41 / 61
第二章 聖女の秘密
堅信礼のお手伝い
しおりを挟む
「堅信礼のお手伝いをすれば大聖堂へはいけますけど、聖女様に会って話ができるとは限りませんよ」
エレナの反論に、リディアは答える。
「なんとか致しますわ。幸いにして、わたくしは高貴なるエチェバルリア家の令嬢。なるべく聖女様のお傍へ行けるようなお仕事を割り振ってもらうぐらいの我儘は通りますわ。そうしたら、あとはチャンスを待つだけです」
エレナが何か言いたげなのをみて、リディアは言葉を続ける。
「口で言うほど簡単じゃない、と言いたげですわね。それは分かっておりますけれど、試してみる価値はあるのではなくて?」
「取りかえ児が聖女様にわざわざ逢いに行くこと自体、多少の危険をはらんでいることはご理解なさっていますか?」
心配げに問うエレナだが、リディアは涼しい顔だ。
「取りかえ児が聖女様にお逢いするだけで火あぶりになるなら、わたくし達は今、ここにこうして存在していませんわ。わたくしは堅信礼の時点ですでに取りかえ児でしたし、エウラリア様も取りかえ児に成りたてホヤホヤだったのですから」
それを聞くとエレナは、「お止めしても無駄なのでしょうね」と、諦め顔でため息をついた。
「あの、でしたら、わたくしが行きます。次期聖女のわたくしの方が、ファティマ様とお話できる可能性は高いですから」
エウラリアがそう言うと、エレナが慌てて制止する。
「リディア様が無茶をなさるのはいつものことですが、エウラリア様は少しでもリスクのある行動は控えられた方が良いです」
だがエウラリアは聞き入れない。
「もともと、次期聖女であるわたくしは堅信礼にお手伝いすべきなのだろうと思っておりましたし、むしろお手伝いに行かない方が不審に思われる可能性がありますわ」
「じゃ、じゃあ、せめてわたくしもご一緒致しますわ!」
リディアが言うと、エレナも頷く。
「エウラリア様がどうしても行くとおっしゃるなら、リディア様もお連れいただいた方が……。万一のときに、その場にお味方がいないと困りますでしょう」
そういうわけで、リディアたちは堅信礼の手伝いをすることになった。
*
春の堅信礼はそれから数週間後の日曜日だった。その前日、リディアたちは馬車で聖グラシア大聖堂へと向かっていた。
同じ馬車には、やはり手伝いに志願した学園の女子数人が乗っている。泊りがけなので侍女たちも同行するが、一つの馬車には乗り切れないので別の馬車で随行している。手伝いには男子たちも志願しているので、男子たちの乗る馬車、その男子たちの使用人が乗る馬車など、何台かで隊列を組んで、聖地ウルフィラの中央通りを進んでいく。
同乗者の中には、見知った顔も多かった。リディアはその中の一人に話しかける。
「馬車ってすごく揺れるので苦手ですわ。おしゃべりでもしていないと酔ってしまいそう。ミランダ、何か面白いお話をしてくださらない?」
無茶ぶりされたミランダは、なんとか話題を探そうとする。
「面白いお話……ですか。……しいて言うなら、女子寮の侍女たちの間の噂くらいですわね。わたくしの侍女のナタリアから聞いたのですが、寮生のどなたかの侍女は、主人の服のフリルを枕に縫い付けて、それを主人に見立てて夜な夜な殴っているとか」
「そのお話はあまりしたくありませんわ。ごめんなさいねミランダ」
ミランダが必死にひねり出した話題を、リディアは即座に中断させる。二人の近くに座っていたエウラリアが、ハンカチで口元を隠しながら顔を伏せた。あくびでも噛み殺している風を装っているが、笑いをこらえていることをリディアは知っている。『氷の聖女』というイメージを持たれている手前、堂々と笑うことに抵抗があるのだろう。
「エウラリア様、笑っても良いのですわよ」
フェリシアがエウラリアに言う。どうやらリディア以外にも、結構バレているようだ。そしてバレた方が、親しみを感じてもらえている。氷の聖女の氷は、ゆっくりと溶けて行くだろう。
「エウラリア様は、すっかりリディアさん達のグループの一員ですわね」
やはり馬車に同乗していたローゼ公女の言葉に、リディアが答える。
「ええ、仲良くさせていただいておりますわ」
「わたくしは、そのグループには入れてもらえませんの?」
ローゼの言葉に、リディアはとんでもない、と首を横に振る。
「ローゼさんもわたくしたちの大切なお友達ですから、『わたくしたちのグループ』の定義によっては、ローゼさんもとっくにグループの一員ですわ」
「定義によっては、とは?」
「ローゼさんとは、あまりお茶会などご一緒していないのは事実ですからね。親しいお友達同士でもそれぞれの方との関係性が一人ひとり違うので、誰がグループのメンバーで誰が違うのか、一概に言えませんしね。エウラリア様とプリシラは私にとって対等なお友達ですけれど、フェリシアとミランダは手下ですわ」
リディアがそう言うと、フェリシアは不服そうに反論する。
