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第二章 聖女の秘密
リタ
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あの子はどうしてこう、わざわざ危ない橋を渡るのか。毎度のことながら、エレナはそう思わずにはいられない。
翌々日の月曜日、放課後にリディアはエウラリアを自室に招いていた。
「三十分だけ、お時間をいただけませんか? わたくしの部屋でお話がしたいんですの」
そうお願いするリディアの真剣な気持ちが伝わったようで、エウラリアとリタは招待に応じてくれた。
「今日はお茶会というわけではありませんけど、紅茶を淹れてきますね」
そう言ってエレナは立ち上がり、リタの方を見やる。
「あの、えっと、その……、リタさんも手伝っていただけますか」
連れ出す口実ヘタクソか! と、リディアが非難がましい目を向けてくる。でもリタは不思議そうな顔をしながらも「かまいませんけど」と言ってついて来てくれたので、結果オーライだ。
ただ実際、手伝ってもらう作業なんかあるわけがない。今からクッキーなりスコーンなり焼いている時間はないから、お茶受けは用意できない。お湯を沸かしてお茶っ葉を入れたティーポットに注いで、あとはしばし待つだけ。分担する必要もないしそもそも分担しようがない。
「えっと、……手伝っていただきたいのは……」
寮生やその侍女用の、小さなかまどのある給湯室までやって来た後で、エレナがしどろもどろになりながらリタに何かの作業をお願いしようとしていると、リタはくすりと笑って言った。
「無理に仕事を作っていただかなくても、エウラリア様たちのところへ戻ったりしませんよ。お二人だけでお話したいことがあるのでしょう?」
「え、ええ。ご協力いただきありがとうございます」
あんな下手な連れ出し方すればさすがに察するよね。エレナは自分の機転の効かなさに軽く幻滅しながら、リタに頭を下げた。
「お嬢様には、同じ年ごろのお友達が必要なんです」
リタはそう言って微笑んだ。
「お嬢様が何かに悩んでいらっしゃるのは、ずっと前から気づいておりました。ちょうど堅信礼の日あたりからでしょうか、もともと無口だったお嬢様が物憂げな表情をされていることが多くなって、心配していたのですが、わたくしはあくまで侍女ですので、友達のように悩みを聞いてさしあげることはできませんでした」
かまどの薬缶を見やりながら、リタは話を続ける。
「先日のお茶会で、リディア様はエウラリア様を気遣ってくださっていると感じました。エウラリア様がその話題には触れて欲しくなさそうにしていると、すぐに察して話題を変えてくださったり。あの方がお友達になってくだされば、わたくしも安心です」
「あはは。リディア様がいれば安心、ですか」
薬缶のお湯が沸騰したので火からおろしながら、エレナは思わず笑ってしまう。リディアと過ごしたこの六年ほどの経験からすれば、『リディアがいれば安心』なんて冗談にしか聞こえない。むしろ、リディアのせいで何度ヒヤヒヤさせられたことか。
今だってそうだ。ただ「素直にお友達になりたいと言ったらいい」とアドバイスされただけなのに、リディアはもっと危険なことをやろうとしている。
入学初日のクロエに対してもそうだったが、他人を助けようと思ったときは、あの子はいつだって少しやりすぎる。
自分を危険にさらしても、相手にとって必要十分な助けよりももう一歩、相手に寄り添おうとする。
ティーポットにお茶っ葉とお湯を入れ、ポットカバーを被せて、後は待つだけ、と思ってエレナが調理台から離れると、リタが入れ替わりに調理台に立って薬缶を持ち上げた。
「ティーカップにお湯を入れて温めておくと良いですよ。本当はティーポットもお茶っ葉を入れる前に一度お湯を入れて温めてから、そのお湯を捨ててお茶っ葉を入れるともっといいんですけど」
言いながら、カップにお湯を注ぐ。
「なるほど。勉強になります」
本当なら、メイドたるものそういうお茶の淹れ方は知っていて当然なのかもしれないが、六年前に過去の記憶を失っているエレナにとってはありがたいアドバイスだった。
お茶っ葉を入れてから五分ほどが経過した。そろそろ飲み頃だろう。お湯を沸かす時間も含めると十五分くらい経っているから、そろそろ戻っても良い頃合いかもしれない。
「では、お部屋に戻りましょう」
