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082話:街道
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「なにこれ・・・。」
先行して森の入り口に向かっていたミリアが呆然と立ち尽くしていたので、速度を速めて合流したんだけど。
「すげぇ・・・。」
つい出ちゃった。
もう、すっかり浦島太郎の気分です。
死んだときはまだ、土の小道だったのに。
それも、切り株残りまくりのガタガタ道だった。
だいぶ時間が経っているとは言え、根を掘り起こして平らにならした程度、道幅も馬車がかろうじて行き交える程度だと思っていた。
アオイ次第では、用水路脇の道みたいに砂利を能力で固めたなんちゃってアスファルトの道もできているかも、そうだったら最高だ、とは思っていたけれど。
街道は、中央に一段高い道があって立派な手すりで仕切られてる。
そこに入るのに数段の階段があるから多分歩行者用通路かな。
左右には、おそらく馬車用の道。
「左側通行ってことなんですかね?」
ウシオが感心しながら、中央の歩行者用と思われる通路の左側にある路面を指さした。
左側の路面には、奥を頂点として、歩行者用通路の右側には手前を頂点とした大きな三角マークが描かれている。
ウシオの指摘通り、進行方向を示しているのだろう。
左側の路面脇には、通行料金回収用であろう建物もあるが、早朝だからなのか誰もいない。
そう、誰もいない。
いくらなんでも、誰もいないことってあるか?
これだけ立派な街道が整備されているというのに、早朝とは言え、周囲はもう明るい。
準備のための作業員すらいないって言うのはどういうことだ?
「滅んでるんじゃないの?あんたたちの村。」
(この女は・・・。)
イラつくけど、確かのその可能性が無いとは言えない。
ある程度の通行があった形跡はあるのに。
う~ん・・・
開通前ってことかな。
うん、そうしよう。
悩んでもしょうがない、それで行こう。
人通りが無いのは、営業が時間制で今はまだ時間外なのか、もしくはまだ街道そのものが稼働前で、移住者達が使っただけなのかってことだよ、うんうん。
往路と復路(推測だけど)で痕跡に差があるのは、きっと往路だけ使って移住者が通ったからに違いない。
料金表とか、案内みたいなものも設置されては居るけれど、使用感もあまり無さそうだし、稼働前ってことなんだろう。
「どうしましょう。」
ほらぁ、余計なこと言うからカタオカ達がが不安そうじゃないか。
「まだ開通して無いんだろう、完成前に移住者でテストをして、一般開放は落ち着いてからって段取りなんだと思うよ。
懇意にしていた酒場も移転したって聞いたから。
一般来訪者の受け入れ準備は、移住が落ち着くまで止めてるんじゃないかな。
時間は必要だろうしね。」
ということで前進だ。
通行料は・・・いいよね?まだ開通前っぽいし。
街道を村へ向けて進む。
馬車の乗り心地は、これまでの道とは雲泥の差だ。
フブキたちを出してそれに乗ってってのもいいかと思ったんだけど、これだけの道だから馬車の乗り心地も体験しておかなくちゃ。
しかし、すげぇなぁ。
今帰っても俺、役に立たないんじゃね?
なんか、急に不安になってきた。
「だれ?」とか言われたらどうしよう。
帰りたいけど帰りたくない。
あぁ不安。
**
馬車での移動は快適そのもの。
この道なら馬車も魔改造で高級車並みの乗り心地にできそうだな。
乗合馬車とかもいいかもしれんよ。
2台を連結させて、前は魔改造したグリーン車、後ろは普通車とか。
騎乗用の鞍を作れば、たぶんこの世界の魔物も騎乗用化できると思うし、一度騎乗用化した魔物ならだれでも扱える。
うん、良いんじゃないかな。
驚くべきは、歩道にベンチや、トイレと思わしき建物まであるところ。
アスクラの能力じゃぁ、ここまで細かいものは作れないはず・・・。
う~ん、実は何年も経過してるとか?
