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第1章 2節 戦い
殻を破れ!!
しおりを挟む次の日、俺は学校で天音を探していた。
でも、天音はいない。
他の女子の話し声から、天音が
休んでいることが分かった。
俺は不思議に思った。昨日の感じだと
親に感付かれたりするようなことは
しないだろうと思っていたからだ。
そこで、俺は職員室に行き、天音の担任に
その事を聞いた。
「何だ、お前ら仲いいのか?天音なら
風邪を引いて休んでいるんだが、
他のクラスのお前に頼むのも
アレなんだがなぁ、プリントを
届けてもらえないか?
クラスの奴ら、誰一人行こうとしないし、
先生困ってたんだよ。」
(なるほど、クラスの奴らはイジメに
気付いているんだなぁ。)
「いいですよ、天音に用事あったし。」
「おぉ、助かる!頼んだぞ~!」
先生は何も知らないのか、陽気に
俺の背中を叩いて、立ち去った。
(ピンポーン)
「何?アンタ、また来たの?
今、体調悪いから・・・」
言い切らない内に俺は
「先生からプリント、届けてくれって。」
諦めと呆れの混じったような
ため息が聞こえた後、ドアが開く。
「どうせ、話があるんでしょ?」
「おう!!」
俺はそう言って中に入った。
「んで、何を話に来たの?私、風邪引いてる
んだから、あんまり長くしないでよね?」
「おう、じゃあ手短に!」
そして俺は、天音救出大作戦の概要を話した。
「はぁ~~~!?」
「何だよ?」
「いや、そんな簡単じゃないでしょ!?」
「でも、実際にそれでイジメから
助かった人がいるんだぞ!!」
「でも、・・・あたしみたいな
地味子じゃ・・・」
「あぁ~、もう、じゃあこのままで
いいのかよ!?」
「それは・・・・・」
「なら、決定だ!!次の休み、出掛けるぞ!」
「えっ?そんなっ!!急に言われても・・・」
「四の五の言わないっ!!」
「・・・・はい。」
そして約束の日が来た。
「悪ぃ!!寝坊した!!」
「お~そ~い~~~っ!!」
「本当、ゴメン。」
「早く行くよっ!!」
「あぁ。」
俺達が何処に向かったのかって?
この日、俺達が来たのは渋谷や原宿。
何の為って思うかも知れないけど、
これは作戦の超、超重要な
ミッションなのだ!!
俺はあの日、テレビで得た情報から考え、
色々と調べに調べまくった。
そして、今、天音は殻を破る!!
天音という幼虫はサナギを経て、
今、蝶になるのだ!!
「できましたよ~~っ!!」
「うぅっ、何かハズい。」
「何で、何で?めっちゃいいじゃない?」
店員さんとのやり取りを見守りながら、
俺は作戦の成功を予感していた。
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