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第三章 林間合宿と主なき神獣
主なき神獣は居場所を得る(5)
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林間合宿から、自宅へ帰ってきた夏目たち。燐と桜は、美哉への報告を兼ねてお邪魔することに。
玄関を潜り、家の中へ入るやいな美哉が出迎えてくれる。ただし、見るからに不機嫌な様子で頬を膨らませて。
「た、ただいま……」
「おかえりなさい、夏目」
「ど、どうしたんだ? 先輩は」
「さ、さあ? 夏目くんが何かしでかしたんだと思うけど……」
夏目の後ろにいる二人がコソコソと話す。
美哉が怒る理由は明らかだ。毎日、電話をするという約束を夏目が破ったせい。
「夏目、どうして電話をしてくれなかったんですか! ずっと、待っていたのに! 丸二日も会えず、画面越しでしか話せず、温もりも感じられず、一緒にいられない寂しさ、顔を見て声を聞くことが何よりの救いなんですよ私にとって! それなのに夏目は! 私との約束を破るなんて酷いです!」
マシンガントークの如く喋り、詰め寄る美哉に気圧される三人。
「何度、メッセージを送っても返信もなく既読すらつかない! 電話をかけても出てくれない! ヨルムンガンドの件がどうなったかも知らせてくれない!」
「うっ……。え、えっと、それはそのだな……」
と、怒る美哉に何も言えない夏目は口ごもる結果に。
見かねた燐と桜が助け舟を出し、何とかこの場を収めることに。
「あのだな、先輩。これには色々あって。夏目は暴走してしまったヨルムンガンドを助けるため体を張ったんだ。その結果、体力やら気力が限界で休むことをわたしたちが勧めて」
「そうなんです! 夏目くんのお陰で、今回の件は一件落着したんですよ! 電話の件は、あたしは知りませんでしたけど、これは大目に見てもらえませんか?」
「……二人がそこまで言うのであれば仕方がないですね」
一旦、話を終えてリビングへ移動する。ソファーに座り、三人から今回の神獣騒動の詳しい経緯を聞く。
聞いた上で美哉は、夏目へ提案。
「なるほど。まずは、三人共お疲れ様です。それと、夏目はこのままヨルムンガルドと契約を交わしてみてはどうですか? 主なき神獣は、どこにいても狙われやすい。夏目に心を許し、懐いているのであれば交わせるはずですよ」
それにフェンリルも賛成のようで。
「無理強いで契約を交わすより、己が望む契約の方がずっと良かろう」
弟に勧める。兄の言葉に、夏目を真っ直ぐ見つめる。
「俺と契約を交わしてもいいのか?」
「ボクは……夏目が、ボクを必要としてくれるのなら交わしたい」
「そっか。じゃあ、交わそう。それに、約束もあるし」
そう言う夏目は、フェンリルの背に乗るヨルムンガンドの頭を優しく撫でる。その手つきに嬉しそうに目を細める。
本人の意思も取れたことで、さっそく契約を交わすことに。これで、夏目は北欧神話に連ねる兄弟の神獣と契約を交わしたこととなる。そして、短い期間で二体目と交わした異例の神殺しへと。良くも悪くも、目立つことになることを夏目自身はまだ分かっていないが。
「ふふっ。これで、この家も賑やかになりますね」
笑う美哉も嬉しそうなのだが、目は夏目を捉え外さない。視線を感じ振り返れば、この二日間に触れられなかった時間を埋めたい恋人は体をウズウズさせ我慢ができない。
「み、美哉?」
何故か、危機感に似た感覚に頬が引き攣り訊きながらも距離を取る夏目。
しかし、イチャつきたい欲求が我慢を超え燐と桜がいようが構わず夏目へ抱きつく。
「ちょっ!? な、なにして!?」
「もう我慢の限界です!」
「ワクワクッ。これが、兄さんの言っていたイチャイチャ!」
フェンリルの背に乗るヨルムンガンドはここへ来る前に兄から教えてもらっていた。美哉は、夏目が好き過ぎて誘惑やら大胆なことを平気ですると。
その話を聞いてから、二人のイチャイチャが気になって仕方がないヨルムンガンド。邪魔などせず、けれど興味津々でただただ夏目を襲う美哉を観察。
フェンリルは、また始まったか、と今更のことなので気にもせず普段通り。
美哉は抱きつき密着させ、夏目の頬に触れると固定しキスを求める。
「お、おいっ!?」