驚きと感動とちょっと・・・どころじゃない不安。
すごいなぁ。
みんな頑張ったんだろうな。
魔物除けにはデモンエイプの毛皮と・・・肉?を使っているようだった。
臭いで追い払うという行為がいつまで通用するかだよな。
魔物除けの魔道具を使うには街道が長すぎる。
一体どれだけの量が必要になることやら。
魔物が嫌う波長だかを出して居心地が悪くなるとか、用もなく近づこうとは思わなくなるっていう効果があるらしい。
ノエルさんの家で学んだ魔道具の知識を使えば、多少は魔素を薄くすることでさらに居心地を悪くできる気がする・・・多少じゃ意味無いか。
それに、餌があればそんなこと無視して飛び込んでくるわけで、イマイチ弱いよね。
理想は、外的進入禁止領域を作れるエイルヴァーンの防御結界発生装置を量産して設置することだけれど。
90レベルで開放する魔導工学がないと作れないんだよな。
拠点に設置していた在庫分じゃあ到底賄えないし。
それに、街道の具合からすると200人もの移住者を受け入れる余裕は無さそうだ。
その時のために残しておかないと。
帰ったらノエルさんを自由にするための研究もあるし、面倒事が途切れない。
**
所々魔物除けの間隔に隙間があるようで、時折魔物との遭遇戦もあったけど、大きな問題も無く路面脇に大きな広場が見えてきた。
「穴だらけじゃない、こんなんで安全な道って言い張る気?」
クレーマーと化したミリアがブーブー言うけど無視だ無視。
「でも、だからまだ開通させて無いんじゃないですか?」
「そうだよねぇ、完璧になるまで閉鎖中とか?」
と、ミリアのいちゃもんを俺が無視して、カタオカとオオノがフォローするという、なんとも嫌な流れが完成してしまった。
ちなみにウシオは、この旅で見事なスルースキルを獲得していた。
スッと存在感を薄く出来るようになったのだ。
隠れているわけじゃないから動ける。
すぐちかくにいるけど、あれ?あいつどこ行った?的な状態になる。
なんかズルい。
俺が手に入れたかったよ、そのスキル。
こいつに絡まれるのもう飽きたし。
で、この微妙に穴のある魔物除けだけどね、俺的にはこの位の穴はちょうどいいんだよな。
だってさ、完璧に魔物を防げる手段が確立していないんだから、絶対安全なんて言えないでしょ?
なのに、みっちり魔物除け設置して戦闘行為がほぼ起こらない状態にしちゃってたら、当然気が緩むじゃん?
中には護衛すら雇わないケチなおバカさんが出てくるだろうし。
そこで被害が出ると、怒りの矛先は村へ向かっちゃうわけだよ。
護衛の傭兵たちの仕事を減らさずに済むし、仕事にあぶれて野盗化するっていう危険を減らせるだろう、治安面を考えてもこのくらいは全然許容量、と言うか、かなり良いバランスじゃないかと思う。
スロークかなぁ、それともユーキ?
さすがだ。
ってことを言うと、またギャーギャーわめくだろうから声には出さない。
アイツのことはハエや蚊だと思っておけば腹も立たな・・・くなんて無いわ!
くそ、何が何でも同行を拒否るべきだった。
「た、たぶん、野営用のキャンプ地かな? 日も陰って来たし、ここで泊まりませんか?」
俺の心情を察したのか、カタオカが提案してきた。
時間的にちょっと早いけど、先に進むとしばらくなさそうだし仕方ないね。
広場には十字に石畳が引かれていて、それ以外は固められた土。テントの杭が打てるようにってことなのかな。
石積みの壁で囲まれているので安心感がある。
さっそく簡易拠点を取り出して設置。
ムカつくけどこれは女性陣用。
あくまでも簡易拠点なんで、そんなに大人数が泊まれるわけじゃないのだ。
もうすでに手慣れたものだけど、自分達用のテントを設営して夕食の準備だ。
今日は何喰おうかな。
**
街道の旅、俺たちだけの貸し切り状態だからってのもあるけど、なんとも快適だ。
程よいイベント(魔物との戦闘)もあって、ミリアのガス抜きになってくれたのも良い。
魔物除けは村に近づくほど細かく設置されていて、戦闘の回数が減ってきている。
やっぱり計算されての穴だったんだな。
ここら辺の緻密さはやっぱりスロークかな?
村に近い=森の奥深く、ってことは、それだけ魔物も強力になる。
村に近づくほどきめ細かく設置していけば、近づくほどに魔物との遭遇は減り、村は安全、と言う印象を持たせることができる。
まぁ、村に近づいた辺りで魔物に遭遇する事態になったら、この世界の護衛じゃシャレにならん事になるだろうけど。
まぁ、村の警備隊が頑張って駆除してくれるだろう。
良い陽気だ。
馬車の上でつい、うつらうつらと舟をこぎ始めてしまった。
「あれ?誰かいますね。」
手綱を握っていたウシオの声でうたた寝から目を覚ました。
おそらく、村手前最後であろう広場だと思うけど・・・。
うん、日も陰って来たし、まだ遠くてはっきりと分からないけど、誰かいるね。
「作業中の作業員かな?
なるほど、まだ完成して無かったんだね。
移住者の移動を先に済ませて、広場とかの休憩施設なんかは後から整備してるんだ。
広場に簡易なものでも宿泊所を作ればいいのにって思ってたけど、これから作るはずだったのか。」
安心安心。
誰にも遭遇しなかったから、マジで滅んでいたら、とか思い始めていたのは内緒だ。
「儲かりそうですね。」
ダンジョンの主と言うより商人っぽくなってきてるんですけど?カタオカよ。
「道中食べる軽食とかを販売してもいいですよね。村の食事への期待を増してくれるんじゃないかな。」
「やっぱりお酒は欲しいよね。」
馬車組の俺、ウシオ、カタオカ、オオノの4人は、そんなことを話しながら遠くに見える広場に近づいてゆく。
やっぱり作業中みたいだな。
何人かが木材を運んでいる姿が見えてきた。
と、
「何か来るぞ。」
少し先を進むミリアからの声に目を凝らす。
たしかに、一人まっしぐらに走ってくる姿が・・・
ウシオが緊張して立ち上がると、ライフルを構える。
「オークです!」
オーク?まさか・・・ってか、目、良いね。
全員に緊張が走った。
「大丈夫だよ、たぶん村の住人だから。」
そう言って落ち着かせたけど、ミリアだけは剣を治めない。
まぁ、一応は護衛としてついてきてる以上はそのくらいの緊張と警戒はしてもらわないとね。
少しすると、俺にも姿がはっきり見えてきた。
あ!
「オヤカタァ!」
バッと馬車から飛び降りると、俺も駆け出していた。
俺、こういうキャラだったっけ?
駆け出しといてなんだけど、ちょっと恥ずかしくなってきたぞ。
うん、とりあえずここはサラッと再開の握手を、くらいのつもりで・・・
「ぐへっ」
オヤカタはガバッと全力でハグしてきた。
うひ~。
強いから・・・なんか出ちゃうから・・・。
顔じゅうからいろんな汁が出てるからぁ~。
なんてやってると、広場の方からワラワラとオークやゴブリンが。
「お久しぶりです、主様。ご生還を信じておりました。」
そう声をかけて来たのは緑色のゴブリン、トウリョウだ。
「おかえりなさい。シンさま。」
「ハジメマシテ。オセワニナッテオリマス。」
なじみのゴブリンに、初めて会うオークたち。
オークはまだ言葉がぎこちない。
最近合流したのかな?
