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Ⅰ閉じ込められた箱庭
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飼ってみて、面倒だと思えば捨てる。人間界にある悲しいペット事情のようだと、その話を聞いた時に奏人は思った。
人間の約十倍、長生きする律界人。彼らは持つ力が強ければ強いほど長く生きる。フォニックも見た目はまだ若いが、実年齢は軽く三百歳を超えている。ソロに至っては五百年以上生きているらしい。高齢の律王は更に千年以上生きているというから恐れ入る。簡単に人間を殺せるのも、長寿故に死というものに対しての観念が希薄なせいなのかもしれない。
「カナトさ~ん」
コードと入れ替わるようにして、屋敷の渡り廊下の方からシンが駆けて来た。
鼻息荒く近づいて来た彼は、奏人の両肩を掴むと大きく前後に揺さぶり涙目で口を開いた。
「マズイです! マズイですよぉー。屋敷の外にエレジー様が!」
「エレジー?」
初めて耳にする名だ。誰かと問えば、奏人からシンを引き剥がしつつ、フォニックが答えをくれた。
「四律将のお一人です。我が君と同位の方ですよ」
「ソロと?」
頷くフォニックの顔が、珍しく強張っている。シンも未だ涙目だ。
エレジーとやらに興味はなかったが、二人の只ならぬ様子に嫌なものを覚えた。
「シン、我が君のお帰りは?」
「今日は律王の閨番だから、どんなに早くても明朝になるって。とにかくどこでもいいからカナトさんを隠せって、コードが」
「え? 俺?」
「よりにもよって閨番とは……」
「そーなんだよぉ。律王の寝所を守る閨番は四律将の皆様のお仕事だし、持ち回りだから昨晩がエレジー様だったはず」
「あの、ちょっと?」
「まずいな。閨番ではお耳に入れても代えはきかない」
「うん、だよね。どうする? あのコードが隠せって言うぐらいだから、目的は絶対にカナトさんだよ」
「ねぇってば!」
焦る二人を余所に、会話に入れない奏人が声を荒げる。
しかし望むような説明は受けられず、奏人の細い手首をフォニックが掴んだ。
「すみません、カナトさん。緊急事態です。説明は後で」
強引に腕を引かれ、シンとともにその場を離れる。足早に庭を抜け、離れの更に奥にある湖の方へと向かった。
屋敷の真裏にある大きな湖は、ソロの敷地内にある彼の所有物だ。
湖の底にも部屋が存在しており、ソロがたまに疲れを癒すために使っている。邪魔者を追い払うため、そこにはソロの子飼いの妖獣・カナリアが棲息していた。それもあって、屋敷の侍従たちですら滅多に近くことはない。
カナリアはソロ以外に懐くことはせず、あまりに獰猛な気質から妖獣の中でも要注意とされている。奏人は一度ソロに連れられて部屋に向かった際、見たことがあった。
山のように大きな体を鱗が覆う姿は、RPGに出て来そうな水龍を髣髴とさせる。鋭い眼光と、巨大な岩さえ砕きそうな口。唸る声は地響きを起こし、奏人はあまりの恐ろしさに腰を抜かしそうになったほどだ。
「まさか、カナリアのとこに行くの?」
「はい。カナリアは我が君の子飼いの妖獣です。いくらエレジー様とはいえ、迂闊には手が出せません」
「で、でもさ……あれは、ちょっと」
「それに、湖底の部屋は我が君のお力が強く働いています。中にいれば、屋敷内のどこよりも安全です」
緊迫した空気の中、三人は湖へと出た。途端、人の気配に湖面が揺らめき、底の方から肌を刺すような威圧感が迫って来る。人間の奏人にも分かるくらいだ、傍にいるフォニックとシンはそれ以上だろう。
大きな水音とともに現れる、カナリア。名前からイメージする姿とはかけ離れた獰猛な姿に、奏人は息を呑んだ。相変わらず恐ろしい。こんな獣を手懐けているソロの力量は、一体いかほどのものなのだろう。
「さ、カナトさん」
「え? 俺一人っ?」
「おそらくエレジー様はこちらに向かってきます。コードが時間を稼いでいるでしょうが、それもどれほど持つか。とにかく急いでください。我々はここでエレジー様を説得してみます」