「うふふっ」
キスを迫れる夏目は、引き剥がそうとするが案外、力が強く上手くいかない。そのまま、美哉のされるがままに燐と桜が見る中、キスを交わす羽目に。
「ま、待てっ……んんっ!?」
「はむっ……ふっ、うんっ」
軽いキスではなく、唇をついばみ舌を入れてくる美哉。くぐもった声がもれ、肩を押し返す夏目だが逆に押し倒された。
体重が伸し掛かり、抵抗虚しくどうしようもできない夏目の舌に自身の舌を絡めにくる。
「うんっ!? むっ、んっ、んくっ!?」
「んんっ、れろっ、ふっ、んっ、ちゅっ」
キスで繋がった口の隙間からもれる声。舌同士が絡み合い、唾液が分泌されくちゅ、ちゅっという水音が響く。
「……こういうことは、二人きりの時にしてくれ頼むから……」
燐は、美哉の行動力に頭を抱え呆れ果てる。
「えっ……、う、うそっ……」
桜は、顔を真っ赤にして手で覆うが指の隙間らかチラチラと覗いてしまう。
夏目に密着し股間に自らの腰を押しつけ揺らし刺激を更に送る美哉。その刺激と、キスでアホ毛が激しく揺れ乱れるがお構いなしに誘惑。
やっと、長いキスを終え唇を離し耳元で甘く囁く。
「んはぁっ……。はぁっ……、夏目……」
「~~~~っ! み、みんながいる前でするな!」
色々と精神的にいっぱいな夏目は耳まで赤くして怒る。そんな二人の姿を観察していたヨルムンガンドは楽しげに言う。
「夏目と美哉は面白いね! もっと、イチャイチャしないの? あと子作りは? ボクね、人間の交配がどう行われるか知りたいんだ!」
などと爆弾発言に燐は、開いた口が塞がらない。
「ちょっと!?」
桜もこの場にいるだけで内心穏やかではない状況、その上でこの発言に余計に顔を赤くして叫ぶ始末。
「あら。見られながらは少し恥ずかしいですけど、いつかは夏目との子供を……」
美哉は美哉で、赤らめた頬に手を当て火照る体を軽く揺らし恍惚とした表情で言う。
「す、すまない……。愚弟がこんな変態思考で……」
フェンリルも申し訳なさそうに謝るという何とも言えない空気感。
その空気に包まれるこの空間に耐え切れず夏目が叫ぶ。
「見せないし、今は学生だからな! しないからなっ!」
必死なツッコミに美哉は、ある一言の言葉に反応した。
「今は、ですか。そうですね。なら、現状は避妊しつつ練習として。卒業後には、結婚して子供を作りましょうか。ねえ、夏目」
「んなぁあああっ!?」
美哉の宣言に、素っ頓狂な声が出る。満面の笑みで誰にも止められない言動に、帰ってきて早々に振り回される夏目だった。
玄関を潜り、家の中へ入るやいな美哉が出迎えてくれる。ただし、見るからに不機嫌な様子で頬を膨らませて。
「た、ただいま……」
「おかえりなさい、夏目」
「ど、どうしたんだ? 先輩は」
「さ、さあ? 夏目くんが何かしでかしたんだと思うけど……」
夏目の後ろにいる二人がコソコソと話す。
美哉が怒る理由は明らかだ。毎日、電話をするという約束を夏目が破ったせい。
「夏目、どうして電話をしてくれなかったんですか! ずっと、待っていたのに! 丸二日も会えず、画面越しでしか話せず、温もりも感じられず、一緒にいられない寂しさ、顔を見て声を聞くことが何よりの救いなんですよ私にとって! それなのに夏目は! 私との約束を破るなんて酷いです!」
マシンガントークの如く喋り、詰め寄る美哉に気圧される三人。
「何度、メッセージを送っても返信もなく既読すらつかない! 電話をかけても出てくれない! ヨルムンガンドの件がどうなったかも知らせてくれない!」
「うっ……。え、えっと、それはそのだな……」
と、怒る美哉に何も言えない夏目は口ごもる結果に。
見かねた燐と桜が助け舟を出し、何とかこの場を収めることに。
「あのだな、先輩。これには色々あって。夏目は暴走してしまったヨルムンガンドを助けるため体を張ったんだ。その結果、体力やら気力が限界で休むことをわたしたちが勧めて」
「そうなんです! 夏目くんのお陰で、今回の件は一件落着したんですよ! 電話の件は、あたしは知りませんでしたけど、これは大目に見てもらえませんか?」
「……二人がそこまで言うのであれば仕方がないですね」
一旦、話を終えてリビングへ移動する。ソファーに座り、三人から今回の神獣騒動の詳しい経緯を聞く。
聞いた上で美哉は、夏目へ提案。