大歓迎で迎えてくれたオヤカタたちに案内されて広場へ入った。
今は、管理事務所兼駐在所の建設中だという。
俺たちは建設中食堂として使っているというホールに案内されると、出された軽食をつまみながら俺のこれまでとか、村の現状とかを話し合った。
俺が死んでいる間は、オヤカタ達のスキルが機能しなくなり、言葉にも違和感があったそうだ。
それでも、この村でのことは忘れることもなく、それまで通り一員として頑張ってくれていたらしい。
それが、50日ほど前に突然言葉が流暢になり、次第にスキルも機能するようになっていったのだという。
そういえば、俺のレベルは再び20を超えていた。
どうやら、俺は死んだあとスロークの第3貯蔵庫に安置されていたらしい。
復活の手段を整えるまでに腐ったりしないようにってことだったらしいんだけど・・・そうか、俺がすぐ復活できなかったのは、そう言ったボタンの掛け違いがあったからなんだね。
そこら辺の内容や、俺が国外へ移動したとかって話は10日ほど前にスロークがクソ悪魔から聞き出して共有されているそうだ。
俺の体が消えて、オヤカタ達の言葉が流暢になるまでに時間がかかったらしいってことでようやく意味が分かったよ。
丸悪魔の最後のセリフ。
「「あ、少し時間かかる」」
の意味が。
たぶん、俺が正式に?復活した時、オヤカタ達の言葉も改善されたのだろう。
その後俺のレベルが上がる事でスキルも次第に解放されていき、俺が20レベルになって、MODで導入した限定版テイムスキルが開放されると、そのタイミングでオヤカタ達の能力も完全開放されたってことじゃないかな。
その夜は久しぶりに村の食事。
マスターのレシピで、建築現場に出向しているゴブリンの料理人メチが腕をふるったものを堪能した。
お返しに、エイルヴァーン製のエール酒を振る舞った。
樽でね、スタック上限の99個詰まってたからこれくらいはいいだろう。
そうそう、恐る恐る聞いてみたけど、資材の方は問題無かったみたい。
キョトンとされちゃったよ。
よかった・・・復活と同時に資材がリセットされて村が大惨事に・・・なってなくて。
ん?
ってことは、外に出していた貯蔵庫の中身は倍になったってことだよね。
儲け♪
一気に不安が払拭されたぞ。
男性陣はひさしぶりにベッドで就寝。
やっぱりいいわぁ~、テントに毛布だと、なんだか疲れが取れてない気がしてさ。
翌朝、朝食をご馳走になると村へ向けて出発した。
酒、弱いのに昨日は飲みすぎた。
人生初の二日酔いのため手綱はウシオにお任せ。
もう飲まん!
スマン、嘘だ。
ほどほどにする。
出発直前にトウリョーからこっそりと、アオイが異常なほど俺のことを心配しているみたいだから気にかけてやってほしいって言われたけど・・・アオイが俺を心配?ナイナイ、どうやらみんな昨日の酒でおかしな夢でも見たのだろう。
二日酔いもお昼すぎにようやく復活。
トウリョウの話だと、夕方には村に着く着くだろう。
流石にこの辺りになると毛皮による魔物よけだけではなく、購入した魔物除けの魔道具も織り交ぜて密に設置されている。
おかげで一度も魔物に遭遇していない。
お。
村が見えてきた。
ここからでもわかる。
建物増えたなぁ。
少し前で馬車を降りた。
なんだか、急に歩いて入りたくなったんだ。
村に入ると、職人と思しき連中がたむろしている中にアオイがいた。
元気そうだ。
こちらに気がついたアオイは、自分を見るや否や駆け寄ってきて、ボロボロと泣き出してしまった。
え?
いや、死んでたんだからそうだよね。
でも、オヤカタ達の話だと生き返ったって伝えられていたのでは?
想定外の反応におたつく俺。
む、これどう反応すればいいの?
