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April
報告会のお時間です②
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その後続いた報告を要約すると、我が親衛隊は今、入隊希望者への対応と、アンチ転入生の登場でかなり荒れていて大変なので、親衛対象である俺は行動を十分に注意してくださいと。俺の行動次第で、下手したら制裁が勃発するかもしれないですよと。
まぁつまりは、やんわり脅されてるわけですね。はい。
苦笑いでこくこく頷いていると、ユキ先輩が手に持っていた資料をパタンと閉じた。
あ、そろそろ終わりかな?
「そういえば、先日は生徒会室にも行かれたそうですね」
その言葉に、俺は聞きたいことがあったのを思い出した。
「ユキ先輩」
「? はい、何でしょうか?」
「俺が生徒会に関わったことで、学園がさらに荒れて"戦争"が起きるだなんて、物騒な話を聞きました。でも、詳しい話は教えてもらえなくて…。ユキ先輩。どういうことか教えていただけませんか? お願いしますっ!」
「え、蒼葉様…っ!? お顔が近……っ!?!?」
ぐっと身を乗り出し顔を近づけて、その黒い瞳を見つめる。里緒の真似だ。そうしたら教えてくれるかなと。
案の定、初めは驚いて固まっていた整った顔が、どんどん紅潮していく。
作戦成功! と思ったのも束の間。
耳の先まで真っ赤になったかと思うと、そのまま後ろに倒れてしまった。
嘘だろおい!?
「だ、大丈夫ですか!? ユキ先輩っ!?」
「あらら。ユキったら照れ屋さんだな」
慌てる俺に対し、緩い動作でユキ先輩を抱え上げるレオン先輩。
「レオン先輩、すみま、せ………え?」
顔を上げて、俺は驚きのあまり固まった。
なぜなら、レオン先輩が失神したユキ先輩の頬にキスを落としていたから。
俺との距離、1メートルもないんだけど。こんな近距離でマジ?
あれ? 付き合ってるんだっけこの2人……?
「内緒ですよ、蒼葉様」
ウインクしながら唇の前に人差し指を立てるレオン先輩。
いやもうこんなの、頷くしかないだろ。
レオン先輩は、まるで壊れものを扱うかのようなとても丁寧な手つきで、ユキ先輩を元の椅子に座らせる。
その動きを眺めていると、少しずつ落ち着いてきた。と同時に、ものすごい興奮が溢れてくる。
見てしまった。遂に目の前でリアルホモォを見てしまった!!
貴腐人である母さんに英才教育を受けて16年。こんなに腐男子してきて良かったと思ったことはない。BLを愛する者として、もう感無量です!!
実は1年間、遠くで見守っているCPはいくつかあったものの、実際に目の前で見るのは初めてだったりするんだよお!!
荒れ狂う心境を表に出さないよう細心の注意を払いながら、俺はレオン先輩に笑顔を返して自分も席に戻った。
今声を出したら叫びそうなので、ひたすらレオン先輩の言葉を待つ。
「昔から好きなんですけどね。もう幼馴染みの腐れ縁って立ち位置にすっぽり収まってしまっていて」
自分にもたれ掛かるようにユキ先輩を座らせると、レオン先輩はゆっくりと話し出した。
柔らかく微笑みながら、眠る横顔を見つめるその視線。ついさっきまでは親みたいだと思ってた。でも、あんな場面を目の当たりにしてしまうと、意味は変わってくる。
甘い。レオン先輩が放つ雰囲気が甘い。
あーもう、ぜひとも今すぐユキ先輩には目を覚ましていただきたい。そしてそういう関係性になっていただきたい!
ってか、ほんとにまだ今は違うんですよね!?
「そう、なんですね。ユキ先輩は気づいていないんですか?」
「はい、もう全く。これっぽっちも」
「でも今日みたいなユキ先輩、俺は初めてでしたよ。レオン先輩には心を開いてるって感じがしました」
「それはまぁ、長い付き合いですから。…ね、ユキ?」
そう呟き、肩に乗るユキ先輩の頬に手を当てるレオン先輩。それに反応するかのように、意識のないまま小さく身じろぐユキ先輩。
……もう、ヤバすぎる!! こっちがドキドキするんですけど!!