「なるほど。まずは、三人共お疲れ様です。それと、夏目はこのままヨルムンガルドと契約を交わしてみてはどうですか? 主なき神獣は、どこにいても狙われやすい。夏目に心を許し、懐いているのであれば交わせるはずですよ」
それにフェンリルも賛成のようで。
「無理強いで契約を交わすより、己が望む契約の方がずっと良かろう」
弟に勧める。兄の言葉に、夏目を真っ直ぐ見つめる。
「俺と契約を交わしてもいいのか?」
「ボクは……夏目が、ボクを必要としてくれるのなら交わしたい」
「そっか。じゃあ、交わそう。それに、約束もあるし」
そう言う夏目は、フェンリルの背に乗るヨルムンガンドの頭を優しく撫でる。その手つきに嬉しそうに目を細める。
本人の意思も取れたことで、さっそく契約を交わすことに。これで、夏目は北欧神話に連ねる兄弟の神獣と契約を交わしたこととなる。そして、短い期間で二体目と交わした異例の神殺しへと。良くも悪くも、目立つことになることを夏目自身はまだ分かっていないが。
「ふふっ。これで、この家も賑やかになりますね」
笑う美哉も嬉しそうなのだが、目は夏目を捉え外さない。視線を感じ振り返れば、この二日間に触れられなかった時間を埋めたい恋人は体をウズウズさせ我慢ができない。
「み、美哉?」
何故か、危機感に似た感覚に頬が引き攣り訊きながらも距離を取る夏目。
しかし、イチャつきたい欲求が我慢を超え燐と桜がいようが構わず夏目へ抱きつく。
「ちょっ!? な、なにして!?」
「もう我慢の限界です!」
「ワクワクッ。これが、兄さんの言っていたイチャイチャ!」
フェンリルの背に乗るヨルムンガンドはここへ来る前に兄から教えてもらっていた。美哉は、夏目が好き過ぎて誘惑やら大胆なことを平気ですると。
その話を聞いてから、二人のイチャイチャが気になって仕方がないヨルムンガンド。邪魔などせず、けれど興味津々でただただ夏目を襲う美哉を観察。
フェンリルは、また始まったか、と今更のことなので気にもせず普段通り。
美哉は抱きつき密着させ、夏目の頬に触れると固定しキスを求める。
「お、おいっ!?」
「うふふっ」
キスを迫れる夏目は、引き剥がそうとするが案外、力が強く上手くいかない。そのまま、美哉のされるがままに燐と桜が見る中、キスを交わす羽目に。
「ま、待てっ……んんっ!?」
「はむっ……ふっ、うんっ」
軽いキスではなく、唇をついばみ舌を入れてくる美哉。くぐもった声がもれ、肩を押し返す夏目だが逆に押し倒された。
体重が伸し掛かり、抵抗虚しくどうしようもできない夏目の舌に自身の舌を絡めにくる。
「うんっ!? むっ、んっ、んくっ!?」
「んんっ、れろっ、ふっ、んっ、ちゅっ」
キスで繋がった口の隙間からもれる声。舌同士が絡み合い、唾液が分泌されくちゅ、ちゅっという水音が響く。
「……こういうことは、二人きりの時にしてくれ頼むから……」
燐は、美哉の行動力に頭を抱え呆れ果てる。
「えっ……、う、うそっ……」
桜は、顔を真っ赤にして手で覆うが指の隙間らかチラチラと覗いてしまう。
夏目に密着し股間に自らの腰を押しつけ揺らし刺激を更に送る美哉。その刺激と、キスでアホ毛が激しく揺れ乱れるがお構いなしに誘惑。
やっと、長いキスを終え唇を離し耳元で甘く囁く。
「んはぁっ……。はぁっ……、夏目……」
「~~~~っ! み、みんながいる前でするな!」
色々と精神的にいっぱいな夏目は耳まで赤くして怒る。そんな二人の姿を観察していたヨルムンガンドは楽しげに言う。
「夏目と美哉は面白いね! もっと、イチャイチャしないの? あと子作りは? ボクね、人間の交配がどう行われるか知りたいんだ!」
などと爆弾発言に燐は、開いた口が塞がらない。
「ちょっと!?」
桜もこの場にいるだけで内心穏やかではない状況、その上でこの発言に余計に顔を赤くして叫ぶ始末。
「あら。見られながらは少し恥ずかしいですけど、いつかは夏目との子供を……」
美哉は美哉で、赤らめた頬に手を当て火照る体を軽く揺らし恍惚とした表情で言う。
「す、すまない……。愚弟がこんな変態思考で……」
フェンリルも申し訳なさそうに謝るという何とも言えない空気感。
その空気に包まれるこの空間に耐え切れず夏目が叫ぶ。
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