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第一章 幼年期
行動の理由
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「だめです。スカートをつまみつつ膝も曲げながらお辞儀もするんです。全部並行して行わないと」
屋敷の一室で、リディアはエレナから特訓を受けていた。
「また膝を曲げ終えてからお辞儀してます。もう一回。――今度はお辞儀が終わってから膝曲げてますね」
何度もダメ出しされながら、同じ動作を繰り返す。実は昨日のダンスレッスンのせいであちこち筋肉痛が辛いのだが、そうも言っていられない。野球部のときにバッティングのフォームを直したときだって、結局繰り返し練習するしかなかったのだ。そう思って、リディアはエレナに不調を訴えることなく、素直にカーテシーの仕草を繰り返す。
「少し良くなってきましたけど、ぎこちなさが抜けないんですよね」
「……頭で考えながらやってるからだと思う……ますわ」
リディアは自分の問題点を、そう自己分析した。
「やっぱりそうですよねえ。じゃあ、考えずにできるようになるまで反復練習しかないか」
体力のないリディアの身体でこれ以上の反復練習はきつい。だが明日にもマルガリータ様が到着するかもしれない。少しでも練習して、早く自然なカーテシーをできるようになっておきたい。
痛む脚を堪えながら練習を再開したとき、部屋のドアがノックされた。
「キコです。入ってもよろしいでしょうか」
キコがなんの用だろう、という釈然としない表情をしながらも、エレナは「どうぞ」と入室を促す。入ってきたキコは、リディアたちに一礼する。
「お茶を淹れましたので、少し休憩されてはどうですか?」
それに対しエレナがなにか答える前に、リディアはきっぱりと拒絶する。
「申し訳ありませんけどもう少し練習を続けたいので」
せっかく、ぎこちないとはいえ手と膝とお辞儀の動きを並行してできるようになってきたところなのだ。ここで休んでしまうと、覚えたことを忘れてしまいかねない。
そんなリディアを見てキコは、エレナの方に向き直って言う。
「エレナさん、リディア様は昨日のダンスレッスンで慣れない運動をなさって疲れていると思うのです。無理をなさらないようにエレナさんからも言ってあげて」
言われてエレナは、今気づいた、という表情で慌ててリディアに言う。
「失礼いたしました。確かにそうですね。リディア様、休憩致しましょう」
「いいえ、ちっとも疲れていませんし大丈夫ですわ」
練習続行を主張するリディアだが、エレナは譲らない。
「身体を鍛えるための特訓であれば多少はご無理をなさるのも必要かもしれませんが、カーテシーの練習はそういう類のものではございません。焦っても礼儀作法が身につくわけではないのですから、適切な休憩を挟みながら練習したほうが効果的というものです」
エレナが頑として休憩を主張するので、リディアの寝室に移動してキコの淹れたお茶をいただくことになった。
「キコ、お嬢様をお気遣いくださりありがとうございます。お茶を淹れるのは、本来ならわたくしの仕事ですのに」
申し訳なさそうなエレナに、キコは「いえいえ」と微笑みかえす。
「エレナさんはリディア様に挨拶の仕方を教えるという仕事があったわけですから。お茶の用意は手の空いている者がすればいい」
リディアは二人のやりとりを眺めつつ、やはりキコが焼いたと言うスコーンにサワークリームを塗って一口かじる。スコーンの焼き方なんてよく知らないけど、小麦粉を練るところからやるならきっと三十分程度かそれ以上はかかるのだろう。そう考えると、リディアたちが特訓を始めた直後ぐらいにお茶の用意を始めたのかもしれない。いち早く休憩の必要性を悟って準備を始めるキコの心配りは大したものだ。
「――それにしても、カーテシーとかいう仕草、意味不明ですわ。なんでスカートをつまみ上げるんですの?」
リディアは頬張ったスコーンを飲み下すと、熱い紅茶を一口飲んでから言った。砂糖もミルクも入れない紅茶が香ばしいスコーンに良く合う。
「意味は、何なんでしょうね? 私も良くわからないです」
キコは少し困ったような曖昧な笑みで答える。
「確か、跪こうとする動作らしいですよ?」
エレナが、口に含んでいた紅茶をこくりと飲み下してから言う。
「ああ、なるほど」
意味が全くわからなかった動作の理由が理解できて、リディアはぽん、と自分の左手を右手の拳で打った。跪くからスカートが地面につかないようにつまみ上げる。腑に落ちてしまえばわかりやすい動作だ。
そんなリディアの様子を見つめて、エレナがにんまりと笑顔になる。
「なんですのエレナ? わたくしの顔にサワークリームでもついていて?」
「いいえ。ただ何となくですが、リディア様はこれ以上特訓をなさらなくても、上手にカーテシーができるようになっているような予感がしましたもので」
「え? どうしてですの?」
エレナは、自分の予感の理由を説明した。
リディアのカーテシーがぎこちなかったのは、「あれをする」「これをする」と頭でいろいろ考えながら身体を動かしていたからだ。動作の理由がわからないので「裾をつまむ」「膝を曲げる」「お辞儀をする」をそれぞれ独立した動作としてそれぞれを頭で考えて行っていた。
しかし「偉い人に対し跪いてお辞儀をする」というのは非常にわかりやすい行動であって、カーテシーとはつまりその動作を謂わば簡略化したようなものだと理解してしまえば、バラバラだった三つの動作を一連のものとして考えられる。だからもうリディアの抱えていた課題は解消されたのではないか。というのだ。
「もちろん人にはそれぞれ個性というものがありまして、理由や根拠などの背景を知ることで急に上達する人と、背景を知ろうが知るまいがあまり関係ない人とが居りますが、リディア様は前者のような気がします」
「どうして、そう思いますの?」
「地頭は良い方だと思いますので」
地頭はって何だよとか、知り合って数日しか経ってないのに何が分かるんだとか、いろいろ言いたいことはあったけれども、褒められて悪い気はしないので、リディアは「ありがとう」とだけ言って、もう一口スコーンをかじった。
「ですが念のため、休憩が終わったらさっきの部屋に戻って練習を再開しましょう」
というわけで、ひとしきり美味しい紅茶とスコーンを楽しんだ後、特訓を再開することになった。
特訓に使っていた部屋に戻ってくるとき、その部屋の近くですれ違った使用人の一人を見て、キコが怪訝な顔をする。
「今の人。この屋敷の使用人ではないですね」
言われてエレナも、何かを思い出したようだ。
「そういえばあの方、ボルハ侯爵家のお付きの使用人です。侯爵家の皆様をお出迎えした時に見た憶えがあります」
「ボルハ侯爵家の方々は屋敷の反対側の部屋にお通ししたはずなのに、何の用だったのかな?」
不思議に思いながらも、部屋のドアを開ける。
不意に、リディアの顔面目がけて小さな黒い物体が飛んできて貼りついた。反射的にリディアはそれを右手で掴む。
「リ、リディア様、それ――!」
エレナが、驚愕を通り越して怯えたような声を出す。リディアが自分の手の平の中を見ると、ゴキブリが一匹、逃げようともがいていた。
「へ、部屋の中にまだいます!」
キコが叫ぶ。確かに、リディアが捕獲したものの他に、部屋の中には数匹、カサカサとうごめく黒い影がある。
状況から考えて、ボルハ侯爵母娘が嫌がらせ目的で、使用人に命じて虫を放ったのだろう。
「――ふうん。このオレ、じゃなくて、このリディア・エチェバルリアを本気で怒らせたらどうなるか、そんなに見てみたいのですわね――」
リディアは自分の心に、静かだが強い怒りの炎がふつふつとわきあがってくるのを感じた。
屋敷の一室で、リディアはエレナから特訓を受けていた。
「また膝を曲げ終えてからお辞儀してます。もう一回。――今度はお辞儀が終わってから膝曲げてますね」
何度もダメ出しされながら、同じ動作を繰り返す。実は昨日のダンスレッスンのせいであちこち筋肉痛が辛いのだが、そうも言っていられない。野球部のときにバッティングのフォームを直したときだって、結局繰り返し練習するしかなかったのだ。そう思って、リディアはエレナに不調を訴えることなく、素直にカーテシーの仕草を繰り返す。
「少し良くなってきましたけど、ぎこちなさが抜けないんですよね」
「……頭で考えながらやってるからだと思う……ますわ」
リディアは自分の問題点を、そう自己分析した。
「やっぱりそうですよねえ。じゃあ、考えずにできるようになるまで反復練習しかないか」
体力のないリディアの身体でこれ以上の反復練習はきつい。だが明日にもマルガリータ様が到着するかもしれない。少しでも練習して、早く自然なカーテシーをできるようになっておきたい。
痛む脚を堪えながら練習を再開したとき、部屋のドアがノックされた。
「キコです。入ってもよろしいでしょうか」
キコがなんの用だろう、という釈然としない表情をしながらも、エレナは「どうぞ」と入室を促す。入ってきたキコは、リディアたちに一礼する。
「お茶を淹れましたので、少し休憩されてはどうですか?」
それに対しエレナがなにか答える前に、リディアはきっぱりと拒絶する。
「申し訳ありませんけどもう少し練習を続けたいので」
せっかく、ぎこちないとはいえ手と膝とお辞儀の動きを並行してできるようになってきたところなのだ。ここで休んでしまうと、覚えたことを忘れてしまいかねない。
そんなリディアを見てキコは、エレナの方に向き直って言う。
「エレナさん、リディア様は昨日のダンスレッスンで慣れない運動をなさって疲れていると思うのです。無理をなさらないようにエレナさんからも言ってあげて」
言われてエレナは、今気づいた、という表情で慌ててリディアに言う。
「失礼いたしました。確かにそうですね。リディア様、休憩致しましょう」
「いいえ、ちっとも疲れていませんし大丈夫ですわ」
練習続行を主張するリディアだが、エレナは譲らない。
