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April
バ会長と喧嘩したことがバレました③
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「マジかよ蒼葉? 生徒会長と喧嘩したのか?」
「え? あぁ、いやいや…。喧嘩じゃない。ただの意見のぶつけ合い」
「それは喧嘩みたいなもんだろ…」
悠真が苦笑いを浮かべている。そういう反応になるか。まぁ当たり前か。
《王様》である生徒会長に喧嘩を売る《女神様》って、下手なラノベとか、ありえない神話でも聞いたことないよな。マジで前代未聞。我ながら呆れるぜ。
「ホントに藤咲くんはめちゃくちゃしてくれるよね。お陰様で、昨日の会長さんはとってもご機嫌ナナメだったよ」
「え? 何で里緒がそんなこと?」
「だって僕、風紀委員だもん」
「あ、そう言えば」
里緒の風紀委員設定忘れてた。
ん? ということは、里緒って実はかなりハイスペックでは? 生徒会室に入れるほどの技量も持っているようだし。
おお、それは良いですね。昨日は風紀内でのCPばっかり考えてたけど、もしかしたら生徒会ともいけるのかも!
とはいえ、イチオシはやっぱり悠真×里緒だけどな!
「そんなことより蒼葉! ちゃんと秀吉に謝らないとダメだぞ!! 喧嘩両成敗っていうだろ!?」
「え? 絶対に嫌だ。俺は悪くない」
「わお。言うなぁ、蒼葉」
「さっすが《女神様》。強いねぇ」
茶化すように言う2人をジトっと睨む。陽希といい、里緒といい、みんな他人事だと思って。
俺の立場になってみ? 自分や家族を含んだ"庶民"を丸ごと罵られて、平気でいれると思うか? あれを黙ってられるほど、俺心広くないんですよね。
思い出してちょっと不機嫌になっていると、気づいた里緒が「ごめんごめん」と宥めてくる。
その時、廊下がわぁっと沸いた。
「皆様、おはようございます」
「琥珀じゃんか! おはよう!!」
「朔様は今日もお元気でいらっしゃいますね」
「篠原くん、おはよう。朝から教室に来るなんて珍しいな」
「届け物があるので、寄ってみました」
そう言って、鞄から何やら分厚いファイルを取り出した。表紙には、『新入生歓迎祭』の文字。
「……って、新入生歓迎祭!?」
「うん、そうだよ~。来週末だからね」
「あーやっば、忘れてた!! 今年は何をすんの?」
俺としたことが、こんな大イベントを忘れていたとは、なんたる不覚。
新入生歓迎祭。一般的には、4月~5月辺りの早い段階で行われる学校行事だ。新1年生を在校生が歓迎するのが目的なので、全校生徒で楽しく遊んで終了というのが普通だが、うちの学園は一味違う。
そもそも、"祭"という文字に変わっている時点で、世間一般的な"新歓"とは違っている。
日程は、毎年4月の末の金曜日。日中に一般的な新歓の行事を行い、夜は豪華でセレブな立食パーティーが催される。新歓の内容は毎年違うらしく、去年はバスケだった。全学年・全クラス総当たり戦で、楽しいっちゃあ楽しかったが、予想外だったので残念だった。しかも、まだまだ学園に馴染めず、陽希たちとも出会っていない時期だったし。いろんな意味で大変だったな、今考えても。
ちなみに、王道学園で行われる新歓で一番メジャーなのは、鬼ごっこだ。逃げる側と捕まえる側をくっきり分けた、所謂"ケイドロ"と呼ばれる種類のものが一番多い。
今年こそ──というか、マリモが来た今年は鬼ごっこじゃないとダメだろ? それしかないだろ? ほんとお願いします。俺はこの学園を信じてますよ!
「やけにテンション高いね? 新歓については明日の午後に詳しく話すから、今はまだヒミツだよ」
「……口元に人差し指を当てて、ウインクしながら"ヒミツ"って言うとか、里緒ってマジで小悪魔……」
「そんなに褒めても何も出ないよ~」
「いや、褒めてはないだろ」
悠真の鋭いツッコミにも、くすくす楽しそうに笑う里緒。
でもほんとすごいわ。里緒は座っているから必然的に上目遣いだし、あの仕草をこんなに自然にできるんなら、狙った相手を落とせるよ里緒くん。
残念ながら悠真には特に効いている様子はないけど、見ていたタチっぽい生徒が何人かトイレ方面に駆けていくのは横目で見た。バッチリこの目で確認したぜ。
「では、資料は確実に渡しましたので。俺は失礼しますね」
「琥珀は今日も生徒会室にいくのか!?」
「はい。秀吉様がまだお仕事中ですので」
「秀吉がいるなら行くってことなのか! 大変だな!」
へぇ。この1年クラスメートしてたけど、そういう絡繰になっているとは知らなかった。だとすれば、学園行事を控えている今は忙しい時期なのかもしれないな。
「いえ、大変なことはありませんよ。それが俺の仕事ですので。それでは」
一礼して、篠原くんが出ていく。
それと入れ替わるように、担任の東先生が入ってきた。
「おはようございます~。HR始めるよ。みんな席に着いてね」
いつも通りイケメンホストな東先生の登場に、蜘蛛の子を散らすように、教室内も廊下にいた生徒も自席に戻っていった。
今日も今日とて、前の席は空席です。
いつ帰ってくるつもりなのかね、アイツは。
「え? あぁ、いやいや…。喧嘩じゃない。ただの意見のぶつけ合い」
「それは喧嘩みたいなもんだろ…」
悠真が苦笑いを浮かべている。そういう反応になるか。まぁ当たり前か。
《王様》である生徒会長に喧嘩を売る《女神様》って、下手なラノベとか、ありえない神話でも聞いたことないよな。マジで前代未聞。我ながら呆れるぜ。
「ホントに藤咲くんはめちゃくちゃしてくれるよね。お陰様で、昨日の会長さんはとってもご機嫌ナナメだったよ」
「え? 何で里緒がそんなこと?」
「だって僕、風紀委員だもん」
「あ、そう言えば」
里緒の風紀委員設定忘れてた。
ん? ということは、里緒って実はかなりハイスペックでは? 生徒会室に入れるほどの技量も持っているようだし。
おお、それは良いですね。昨日は風紀内でのCPばっかり考えてたけど、もしかしたら生徒会ともいけるのかも!
