16 / 94
April
2階席で食堂イベント全裸待機②
しおりを挟む
俺たちが言い争いをしている横で、ナギは鼻歌を歌いながら注文用のタブレットを操作して、メニューを見ている。
なんだかご機嫌ですね、ナギくん。
「2人は何食べるんー?」
メニューのトップ画面に戻して、タブレットを俺たちに見えるように向けてくれるナギ。
何を食べようか。いつもなら麺類だけど、イベントに集中するなら汁気のあるものは避けた方がいい気がする。
そう考えた俺は、チャーハンを注文した。
俺の注文したメニューを見て、タブレットを受け取った陽希は驚きの声をあげる。
「チャーハンって珍しない? 蒼葉は麺類のイメージ強すぎて、米とか食べるん初めて見るかも」
「さすがに初めては言い過ぎだろ。食堂イベ見るんなら、軽く食べられるものがいいかと思って」
「あ、なるほど! 興奮して暴れたりしてしもたら、汁もんは危ないわな! じゃあ俺も……ピザとかにしよかな」
言いながら注文を確定した陽希。
タブレットを元の位置に戻す。
1階を見やると、もうかなりの人々が集まってきていた。何やら異様なざわめきがあるのがわかる。
その中心を確認すると、見つけた。
「あ、マリモ、もう来てんじゃん」
「え!? ほんまに!? どこ!? どこっ!?」
「ど真ん中」
「ほんまやあああ!! 横にはさっき話題に出た爽やか代表の里中颯くんやね!! 一匹狼くんがおらんのは心から残念やけど、しゃーないで──ん? その横の子は誰や?」
「お。あれは、柊巧くん。ツンデレ属性の子だな」
「ツンデレ属性とかメシウマ!」
広い食堂の1階。ちょうど中心に位置する席に、もさもさマリモと爽やかイケメンの里中くん、そして新メンバーの美人系ツンデレ少年の柊くんが座っている。
彼が蓮の代わりか。頑張ってくれよ柊くん。
対策はされているものの、形がドーム状のこの建物。
人が集まれば集まるほど、まるでライブ会場のように音が響き渡っていく。
そんな中でも、何故かはっきりと聞こえてくるマリモの声。
声が大きい上に、この男だらけの学園の中でも通りやすい高めの声だからかもしれない。
見物する側としては大変嬉しい状況だ。
それにしても、マリモの周りの席。見たことのある顔が多いな。
「なぁ、陽希。マリモの周りの席のやつら、腐男子率高くね?」
「そらそうや~。食堂イベだけで巻き込まれることって、あんまないからな」
「……そう言われると確かに。見ないかも」
蓮みたいに元々目をつけられていた場合を除くと、食堂イベでの巻き込まれってあまり聞かない。
なるほどな。だから今回のイベントに限っては、あんなに近付けるってことか。それ、かなり羨ましい。
俺は同クラだし斜め後ろの席だし、下手なことはしないに限るけどさ。
俺ももっと近くで見たかったぜ。
しばらく見物していると、ウェイターさんが注文した料理を運んできてくれた。
俺の前に置かれた、黄金に輝くチャーハン。
陽希がさっき言っていた通り、チャーハンを食べるのは久々だ。なぜなら、いつもほぼ麺類だから。
とはいえ、他のものが嫌いなわけじゃない。麺類がうますぎるだけなんだ。けして、偏食とかそういうことではないと思っている。
それにしても、さすが一流料理人が作っているだけのことはある。地元で食べてたものとは違う。パラッパラだし、何より美味い。
これからは麺類だけじゃなくて、別のものももう少し食べてもいいかもしれない。
久々のチャーハンの味に感激している俺。
ふと正面を見ると、何故かフォークとナイフを駆使してピザを食べている陽希が目に飛び込んできた。
所作はとても綺麗なのだが、育ちが良い……のだろうか?