エレナはそうリタに告げながら、多少の不安を感じていた。今回のリディアの行動は一種の賭けだ。勝算が高いと判断したからこそエレナもゴーサインを出したのだが、もし失敗すればまずいことになる。最悪の場合、エウラリアがリディアは取りかえ児だと周囲に告発したりしかねない。
リディアは、エウラリアが転生者かどうかの確証が得られないまま、自分たちの秘密を明かすことにしたのだ。それくらい自分の気持を正直にぶつけないと、『氷の聖女』の心を開くことはできないと思ったのだそうだ。
エレナとリタが離席している間に、その話はもう終わっているだろう。うまく行っていればいいけれど、と、エレナは緊張から生唾をごくりと飲み込む。
「エレナさんは、ひょっとしてお嬢様のお悩みについて、なにか心当たりがあるのではありませんか?」
自室へと一緒に歩きながら、リタがそう尋ねてきた。
「え? ど、どうしてそう思われるんですか?」
「なんとなくですが、リディア様がわたくし達抜きで話しをしたいと言い出したのは、エウラリア様のお悩みの原因の察しがついているからなのかなと思いまして。そして事の成り行きを心配しているエレナさんの様子を見るに、どんな話し合いをするつもりか知っている風に見受けられましたので」
するどい。とエウラリアは感心した。周囲の人間をよく観察していて、行動の理由を推察することに長けている女性だ。そうして推察した上で過度な干渉はせず、さり気なくサポートしてくれたりする人だ。エウラリアが悩みながらも今までなんとかやってこれたのは、きっとリタがいたからだろう。
「……わたくしとリディア様には、ある秘密があります。リディア様はエウラリア様にご自分の秘密を明かすことで、エウラリア様の信用を得ようとしています。わたくしに言えるのはそれだけです」
少し考えて、エレナはそう答えた。リタが賢く、しかも非常に優しい女性であることはわかっているが、あまり多くのことを教えるわけにはいかない。
その返事を聞くと、リタはにっこりと微笑んだ。
「ふふっ。秘密を共有しあえる友達っていいですよね。リディア様とエレナさんはそういうお友達なんですね。エウラリア様もその輪の中に入ることができるとわたくしは信じています。そうすると、わたくしはお邪魔かしら?」
「お、お邪魔なんてとんでもない! え、えっと……、その秘密はリタさんには教えられなくて申し訳ないのですが、別の秘密を共有しましょう! た、例えば、……例えばわたくし、嫌なことがあった日の夜は、枕をリディア様に見立てて思い切りぶん殴って発散するんです! リディア様の昔の服のフリルを少しいただいて枕に縫い付けてあって……、リディア様には内緒ですよ!」
思わず声を大きくして慌てて取り繕うエレナに、リタは微笑んだまま答える。
「そのお話は、また今度に致しましょう。リディア様のお部屋に着いてしまいましたから」
言われてエレナは、自分がリディアの部屋の前にいることに気づく。リタとのおしゃべりに夢中になってしまっていたが、この部屋の中には、お友達になったリディアとエウラリアか、取りかえ児だとバレたリディアとそれに怯えるエウラリアか、どちらかがいるはずだ。
緊張の面持ちで扉を開けると、直後にリディアの叱責が飛んできた。
「丸聞こえでしたわよ。この馬鹿メイド」
エレナを睨みつけるリディアの横では、エウラリアが口元を抑えて必死に笑いを堪えている。
えーとこの状況は……。エレナは考えを巡らせる。先ほどの扉の前での話がリディアたちに聞こえていたことは分かったが、肝心の、二人の話し合いの結果は……。
「お友達になれたみたいですね」
エレナが状況を把握するよりも早く、エウラリアにそう声をかける。エウラリアは口元を抑えたまま、「ええ」とだけ答える。
「で、わたくしたちの秘密、リタさんにどこまで喋ってしまったんですの?」
リディアが仏頂面でエレナに尋ねると、代わりにリタが返答する。
「何も聞いておりませんよ。秘密があるということと、それはわたくしには教えられないという事以外は。あ、それと、エレナさんのストレス解消方法の秘密以外は」
それはたった今秘密でもなんでもなくなりましたわ、と怒った表情のままリディアが言う。
「ではわたくし、お部屋のお掃除を忘れておりましたので、先に戻らせていただきます。エウラリア様は、どうぞこのままご歓談を」
そう言って一礼して、リタは部屋を出て行った。話し合いが上手く言ったことを見届けたので、気を遣って退室したのだろう。
