星-ホシ-探し

第１章 ２節 戦い

地味子、卒業！！

休みが明けて、天音は学校に来ていた。

俺は付き添わなかったが、周りの様子で
作戦が無事、成功したのを確認した。

作戦の概要はこうである。

天音がイジメられない状況を作る。
その為に、俺はテレビの話を聞いて
真似をした！！

その女性は、昔イジメを受けていたのだが、
知り合いのメイクさんがその彼女に
メイクしたところ、全く別人のように
美しくなり、学校で人気者になった。
周りの人達の支えがあって、気がつけば
イジメは終わっていたのだと言う。

そう、俺はこの話を元に、天音を
メイクしてもらって、ファッションも
今までの地味子ファッションから
モテファッションへと変えさせたのだ！！

とはいえ、メイクは校則の許す範囲に
してもらった。だが、凄いことに
それでも、あの地味子とは思えない
変貌っぷりだった！

「メイクって、スゲェなぁ～。」

頬杖をつきながら、天音が大丈夫そうだと
安心していた。


また、このまま平穏な日常に戻っていく
ものと思っていた。
だが、すぐにその考えは甘いことを知る。


(ダンッ！！)
「！」
「ねぇ、あんたさぁ～
    何、調子乗っちゃってる訳？」
「・・・。」
「黙ってないで、何か言いなさいよっ！」
「！・・・・・。」
身動ぎながら視線を背ける。

「はぁ～っ、ムカつく！何？ちょっと
    綺麗になったからって、あんた何様？」
「・・・別にそんなつもり・・」
「はぁ？しらばっくれるつもり？
    そんな格好で男に媚売って、
    あたしらから逃げようって
    そういう算段でしょ！？」
「もういいんじゃない。その顔
    めっちゃくちゃにして、
    二度と人前に出らんねぇように
    してやろうよ。」
「サ～ン、セ～イ！」
「えっ！！ちょっ、やめてっ！」

「コラーッ、お前ら、何してる！？」

「ヤバッ！！ちょっ、ヤメロよ！！」
「キャッ、ちょっとどこ触ってんの！！」
「おい、コラ！！手ぇ、離しやがれ！！」

突如の先生達の乱入によって、
天音は事なきを得た。
天音は注目の的になっていたからこそ、
女子トイレに連れ込まれるのを見た
生徒が先生達を呼び、今に至る訳だ。


安心した天音はその場にへたり込んで
しまった。
保険医の先生が優しく介抱してくれると、
途端に今まで抑えてたものが怒涛の如く
押し寄せ、子供のように
泣きじゃくっていた。

そう、やっと終わった。終わったのだ。