ピザは手掴みで食べる系の一般庶民なので、その光景に違和感しか感じない。
そんなことを考えながら黙々とチャーハンを食べていた、その時。
入り口に近い席から、水を打ったように静かになった。
俺たちも手を止めて、入り口に集中。
遂に、待ちに待った【食堂イベント】が始まる──。
なんだかご機嫌ですね、ナギくん。
「2人は何食べるんー?」
メニューのトップ画面に戻して、タブレットを俺たちに見えるように向けてくれるナギ。
何を食べようか。いつもなら麺類だけど、イベントに集中するなら汁気のあるものは避けた方がいい気がする。
そう考えた俺は、チャーハンを注文した。
俺の注文したメニューを見て、タブレットを受け取った陽希は驚きの声をあげる。
「チャーハンって珍しない? 蒼葉は麺類のイメージ強すぎて、米とか食べるん初めて見るかも」
「さすがに初めては言い過ぎだろ。食堂イベ見るんなら、軽く食べられるものがいいかと思って」
「あ、なるほど! 興奮して暴れたりしてしもたら、汁もんは危ないわな! じゃあ俺も……ピザとかにしよかな」
言いながら注文を確定した陽希。
タブレットを元の位置に戻す。
1階を見やると、もうかなりの人々が集まってきていた。何やら異様なざわめきがあるのがわかる。
その中心を確認すると、見つけた。
「あ、マリモ、もう来てんじゃん」
「え!? ほんまに!? どこ!? どこっ!?」
「ど真ん中」
「ほんまやあああ!! 横にはさっき話題に出た爽やか代表の里中颯くんやね!! 一匹狼くんがおらんのは心から残念やけど、しゃーないで──ん? その横の子は誰や?」
「お。あれは、柊巧くん。ツンデレ属性の子だな」
「ツンデレ属性とかメシウマ!」
広い食堂の1階。ちょうど中心に位置する席に、もさもさマリモと爽やかイケメンの里中くん、そして新メンバーの美人系ツンデレ少年の柊くんが座っている。
彼が蓮の代わりか。頑張ってくれよ柊くん。
対策はされているものの、形がドーム状のこの建物。
人が集まれば集まるほど、まるでライブ会場のように音が響き渡っていく。
そんな中でも、何故かはっきりと聞こえてくるマリモの声。
声が大きい上に、この男だらけの学園の中でも通りやすい高めの声だからかもしれない。
見物する側としては大変嬉しい状況だ。
それにしても、マリモの周りの席。見たことのある顔が多いな。
「なぁ、陽希。マリモの周りの席のやつら、腐男子率高くね?」
「そらそうや~。食堂イベだけで巻き込まれることって、あんまないからな」
「……そう言われると確かに。見ないかも」
蓮みたいに元々目をつけられていた場合を除くと、食堂イベでの巻き込まれってあまり聞かない。
なるほどな。だから今回のイベントに限っては、あんなに近付けるってことか。それ、かなり羨ましい。
俺は同クラだし斜め後ろの席だし、下手なことはしないに限るけどさ。
俺ももっと近くで見たかったぜ。
しばらく見物していると、ウェイターさんが注文した料理を運んできてくれた。
俺の前に置かれた、黄金に輝くチャーハン。
陽希がさっき言っていた通り、チャーハンを食べるのは久々だ。なぜなら、いつもほぼ麺類だから。
とはいえ、他のものが嫌いなわけじゃない。麺類がうますぎるだけなんだ。けして、偏食とかそういうことではないと思っている。
それにしても、さすが一流料理人が作っているだけのことはある。地元で食べてたものとは違う。パラッパラだし、何より美味い。
これからは麺類だけじゃなくて、別のものももう少し食べてもいいかもしれない。
久々のチャーハンの味に感激している俺。
ふと正面を見ると、何故かフォークとナイフを駆使してピザを食べている陽希が目に飛び込んできた。
所作はとても綺麗なのだが、育ちが良い……のだろうか?
ピザは手掴みで食べる系の一般庶民なので、その光景に違和感しか感じない。
そんなことを考えながら黙々とチャーハンを食べていた、その時。
入り口に近い席から、水を打ったように静かになった。
俺たちも手を止めて、入り口に集中。
遂に、待ちに待った【食堂イベント】が始まる──。
57
あなたにおすすめの小説
どうしてそうなるんだよ!!!
藤沢茉莉
BL
俺様な会長、腹黒な副会長、無口な書記、双子の庶務……不本意ながら生徒会役員に選ばれてしまった見た目不良なお人好し主人公が、個性的なメンバーに囲まれながら頑張る話。
多忙のため少々お休み中。
誤字脱字ほか、気になる箇所があれば随時修正していきます。
【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。
或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。
自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい!
そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。
瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。
圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって……
̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶
【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ
番外編、牛歩更新です🙇♀️
※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。
少しですが百合要素があります。
☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました!
第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる