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其は天命の刻、誰が為の決意
信じた恋に終焉を。
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「……思い、出したよ。……全部。君と遊んだ記憶。君と過ごした日々。君を拒絶した、あの血濡れの夜。全部、全部僕がやったことだ」
『そっか……でも、ごめんね……貴方を……私は貴方を、殺すから……っ!』
涙に濡れた悲痛な声が、無線越しに聞こえてくる。しかし惜しむらくはタイムラグ、もう既に僕の目の前では、サイドツーが長刀を振り上げていた。
「そうだ、思い出した。そして、結論は出してきたんだ……この想いは、君に伝えるべき想いだった……!」
振り下ろされた長刀を、ヴェンデッタの左腕でガードする。
……もちろんヴェンデッタの左腕は、長刀の触れたところからパックリとその断面を見せ、一刀のうちに両断されてしまったが———そんなことは、今はどうだっていい。
「リコ、君は……君は僕を信じてくれた。これまで君はずっと……ずっと、鈍感な僕を信じ続けてくれた。
……だから僕は……君に言いたいことがあって…………ここまで来たんだ……!」
玉砕覚悟でリコのサイドツーに突撃し、左腕でその腰部を押さえ込み、地面に一直線。
スラスターを最大出力で吹かし、リコのサイドツーを地面に叩きつけるかの如く落下する。
『なぁ……っ?!』
「君に…………聞いてもらうためだ!」
地面に衝突する寸前でスラスターを吹かして再度浮上する。
『強引……すぎるんじゃないっ!』
「そうかもだけど……僕はそれでも構わない。君がどう返事をしようと構わない、僕はただ、この想いを君に伝えるためだけにここに来たんだから……!
そこに、本物や偽物の僕なんて関係ない、ただ僕は、今ここにある本物の想いを、君に伝えたいだけなんだ……!」
今しかない……もう今を逃したら、2度とチャンスは訪れない……だから、ありったけを———っ!
「ありがとう、リコ!」
『———はっ?』
「僕は……僕は君に『ありがとう』を言うために、はるばるここまで来たんだ! もう一度君に会って、どんな些細なことでも『ありがとう』と感謝を伝える為に!
……まず、僕に話しかけてくれてありがとう! 何も知らない僕に、機動小隊のことを教えてくれて、ありがとう!
一緒に『虹』の丘を見てくれて、ありがとう! 連れ出してくれて、ありがとう! 朝食を僕の代わりに頼んでくれて、ありがとう! 他にも言い出したら……キリがない!
僕に決意を決めさせてくれた事も感謝しているし……何より、やっぱり———僕が僕でないと知っていても、僕を信じてくれて———ありがとう!
ありがとう、ありがとう、ありがとうっ!
目一杯のありがとうを、感謝を、ただそれだけを君に———伝えたかったんだよ、リコ!」
『っ、意味分かんない、何も……私の想いも、ほとんど何も知らないってのに、知らなかったってのに、無視し続けてきたってのに、貴方は———!』
「僕は君に感謝している、どこまでも、ずっと。だけど、僕は感じてしまった……君の事が、好きだって言う事を!
もう、隠しはしない———君に伝えてみせるって決めたんだ、そして僕のことを分かってもらうって、そう決めたんだ……!」
色んな人と出会った……
人界王、トランスフィールドの軍人さん……セン隊長、レイさん、ライ前教官……そんな色んな人と出会って、そして導き出した僕の結論、それが……君が好きだって言う、そんな単純な想いを伝えること……ただそれだけだった。
リコのサイドツーが急速に発進する。行き場のない憎しみの刃が振り下ろされんとこちらに迫る。それでも話すのは止めない。僕の本当の気持ちは、まだ伝わっていないんだ……!
「いいや、終わらせないっ! まだ僕は———僕たちは約束を果たしてないじゃないか!
……守れない約束なんてしたくない、でもあの約束は、本当に守れるものかどうか分からないものだけど……!」
『…………っ!』
一瞬のみ動きが止まったリコのサイドツーを押し倒し、真正面からその姿を見下ろす。
その時、ヴェンデッタが再び目を覚ましたのが分かった。
僕の想いに呼応して、僕のために動いてくれると言っているのが分かったんだ。
『頑張れ』って、背中を押してくれているのが、よく分かったんだ。
「……だけど、僕は諦めたくない! たとえ君が、どんな憎しみに囚われていたとしても、そんなものは今は何1つ関係ない!」
もう、コックピットに乗っている必要はない。だって、君と一緒にいたいのだから。
ひとりでに開いたコックピットから這い出て、ヴェンデッタに捕まりながら———リコの乗るコックピットに向かって手を伸ばす。
「ただ僕は君が好きで、好きで好きでたまらないんだ、君と一緒に、夢いっぱいに広がる『虹』をこの目に見たいんだよ!
憎しみに囚われている君なんて、僕は見たくない!……救ってみせる、君の事を絶対に———救ってみせるから———!」
辺りを虹が覆い始める。ヴェンデッタの発する虹色の光が、まるで僕たちを祝福するかのように照らし出す。
「だから来てくれ、僕と一緒に行こう、リコ!
僕は君が……君の事が、大好きなんだーーーっ!!!!」
サイドツーの胸部コックピットが、ゆっくりと開いてゆく。そこには、僕の望んだ君の姿が———いつもと変わらず、ただそこにいた。
「……本当に……馬鹿……じゃないの……!」
震えながらも伸ばされたその手に、無理をしてでも近づこうとする。君のその美しい手を、ぎゅっとどこまでも握りしめて、もう2度と離さないようにするために。
「捕まえ……たっ!」
瞬間、ヴェンデッタはひとりでに動き出し、残った右腕で僕たちを支えてくれた。
僕が右腕に掴んだリコの手は、絶対に離さない。そう決めたんだ、僕は。
「……僕は……もう1回言うけれども、君が好きでたまらないんだ、君を信じてみたいんだ、君と一緒に『虹』を見てみたいんだ!……それが何なのか、まだ僕には分からないけども……
でも僕は、君とソレが見たいんだ、君とじゃなきゃダメなんだ!……だから———僕と一緒に来てくれないか、リコ!」
垂直になったヴェンデッタの手のひらの上に、僕たち2人は舞い降りる。
むすっとしていたリコの顔は、徐々に赤らめ、だんだんと緩んでいく。
……が、そんな表情に見惚れていた僕の腰に当てられたのは、小さなピストルの銃口だった。
「………………これは」
「動いたら……撃つよ、それでもいい?」
答えはすでに出ていた。だから、僕は行動で示してみせることにした。
……それでもいいんだ。もし、ここで撃たれようとも、それでも君に伝えたいことがあったんだよ。
「……できることだったら……君を救ってあげたかった。君に、そんな憎しみに囚われている姿は似合わないから。……でも、君がこれで終わらせるって言うんだったら、それもいいと思う。
身勝手だけども、最後に君に『好きだ』と伝えられて……よかったから」
完全に諦めていた。次の瞬間、僕の腰には激痛が走り、そのまま僕は死んでしまうのだろうと思った瞬間だった。
「あちゃ~……セーフティ、外し忘れて……た」
抱きしめられ、目を瞑ったまま……彼女はそう、口走った。
「え———」
「……ふふ、冗談。いや、セーフティを外してないのは冗談じゃないけども、本当は撃つ気なんて……殺す気なんて、さっきの話を聞いたら完全に消え失せちゃった」
たはは、とその顔が陽気に揺れる。
「は……ありがとう、リコ。……また、君に感謝する事が増えちゃ———」
「…………それにしても……こんの~っ、バカっ!」
「いぃ……?!」
「バカバカバカ、バカっ!!!!
なんであんなに大声で色々言っちゃうワケよっ、もうちょっと段階踏んで色々言うもんだと思ってたのに……あんなの……ははは、恥ずかしすぎて……!!」
……リコにも、恥ずかしいなんてものがあったのか!!!!
「あ……あ、ああ、うん……ごめん。ちょっと……色々と口走りすぎた……かも」
赤面で俯いたまま僕の胸を叩くリコを見下ろしながら、もう一度深く抱きしめる。そして、答えを聞く時がやってきた。
「リコ、結局、君は———君の、答えを聞いてなかった。
聞いてもいい?……僕と一緒に、来てくれるのかどうか………………いいや、
僕の想いを、受け入れてくれるかどうかを」
数秒間、互いに黙り込んだあと。風の音も、虫の羽音も、森の吐息も止んでしまって、完全に無音になった瞬間に、彼女はようやく呟いてくれた。
「…………………………意味、分かんないっての」
『そっか……でも、ごめんね……貴方を……私は貴方を、殺すから……っ!』
涙に濡れた悲痛な声が、無線越しに聞こえてくる。しかし惜しむらくはタイムラグ、もう既に僕の目の前では、サイドツーが長刀を振り上げていた。
「そうだ、思い出した。そして、結論は出してきたんだ……この想いは、君に伝えるべき想いだった……!」
振り下ろされた長刀を、ヴェンデッタの左腕でガードする。
……もちろんヴェンデッタの左腕は、長刀の触れたところからパックリとその断面を見せ、一刀のうちに両断されてしまったが———そんなことは、今はどうだっていい。
「リコ、君は……君は僕を信じてくれた。これまで君はずっと……ずっと、鈍感な僕を信じ続けてくれた。
……だから僕は……君に言いたいことがあって…………ここまで来たんだ……!」
玉砕覚悟でリコのサイドツーに突撃し、左腕でその腰部を押さえ込み、地面に一直線。
スラスターを最大出力で吹かし、リコのサイドツーを地面に叩きつけるかの如く落下する。
『なぁ……っ?!』
「君に…………聞いてもらうためだ!」
地面に衝突する寸前でスラスターを吹かして再度浮上する。
『強引……すぎるんじゃないっ!』
「そうかもだけど……僕はそれでも構わない。君がどう返事をしようと構わない、僕はただ、この想いを君に伝えるためだけにここに来たんだから……!
そこに、本物や偽物の僕なんて関係ない、ただ僕は、今ここにある本物の想いを、君に伝えたいだけなんだ……!」
今しかない……もう今を逃したら、2度とチャンスは訪れない……だから、ありったけを———っ!
「ありがとう、リコ!」
『———はっ?』
「僕は……僕は君に『ありがとう』を言うために、はるばるここまで来たんだ! もう一度君に会って、どんな些細なことでも『ありがとう』と感謝を伝える為に!
……まず、僕に話しかけてくれてありがとう! 何も知らない僕に、機動小隊のことを教えてくれて、ありがとう!
一緒に『虹』の丘を見てくれて、ありがとう! 連れ出してくれて、ありがとう! 朝食を僕の代わりに頼んでくれて、ありがとう! 他にも言い出したら……キリがない!
僕に決意を決めさせてくれた事も感謝しているし……何より、やっぱり———僕が僕でないと知っていても、僕を信じてくれて———ありがとう!
ありがとう、ありがとう、ありがとうっ!
目一杯のありがとうを、感謝を、ただそれだけを君に———伝えたかったんだよ、リコ!」
『っ、意味分かんない、何も……私の想いも、ほとんど何も知らないってのに、知らなかったってのに、無視し続けてきたってのに、貴方は———!』
「僕は君に感謝している、どこまでも、ずっと。だけど、僕は感じてしまった……君の事が、好きだって言う事を!
もう、隠しはしない———君に伝えてみせるって決めたんだ、そして僕のことを分かってもらうって、そう決めたんだ……!」
色んな人と出会った……
人界王、トランスフィールドの軍人さん……セン隊長、レイさん、ライ前教官……そんな色んな人と出会って、そして導き出した僕の結論、それが……君が好きだって言う、そんな単純な想いを伝えること……ただそれだけだった。
リコのサイドツーが急速に発進する。行き場のない憎しみの刃が振り下ろされんとこちらに迫る。それでも話すのは止めない。僕の本当の気持ちは、まだ伝わっていないんだ……!
「いいや、終わらせないっ! まだ僕は———僕たちは約束を果たしてないじゃないか!