ここで目を覚ましてくれれば、否が応でもレオン先輩の気持ちに気づくのでは?
そしてそのままゴールイン、みたいな素敵な結果にはなりませんかね!?
とにかく一度、目を開けてみてくださいよユキ先輩!!
頭の中は腐男子妄想全開だったのでどのくらいか分からないけれど、俺たちの間には沈黙が訪れていた。
その沈黙を破ったのは、レオン先輩だった。
「蒼葉様、さっき敬語いらないっておっしゃっていたので、ユキが寝ている今はやめてもいいですか?」
「あ、はいどうぞ!」
「ありがとう。単刀直入に言うけど、蒼葉くんって腐男子さん?」
「ふぁっ!?!?」
何を急に……!?
鳩豆状態の俺を見て、レオン先輩はくすくすと笑う。
「ごめんごめん。いやね、なんだか陽希くんと同じような反応をしていたから、もしかしたらそうなのかなって思って。大丈夫、誰にも言わないから」
「うっわぁ…。陽希と同じ反応していたとか、何かすごい嫌なんですけど……」
頑張ってニヤける顔隠してたはずなんだけど…。隠しきれてなかったんだよな? レオン先輩から見た俺ってどんなだったんだろ…?
それにしても、学園の交友状況が分からん。まぁ、まだ2年の新参者には分からなくて当たり前だろうけどさ。
ってかバレちゃったなー。でもま、レオン先輩なら信頼出来そうだしいいか。
別に自分的には絶対に隠したいわけでもないし。なんとなく、陽希みたいに全面的に公表するのはイメージ的に良くないのかなってだけだもんな。
というかむしろ、バレたならなんでも聞けちゃうのでは? 実はラッキーなのでは!?
「バレちゃったのでもう聞いちゃいますけど、告白しないんですか? 俺めちゃくちゃ応援しますよ!」
「お、ありがとう。でも告白は考えてないな。今の関係を壊したくないし、結構現状に満足してるしね」
「満足と言われると何も言えなくなる……」
爽やかな笑顔のレオン先輩にモヤモヤする。
もったいないな。絶対に素敵なカップルなのに。
「……っていうか、ユキ先輩って俺の親衛隊長してるじゃないですか?」
「うん、そうだね」
「そのユキ先輩を好きだということは、俺ってレオン先輩から見ると完全に敵……?」
「そういうことになるね」
「ごめんなさいっ!?!?」
「なんで疑問系?」
笑ってますけどね、レオン先輩!?
俺ってレオン先輩から見たら、最大の恋敵ってことですよね!?
ごめんなさい! 知らなかったとはいえごめんなさい!
頭を下げて謝り倒していると、何が温かいものが頭に乗った。
視線を上げると、レオン先輩の綺麗なお顔がすごく近くにあった。こちらに身を乗り出す形になっているので、片手でユキ先輩を支えている。
「気にしないで。蒼葉くんは何もしてないでしょう」
「そうですけど……」
なんか、流石にこんなに目の前で見ていると、申し訳ない思いが沸々と湧き上がってくるわけで。
目を伏せる俺の頭を大きな手のひらがぽんぽんと撫でて、離れていった。
「昔からユキは惚れっぽくてね。小等部時代は担任の先生、中等部時代は画面の向こうの女性アイドルを一生懸命推してたんだ」
「それはなんと言いますか……」
「男女関係ないところがユキらしいでしょう? まぁ、そんなこんなで俺には全く振り向いてくれないんだけど、何かに一生懸命なユキが俺は好きなんだよね」
優しい笑顔でユキ先輩の髪に指を通しながら話すレオン先輩。
なんですかもう。俺をキュン死させるつもりですか?
昔から大好きなのに、自分の気持ちに気づいてくれない幼馴染み。自分の気持ちを隠しながら、ただ傍で支え続けるだなんて。
本当にもう、レオン先輩。貴方はスパダリの鏡です。
なんだか感動と興奮、そして尊敬の眼差しで見つめていると、レオン先輩がぽつんと呟いた。
「それに、俺よりユキを愛せる人なんていないから」
「…………ん?」
「好きな人に見つめられただけで失神してしまうくらいに純真無垢なユキが穢れないように、俺が近くで守らないとね」
ちょっと、前言撤回します。
「先輩」
「どうかした?」
「今の一言で、先輩の評価がスパダリからヤンデレへ急降下しましたよ」
「監禁なんてするつもりは無いよ」
「それ言ったら、間違いなくヤンデレですからね」
相変わらずユキ先輩に触れながら、レオン先輩は口角を上げて挑発するかのような視線を向けてくる。俺は返事として、ジトっとした視線を送った。
すると先輩は、一転して困ったように肩を竦める。
「そんな目で見ないでほしいな。本当に俺はユキを愛してるだけ。蒼葉くんがユキに悪さをしなければ、俺は何もしないよ」
「悪さをしたら何かするわけですか?」
「それはまぁ、事と場合によるかな」
なんだか少し楽しそうなレオン先輩を見返し、俺は小さく息を吐いた。
「……レオン先輩へのイメージ、初対面の時からちょっと変わりました」
「悪くなっちゃった?」
またもや困ったように尋ねてくるレオン先輩。俺は左右に首を振る。
「いいえ。もっと完璧な人だと思っていたんで、なんだか親しみが湧きました」
「完璧って…。元が高すぎたんだね。でも、嫌われていないなら良かった」
にっこりと、初めと変わらない優しげな笑顔を向けてくれる。
まぁつまり、レオン先輩の邪魔をしなければいいんでしょ? それなら問題はない。
むしろ俺は、この2人にくっついてほしいわけで。上手くいくようユキ先輩に積極的に働きかけよう!
「俺、お2人の恋のキューピッドになれるように頑張りますね!」
「ありがとう。でもほどほどで大丈夫。ユキはキミのことが好きなんだからね」
「分かってます! でも任せてくださいっ!」
「《女神様》がキューピットだと、ご利益ありそうだな」
ユキ先輩に向けていたような優しい笑顔で受け入れてくれるレオン先輩に、俺はもう冷静な外面を保つことを忘れ、ニッコニコでテンションMAXだった。
まぁつまりは、やんわり脅されてるわけですね。はい。
苦笑いでこくこく頷いていると、ユキ先輩が手に持っていた資料をパタンと閉じた。
あ、そろそろ終わりかな?
「そういえば、先日は生徒会室にも行かれたそうですね」
その言葉に、俺は聞きたいことがあったのを思い出した。
「ユキ先輩」
「? はい、何でしょうか?」
「俺が生徒会に関わったことで、学園がさらに荒れて"戦争"が起きるだなんて、物騒な話を聞きました。でも、詳しい話は教えてもらえなくて…。ユキ先輩。どういうことか教えていただけませんか? お願いしますっ!」
「え、蒼葉様…っ!? お顔が近……っ!?!?」
ぐっと身を乗り出し顔を近づけて、その黒い瞳を見つめる。里緒の真似だ。そうしたら教えてくれるかなと。
案の定、初めは驚いて固まっていた整った顔が、どんどん紅潮していく。
作戦成功! と思ったのも束の間。
耳の先まで真っ赤になったかと思うと、そのまま後ろに倒れてしまった。
嘘だろおい!?
「だ、大丈夫ですか!? ユキ先輩っ!?」
「あらら。ユキったら照れ屋さんだな」
慌てる俺に対し、緩い動作でユキ先輩を抱え上げるレオン先輩。
「レオン先輩、すみま、せ………え?」
顔を上げて、俺は驚きのあまり固まった。
なぜなら、レオン先輩が失神したユキ先輩の頬にキスを落としていたから。
俺との距離、1メートルもないんだけど。こんな近距離でマジ?
あれ? 付き合ってるんだっけこの2人……?
「内緒ですよ、蒼葉様」
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レオン先輩は、まるで壊れものを扱うかのようなとても丁寧な手つきで、ユキ先輩を元の椅子に座らせる。
その動きを眺めていると、少しずつ落ち着いてきた。と同時に、ものすごい興奮が溢れてくる。
見てしまった。遂に目の前でリアルホモォを見てしまった!!
貴腐人である母さんに英才教育を受けて16年。こんなに腐男子してきて良かったと思ったことはない。BLを愛する者として、もう感無量です!!
実は1年間、遠くで見守っているCPはいくつかあったものの、実際に目の前で見るのは初めてだったりするんだよお!!
荒れ狂う心境を表に出さないよう細心の注意を払いながら、俺はレオン先輩に笑顔を返して自分も席に戻った。
今声を出したら叫びそうなので、ひたすらレオン先輩の言葉を待つ。
「昔から好きなんですけどね。もう幼馴染みの腐れ縁って立ち位置にすっぽり収まってしまっていて」
自分にもたれ掛かるようにユキ先輩を座らせると、レオン先輩はゆっくりと話し出した。
柔らかく微笑みながら、眠る横顔を見つめるその視線。ついさっきまでは親みたいだと思ってた。でも、あんな場面を目の当たりにしてしまうと、意味は変わってくる。
甘い。レオン先輩が放つ雰囲気が甘い。
あーもう、ぜひとも今すぐユキ先輩には目を覚ましていただきたい。そしてそういう関係性になっていただきたい!
ってか、ほんとにまだ今は違うんですよね!?
「そう、なんですね。ユキ先輩は気づいていないんですか?」
「はい、もう全く。これっぽっちも」
「でも今日みたいなユキ先輩、俺は初めてでしたよ。レオン先輩には心を開いてるって感じがしました」
「それはまぁ、長い付き合いですから。…ね、ユキ?」
そう呟き、肩に乗るユキ先輩の頬に手を当てるレオン先輩。それに反応するかのように、意識のないまま小さく身じろぐユキ先輩。
……もう、ヤバすぎる!! こっちがドキドキするんですけど!!
ここで目を覚ましてくれれば、否が応でもレオン先輩の気持ちに気づくのでは?
そしてそのままゴールイン、みたいな素敵な結果にはなりませんかね!?
とにかく一度、目を開けてみてくださいよユキ先輩!!
頭の中は腐男子妄想全開だったのでどのくらいか分からないけれど、俺たちの間には沈黙が訪れていた。
その沈黙を破ったのは、レオン先輩だった。
「蒼葉様、さっき敬語いらないっておっしゃっていたので、ユキが寝ている今はやめてもいいですか?」
「あ、はいどうぞ!」
「ありがとう。単刀直入に言うけど、蒼葉くんって腐男子さん?」
「ふぁっ!?!?」
何を急に……!?
鳩豆状態の俺を見て、レオン先輩はくすくすと笑う。
「ごめんごめん。いやね、なんだか陽希くんと同じような反応をしていたから、もしかしたらそうなのかなって思って。大丈夫、誰にも言わないから」
「うっわぁ…。陽希と同じ反応していたとか、何かすごい嫌なんですけど……」
頑張ってニヤける顔隠してたはずなんだけど…。隠しきれてなかったんだよな? レオン先輩から見た俺ってどんなだったんだろ…?
それにしても、学園の交友状況が分からん。まぁ、まだ2年の新参者には分からなくて当たり前だろうけどさ。
ってかバレちゃったなー。でもま、レオン先輩なら信頼出来そうだしいいか。
別に自分的には絶対に隠したいわけでもないし。なんとなく、陽希みたいに全面的に公表するのはイメージ的に良くないのかなってだけだもんな。
というかむしろ、バレたならなんでも聞けちゃうのでは? 実はラッキーなのでは!?
「バレちゃったのでもう聞いちゃいますけど、告白しないんですか? 俺めちゃくちゃ応援しますよ!」
「お、ありがとう。でも告白は考えてないな。今の関係を壊したくないし、結構現状に満足してるしね」
「満足と言われると何も言えなくなる……」
爽やかな笑顔のレオン先輩にモヤモヤする。
もったいないな。絶対に素敵なカップルなのに。
「……っていうか、ユキ先輩って俺の親衛隊長してるじゃないですか?」
「うん、そうだね」
「そのユキ先輩を好きだということは、俺ってレオン先輩から見ると完全に敵……?」
「そういうことになるね」
「ごめんなさいっ!?!?」
「なんで疑問系?」
笑ってますけどね、レオン先輩!?
