乙女ゲームに転生したらチートだったけど平凡に生きたいのでとりあえず悪役令息付きの世話役になってみました。

これは彼との出会い

3.俺の主

細身の体に、澄んだブロンドの髪、サファイアのような青い瞳。シルクのような真っ白な肌。着ているのは肌触りのいい絹のフリルや金色のボタンがついた空色の紳士服。

彼だけで芸術だ。




(こんな綺麗な子が――ｯｯ)


呆然とする俺に領主が言う。

「フレディの世話役になるべく、お前には遠くに行ってもらうことになるがよいか。」


ダヴェール学院は隣国。気軽に通える距離ではない。

「最低限の衣食住は負担してやろう。」


え――


「別に魔道士になりたいわけでも…」

「何か言ったか」

「いいえなにも。」


本人に不満など言えるか！



「ねぇねぇ、君が僕のお世話役？」

フレドリックがとことこと俺のところにきてこてんと首を傾げてみせる。

あざと可愛い



でもさすがにまだ狙ってやってる訳では無いだろう…



(素でこれかぁ)




先が思いやられる。