「手下って……確かにわたくし共の家はエチェバルリア家の分家みたいなものですが、分家は宗家の手下ではありませんわ」
「一般的な宗家と分家ならば、そのとおりですわね。でもフェリシアとミランダはわたくしの手下です。そうですよねミランダ?」
「はい。わたくし共はリディア様の手下ですわ」
「ミランダまで?」
彼女たちのやり取りを見ながら、こういう冗談が言い合えるのもお互いの信頼があってこそだろうとローゼは思った。リディアにとって、同じ友達とは言っても最近知り合ったプリシラやエウラリアと比べて、フェリシアとミランダはより深い信頼関係があるのだ。
「ではわたくしも、リディアさんの手下にしていただけますかしら?」
「ロ、ローゼさんはさすがに……、国際問題になってしまいますので」
「そうですか。残念ですわ」
ローゼンブルク公国の公女がエチェバルリア家の令嬢の手下になったりしたら、両国の関係に激震が走る。本人たちがお互い冗談だとわかっていても、周囲で見ている人々にもそれがわかるとは限らないのだ。
「ところでローゼさんは、聖グラシア大聖堂を訪れるのは初めてですの?」
ヴァンダリア王国の国民ではないローゼは、堅信礼を自国の教会で受けている。ヴァンダリアの堅信礼を見てみたいというのが、彼女が手伝いに志願した理由の一つなのだそうだ。
「大聖堂自体には、数年前の女神様の記念日に礼拝に来たことがありますわ。世界中の女神教徒にとっての聖地ですもの。その日の礼拝では聖堂前の中央広場に大勢の人が集まって、聖女様がその前に立ってお祈りの言葉を述べておりましたわ」
女神様の記念日の礼拝には、リディアも参加したことがある。たしかに諸外国の要人たちも多数参列していたようだった。ローゼもそんな要人の一人だったのだろう。
そんな話をしているうちに、馬車は大聖堂に到着した。淑女たちは、久しぶりに学園の敷地外にやって来たことに少し興奮しながら馬車を降りた。
エレナの反論に、リディアは答える。
「なんとか致しますわ。幸いにして、わたくしは高貴なるエチェバルリア家の令嬢。なるべく聖女様のお傍へ行けるようなお仕事を割り振ってもらうぐらいの我儘は通りますわ。そうしたら、あとはチャンスを待つだけです」
エレナが何か言いたげなのをみて、リディアは言葉を続ける。
「口で言うほど簡単じゃない、と言いたげですわね。それは分かっておりますけれど、試してみる価値はあるのではなくて?」
「取りかえ児が聖女様にわざわざ逢いに行くこと自体、多少の危険をはらんでいることはご理解なさっていますか?」
心配げに問うエレナだが、リディアは涼しい顔だ。
「取りかえ児が聖女様にお逢いするだけで火あぶりになるなら、わたくし達は今、ここにこうして存在していませんわ。わたくしは堅信礼の時点ですでに取りかえ児でしたし、エウラリア様も取りかえ児に成りたてホヤホヤだったのですから」
それを聞くとエレナは、「お止めしても無駄なのでしょうね」と、諦め顔でため息をついた。
「あの、でしたら、わたくしが行きます。次期聖女のわたくしの方が、ファティマ様とお話できる可能性は高いですから」
エウラリアがそう言うと、エレナが慌てて制止する。
「リディア様が無茶をなさるのはいつものことですが、エウラリア様は少しでもリスクのある行動は控えられた方が良いです」
だがエウラリアは聞き入れない。
「もともと、次期聖女であるわたくしは堅信礼にお手伝いすべきなのだろうと思っておりましたし、むしろお手伝いに行かない方が不審に思われる可能性がありますわ」
「じゃ、じゃあ、せめてわたくしもご一緒致しますわ!」
リディアが言うと、エレナも頷く。
「エウラリア様がどうしても行くとおっしゃるなら、リディア様もお連れいただいた方が……。万一のときに、その場にお味方がいないと困りますでしょう」
そういうわけで、リディアたちは堅信礼の手伝いをすることになった。
*
春の堅信礼はそれから数週間後の日曜日だった。その前日、リディアたちは馬車で聖グラシア大聖堂へと向かっていた。
同じ馬車には、やはり手伝いに志願した学園の女子数人が乗っている。泊りがけなので侍女たちも同行するが、一つの馬車には乗り切れないので別の馬車で随行している。手伝いには男子たちも志願しているので、男子たちの乗る馬車、その男子たちの使用人が乗る馬車など、何台かで隊列を組んで、聖地ウルフィラの中央通りを進んでいく。
同乗者の中には、見知った顔も多かった。リディアはその中の一人に話しかける。
「馬車ってすごく揺れるので苦手ですわ。おしゃべりでもしていないと酔ってしまいそう。ミランダ、何か面白いお話をしてくださらない?」
無茶ぶりされたミランダは、なんとか話題を探そうとする。