致命的なほど圧倒的な経験値不足。
あ、手に日本刀らしきものを持っている。
コレダ。
「ウマクデキルヨウニナッタンダネ。オメデト・・・ウ?」
次の瞬間、顔面に強烈な衝撃を感じてそのまま暗転。
誉め言葉に感情がなさ過ぎたか。
棒読みはいかんかったよね。
先行して森の入り口に向かっていたミリアが呆然と立ち尽くしていたので、速度を速めて合流したんだけど。
「すげぇ・・・。」
つい出ちゃった。
もう、すっかり浦島太郎の気分です。
死んだときはまだ、土の小道だったのに。
それも、切り株残りまくりのガタガタ道だった。
だいぶ時間が経っているとは言え、根を掘り起こして平らにならした程度、道幅も馬車がかろうじて行き交える程度だと思っていた。
アオイ次第では、用水路脇の道みたいに砂利を能力で固めたなんちゃってアスファルトの道もできているかも、そうだったら最高だ、とは思っていたけれど。
街道は、中央に一段高い道があって立派な手すりで仕切られてる。
そこに入るのに数段の階段があるから多分歩行者用通路かな。
左右には、おそらく馬車用の道。
「左側通行ってことなんですかね?」
ウシオが感心しながら、中央の歩行者用と思われる通路の左側にある路面を指さした。
左側の路面には、奥を頂点として、歩行者用通路の右側には手前を頂点とした大きな三角マークが描かれている。
ウシオの指摘通り、進行方向を示しているのだろう。
左側の路面脇には、通行料金回収用であろう建物もあるが、早朝だからなのか誰もいない。
そう、誰もいない。
いくらなんでも、誰もいないことってあるか?
これだけ立派な街道が整備されているというのに、早朝とは言え、周囲はもう明るい。
準備のための作業員すらいないって言うのはどういうことだ?
「滅んでるんじゃないの?あんたたちの村。」
(この女は・・・。)
イラつくけど、確かのその可能性が無いとは言えない。
ある程度の通行があった形跡はあるのに。
う~ん・・・
開通前ってことかな。
うん、そうしよう。
悩んでもしょうがない、それで行こう。
人通りが無いのは、営業が時間制で今はまだ時間外なのか、もしくはまだ街道そのものが稼働前で、移住者達が使っただけなのかってことだよ、うんうん。
往路と復路(推測だけど)で痕跡に差があるのは、きっと往路だけ使って移住者が通ったからに違いない。
料金表とか、案内みたいなものも設置されては居るけれど、使用感もあまり無さそうだし、稼働前ってことなんだろう。
「どうしましょう。」
ほらぁ、余計なこと言うからカタオカ達がが不安そうじゃないか。
「まだ開通して無いんだろう、完成前に移住者でテストをして、一般開放は落ち着いてからって段取りなんだと思うよ。
懇意にしていた酒場も移転したって聞いたから。
一般来訪者の受け入れ準備は、移住が落ち着くまで止めてるんじゃないかな。
時間は必要だろうしね。」
ということで前進だ。
通行料は・・・いいよね?まだ開通前っぽいし。
街道を村へ向けて進む。
馬車の乗り心地は、これまでの道とは雲泥の差だ。
フブキたちを出してそれに乗ってってのもいいかと思ったんだけど、これだけの道だから馬車の乗り心地も体験しておかなくちゃ。
しかし、すげぇなぁ。
今帰っても俺、役に立たないんじゃね?
なんか、急に不安になってきた。
「だれ?」とか言われたらどうしよう。
帰りたいけど帰りたくない。
あぁ不安。
**
馬車での移動は快適そのもの。
この道なら馬車も魔改造で高級車並みの乗り心地にできそうだな。
乗合馬車とかもいいかもしれんよ。
2台を連結させて、前は魔改造したグリーン車、後ろは普通車とか。
騎乗用の鞍を作れば、たぶんこの世界の魔物も騎乗用化できると思うし、一度騎乗用化した魔物ならだれでも扱える。
うん、良いんじゃないかな。
驚くべきは、歩道にベンチや、トイレと思わしき建物まであるところ。
アスクラの能力じゃぁ、ここまで細かいものは作れないはず・・・。
う~ん、実は何年も経過してるとか?
驚きと感動とちょっと・・・どころじゃない不安。
すごいなぁ。
みんな頑張ったんだろうな。
魔物除けにはデモンエイプの毛皮と・・・肉?を使っているようだった。
臭いで追い払うという行為がいつまで通用するかだよな。
魔物除けの魔道具を使うには街道が長すぎる。
一体どれだけの量が必要になることやら。
魔物が嫌う波長だかを出して居心地が悪くなるとか、用もなく近づこうとは思わなくなるっていう効果があるらしい。
ノエルさんの家で学んだ魔道具の知識を使えば、多少は魔素を薄くすることでさらに居心地を悪くできる気がする・・・多少じゃ意味無いか。
それに、餌があればそんなこと無視して飛び込んでくるわけで、イマイチ弱いよね。
理想は、外的進入禁止領域を作れるエイルヴァーンの防御結界発生装置を量産して設置することだけれど。
90レベルで開放する魔導工学がないと作れないんだよな。
拠点に設置していた在庫分じゃあ到底賄えないし。
それに、街道の具合からすると200人もの移住者を受け入れる余裕は無さそうだ。
その時のために残しておかないと。
帰ったらノエルさんを自由にするための研究もあるし、面倒事が途切れない。
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所々魔物除けの間隔に隙間があるようで、時折魔物との遭遇戦もあったけど、大きな問題も無く路面脇に大きな広場が見えてきた。
「穴だらけじゃない、こんなんで安全な道って言い張る気?」
クレーマーと化したミリアがブーブー言うけど無視だ無視。
「でも、だからまだ開通させて無いんじゃないですか?」
「そうだよねぇ、完璧になるまで閉鎖中とか?」
と、ミリアのいちゃもんを俺が無視して、カタオカとオオノがフォローするという、なんとも嫌な流れが完成してしまった。
ちなみにウシオは、この旅で見事なスルースキルを獲得していた。
スッと存在感を薄く出来るようになったのだ。
隠れているわけじゃないから動ける。
すぐちかくにいるけど、あれ?あいつどこ行った?的な状態になる。
なんかズルい。
俺が手に入れたかったよ、そのスキル。
こいつに絡まれるのもう飽きたし。
で、この微妙に穴のある魔物除けだけどね、俺的にはこの位の穴はちょうどいいんだよな。
だってさ、完璧に魔物を防げる手段が確立していないんだから、絶対安全なんて言えないでしょ?
なのに、みっちり魔物除け設置して戦闘行為がほぼ起こらない状態にしちゃってたら、当然気が緩むじゃん?
中には護衛すら雇わないケチなおバカさんが出てくるだろうし。
そこで被害が出ると、怒りの矛先は村へ向かっちゃうわけだよ。
護衛の傭兵たちの仕事を減らさずに済むし、仕事にあぶれて野盗化するっていう危険を減らせるだろう、治安面を考えてもこのくらいは全然許容量、と言うか、かなり良いバランスじゃないかと思う。
スロークかなぁ、それともユーキ?
さすがだ。
ってことを言うと、またギャーギャーわめくだろうから声には出さない。
アイツのことはハエや蚊だと思っておけば腹も立たな・・・くなんて無いわ!
くそ、何が何でも同行を拒否るべきだった。
「た、たぶん、野営用のキャンプ地かな? 日も陰って来たし、ここで泊まりませんか?」
俺の心情を察したのか、カタオカが提案してきた。
時間的にちょっと早いけど、先に進むとしばらくなさそうだし仕方ないね。
広場には十字に石畳が引かれていて、それ以外は固められた土。テントの杭が打てるようにってことなのかな。
石積みの壁で囲まれているので安心感がある。
さっそく簡易拠点を取り出して設置。
ムカつくけどこれは女性陣用。
あくまでも簡易拠点なんで、そんなに大人数が泊まれるわけじゃないのだ。
もうすでに手慣れたものだけど、自分達用のテントを設営して夕食の準備だ。
今日は何喰おうかな。
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街道の旅、俺たちだけの貸し切り状態だからってのもあるけど、なんとも快適だ。
程よいイベント(魔物との戦闘)もあって、ミリアのガス抜きになってくれたのも良い。
魔物除けは村に近づくほど細かく設置されていて、戦闘の回数が減ってきている。
やっぱり計算されての穴だったんだな。
ここら辺の緻密さはやっぱりスロークかな?