「いやいやいや、駄目だろ。俺死ぬよ? 喰われるよ?」
「大丈夫です。我が君の気を纏う貴方なら。……多分」
「多分っ? 今、多分って言ったッ?」
「シン」
「カナトさん、スミマセン!」
フォニックの求めにシンが応じ、カナトを高々と持ち上げるとそのまま勢いよく湖に放り込んだ。ドボーンッ、という音と同時に感じる、体を打ち付けた痛みと息苦しさ。
人間は水の中では息ができないんだぞ、と叫ぶ前に投げ込まれ、溺れかける。
実際そうならなかったのは、予想とは裏腹に息ができたからだ。ソロに連れられて来た時は彼が傍にいたので何らかの力を使ったと思ったが、何故だか奏人一人でも呼吸は可能だった。
心配したカナリアも投げ込まれた奏人をジッと見据えた後、危害を加えるような真似はせずに静かに離れて行った。
安堵の息を吐きながら、水面を見上げる。投げ込まれた以上浮上するわけにもいかない。仕方なくフォニックの言う通り、奏人は湖底へと泳ぎ始めた。かなり深い湖のため、底に到達するまで数十分の時間を要す。
湖の中はカナリアの鱗が光るせいで常に明るかった。お陰で底についても迷わずソロの部屋までたどり着くことができた。もっと迷うかと思ったのに、運が良い。
部屋の扉は奏人が触れると自動的に開き、室内に入ると勝手に閉まった。
不思議な空間だ。部屋の中は地上と同じく空気がある。それなのに湿気はなく、水の中を通って来たのに奏人の服は全く濡れていない。もしかすると湖自体に何らかの力が働いているのかもしれない。でなければ、人間の奏人が水中で息ができるはずもない。
一人でそんなことを考えながら、近くにあるソファに腰掛ける。
室内は小ぢんまりとしていて、上の屋敷にある部屋に比べると半分以下の広さだった。
あるのはソファとテーブル。あとは人間界で言うところの酒の並ぶ棚と、ベッドだけだ。
「フォニックたち、大丈夫かな……」
無茶をしなければいいのだけれど。
何の音もしない静寂の中、ため息だけが室内に広がる。この部屋はソロの張った結界のせいで外界からの音を遮断する。人間の耳では結界があってもなくても上の音を聞くことはできないが、何も聞こえないと逆に不安が募った。
シンはともかく、冷静なフォニックがあれほど慌てるくらいだ。余程の相手なのだろう。
無事でいてくれることを願いつつ、この時初めてソロが早く戻ればいいのにと小さく祈った。祈ったところで無駄なのは幼い頃から分かっているくせに、つい神や仏に祈ってしまうのは心が弱いからだ。
不安の中しばらくぼんやりしていると、不意に湖底が大きく揺れた。何事かと、部屋の窓から外を見る。だが目に見る景色に異変はない。だとすれば、上だ。
「人間! いるのだろう? 我が直々に会いに来てやったぞ、すぐにそこから出て来い!」
声は高らかな笑い声が、奏人の元にまで響いてきた。想像していたものより、随分と声が高い。まだ幼い印象を受ける。だが相手はソロと同位の四律将。声が高いとか幼いとか、そんなものは関係ない。
この室内に声を届けたと言うことは、ソロの結界を破ったと言うことでもある。さっきの揺れは、その反動なのかもしれなかった。
「さもなくば、ここにいる侍従二人を殺すが……構わんな?」
「えっ?」
「聞けばこやつら、ソロではなくお主に従っているそうじゃないか。人間に仕えるなど狂気の沙汰だが、お主の配下ならば殺しても別に問題ない」
冗談ではない。フォニックとシンは、この世界で初めてできた気の置けない大切な存在だ。例えこれが挑発だとしても、出て行かないわけにはいかなかった。
扉を開け湖底に出る。そのまま必死に泳いで浮上した。湖面に出て地上に上がり、瞠若する。言葉がなかった。 目の前に転がる、血だらけのフォニックとシン。説得すると言っていたのに、一体何があったのか。
傍に立つ少年に目をやる。声の通り、若い。見た目は人間の十歳前後。艶やかな黒髪と、明るい灰色の瞳。身長は奏人よりも十センチ以上低かった。藍色のローブのような布で全身を包んでおり、ギラギラとした大きな瞳だけが異様に輝いていた。
一歩、前に出る。フラフラと二人に近づき、息があることに安堵して奏人は少年を振り返った。満足そうに微笑む少年が、何かを話すより先。
「こンの……ッ、クソガキがぁーッ!」
人間の約十倍、長生きする律界人。彼らは持つ力が強ければ強いほど長く生きる。フォニックも見た目はまだ若いが、実年齢は軽く三百歳を超えている。ソロに至っては五百年以上生きているらしい。高齢の律王は更に千年以上生きているというから恐れ入る。簡単に人間を殺せるのも、長寿故に死というものに対しての観念が希薄なせいなのかもしれない。
「カナトさ~ん」
コードと入れ替わるようにして、屋敷の渡り廊下の方からシンが駆けて来た。
鼻息荒く近づいて来た彼は、奏人の両肩を掴むと大きく前後に揺さぶり涙目で口を開いた。
「マズイです! マズイですよぉー。屋敷の外にエレジー様が!」
「エレジー?」
初めて耳にする名だ。誰かと問えば、奏人からシンを引き剥がしつつ、フォニックが答えをくれた。
「四律将のお一人です。我が君と同位の方ですよ」
「ソロと?」
頷くフォニックの顔が、珍しく強張っている。シンも未だ涙目だ。
エレジーとやらに興味はなかったが、二人の只ならぬ様子に嫌なものを覚えた。
「シン、我が君のお帰りは?」
「今日は律王の閨番だから、どんなに早くても明朝になるって。とにかくどこでもいいからカナトさんを隠せって、コードが」
「え? 俺?」
「よりにもよって閨番とは……」
「そーなんだよぉ。律王の寝所を守る閨番は四律将の皆様のお仕事だし、持ち回りだから昨晩がエレジー様だったはず」
「あの、ちょっと?」
「まずいな。閨番ではお耳に入れても代えはきかない」
「うん、だよね。どうする? あのコードが隠せって言うぐらいだから、目的は絶対にカナトさんだよ」
「ねぇってば!」
焦る二人を余所に、会話に入れない奏人が声を荒げる。
しかし望むような説明は受けられず、奏人の細い手首をフォニックが掴んだ。
「すみません、カナトさん。緊急事態です。説明は後で」
強引に腕を引かれ、シンとともにその場を離れる。足早に庭を抜け、離れの更に奥にある湖の方へと向かった。
屋敷の真裏にある大きな湖は、ソロの敷地内にある彼の所有物だ。
湖の底にも部屋が存在しており、ソロがたまに疲れを癒すために使っている。邪魔者を追い払うため、そこにはソロの子飼いの妖獣・カナリアが棲息していた。それもあって、屋敷の侍従たちですら滅多に近くことはない。
カナリアはソロ以外に懐くことはせず、あまりに獰猛な気質から妖獣の中でも要注意とされている。奏人は一度ソロに連れられて部屋に向かった際、見たことがあった。
山のように大きな体を鱗が覆う姿は、RPGに出て来そうな水龍を髣髴とさせる。鋭い眼光と、巨大な岩さえ砕きそうな口。唸る声は地響きを起こし、奏人はあまりの恐ろしさに腰を抜かしそうになったほどだ。
「まさか、カナリアのとこに行くの?」
「はい。カナリアは我が君の子飼いの妖獣です。いくらエレジー様とはいえ、迂闊には手が出せません」
「で、でもさ……あれは、ちょっと」
「それに、湖底の部屋は我が君のお力が強く働いています。中にいれば、屋敷内のどこよりも安全です」
緊迫した空気の中、三人は湖へと出た。途端、人の気配に湖面が揺らめき、底の方から肌を刺すような威圧感が迫って来る。人間の奏人にも分かるくらいだ、傍にいるフォニックとシンはそれ以上だろう。
大きな水音とともに現れる、カナリア。名前からイメージする姿とはかけ離れた獰猛な姿に、奏人は息を呑んだ。相変わらず恐ろしい。こんな獣を手懐けているソロの力量は、一体いかほどのものなのだろう。
「さ、カナトさん」
「え? 俺一人っ?」
「おそらくエレジー様はこちらに向かってきます。コードが時間を稼いでいるでしょうが、それもどれほど持つか。とにかく急いでください。我々はここでエレジー様を説得してみます」
「いやいやいや、駄目だろ。俺死ぬよ? 喰われるよ?」
「大丈夫です。我が君の気を纏う貴方なら。……多分」
「多分っ? 今、多分って言ったッ?」
「シン」
「カナトさん、スミマセン!」
