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第六章 機械仕掛けの神
悪神の降臨14(2)
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三連休の初日、メンバーは校門前に集合。
「ね、眠い……」
朝早く、眠たい目を擦りながら夏目は呟き荷物を詰め込む。それは、他のメンバーも同じのようで欠伸を噛み締め食料や飲料など、あと着替え等は建前として用意。
アザゼルと四音がそれぞれ運転する車に乗り込む。そうして車は、数時間走り目的の樹海の入り口に到着。
「……ほ、ホラー映画とかに出てきそうな……」
生唾を飲み込む。夏目は、ホラーが苦手だ。こういう、いかにも出てきそうな雰囲気や場所を前に怖がってしまう。
二人が調べたところ、数百年前に集落があったらしい。とりあえずはそこを目指すことに、各自リュックを背負い樹海へ踏み込む。
(な、何も出てきませんようにっ……)
と内心で祈る夏目。美哉たちは、これといって怖がる様子もなく辺りを見渡しながら足元に気をつけ歩く。
ビクビク、震えているのは夏目だけだ。
樹海の空気はジメッとしており、心なしか重く感じ、木々によって陽光は遮られ暗く、生物の気配を察知できない。
獣道で歩き難く少し霧が立ち込めている。
フェンリルも中型犬のサイズとなり現れ、ヨルムンガンドも兄の背にヘルはそのそばを歩く。
八岐大蛇も紅を護るべく体に巻きつき、フェニックスは春人の頭上を飛び、レヴィアタンは真冬の肩に乗る。
歩くこと一時間、集落にはまだ辿り着けない。少し休憩を挟み、アザゼルと四音が二人で話す。地図もコンパスも役に立たない、二人の記憶と知識に頼るしかない。
「おそらく、今はこの辺りだろうから……」
「まだ先ね。ここから進んで、どれくらいで着くかしらね……」
話す二人を横目で、夏目は水を飲み周囲を見渡す。
ここまで小鳥や昆虫など一匹たりとも見かけない。おまけに、空気が重く視界も悪い。何より本当に幽霊やお化けが出てきそうで身震いしてしまう。
「…………ん? 美哉?」
そんな彼に、美哉が寄り添い手を握ってくれた。
「大丈夫です。私がそばにいますし、一人ではありませんよ。夏目」
「美哉……!」
安心させるよう優しい声で言い笑みを向けた。
紅も夏目と美哉のそばに寄り明るい声で、
「そうそう。オレもいるし問題ないよ。まあ、確かに生物の気配はしないし、オレたち以外の存在を感じられないけど。元々ここは、神の領域だったからいなくても不思議ではないかな」
木々で覆い隠され空一つ見えない。周辺も、薄い霧が立ち込め一歩でも脇道に入れば迷子になり、その上で方向感覚が狂いそうになる。
「ましてや、今では神ではなく機械仕掛けの棲み家だ。生物がいる方がおかしいのかもしれない。あれは己以外の、生きとし生けるものはただの操り人形と思っているからね」
そう語りながらも、周囲を常に警戒し何かあればすぐに動けるように気を張っている紅。
二人のお陰で怖い気持ちが少しは晴れ、強張っていた顔も緩み大丈夫と内心で言い聞かせる。
休憩を終え、夏目も立ち上がりアザゼルを先頭にまた歩き出す。
それからまた一時間、ようやく集落があった場所へ辿り着く。高所から見下ろすと古い民家が建ち並ぶ。
「ここから下り、集落へ行くわよ。急な斜面で、地面がぬかるんでいるから足元に気をつけてね」
四音の言う通り、急な斜面とぬかるむ地面に足を取られそうになる夏目。
「おわっ!?」
「主様!」
「主!」
ヘルとフェンリルが素早く反応し転ばないよう支えてくれた。
「あ、ありがとう」
「いえいえ。このくらい当然です」
「足元に気をつけよ」
下り、集落に着き周辺を警戒するアザゼルだが何もない。
アナログ時計を持ってきていたアザゼルが確認すると、時刻は午後五時を回ったところ。樹海へ入った時は正午だった。
「これ以上の移動は危険だな。よし、今日はここらで休むぞ」
『はーい』
日が沈めば視界はより一層に悪く、一歩先も見えないほどの暗闇に包まれる。集落で一番大きな民家に入り、今日はここで全員が集まり休みことに。
用意周到な紅が、暖炉を中央にレジャーシーを数枚広げ、全員が座れる場所を確保し、電池式のランタンも取り出し明かりを点け他にも道具を広げていく。
これにはみなが『おお!』と感心してしまう。
暖炉に火を点け、暖を取りながら緊張を解す。
外はすでに暗闇に包まれ本当に何も見えない。アザゼルと四音は眠る必要はないそうで、見張りは任せろと夏目たちは眠ることに。
フェンリルは大型犬サイズとなって夏目や美哉、兄妹を毛皮で寒くないよう包み護る。
