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April
人生諦めも肝心、だけど①
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何だかんだ双子とわんこ先輩とは会話が弾み、気がつくと昼休み終了まで5分を切っていた。
「そろそろ俺、教室に戻ります」
もう充分癒されたし、これ以上の長居は無用だ。
回収してしまったフラグをそろそろこのあたりでへし折らないと大変なことになる。
確実にへし折るためには、ここから脱出して教室に戻るべきだ。
俺はそそくさと立ち上がる。
ドアに向かって歩き出した俺の目の前に立ち塞がったのは、またしてもマリモだった。
何でこいつはこんなにも俺の邪魔をするんだ。…って、王道転入生って総じてそういう存在でしたね。俺としたことが。
「マリ……じゃない。えーと、…新垣くん? 俺、教室戻るからそこ──」
「朔!」
「へ?」
「名前でいいぜ!」
「そんな仲良くないし」
「何言ってんだよ! 俺たち親友だろ!!」
「その問答、もう疲れたわ…。とにかくそこ通らせてくれよ」
親友、親友じゃないのやり取りはもういい。さっき終わったんだから蒸し返さないでくれ。
何度言っても話の通じないマリモに嫌気が差して、ため息をつく。
そんなマリモは、その仁王立ち姿のまま、とんでもない爆弾を投下した。
「蒼葉も生徒会室に行こうぜ!!」
一瞬反応が出来なかった。
いや。だからさ、聞いてた?
俺は教室帰るんだってば。
「な! 行こうぜ!」
「嫌だ」
「何でだよ!?」
「俺は生徒会役員じゃないし。何より授業あるし」
「授業なんて聞かなくても、教科書読めば十分じゃんか!!」
え、何そのチート発言。
さすが王道転入生。学力的な頭の良さはピカイチですか。
なんでそれが一般常識というものに向かわなかったのか。心の底から疑問だ。
「秀吉たちも会いたいって思ってるぞ!!」
「いや、知らんし」
そんな話聞いたことないし。
ってか、会いたいなら自分から来るのが筋では?
いやまぁ来られても困るんだけども。
だがしかし、こちらから出向くのは違うだろうとは思う。
「さっくんの言う通りだよ!」
「だよ!」
「だから蒼くん、一緒にいこー!」
「いこー!」
「「いこーよー!」」
マリモに気を取られているうちに、双子が両側から服を引きながら上目遣い攻撃を仕掛けてきた。
あぁ可愛い。可愛すぎる。
同じ男だとは思えない。産まれてくる性別を間違えたとしか思えない…。
……いやダメだ。ここで行ってしまったが最期、俺の学園ライフは終わりを告げる気がする。
新たな学園ライフだなんていう次元じゃなくて、完全に終わってしまう。
もう既にほぼ終わってるだなんてことは知らない。俺は認めない。認めたくない。
脇役腐男子として、出来事の外側から見物する。そんな今まで通りの日常に、まだ今なら…。
そんな、消えかけている夢を捨てきれない俺は、心を鬼にしてその可愛い手を振り払う。
「すみませんが、俺は授業受けなきゃなんで」
「「えー!!」」
「そんなこと言わないでよー」
「でよー」
「ねえー」
「ねえー」
「「蒼くーん!」」
マリモを避けて、駆け足で別ルートからドアへ向かう。
マリモの驚いた声と、双子が追いかけてくるのを感じつつ、何とか辿り着いてドアノブに手をかけたその時。
「蒼は……、俺たち…きらい……?」
小さいけどはっきりと、そんな低い声が届いた。
まるで先輩だとは思えない、そんな甘えた言葉をたどたどしく呟くわんこ先輩。思わず足が止まった。
ゆっくりと声のした方を振り返る。
瞳に映ったのは、しゅんと項垂れた寂しそうなわんこ。……うん、わんこ。
「……蒼」
ダメ押しのように、再度名前を呼ばれた。
ヤバい。
破壊力がヤバいって。
今までも癒し系だと思ってたけど、ここまで甘えたな感じはヤバいって。
この人本当に先輩かよ。年齢詐欺してねぇよな…?