とはいえ、イチオシはやっぱり悠真×里緒だけどな!
「そんなことより蒼葉! ちゃんと秀吉に謝らないとダメだぞ!! 喧嘩両成敗っていうだろ!?」
「え? 絶対に嫌だ。俺は悪くない」
「わお。言うなぁ、蒼葉」
「さっすが《女神様》。強いねぇ」
茶化すように言う2人をジトっと睨む。陽希といい、里緒といい、みんな他人事だと思って。
俺の立場になってみ? 自分や家族を含んだ"庶民"を丸ごと罵られて、平気でいれると思うか? あれを黙ってられるほど、俺心広くないんですよね。
思い出してちょっと不機嫌になっていると、気づいた里緒が「ごめんごめん」と宥めてくる。
その時、廊下がわぁっと沸いた。
「皆様、おはようございます」
「琥珀じゃんか! おはよう!!」
「朔様は今日もお元気でいらっしゃいますね」
「篠原くん、おはよう。朝から教室に来るなんて珍しいな」
「届け物があるので、寄ってみました」
そう言って、鞄から何やら分厚いファイルを取り出した。表紙には、『新入生歓迎祭』の文字。
「……って、新入生歓迎祭!?」
「うん、そうだよ~。来週末だからね」
「あーやっば、忘れてた!! 今年は何をすんの?」
俺としたことが、こんな大イベントを忘れていたとは、なんたる不覚。
新入生歓迎祭。一般的には、4月~5月辺りの早い段階で行われる学校行事だ。新1年生を在校生が歓迎するのが目的なので、全校生徒で楽しく遊んで終了というのが普通だが、うちの学園は一味違う。
そもそも、"祭"という文字に変わっている時点で、世間一般的な"新歓"とは違っている。
日程は、毎年4月の末の金曜日。日中に一般的な新歓の行事を行い、夜は豪華でセレブな立食パーティーが催される。新歓の内容は毎年違うらしく、去年はバスケだった。全学年・全クラス総当たり戦で、楽しいっちゃあ楽しかったが、予想外だったので残念だった。しかも、まだまだ学園に馴染めず、陽希たちとも出会っていない時期だったし。いろんな意味で大変だったな、今考えても。
ちなみに、王道学園で行われる新歓で一番メジャーなのは、鬼ごっこだ。逃げる側と捕まえる側をくっきり分けた、所謂"ケイドロ"と呼ばれる種類のものが一番多い。
今年こそ──というか、マリモが来た今年は鬼ごっこじゃないとダメだろ? それしかないだろ? ほんとお願いします。俺はこの学園を信じてますよ!
「やけにテンション高いね? 新歓については明日の午後に詳しく話すから、今はまだヒミツだよ」
「……口元に人差し指を当てて、ウインクしながら"ヒミツ"って言うとか、里緒ってマジで小悪魔……」
「そんなに褒めても何も出ないよ~」
「いや、褒めてはないだろ」
悠真の鋭いツッコミにも、くすくす楽しそうに笑う里緒。
でもほんとすごいわ。里緒は座っているから必然的に上目遣いだし、あの仕草をこんなに自然にできるんなら、狙った相手を落とせるよ里緒くん。
残念ながら悠真には特に効いている様子はないけど、見ていたタチっぽい生徒が何人かトイレ方面に駆けていくのは横目で見た。バッチリこの目で確認したぜ。
「では、資料は確実に渡しましたので。俺は失礼しますね」
「琥珀は今日も生徒会室にいくのか!?」
「はい。秀吉様がまだお仕事中ですので」
「秀吉がいるなら行くってことなのか! 大変だな!」
へぇ。この1年クラスメートしてたけど、そういう絡繰になっているとは知らなかった。だとすれば、学園行事を控えている今は忙しい時期なのかもしれないな。
「いえ、大変なことはありませんよ。それが俺の仕事ですので。それでは」
一礼して、篠原くんが出ていく。
それと入れ替わるように、担任の東先生が入ってきた。
「おはようございます~。HR始めるよ。みんな席に着いてね」
いつも通りイケメンホストな東先生の登場に、蜘蛛の子を散らすように、教室内も廊下にいた生徒も自席に戻っていった。
今日も今日とて、前の席は空席です。
いつ帰ってくるつもりなのかね、アイツは。
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