フォニックの求めにシンが応じ、カナトを高々と持ち上げるとそのまま勢いよく湖に放り込んだ。ドボーンッ、という音と同時に感じる、体を打ち付けた痛みと息苦しさ。
人間は水の中では息ができないんだぞ、と叫ぶ前に投げ込まれ、溺れかける。
実際そうならなかったのは、予想とは裏腹に息ができたからだ。ソロに連れられて来た時は彼が傍にいたので何らかの力を使ったと思ったが、何故だか奏人一人でも呼吸は可能だった。
心配したカナリアも投げ込まれた奏人をジッと見据えた後、危害を加えるような真似はせずに静かに離れて行った。
安堵の息を吐きながら、水面を見上げる。投げ込まれた以上浮上するわけにもいかない。仕方なくフォニックの言う通り、奏人は湖底へと泳ぎ始めた。かなり深い湖のため、底に到達するまで数十分の時間を要す。
湖の中はカナリアの鱗が光るせいで常に明るかった。お陰で底についても迷わずソロの部屋までたどり着くことができた。もっと迷うかと思ったのに、運が良い。
部屋の扉は奏人が触れると自動的に開き、室内に入ると勝手に閉まった。
不思議な空間だ。部屋の中は地上と同じく空気がある。それなのに湿気はなく、水の中を通って来たのに奏人の服は全く濡れていない。もしかすると湖自体に何らかの力が働いているのかもしれない。でなければ、人間の奏人が水中で息ができるはずもない。
一人でそんなことを考えながら、近くにあるソファに腰掛ける。
室内は小ぢんまりとしていて、上の屋敷にある部屋に比べると半分以下の広さだった。
あるのはソファとテーブル。あとは人間界で言うところの酒の並ぶ棚と、ベッドだけだ。
「フォニックたち、大丈夫かな……」
無茶をしなければいいのだけれど。
何の音もしない静寂の中、ため息だけが室内に広がる。この部屋はソロの張った結界のせいで外界からの音を遮断する。人間の耳では結界があってもなくても上の音を聞くことはできないが、何も聞こえないと逆に不安が募った。
シンはともかく、冷静なフォニックがあれほど慌てるくらいだ。余程の相手なのだろう。
無事でいてくれることを願いつつ、この時初めてソロが早く戻ればいいのにと小さく祈った。祈ったところで無駄なのは幼い頃から分かっているくせに、つい神や仏に祈ってしまうのは心が弱いからだ。
不安の中しばらくぼんやりしていると、不意に湖底が大きく揺れた。何事かと、部屋の窓から外を見る。だが目に見る景色に異変はない。だとすれば、上だ。
「人間! いるのだろう? 我が直々に会いに来てやったぞ、すぐにそこから出て来い!」
声は高らかな笑い声が、奏人の元にまで響いてきた。想像していたものより、随分と声が高い。まだ幼い印象を受ける。だが相手はソロと同位の四律将。声が高いとか幼いとか、そんなものは関係ない。
この室内に声を届けたと言うことは、ソロの結界を破ったと言うことでもある。さっきの揺れは、その反動なのかもしれなかった。
「さもなくば、ここにいる侍従二人を殺すが……構わんな?」
「えっ?」
「聞けばこやつら、ソロではなくお主に従っているそうじゃないか。人間に仕えるなど狂気の沙汰だが、お主の配下ならば殺しても別に問題ない」
冗談ではない。フォニックとシンは、この世界で初めてできた気の置けない大切な存在だ。例えこれが挑発だとしても、出て行かないわけにはいかなかった。
扉を開け湖底に出る。そのまま必死に泳いで浮上した。湖面に出て地上に上がり、瞠若する。言葉がなかった。 目の前に転がる、血だらけのフォニックとシン。説得すると言っていたのに、一体何があったのか。
傍に立つ少年に目をやる。声の通り、若い。見た目は人間の十歳前後。艶やかな黒髪と、明るい灰色の瞳。身長は奏人よりも十センチ以上低かった。藍色のローブのような布で全身を包んでおり、ギラギラとした大きな瞳だけが異様に輝いていた。
一歩、前に出る。フラフラと二人に近づき、息があることに安堵して奏人は少年を振り返った。満足そうに微笑む少年が、何かを話すより先。
「こンの……ッ、クソガキがぁーッ!」
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