抱かれたいランクに昔からずっとランクインしてる人の言う言葉とは思えない。表情もまるで子犬……いや、幼子のよう。
これぞギャップ萌え。
ストレートなのもいいけど、やっぱりギャップ萌えって最高だわ。
推せる。これもうめちゃくちゃ推せる。
ぜひ強気受けの子とかに襲われてください。もしくはドロドロに甘やかして攻めてあげてください。
あーでも、今まで攻め固定で来たけど、受け側で考えることもできるかもしれない。ここまで可愛いとできるかも。んー、会長とかアリ? でも俺、会長のこと深く知らないしな。下手にカップリングするのもな。
やっぱりまだしばらくは攻め固定で行きましょう先輩。
「蒼くん、捕まえたー!」
「捕まえたー!」
思いがけないわんこ先輩の甘えた攻撃に脳内腐男子全開で妄想して固まっていると、双子が両側から体当たりしてきた。
お陰で現実世界に戻っては来れたが、なんつう行動するんだ。
体当たりしてきて腕にぎゅーって抱きついてくるだなんて、高校男児とは思えない。
普通は恋人同士が、主に女の子側からしそうな行動だからな。
まぁ俺はこんな可愛いこと、妹からしかされたことないけど。妹は世界一可愛いから。
って、妹の彩葉のこと考えたら会いたくなってきたー。GWは帰るつもりだけど、近いうちに電話でもしてみようかな。
なんて、段々現実逃避し始めた俺を他所に、俺に代わってドアノブを握ったマリモが、高らかに宣言した。
「椛! 楓! 賢心! もうこのまま連れていこうぜ!!」
「「おっけー!!」」
「いこ……っ!」
「…え、マジか!? ちょ、ま…!」
俺の返事を待つことなく、マリモを先頭に、双子に両腕を引かれ、わんこ先輩に背中を押されて、俺たち5人はVIPルームから飛び出した。
「そろそろ俺、教室に戻ります」
もう充分癒されたし、これ以上の長居は無用だ。
回収してしまったフラグをそろそろこのあたりでへし折らないと大変なことになる。
確実にへし折るためには、ここから脱出して教室に戻るべきだ。
俺はそそくさと立ち上がる。
ドアに向かって歩き出した俺の目の前に立ち塞がったのは、またしてもマリモだった。
何でこいつはこんなにも俺の邪魔をするんだ。…って、王道転入生って総じてそういう存在でしたね。俺としたことが。
「マリ……じゃない。えーと、…新垣くん? 俺、教室戻るからそこ──」
「朔!」
「へ?」
「名前でいいぜ!」
「そんな仲良くないし」
「何言ってんだよ! 俺たち親友だろ!!」
「その問答、もう疲れたわ…。とにかくそこ通らせてくれよ」
親友、親友じゃないのやり取りはもういい。さっき終わったんだから蒸し返さないでくれ。
何度言っても話の通じないマリモに嫌気が差して、ため息をつく。
そんなマリモは、その仁王立ち姿のまま、とんでもない爆弾を投下した。
「蒼葉も生徒会室に行こうぜ!!」
一瞬反応が出来なかった。
いや。だからさ、聞いてた?
俺は教室帰るんだってば。
「な! 行こうぜ!」
「嫌だ」
「何でだよ!?」
「俺は生徒会役員じゃないし。何より授業あるし」
「授業なんて聞かなくても、教科書読めば十分じゃんか!!」
え、何そのチート発言。
さすが王道転入生。学力的な頭の良さはピカイチですか。
なんでそれが一般常識というものに向かわなかったのか。心の底から疑問だ。
「秀吉たちも会いたいって思ってるぞ!!」
「いや、知らんし」
そんな話聞いたことないし。
ってか、会いたいなら自分から来るのが筋では?
