しおりを挟む
感想 172

あなたにおすすめの小説

元平民の義妹は私の婚約者を狙っている

カレイ
恋愛
 伯爵令嬢エミーヌは父親の再婚によって義母とその娘、つまり義妹であるヴィヴィと暮らすこととなった。  最初のうちは仲良く暮らしていたはずなのに、気づけばエミーヌの居場所はなくなっていた。その理由は単純。 「エミーヌお嬢様は平民がお嫌い」だから。  そんな噂が広まったのは、おそらく義母が陰で「あの子が私を母親だと認めてくれないの!やっぱり平民の私じゃ……」とか、義妹が「時々エミーヌに睨まれてる気がするの。私は仲良くしたいのに……」とか言っているからだろう。  そして学園に入学すると義妹はエミーヌの婚約者ロバートへと近づいていくのだった……。

本当に妹のことを愛しているなら、落ちぶれた彼女に寄り添うべきなのではありませんか?

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアレシアは、婿を迎える立場であった。 しかしある日突然、彼女は婚約者から婚約破棄を告げられる。彼はアレシアの妹と関係を持っており、そちらと婚約しようとしていたのだ。 そのことについて妹を問い詰めると、彼女は伝えてきた。アレシアのことをずっと疎んでおり、婚約者も伯爵家も手に入れようとしていることを。 このまま自分が伯爵家を手に入れる。彼女はそう言いながら、アレシアのことを嘲笑っていた。 しかしながら、彼女達の父親はそれを許さなかった。 妹には伯爵家を背負う資質がないとして、断固として認めなかったのである。 それに反発した妹は、伯爵家から追放されることにになった。 それから間もなくして、元婚約者がアレシアを訪ねてきた。 彼は追放されて落ちぶれた妹のことを心配しており、支援して欲しいと申し出てきたのだ。 だが、アレシアは知っていた。彼も家で立場がなくなり、追い詰められているということを。 そもそも彼は妹にコンタクトすら取っていない。そのことに呆れながら、アレシアは彼を追い返すのであった。

私は家のことにはもう関わりませんから、どうか可愛い妹の面倒を見てあげてください。

木山楽斗
恋愛
侯爵家の令嬢であるアルティアは、家で冷遇されていた。 彼女の父親は、妾とその娘である妹に熱を上げており、アルティアのことは邪魔とさえ思っていたのである。 しかし妾の子である妹を婿に迎える立場にすることは、父親も躊躇っていた。周囲からの体裁を気にした結果、アルティアがその立場となったのだ。 だが、彼女は婚約者から拒絶されることになった。彼曰くアルティアは面白味がなく、多少わがままな妹の方が可愛げがあるそうなのだ。 父親もその判断を支持したことによって、アルティアは家に居場所がないことを悟った。 そこで彼女は、母親が懇意にしている伯爵家を頼り、新たな生活をすることを選んだ。それはアルティアにとって、悪いことという訳ではなかった。家の呪縛から解放された彼女は、伸び伸びと暮らすことにするのだった。 程なくして彼女の元に、婚約者が訪ねて来た。 彼はアルティアの妹のわがままさに辟易としており、さらには社交界において侯爵家が厳しい立場となったことを伝えてきた。妾の子であるということを差し引いても、甘やかされて育ってきた妹の評価というものは、高いものではなかったのだ。 戻って来て欲しいと懇願する婚約者だったが、アルティアはそれを拒絶する。 彼女にとって、婚約者も侯爵家も既に助ける義理はないものだったのだ。

幼馴染の婚約者を馬鹿にした勘違い女の末路

今川幸乃
恋愛
ローラ・ケレットは幼馴染のクレアとパーティーに参加していた。 すると突然、厄介令嬢として名高いジュリーに絡まれ、ひたすら金持ち自慢をされる。 ローラは黙って堪えていたが、純粋なクレアはついぽろっとジュリーのドレスにケチをつけてしまう。 それを聞いたローラは顔を真っ赤にし、今度はクレアの婚約者を馬鹿にし始める。 そしてジュリー自身は貴公子と名高いアイザックという男と結ばれていると自慢を始めるが、騒ぎを聞きつけたアイザック本人が現れ…… ※短い……はず

溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるレフティアの日常は、父親の再婚によって大きく変わることになった。 妾だった継母やその娘である妹は、レフティアのことを疎んでおり、父親はそんな二人を贔屓していた。故にレフティアは、苦しい生活を送ることになったのである。 しかし彼女は、ある時とある事実を知ることになった。 父親が溺愛している妹が、彼と血が繋がっていなかったのである。 レフティアは、その事実を父親に密告した。すると調査が行われて、それが事実であることが判明したのである。 その結果、父親は継母と妹を排斥して、レフティアに愛情を注ぐようになった。 だが、レフティアにとってそんなものは必要なかった。継母や妹ともに自分を虐げていた父親も、彼女にとっては排除するべき対象だったのである。

婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?

珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。 だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。 全2話。

婚約者と妹が運命的な恋をしたそうなので、お望み通り2人で過ごせるように別れることにしました

柚木ゆず
恋愛
※4月3日、本編完結いたしました。4月5日(恐らく夕方ごろ)より、番外編の投稿を始めさせていただきます。 「ヴィクトリア。君との婚約を白紙にしたい」 「おねぇちゃん。実はオスカーさんの運命の人だった、妹のメリッサです……っ」  私の婚約者オスカーは真に愛すべき人を見つけたそうなので、妹のメリッサと結婚できるように婚約を解消してあげることにしました。  そうして2人は呆れる私の前でイチャイチャしたあと、同棲を宣言。幸せな毎日になると喜びながら、仲良く去っていきました。  でも――。そんな毎日になるとは、思わない。  2人はとある理由で、いずれ婚約を解消することになる。  私は破局を確信しながら、元婚約者と妹が乗る馬車を眺めたのでした。

妹の嘘を信じて婚約破棄するのなら、私は家から出ていきます

天宮有
恋愛
平民のシャイナは妹ザロアのために働き、ザロアは家族から溺愛されていた。 ザロアの学費をシャイナが稼ぎ、その時に伯爵令息のランドから告白される。 それから数ヶ月が経ち、ザロアの嘘を信じたランドからシャイナは婚約破棄を言い渡されてしまう。 ランドはザロアと結婚するようで、そのショックによりシャイナは前世の記憶を思い出す。 今まで家族に利用されていたシャイナは、家から出ていくことを決意した。

処理中です...