「身体を鍛えるための特訓であれば多少はご無理をなさるのも必要かもしれませんが、カーテシーの練習はそういう類のものではございません。焦っても礼儀作法が身につくわけではないのですから、適切な休憩を挟みながら練習したほうが効果的というものです」
エレナが頑として休憩を主張するので、リディアの寝室に移動してキコの淹れたお茶をいただくことになった。
「キコ、お嬢様をお気遣いくださりありがとうございます。お茶を淹れるのは、本来ならわたくしの仕事ですのに」
申し訳なさそうなエレナに、キコは「いえいえ」と微笑みかえす。
「エレナさんはリディア様に挨拶の仕方を教えるという仕事があったわけですから。お茶の用意は手の空いている者がすればいい」
リディアは二人のやりとりを眺めつつ、やはりキコが焼いたと言うスコーンにサワークリームを塗って一口かじる。スコーンの焼き方なんてよく知らないけど、小麦粉を練るところからやるならきっと三十分程度かそれ以上はかかるのだろう。そう考えると、リディアたちが特訓を始めた直後ぐらいにお茶の用意を始めたのかもしれない。いち早く休憩の必要性を悟って準備を始めるキコの心配りは大したものだ。
「――それにしても、カーテシーとかいう仕草、意味不明ですわ。なんでスカートをつまみ上げるんですの?」
リディアは頬張ったスコーンを飲み下すと、熱い紅茶を一口飲んでから言った。砂糖もミルクも入れない紅茶が香ばしいスコーンに良く合う。
「意味は、何なんでしょうね? 私も良くわからないです」
キコは少し困ったような曖昧な笑みで答える。
「確か、跪こうとする動作らしいですよ?」
エレナが、口に含んでいた紅茶をこくりと飲み下してから言う。
「ああ、なるほど」
意味が全くわからなかった動作の理由が理解できて、リディアはぽん、と自分の左手を右手の拳で打った。跪くからスカートが地面につかないようにつまみ上げる。腑に落ちてしまえばわかりやすい動作だ。
そんなリディアの様子を見つめて、エレナがにんまりと笑顔になる。
「なんですのエレナ? わたくしの顔にサワークリームでもついていて?」
「いいえ。ただ何となくですが、リディア様はこれ以上特訓をなさらなくても、上手にカーテシーができるようになっているような予感がしましたもので」
「え? どうしてですの?」
エレナは、自分の予感の理由を説明した。
リディアのカーテシーがぎこちなかったのは、「あれをする」「これをする」と頭でいろいろ考えながら身体を動かしていたからだ。動作の理由がわからないので「裾をつまむ」「膝を曲げる」「お辞儀をする」をそれぞれ独立した動作としてそれぞれを頭で考えて行っていた。
しかし「偉い人に対し跪いてお辞儀をする」というのは非常にわかりやすい行動であって、カーテシーとはつまりその動作を謂わば簡略化したようなものだと理解してしまえば、バラバラだった三つの動作を一連のものとして考えられる。だからもうリディアの抱えていた課題は解消されたのではないか。というのだ。
「もちろん人にはそれぞれ個性というものがありまして、理由や根拠などの背景を知ることで急に上達する人と、背景を知ろうが知るまいがあまり関係ない人とが居りますが、リディア様は前者のような気がします」
「どうして、そう思いますの?」
「地頭は良い方だと思いますので」
地頭はって何だよとか、知り合って数日しか経ってないのに何が分かるんだとか、いろいろ言いたいことはあったけれども、褒められて悪い気はしないので、リディアは「ありがとう」とだけ言って、もう一口スコーンをかじった。
「ですが念のため、休憩が終わったらさっきの部屋に戻って練習を再開しましょう」
というわけで、ひとしきり美味しい紅茶とスコーンを楽しんだ後、特訓を再開することになった。
特訓に使っていた部屋に戻ってくるとき、その部屋の近くですれ違った使用人の一人を見て、キコが怪訝な顔をする。
「今の人。この屋敷の使用人ではないですね」
言われてエレナも、何かを思い出したようだ。
「そういえばあの方、ボルハ侯爵家のお付きの使用人です。侯爵家の皆様をお出迎えした時に見た憶えがあります」
「ボルハ侯爵家の方々は屋敷の反対側の部屋にお通ししたはずなのに、何の用だったのかな?」
不思議に思いながらも、部屋のドアを開ける。
不意に、リディアの顔面目がけて小さな黒い物体が飛んできて貼りついた。反射的にリディアはそれを右手で掴む。
「リ、リディア様、それ――!」
エレナが、驚愕を通り越して怯えたような声を出す。リディアが自分の手の平の中を見ると、ゴキブリが一匹、逃げようともがいていた。
「へ、部屋の中にまだいます!」
キコが叫ぶ。確かに、リディアが捕獲したものの他に、部屋の中には数匹、カサカサとうごめく黒い影がある。
状況から考えて、ボルハ侯爵母娘が嫌がらせ目的で、使用人に命じて虫を放ったのだろう。
「――ふうん。このオレ、じゃなくて、このリディア・エチェバルリアを本気で怒らせたらどうなるか、そんなに見てみたいのですわね――」
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