いやまぁ来られても困るんだけども。
だがしかし、こちらから出向くのは違うだろうとは思う。
「さっくんの言う通りだよ!」
「だよ!」
「だから蒼くん、一緒にいこー!」
「いこー!」
「「いこーよー!」」
マリモに気を取られているうちに、双子が両側から服を引きながら上目遣い攻撃を仕掛けてきた。
あぁ可愛い。可愛すぎる。
同じ男だとは思えない。産まれてくる性別を間違えたとしか思えない…。
……いやダメだ。ここで行ってしまったが最期、俺の学園ライフは終わりを告げる気がする。
新たな学園ライフだなんていう次元じゃなくて、完全に終わってしまう。
もう既にほぼ終わってるだなんてことは知らない。俺は認めない。認めたくない。
脇役腐男子として、出来事の外側から見物する。そんな今まで通りの日常に、まだ今なら…。
そんな、消えかけている夢を捨てきれない俺は、心を鬼にしてその可愛い手を振り払う。
「すみませんが、俺は授業受けなきゃなんで」
「「えー!!」」
「そんなこと言わないでよー」
「でよー」
「ねえー」
「ねえー」
「「蒼くーん!」」
マリモを避けて、駆け足で別ルートからドアへ向かう。
マリモの驚いた声と、双子が追いかけてくるのを感じつつ、何とか辿り着いてドアノブに手をかけたその時。
「蒼は……、俺たち…きらい……?」
小さいけどはっきりと、そんな低い声が届いた。
まるで先輩だとは思えない、そんな甘えた言葉をたどたどしく呟くわんこ先輩。思わず足が止まった。
ゆっくりと声のした方を振り返る。
瞳に映ったのは、しゅんと項垂れた寂しそうなわんこ。……うん、わんこ。
「……蒼」
ダメ押しのように、再度名前を呼ばれた。
ヤバい。
破壊力がヤバいって。
今までも癒し系だと思ってたけど、ここまで甘えたな感じはヤバいって。
この人本当に先輩かよ。年齢詐欺してねぇよな…?
抱かれたいランクに昔からずっとランクインしてる人の言う言葉とは思えない。表情もまるで子犬……いや、幼子のよう。
これぞギャップ萌え。
ストレートなのもいいけど、やっぱりギャップ萌えって最高だわ。
推せる。これもうめちゃくちゃ推せる。
ぜひ強気受けの子とかに襲われてください。もしくはドロドロに甘やかして攻めてあげてください。
あーでも、今まで攻め固定で来たけど、受け側で考えることもできるかもしれない。ここまで可愛いとできるかも。んー、会長とかアリ? でも俺、会長のこと深く知らないしな。下手にカップリングするのもな。
やっぱりまだしばらくは攻め固定で行きましょう先輩。
「蒼くん、捕まえたー!」
「捕まえたー!」
思いがけないわんこ先輩の甘えた攻撃に脳内腐男子全開で妄想して固まっていると、双子が両側から体当たりしてきた。
お陰で現実世界に戻っては来れたが、なんつう行動するんだ。
体当たりしてきて腕にぎゅーって抱きついてくるだなんて、高校男児とは思えない。
普通は恋人同士が、主に女の子側からしそうな行動だからな。
まぁ俺はこんな可愛いこと、妹からしかされたことないけど。妹は世界一可愛いから。
って、妹の彩葉のこと考えたら会いたくなってきたー。GWは帰るつもりだけど、近いうちに電話でもしてみようかな。
なんて、段々現実逃避し始めた俺を他所に、俺に代わってドアノブを握ったマリモが、高らかに宣言した。
「椛! 楓! 賢心! もうこのまま連れていこうぜ!!」
「「おっけー!!」」
「いこ……っ!」
「…え、マジか!? ちょ、ま…!」
俺の返事を待つことなく、マリモを先頭に、双子に両腕を引かれ、わんこ先輩に背中を押されて、俺たち5人はVIPルームから飛び出した。
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