村に近い=森の奥深く、ってことは、それだけ魔物も強力になる。
村に近づくほどきめ細かく設置していけば、近づくほどに魔物との遭遇は減り、村は安全、と言う印象を持たせることができる。
まぁ、村に近づいた辺りで魔物に遭遇する事態になったら、この世界の護衛じゃシャレにならん事になるだろうけど。
まぁ、村の警備隊が頑張って駆除してくれるだろう。
良い陽気だ。
馬車の上でつい、うつらうつらと舟をこぎ始めてしまった。
「あれ?誰かいますね。」
手綱を握っていたウシオの声でうたた寝から目を覚ました。
おそらく、村手前最後であろう広場だと思うけど・・・。
うん、日も陰って来たし、まだ遠くてはっきりと分からないけど、誰かいるね。
「作業中の作業員かな?
なるほど、まだ完成して無かったんだね。
移住者の移動を先に済ませて、広場とかの休憩施設なんかは後から整備してるんだ。
広場に簡易なものでも宿泊所を作ればいいのにって思ってたけど、これから作るはずだったのか。」
安心安心。
誰にも遭遇しなかったから、マジで滅んでいたら、とか思い始めていたのは内緒だ。
「儲かりそうですね。」
ダンジョンの主と言うより商人っぽくなってきてるんですけど?カタオカよ。
「道中食べる軽食とかを販売してもいいですよね。村の食事への期待を増してくれるんじゃないかな。」
「やっぱりお酒は欲しいよね。」
馬車組の俺、ウシオ、カタオカ、オオノの4人は、そんなことを話しながら遠くに見える広場に近づいてゆく。
やっぱり作業中みたいだな。
何人かが木材を運んでいる姿が見えてきた。
と、
「何か来るぞ。」
少し先を進むミリアからの声に目を凝らす。
たしかに、一人まっしぐらに走ってくる姿が・・・
ウシオが緊張して立ち上がると、ライフルを構える。
「オークです!」
オーク?まさか・・・ってか、目、良いね。
全員に緊張が走った。
「大丈夫だよ、たぶん村の住人だから。」
そう言って落ち着かせたけど、ミリアだけは剣を治めない。
まぁ、一応は護衛としてついてきてる以上はそのくらいの緊張と警戒はしてもらわないとね。
少しすると、俺にも姿がはっきり見えてきた。
あ!
「オヤカタァ!」
バッと馬車から飛び降りると、俺も駆け出していた。
俺、こういうキャラだったっけ?
駆け出しといてなんだけど、ちょっと恥ずかしくなってきたぞ。
うん、とりあえずここはサラッと再開の握手を、くらいのつもりで・・・
「ぐへっ」
オヤカタはガバッと全力でハグしてきた。
うひ~。
強いから・・・なんか出ちゃうから・・・。
顔じゅうからいろんな汁が出てるからぁ~。
なんてやってると、広場の方からワラワラとオークやゴブリンが。
「お久しぶりです、主様。ご生還を信じておりました。」
そう声をかけて来たのは緑色のゴブリン、トウリョウだ。
「おかえりなさい。シンさま。」
「ハジメマシテ。オセワニナッテオリマス。」
なじみのゴブリンに、初めて会うオークたち。
オークはまだ言葉がぎこちない。
最近合流したのかな?