……守れない約束なんてしたくない、でもあの約束は、本当に守れるものかどうか分からないものだけど……!」
『…………っ!』
一瞬のみ動きが止まったリコのサイドツーを押し倒し、真正面からその姿を見下ろす。
その時、ヴェンデッタが再び目を覚ましたのが分かった。
僕の想いに呼応して、僕のために動いてくれると言っているのが分かったんだ。
『頑張れ』って、背中を押してくれているのが、よく分かったんだ。
「……だけど、僕は諦めたくない! たとえ君が、どんな憎しみに囚われていたとしても、そんなものは今は何1つ関係ない!」
もう、コックピットに乗っている必要はない。だって、君と一緒にいたいのだから。
ひとりでに開いたコックピットから這い出て、ヴェンデッタに捕まりながら———リコの乗るコックピットに向かって手を伸ばす。
「ただ僕は君が好きで、好きで好きでたまらないんだ、君と一緒に、夢いっぱいに広がる『虹』をこの目に見たいんだよ!
憎しみに囚われている君なんて、僕は見たくない!……救ってみせる、君の事を絶対に———救ってみせるから———!」
辺りを虹が覆い始める。ヴェンデッタの発する虹色の光が、まるで僕たちを祝福するかのように照らし出す。
「だから来てくれ、僕と一緒に行こう、リコ!
僕は君が……君の事が、大好きなんだーーーっ!!!!」
サイドツーの胸部コックピットが、ゆっくりと開いてゆく。そこには、僕の望んだ君の姿が———いつもと変わらず、ただそこにいた。
「……本当に……馬鹿……じゃないの……!」
震えながらも伸ばされたその手に、無理をしてでも近づこうとする。君のその美しい手を、ぎゅっとどこまでも握りしめて、もう2度と離さないようにするために。
「捕まえ……たっ!」
瞬間、ヴェンデッタはひとりでに動き出し、残った右腕で僕たちを支えてくれた。
僕が右腕に掴んだリコの手は、絶対に離さない。そう決めたんだ、僕は。
「……僕は……もう1回言うけれども、君が好きでたまらないんだ、君を信じてみたいんだ、君と一緒に『虹』を見てみたいんだ!……それが何なのか、まだ僕には分からないけども……
でも僕は、君とソレが見たいんだ、君とじゃなきゃダメなんだ!……だから———僕と一緒に来てくれないか、リコ!」
垂直になったヴェンデッタの手のひらの上に、僕たち2人は舞い降りる。
むすっとしていたリコの顔は、徐々に赤らめ、だんだんと緩んでいく。
……が、そんな表情に見惚れていた僕の腰に当てられたのは、小さなピストルの銃口だった。
「………………これは」
「動いたら……撃つよ、それでもいい?」
答えはすでに出ていた。だから、僕は行動で示してみせることにした。
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身勝手だけども、最後に君に『好きだ』と伝えられて……よかったから」
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抱きしめられ、目を瞑ったまま……彼女はそう、口走った。
「え———」
「……ふふ、冗談。いや、セーフティを外してないのは冗談じゃないけども、本当は撃つ気なんて……殺す気なんて、さっきの話を聞いたら完全に消え失せちゃった」
たはは、とその顔が陽気に揺れる。
「は……ありがとう、リコ。……また、君に感謝する事が増えちゃ———」
「…………それにしても……こんの~っ、バカっ!」
「いぃ……?!」
「バカバカバカ、バカっ!!!!
なんであんなに大声で色々言っちゃうワケよっ、もうちょっと段階踏んで色々言うもんだと思ってたのに……あんなの……ははは、恥ずかしすぎて……!!」
……リコにも、恥ずかしいなんてものがあったのか!!!!
「あ……あ、ああ、うん……ごめん。ちょっと……色々と口走りすぎた……かも」
赤面で俯いたまま僕の胸を叩くリコを見下ろしながら、もう一度深く抱きしめる。そして、答えを聞く時がやってきた。
「リコ、結局、君は———君の、答えを聞いてなかった。
聞いてもいい?……僕と一緒に、来てくれるのかどうか………………いいや、
僕の想いを、受け入れてくれるかどうかを」
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