エレナは賭けが成功したらしいことに安堵した後で、自分の仕事を思い出して二人に紅茶を淹れる。
「とりあえず、秘密は漏れなかったようですわね。リタさんのおかげで」
はい本当に何から何までリタさんのおかげです。エレナは、心からそう思った。
翌々日の月曜日、放課後にリディアはエウラリアを自室に招いていた。
「三十分だけ、お時間をいただけませんか? わたくしの部屋でお話がしたいんですの」
そうお願いするリディアの真剣な気持ちが伝わったようで、エウラリアとリタは招待に応じてくれた。
「今日はお茶会というわけではありませんけど、紅茶を淹れてきますね」
そう言ってエレナは立ち上がり、リタの方を見やる。
「あの、えっと、その……、リタさんも手伝っていただけますか」
連れ出す口実ヘタクソか! と、リディアが非難がましい目を向けてくる。でもリタは不思議そうな顔をしながらも「かまいませんけど」と言ってついて来てくれたので、結果オーライだ。
ただ実際、手伝ってもらう作業なんかあるわけがない。今からクッキーなりスコーンなり焼いている時間はないから、お茶受けは用意できない。お湯を沸かしてお茶っ葉を入れたティーポットに注いで、あとはしばし待つだけ。分担する必要もないしそもそも分担しようがない。
「えっと、……手伝っていただきたいのは……」
寮生やその侍女用の、小さなかまどのある給湯室までやって来た後で、エレナがしどろもどろになりながらリタに何かの作業をお願いしようとしていると、リタはくすりと笑って言った。
「無理に仕事を作っていただかなくても、エウラリア様たちのところへ戻ったりしませんよ。お二人だけでお話したいことがあるのでしょう?」
「え、ええ。ご協力いただきありがとうございます」
あんな下手な連れ出し方すればさすがに察するよね。エレナは自分の機転の効かなさに軽く幻滅しながら、リタに頭を下げた。
「お嬢様には、同じ年ごろのお友達が必要なんです」
リタはそう言って微笑んだ。
「お嬢様が何かに悩んでいらっしゃるのは、ずっと前から気づいておりました。ちょうど堅信礼の日あたりからでしょうか、もともと無口だったお嬢様が物憂げな表情をされていることが多くなって、心配していたのですが、わたくしはあくまで侍女ですので、友達のように悩みを聞いてさしあげることはできませんでした」
かまどの薬缶を見やりながら、リタは話を続ける。
「先日のお茶会で、リディア様はエウラリア様を気遣ってくださっていると感じました。エウラリア様がその話題には触れて欲しくなさそうにしていると、すぐに察して話題を変えてくださったり。あの方がお友達になってくだされば、わたくしも安心です」
「あはは。リディア様がいれば安心、ですか」
薬缶のお湯が沸騰したので火からおろしながら、エレナは思わず笑ってしまう。リディアと過ごしたこの六年ほどの経験からすれば、『リディアがいれば安心』なんて冗談にしか聞こえない。むしろ、リディアのせいで何度ヒヤヒヤさせられたことか。
今だってそうだ。ただ「素直にお友達になりたいと言ったらいい」とアドバイスされただけなのに、リディアはもっと危険なことをやろうとしている。
入学初日のクロエに対してもそうだったが、他人を助けようと思ったときは、あの子はいつだって少しやりすぎる。
自分を危険にさらしても、相手にとって必要十分な助けよりももう一歩、相手に寄り添おうとする。
ティーポットにお茶っ葉とお湯を入れ、ポットカバーを被せて、後は待つだけ、と思ってエレナが調理台から離れると、リタが入れ替わりに調理台に立って薬缶を持ち上げた。
「ティーカップにお湯を入れて温めておくと良いですよ。本当はティーポットもお茶っ葉を入れる前に一度お湯を入れて温めてから、そのお湯を捨ててお茶っ葉を入れるともっといいんですけど」
言いながら、カップにお湯を注ぐ。
「なるほど。勉強になります」
本当なら、メイドたるものそういうお茶の淹れ方は知っていて当然なのかもしれないが、六年前に過去の記憶を失っているエレナにとってはありがたいアドバイスだった。
お茶っ葉を入れてから五分ほどが経過した。そろそろ飲み頃だろう。お湯を沸かす時間も含めると十五分くらい経っているから、そろそろ戻っても良い頃合いかもしれない。
「では、お部屋に戻りましょう」
エレナはそうリタに告げながら、多少の不安を感じていた。今回のリディアの行動は一種の賭けだ。勝算が高いと判断したからこそエレナもゴーサインを出したのだが、もし失敗すればまずいことになる。最悪の場合、エウラリアがリディアは取りかえ児だと周囲に告発したりしかねない。
リディアは、エウラリアが転生者かどうかの確証が得られないまま、自分たちの秘密を明かすことにしたのだ。それくらい自分の気持を正直にぶつけないと、『氷の聖女』の心を開くことはできないと思ったのだそうだ。
エレナとリタが離席している間に、その話はもう終わっているだろう。うまく行っていればいいけれど、と、エレナは緊張から生唾をごくりと飲み込む。
「エレナさんは、ひょっとしてお嬢様のお悩みについて、なにか心当たりがあるのではありませんか?」
自室へと一緒に歩きながら、リタがそう尋ねてきた。
「え? ど、どうしてそう思われるんですか?」
「なんとなくですが、リディア様がわたくし達抜きで話しをしたいと言い出したのは、エウラリア様のお悩みの原因の察しがついているからなのかなと思いまして。そして事の成り行きを心配しているエレナさんの様子を見るに、どんな話し合いをするつもりか知っている風に見受けられましたので」
するどい。とエウラリアは感心した。周囲の人間をよく観察していて、行動の理由を推察することに長けている女性だ。そうして推察した上で過度な干渉はせず、さり気なくサポートしてくれたりする人だ。エウラリアが悩みながらも今までなんとかやってこれたのは、きっとリタがいたからだろう。
「……わたくしとリディア様には、ある秘密があります。リディア様はエウラリア様にご自分の秘密を明かすことで、エウラリア様の信用を得ようとしています。わたくしに言えるのはそれだけです」
少し考えて、エレナはそう答えた。リタが賢く、しかも非常に優しい女性であることはわかっているが、あまり多くのことを教えるわけにはいかない。
その返事を聞くと、リタはにっこりと微笑んだ。
「ふふっ。秘密を共有しあえる友達っていいですよね。リディア様とエレナさんはそういうお友達なんですね。エウラリア様もその輪の中に入ることができるとわたくしは信じています。そうすると、わたくしはお邪魔かしら?」
「お、お邪魔なんてとんでもない! え、えっと……、その秘密はリタさんには教えられなくて申し訳ないのですが、別の秘密を共有しましょう! た、例えば、……例えばわたくし、嫌なことがあった日の夜は、枕をリディア様に見立てて思い切りぶん殴って発散するんです! リディア様の昔の服のフリルを少しいただいて枕に縫い付けてあって……、リディア様には内緒ですよ!」
思わず声を大きくして慌てて取り繕うエレナに、リタは微笑んだまま答える。
「そのお話は、また今度に致しましょう。リディア様のお部屋に着いてしまいましたから」
言われてエレナは、自分がリディアの部屋の前にいることに気づく。リタとのおしゃべりに夢中になってしまっていたが、この部屋の中には、お友達になったリディアとエウラリアか、取りかえ児だとバレたリディアとそれに怯えるエウラリアか、どちらかがいるはずだ。
緊張の面持ちで扉を開けると、直後にリディアの叱責が飛んできた。
「丸聞こえでしたわよ。この馬鹿メイド」
エレナを睨みつけるリディアの横では、エウラリアが口元を抑えて必死に笑いを堪えている。
えーとこの状況は……。エレナは考えを巡らせる。先ほどの扉の前での話がリディアたちに聞こえていたことは分かったが、肝心の、二人の話し合いの結果は……。
「お友達になれたみたいですね」
エレナが状況を把握するよりも早く、エウラリアにそう声をかける。エウラリアは口元を抑えたまま、「ええ」とだけ答える。
「で、わたくしたちの秘密、リタさんにどこまで喋ってしまったんですの?」
リディアが仏頂面でエレナに尋ねると、代わりにリタが返答する。
「何も聞いておりませんよ。秘密があるということと、それはわたくしには教えられないという事以外は。あ、それと、エレナさんのストレス解消方法の秘密以外は」
それはたった今秘密でもなんでもなくなりましたわ、と怒った表情のままリディアが言う。
「ではわたくし、お部屋のお掃除を忘れておりましたので、先に戻らせていただきます。エウラリア様は、どうぞこのままご歓談を」
そう言って一礼して、リタは部屋を出て行った。話し合いが上手く言ったことを見届けたので、気を遣って退室したのだろう。
エレナは賭けが成功したらしいことに安堵した後で、自分の仕事を思い出して二人に紅茶を淹れる。
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