俺ってレオン先輩から見たら、最大の恋敵ってことですよね!?
ごめんなさい! 知らなかったとはいえごめんなさい!
頭を下げて謝り倒していると、何が温かいものが頭に乗った。
視線を上げると、レオン先輩の綺麗なお顔がすごく近くにあった。こちらに身を乗り出す形になっているので、片手でユキ先輩を支えている。
「気にしないで。蒼葉くんは何もしてないでしょう」
「そうですけど……」
なんか、流石にこんなに目の前で見ていると、申し訳ない思いが沸々と湧き上がってくるわけで。
目を伏せる俺の頭を大きな手のひらがぽんぽんと撫でて、離れていった。
「昔からユキは惚れっぽくてね。小等部時代は担任の先生、中等部時代は画面の向こうの女性アイドルを一生懸命推してたんだ」
「それはなんと言いますか……」
「男女関係ないところがユキらしいでしょう? まぁ、そんなこんなで俺には全く振り向いてくれないんだけど、何かに一生懸命なユキが俺は好きなんだよね」
優しい笑顔でユキ先輩の髪に指を通しながら話すレオン先輩。
なんですかもう。俺をキュン死させるつもりですか?
昔から大好きなのに、自分の気持ちに気づいてくれない幼馴染み。自分の気持ちを隠しながら、ただ傍で支え続けるだなんて。
本当にもう、レオン先輩。貴方はスパダリの鏡です。
なんだか感動と興奮、そして尊敬の眼差しで見つめていると、レオン先輩がぽつんと呟いた。
「それに、俺よりユキを愛せる人なんていないから」
「…………ん?」
「好きな人に見つめられただけで失神してしまうくらいに純真無垢なユキが穢れないように、俺が近くで守らないとね」
ちょっと、前言撤回します。
「先輩」
「どうかした?」
「今の一言で、先輩の評価がスパダリからヤンデレへ急降下しましたよ」
「監禁なんてするつもりは無いよ」
「それ言ったら、間違いなくヤンデレですからね」
相変わらずユキ先輩に触れながら、レオン先輩は口角を上げて挑発するかのような視線を向けてくる。俺は返事として、ジトっとした視線を送った。
すると先輩は、一転して困ったように肩を竦める。
「そんな目で見ないでほしいな。本当に俺はユキを愛してるだけ。蒼葉くんがユキに悪さをしなければ、俺は何もしないよ」
「悪さをしたら何かするわけですか?」
「それはまぁ、事と場合によるかな」
なんだか少し楽しそうなレオン先輩を見返し、俺は小さく息を吐いた。
「……レオン先輩へのイメージ、初対面の時からちょっと変わりました」
「悪くなっちゃった?」
またもや困ったように尋ねてくるレオン先輩。俺は左右に首を振る。
「いいえ。もっと完璧な人だと思っていたんで、なんだか親しみが湧きました」
「完璧って…。元が高すぎたんだね。でも、嫌われていないなら良かった」
にっこりと、初めと変わらない優しげな笑顔を向けてくれる。
まぁつまり、レオン先輩の邪魔をしなければいいんでしょ? それなら問題はない。
むしろ俺は、この2人にくっついてほしいわけで。上手くいくようユキ先輩に積極的に働きかけよう!
「俺、お2人の恋のキューピッドになれるように頑張りますね!」
「ありがとう。でもほどほどで大丈夫。ユキはキミのことが好きなんだからね」
「分かってます! でも任せてくださいっ!」
「《女神様》がキューピットだと、ご利益ありそうだな」
ユキ先輩に向けていたような優しい笑顔で受け入れてくれるレオン先輩に、俺はもう冷静な外面を保つことを忘れ、ニッコニコでテンションMAXだった。
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~お知らせ~
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※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
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