春人や真冬の神獣も主や大切な人を護るように包み込み、樹海の中にある廃れた集落の民家で一晩を明かす。
「ね、眠い……」
朝早く、眠たい目を擦りながら夏目は呟き荷物を詰め込む。それは、他のメンバーも同じのようで欠伸を噛み締め食料や飲料など、あと着替え等は建前として用意。
アザゼルと四音がそれぞれ運転する車に乗り込む。そうして車は、数時間走り目的の樹海の入り口に到着。
「……ほ、ホラー映画とかに出てきそうな……」
生唾を飲み込む。夏目は、ホラーが苦手だ。こういう、いかにも出てきそうな雰囲気や場所を前に怖がってしまう。
二人が調べたところ、数百年前に集落があったらしい。とりあえずはそこを目指すことに、各自リュックを背負い樹海へ踏み込む。
(な、何も出てきませんようにっ……)
と内心で祈る夏目。美哉たちは、これといって怖がる様子もなく辺りを見渡しながら足元に気をつけ歩く。
ビクビク、震えているのは夏目だけだ。
樹海の空気はジメッとしており、心なしか重く感じ、木々によって陽光は遮られ暗く、生物の気配を察知できない。
獣道で歩き難く少し霧が立ち込めている。
フェンリルも中型犬のサイズとなり現れ、ヨルムンガンドも兄の背にヘルはそのそばを歩く。
八岐大蛇も紅を護るべく体に巻きつき、フェニックスは春人の頭上を飛び、レヴィアタンは真冬の肩に乗る。
歩くこと一時間、集落にはまだ辿り着けない。少し休憩を挟み、アザゼルと四音が二人で話す。地図もコンパスも役に立たない、二人の記憶と知識に頼るしかない。
「おそらく、今はこの辺りだろうから……」
「まだ先ね。ここから進んで、どれくらいで着くかしらね……」
話す二人を横目で、夏目は水を飲み周囲を見渡す。
ここまで小鳥や昆虫など一匹たりとも見かけない。おまけに、空気が重く視界も悪い。何より本当に幽霊やお化けが出てきそうで身震いしてしまう。
「…………ん? 美哉?」
そんな彼に、美哉が寄り添い手を握ってくれた。
「大丈夫です。私がそばにいますし、一人ではありませんよ。夏目」
「美哉……!」
安心させるよう優しい声で言い笑みを向けた。
紅も夏目と美哉のそばに寄り明るい声で、
「そうそう。オレもいるし問題ないよ。まあ、確かに生物の気配はしないし、オレたち以外の存在を感じられないけど。元々ここは、神の領域だったからいなくても不思議ではないかな」
木々で覆い隠され空一つ見えない。周辺も、薄い霧が立ち込め一歩でも脇道に入れば迷子になり、その上で方向感覚が狂いそうになる。
「ましてや、今では神ではなく機械仕掛けの棲み家だ。生物がいる方がおかしいのかもしれない。あれは己以外の、生きとし生けるものはただの操り人形と思っているからね」
そう語りながらも、周囲を常に警戒し何かあればすぐに動けるように気を張っている紅。
二人のお陰で怖い気持ちが少しは晴れ、強張っていた顔も緩み大丈夫と内心で言い聞かせる。
休憩を終え、夏目も立ち上がりアザゼルを先頭にまた歩き出す。
それからまた一時間、ようやく集落があった場所へ辿り着く。高所から見下ろすと古い民家が建ち並ぶ。
「ここから下り、集落へ行くわよ。急な斜面で、地面がぬかるんでいるから足元に気をつけてね」
四音の言う通り、急な斜面とぬかるむ地面に足を取られそうになる夏目。
「おわっ!?」
「主様!」
「主!」
ヘルとフェンリルが素早く反応し転ばないよう支えてくれた。
「あ、ありがとう」
「いえいえ。このくらい当然です」
「足元に気をつけよ」
下り、集落に着き周辺を警戒するアザゼルだが何もない。
アナログ時計を持ってきていたアザゼルが確認すると、時刻は午後五時を回ったところ。樹海へ入った時は正午だった。
「これ以上の移動は危険だな。よし、今日はここらで休むぞ」
『はーい』
日が沈めば視界はより一層に悪く、一歩先も見えないほどの暗闇に包まれる。集落で一番大きな民家に入り、今日はここで全員が集まり休みことに。
用意周到な紅が、暖炉を中央にレジャーシーを数枚広げ、全員が座れる場所を確保し、電池式のランタンも取り出し明かりを点け他にも道具を広げていく。
これにはみなが『おお!』と感心してしまう。
暖炉に火を点け、暖を取りながら緊張を解す。
外はすでに暗闇に包まれ本当に何も見えない。アザゼルと四音は眠る必要はないそうで、見張りは任せろと夏目たちは眠ることに。
フェンリルは大型犬サイズとなって夏目や美哉、兄妹を毛皮で寒くないよう包み護る。
春人や真冬の神獣も主や大切な人を護るように包み込み、樹海の中にある廃れた集落の民家で一晩を明かす。
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