大歓迎で迎えてくれたオヤカタたちに案内されて広場へ入った。
今は、管理事務所兼駐在所の建設中だという。
俺たちは建設中食堂として使っているというホールに案内されると、出された軽食をつまみながら俺のこれまでとか、村の現状とかを話し合った。
俺が死んでいる間は、オヤカタ達のスキルが機能しなくなり、言葉にも違和感があったそうだ。
それでも、この村でのことは忘れることもなく、それまで通り一員として頑張ってくれていたらしい。
それが、50日ほど前に突然言葉が流暢になり、次第にスキルも機能するようになっていったのだという。
そういえば、俺のレベルは再び20を超えていた。
どうやら、俺は死んだあとスロークの第3貯蔵庫に安置されていたらしい。
復活の手段を整えるまでに腐ったりしないようにってことだったらしいんだけど・・・そうか、俺がすぐ復活できなかったのは、そう言ったボタンの掛け違いがあったからなんだね。
そこら辺の内容や、俺が国外へ移動したとかって話は10日ほど前にスロークがクソ悪魔から聞き出して共有されているそうだ。
俺の体が消えて、オヤカタ達の言葉が流暢になるまでに時間がかかったらしいってことでようやく意味が分かったよ。
丸悪魔の最後のセリフ。
「「あ、少し時間かかる」」
の意味が。
たぶん、俺が正式に?復活した時、オヤカタ達の言葉も改善されたのだろう。
その後俺のレベルが上がる事でスキルも次第に解放されていき、俺が20レベルになって、MODで導入した限定版テイムスキルが開放されると、そのタイミングでオヤカタ達の能力も完全開放されたってことじゃないかな。
その夜は久しぶりに村の食事。
マスターのレシピで、建築現場に出向しているゴブリンの料理人メチが腕をふるったものを堪能した。
お返しに、エイルヴァーン製のエール酒を振る舞った。
樽でね、スタック上限の99個詰まってたからこれくらいはいいだろう。
そうそう、恐る恐る聞いてみたけど、資材の方は問題無かったみたい。
キョトンとされちゃったよ。
よかった・・・復活と同時に資材がリセットされて村が大惨事に・・・なってなくて。
ん?
ってことは、外に出していた貯蔵庫の中身は倍になったってことだよね。
儲け♪
一気に不安が払拭されたぞ。
男性陣はひさしぶりにベッドで就寝。
やっぱりいいわぁ~、テントに毛布だと、なんだか疲れが取れてない気がしてさ。
翌朝、朝食をご馳走になると村へ向けて出発した。
酒、弱いのに昨日は飲みすぎた。
人生初の二日酔いのため手綱はウシオにお任せ。
もう飲まん!
スマン、嘘だ。
ほどほどにする。
出発直前にトウリョーからこっそりと、アオイが異常なほど俺のことを心配しているみたいだから気にかけてやってほしいって言われたけど・・・アオイが俺を心配?ナイナイ、どうやらみんな昨日の酒でおかしな夢でも見たのだろう。
二日酔いもお昼すぎにようやく復活。
トウリョウの話だと、夕方には村に着く着くだろう。
流石にこの辺りになると毛皮による魔物よけだけではなく、購入した魔物除けの魔道具も織り交ぜて密に設置されている。
おかげで一度も魔物に遭遇していない。
お。
村が見えてきた。
ここからでもわかる。
建物増えたなぁ。
少し前で馬車を降りた。
なんだか、急に歩いて入りたくなったんだ。
村に入ると、職人と思しき連中がたむろしている中にアオイがいた。
元気そうだ。
こちらに気がついたアオイは、自分を見るや否や駆け寄ってきて、ボロボロと泣き出してしまった。
え?
いや、死んでたんだからそうだよね。
でも、オヤカタ達の話だと生き返ったって伝えられていたのでは?
想定外の反応におたつく俺。
む、これどう反応すればいいの?
致命的なほど圧倒的な経験値不足。
あ、手に日本刀らしきものを持っている。
コレダ。
「ウマクデキルヨウニナッタンダネ。オメデト・・・ウ?」
次の瞬間、顔面に強烈な衝撃を感じてそのまま暗転。
誉め言葉に感情がなさ過ぎたか。
棒読みはいかんかったよね。
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これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
構造理解で始めるゼロからの文明開拓
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ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。
適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。
だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――!
――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
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【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
根暗男が異世界転生してTS美少女になったら幸せになれますか?
みずがめ
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自身の暗い性格をコンプレックスに思っていた男が死んで異世界転生してしまう。
転生した先では性別が変わってしまい、いわゆるTS転生を果たして生活することとなった。
せっかく異世界ファンタジーで魔法の才能に溢れた美少女になったのだ。元男は前世では掴めなかった幸せのために奮闘するのであった。
これは前世での後悔を引きずりながらもがんばっていく、TS少女の物語である。
※この作品は他サイトにも掲載しています。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
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定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
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