不憫Domの受難とへなちょこSubの恋愛事情

夏芽玉

文字の大きさ
55 / 57
後日談5 ハッピー・マリッジ / 相川湊

【5】ずっとそばにいて*



「湊、Roll仰向けになって。自分で脚を支えたらStay動かないで

 恭介さんは、ベッドサイドに置いてあったアイマスクを僕につけてそう言った。
 僕がシーツに仰向けに転がって、脚を抱えるとShush黙ってのCommandが解除された。その後は、僕は恭介さんに軽く触られるだけで嬌声を上げ続けた。

 視界を遮られると、恭介さんがどんな表情をしていて、僕に何をしようとしているのかがわからない。だから僕は思わず気配を探ってしまって、そのせいか身体がいつも以上に敏感になっているように思える。しかも、Glareもいつも以上に濃く感じる気がする。


「あ゛、あ゛、あ゛っ……やぁ、イク……またイっちゃ……!!」
「いいよ、イって」

 恭介さんに前立腺を押し潰されて、僕はまた身体を震わせながらイった。もう何回目かわからない。イってる感覚はあるけれど、射精している気がしない。もう出すものがないのかもしれないし、ナカイキをしているのかもしれない。僕のお尻からグチュグチュと水音がしているのが聞こえる。イくたびに意識が快感で真っ白に塗りつぶされるのに、次の快感で呼び戻されるというのを何度も繰り返している。

「や、あっ……ああっ……いま、イった……イったあぁぁぁ……!!」

 イった余韻に浸ることすら許されない。恭介さんの指が痙攣している僕の中のイイトコロを擦るから、また僕は高みへと追いつめられていく。後ろがいっぱいいっぱいに広げられているのはわかるけど。気持ち良すぎることしか感じられなくなったその場所は、今、恭介さんの指を何本咥え込んでいるのだろうか。

「好きなだけイっていいよ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ……!!」

 ペニスの先に優しく触れられただけで、また僕は達してしまった。Stay動かないでのCommandがあるのに、ガクガクと腰が揺れてしまう。抱えている脚を離してしまわないように、僕はぎゅっと腕に力を込めた。

「も、……イくの、やぁ……」

 一人でイかされ続けるのが、辛くて苦しくて。息も絶え絶えにそう言ったら、恭介さんの指が僕の中から出て行ってしまった。唐突な喪失感に、後ろがひくつくいて腰が揺れた。

「……恭介、さん?」

 多分、恭介さんは近くにいる……と思う。だって、恭介さんのGlareを感じるから。だけど、恭介さんが何も言わない。僕に触れてこない。恭介さんの温もりが感じられない。

「恭介さんっ……恭介さんっっ……!!」

 目隠しで、恭介さんがどこにいるのかわからない。Stay動かないでのCommandがあるから、探しに行くこともできない。

「やだ、恭介さんっ……きょうすけさ、ん……!!」

 恭介さんに置いて行かれたみたいな気持ちになって、ボロボロと涙がでてくる。その涙は全部、アイマスクに吸われていった。ぐっしょりと目元に濡れた感覚が貼り付く。
 僕は恭介さんの名前を呼び続けた。

「なに?」

 必死で恭介さんを呼んでいたら、ようやく返事をしてもらえた。その声は思ったよりも近くから聞こえた。恭介さんの存在を側に感じられただけで、また僕の目からは涙が零れた。

「きょうすけさんっ……イヤだ、いなくならないで。おねがい、ずっとそばにいてっ……、何してもイイから、触ってお願い」

 もっと恭介さんの存在を感じていたい。動けるなら声のしたほうに擦り寄ってしまいたかったけれど、今の僕はただ恭介さんに縋るようにお願いをすることしかできない。

「でも、もうイくのはイヤなんでしょ?」
「恭介さんを感じられないほうがずっとイヤです……」

 触れてもらえなくて、訴える声が涙声になってしまう。

「なんで?」
「……恭介さんが好きだから」
「こんな酷いことしてるのに?」

 僕は何度も頷いて、「好き」と「もっと触って」を繰り返した。

「それに……恭介さんに触ってもらえないのは、寂しいです……」

 寂しい。自分で口にしてから、気づいた。さっき、恭介さんは"寂しかった"って言ってた。その言葉を思い出して、僕の胸がツキンと痛んだ。

「……恭介さんも、僕が居なくて寂しかったんですか……?」
「うん」
「……ごめんなさい」

 ずっと僕のほうが恭介さんのことを好きなんだって思ってた。恭介さんが僕のこと愛してくれているってわかっていたはずなのに。僕が思ってた以上に、僕は恭介さんに愛されているらしい。
感想 8

あなたにおすすめの小説

世界で一番優しいKNEELをあなたに

珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。 Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。 抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。 しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。 ※Dom/Subユニバース独自設定有り ※やんわりモブレ有り ※Usual✕Sub ※ダイナミクスの変異あり

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

Dom/Subユニバース読み切り【嘉島天馬×雨ケ谷颯太】

朝比奈*文字書き
BL
🖤 Dom/Subユニバース 毎週日曜日21時更新! 嘉島天馬(クーデレ・執着Dom)× 雨ケ谷颯太(ワンコ系・甘えんぼSubよりSwitch) 読み切り単話シリーズ。命令に溺れ、甘やかされ、とろけてゆく。 支配と愛情が交錯する、ふたりだけの濃密な関係を描いています。 あらすじは各小説に記載してあります。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

愛されSubは尽くしたい

リミル
BL
【Dom/Subユニバース】 玩具メーカーの取締役開発部長Dom(37)×元子役の大学生Sub(20) かつて天才子役として名を馳せていた天使 汐は、収録中にSub drop(サブドロップ)に陥り、生死の境をさまよう。 不安定になっていた汐を救ったのは、スーツ姿の男だった。 素性や名前も知らない。でも、優しく撫でて「いい子」だと言ってくれた記憶は残っている。 父親の紹介で、自身の欲求を満たしてくれるDomを頼るものの、誰も彼も汐をひたすらに甘やかしてくる。こんなにも尽くしたい気持ちがあるのに。 ある夜、通っているサロンで不正にCommand(コマンド)を使われ、心身ともにダメージを負った汐を助けたのは、年上の男だ。 それは偶然にも15年前、瀕死の汐を救った相手──深見 誠吾だった。 運命的な出会いに、「恋人にもパートナーにもなって欲しい」と求めるも、深見にきっぱりと断られてしまい──!? 一筋縄ではいかない17才差の、再会から始まるラブ! Illust » 41x様

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

待てって言われたから…

ゆあ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。 //今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて… がっつり小スカです。 投稿不定期です🙇表紙は自筆です。 華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)