「面白いお話……ですか。……しいて言うなら、女子寮の侍女たちの間の噂くらいですわね。わたくしの侍女のナタリアから聞いたのですが、寮生のどなたかの侍女は、主人の服のフリルを枕に縫い付けて、それを主人に見立てて夜な夜な殴っているとか」
「そのお話はあまりしたくありませんわ。ごめんなさいねミランダ」
ミランダが必死にひねり出した話題を、リディアは即座に中断させる。二人の近くに座っていたエウラリアが、ハンカチで口元を隠しながら顔を伏せた。あくびでも噛み殺している風を装っているが、笑いをこらえていることをリディアは知っている。『氷の聖女』というイメージを持たれている手前、堂々と笑うことに抵抗があるのだろう。
「エウラリア様、笑っても良いのですわよ」
フェリシアがエウラリアに言う。どうやらリディア以外にも、結構バレているようだ。そしてバレた方が、親しみを感じてもらえている。氷の聖女の氷は、ゆっくりと溶けて行くだろう。
「エウラリア様は、すっかりリディアさん達のグループの一員ですわね」
やはり馬車に同乗していたローゼ公女の言葉に、リディアが答える。
「ええ、仲良くさせていただいておりますわ」
「わたくしは、そのグループには入れてもらえませんの?」
ローゼの言葉に、リディアはとんでもない、と首を横に振る。
「ローゼさんもわたくしたちの大切なお友達ですから、『わたくしたちのグループ』の定義によっては、ローゼさんもとっくにグループの一員ですわ」
「定義によっては、とは?」
「ローゼさんとは、あまりお茶会などご一緒していないのは事実ですからね。親しいお友達同士でもそれぞれの方との関係性が一人ひとり違うので、誰がグループのメンバーで誰が違うのか、一概に言えませんしね。エウラリア様とプリシラは私にとって対等なお友達ですけれど、フェリシアとミランダは手下ですわ」
リディアがそう言うと、フェリシアは不服そうに反論する。
「手下って……確かにわたくし共の家はエチェバルリア家の分家みたいなものですが、分家は宗家の手下ではありませんわ」
「一般的な宗家と分家ならば、そのとおりですわね。でもフェリシアとミランダはわたくしの手下です。そうですよねミランダ?」
「はい。わたくし共はリディア様の手下ですわ」
「ミランダまで?」
彼女たちのやり取りを見ながら、こういう冗談が言い合えるのもお互いの信頼があってこそだろうとローゼは思った。リディアにとって、同じ友達とは言っても最近知り合ったプリシラやエウラリアと比べて、フェリシアとミランダはより深い信頼関係があるのだ。
「ではわたくしも、リディアさんの手下にしていただけますかしら?」
「ロ、ローゼさんはさすがに……、国際問題になってしまいますので」
「そうですか。残念ですわ」
ローゼンブルク公国の公女がエチェバルリア家の令嬢の手下になったりしたら、両国の関係に激震が走る。本人たちがお互い冗談だとわかっていても、周囲で見ている人々にもそれがわかるとは限らないのだ。
「ところでローゼさんは、聖グラシア大聖堂を訪れるのは初めてですの?」
ヴァンダリア王国の国民ではないローゼは、堅信礼を自国の教会で受けている。ヴァンダリアの堅信礼を見てみたいというのが、彼女が手伝いに志願した理由の一つなのだそうだ。
「大聖堂自体には、数年前の女神様の記念日に礼拝に来たことがありますわ。世界中の女神教徒にとっての聖地ですもの。その日の礼拝では聖堂前の中央広場に大勢の人が集まって、聖女様がその前に立ってお祈りの言葉を述べておりましたわ」
女神様の記念日の礼拝には、リディアも参加したことがある。たしかに諸外国の要人たちも多数参列していたようだった。ローゼもそんな要人の一人だったのだろう。
そんな話をしているうちに、馬車は大聖堂に到着した。淑女たちは、久しぶりに学園の敷地外にやって来たことに少し興奮しながら馬車を降りた。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波@ジゼルの錬金飴③発売中
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
ブラック・スワン ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~
碧
ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)
義姉をいびり倒してましたが、前世の記憶が戻ったので全力で推します
一路(いちろ)
ファンタジー
アリシアは父の再婚により義姉ができる。義姉・セリーヌは気品と美貌を兼ね備え、家族や使用人たちに愛される存在。嫉妬心と劣等感から、アリシアは義姉に冷たい態度を取り、陰口や嫌がらせを繰り返す。しかし、アリシアが前世の記憶を思い出し……推し活開始します!
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる