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第六章 機械仕掛けの神
悪神の降臨13(3)
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翌日、フェンリルに包まれ目が覚めた夏目は外を見る。
「んんっ……。朝か……」
その場から立ち上がり民家の外へ向かう。霧が立ち込め、真っ白な世界が目の前に広がる。
音がない静かすぎる場所に立ち竦み、空を見上げても霧で覆われ何も見えない。
「………………」
目を閉じ五感を研ぎ澄ませ何か感じられないか、夏目なりに試してみると微かに吹く風に、空耳かと間違えそうな葉っぱが揺れる小さな音。地面から冷気が流れ足元から冷える感覚、空気はジメっとしてやはり重く伸し掛かる。
(ん? な、なんだ……?)
そして、どこからのか全く検討もつかないが夏目を視る得体の知れない存在の視線を全身で感じ取り、目を開き周囲を見渡すが分からない。
(視られていたよな……?)
確かに視られていた、しかしその正体を見つけることはできない。そこへ紅がそばへやってくる。
「夏目くんも感じたかい? 視られている視線を」
「……っ! 紅も感じたのか? あの得体の知れない視線を?」
「ああ、感じたよ。あれは間違いなく悪神だ」
「――っ!」
紅の言葉に息を呑む。肌に突き刺さる視線、今のところ悪意も善意、敵意や殺意すら感じられない。だが、全身が総毛立ち悪寒すら走った。
言葉では言い表せない感覚だ。
「悪神は、オレたちがここへ来ているのに気づいている。その上で、己の元まで辿り着くの待っているんだと思う。ちょっとした余興感覚なんだろうけど」
「嫌な趣味してるんだな。悪神って」
紅の言葉にそう返す夏目の反応に笑いが出る。
「ははっ、そうだね。さて、そろそろみなを起こそう」
民家に戻り美哉たちを起こす。アザゼルと四音は周辺の調査に出ていた。
起きた面々は軽い朝食を摂り脳を覚醒、そうして二人が戻ってきた頃には行動開始。
昨日と同様にアザゼルを先頭に樹海の中を歩き、一時間ほど奥へ進むと洞窟前に辿り着く。
アザゼルは、真剣でもあり険しい顔つきで言う。
「この先に悪神がいる。お前たち、いつでも戦闘体勢が取れるように構えろ。ここからは誰の予想もつかない領域だ」
四音からもみなに伝える。
「何が起きるか分からないから、自分の身は自分で護るのよ。わたしでさえ、みんなを護れないから」
二人にそう忠告され緊張が走る。
夏目はヨルムンガンドと合体しその身に鱗を纏う。春人と真冬も神器と神獣を喚び出し、紅も八岐大蛇と融合、美哉たちも神器を取り出しいつでも動けるように。
全員が体勢を整ったことを確認しいざ洞窟内へ。
足を踏み入れた瞬間に感じた、空気が澄み切りピンッと張り詰めたことに。何よりこの先の最奥から、今までに感じたことのない存在感。
(息苦しさを感じるな……)
内心で思いなが、夏目たちはそれでも歩みを進め遂にその場所へと。
そこは、空洞で一切の汚れのない水が張られ中央に赤黒い鳥居が一つ。あとは何もない空間。ただし鳥居が常に光っているが。
「――っ! 来るぞ、お前たち!」
アザゼルの声に身構える。光る鳥居の輝きはより一層に放ち眩しく目を瞑った。
――ま、眩しいっ! と誰もが思ったことだろう。
しばらくすると光は収まり目を開ければ、鳥居に座る異様な機械仕掛けの存在が鎮座。
黒曜の機体に六本の腕と銀河を連想させる眼球、額にも青、赤、橙、緑と入り交じる目、背後に浮かぶのは神々しい神紋。人間と同じ作りの顔だが生気など感じられない。
初めて見るそれに、夏目たちは言葉を一言も発せない。
アザゼルと四音は目つきを鋭くさせ睨み上げ、紅も笑みを消し忌々しいと怒りを含ませ夏目たちに伝えた。
「あれが悪神さ。この世界の絶対的存在であり、本来の神に創られたにも関わらず殺し、神に仕えていた天使、悪魔や堕天使さえも皆殺しにして、天界と冥界を蹂躙し滅ぼした元凶。そして、創造主の地位を奪い神に成り代わり支配を望む機械仕掛けの神だよ」
その話に誰もが息を呑み、目の前のそいつを見上げる。
口は開いたが動きがなく、それでも老若男女の声で悪神は夏目たちを三つの目が見下ろし告げた。
「愚かな人間と悪魔、天使共よな。身の程を弁えない人種、我自らが死を与え教えてやろう。神に反逆するということが、どういう意味を持つかということを――」
鳥居の上で鎮座していた悪神が立ち上がる。
「んんっ……。朝か……」
その場から立ち上がり民家の外へ向かう。霧が立ち込め、真っ白な世界が目の前に広がる。
音がない静かすぎる場所に立ち竦み、空を見上げても霧で覆われ何も見えない。
「………………」
目を閉じ五感を研ぎ澄ませ何か感じられないか、夏目なりに試してみると微かに吹く風に、空耳かと間違えそうな葉っぱが揺れる小さな音。地面から冷気が流れ足元から冷える感覚、空気はジメっとしてやはり重く伸し掛かる。
(ん? な、なんだ……?)
そして、どこからのか全く検討もつかないが夏目を視る得体の知れない存在の視線を全身で感じ取り、目を開き周囲を見渡すが分からない。
(視られていたよな……?)
確かに視られていた、しかしその正体を見つけることはできない。そこへ紅がそばへやってくる。
「夏目くんも感じたかい? 視られている視線を」
「……っ! 紅も感じたのか? あの得体の知れない視線を?」
「ああ、感じたよ。あれは間違いなく悪神だ」
「――っ!」
紅の言葉に息を呑む。肌に突き刺さる視線、今のところ悪意も善意、敵意や殺意すら感じられない。だが、全身が総毛立ち悪寒すら走った。
言葉では言い表せない感覚だ。
「悪神は、オレたちがここへ来ているのに気づいている。その上で、己の元まで辿り着くの待っているんだと思う。ちょっとした余興感覚なんだろうけど」
「嫌な趣味してるんだな。悪神って」
紅の言葉にそう返す夏目の反応に笑いが出る。
「ははっ、そうだね。さて、そろそろみなを起こそう」
民家に戻り美哉たちを起こす。アザゼルと四音は周辺の調査に出ていた。
起きた面々は軽い朝食を摂り脳を覚醒、そうして二人が戻ってきた頃には行動開始。
昨日と同様にアザゼルを先頭に樹海の中を歩き、一時間ほど奥へ進むと洞窟前に辿り着く。
アザゼルは、真剣でもあり険しい顔つきで言う。
「この先に悪神がいる。お前たち、いつでも戦闘体勢が取れるように構えろ。ここからは誰の予想もつかない領域だ」
四音からもみなに伝える。
「何が起きるか分からないから、自分の身は自分で護るのよ。わたしでさえ、みんなを護れないから」
二人にそう忠告され緊張が走る。
夏目はヨルムンガンドと合体しその身に鱗を纏う。春人と真冬も神器と神獣を喚び出し、紅も八岐大蛇と融合、美哉たちも神器を取り出しいつでも動けるように。
全員が体勢を整ったことを確認しいざ洞窟内へ。
足を踏み入れた瞬間に感じた、空気が澄み切りピンッと張り詰めたことに。何よりこの先の最奥から、今までに感じたことのない存在感。
(息苦しさを感じるな……)
内心で思いなが、夏目たちはそれでも歩みを進め遂にその場所へと。
そこは、空洞で一切の汚れのない水が張られ中央に赤黒い鳥居が一つ。あとは何もない空間。ただし鳥居が常に光っているが。
「――っ! 来るぞ、お前たち!」
アザゼルの声に身構える。光る鳥居の輝きはより一層に放ち眩しく目を瞑った。
――ま、眩しいっ! と誰もが思ったことだろう。
しばらくすると光は収まり目を開ければ、鳥居に座る異様な機械仕掛けの存在が鎮座。
黒曜の機体に六本の腕と銀河を連想させる眼球、額にも青、赤、橙、緑と入り交じる目、背後に浮かぶのは神々しい神紋。人間と同じ作りの顔だが生気など感じられない。
初めて見るそれに、夏目たちは言葉を一言も発せない。
アザゼルと四音は目つきを鋭くさせ睨み上げ、紅も笑みを消し忌々しいと怒りを含ませ夏目たちに伝えた。
「あれが悪神さ。この世界の絶対的存在であり、本来の神に創られたにも関わらず殺し、神に仕えていた天使、悪魔や堕天使さえも皆殺しにして、天界と冥界を蹂躙し滅ぼした元凶。そして、創造主の地位を奪い神に成り代わり支配を望む機械仕掛けの神だよ」
その話に誰もが息を呑み、目の前のそいつを見上げる。
口は開いたが動きがなく、それでも老若男女の声で悪神は夏目たちを三つの目が見下ろし告げた。
「愚かな人間と悪魔、天使共よな。身の程を弁えない人種、我自らが死を与え教えてやろう。神に反逆するということが、どういう意味を持つかということを――」
鳥居の上で鎮座していた悪神が立ち上がる。
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