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April
謝罪からのペア発表②
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『俺からは以上ですっ!! はい、弥生!』
『"はい"って、後ちょっとなんだからやってくれりゃいいのに……。えーと、では改めて、TSPを確認してください。画面に表示された名前が、あなたのペアとなる人物です。後ほどご自身で連絡を取っていただければと思います。イベント実行委員会からは以上です。長々とお付き合いありがとうございました』
「明日はめちゃくちゃ楽しんでやー!! あ、パーティーはまだ続くでーっ!」
最後にマイクも使わずに大声で陽希が叫んで、イベント実行委員会は舞台を降りた。
なんだか大変そうだな、あの副委員長さん。
「よぉーし! オレのペアは誰かな~っ!!!」
テーブルを挟んで向かい側にいた朔が、鼻歌を歌いながらTSPを操作する。
他のみんなも、各自自分の画面を見始めた。
かく言う俺は、TSPを握りしめたまま……。
「おぉ、巧だ!!!! やったな巧!!!」
「わっ!? ちょ、急にくっつかないでよ……!」
「明日は楽しもうな!!!」
「……あ、あったりまえでしょ……っ!」
……なるほど、朔は巧くんとペアか。
同じクラスの2-Aは慣れてきたとはいえ、他生徒から見ればまだまだ得体の知れない転入生。下手に他の誰かとペアにしちゃうと台風の眼になりかねないもんな~、朔は。流石だ、イベント実行委員会の面々。
あーでもそうなると、マリモ取り巻き1号の颯くんは誰とペアになったんだろう?
「里緒~。ペア誰だった?」
「2-Bの京平くん。風紀繋がりだし名前挙げてたから良い感じかな。悠真くんは?」
「まさかの、颯」
「颯くん!!??」
「うお!? なんだよ、蒼葉……。急に大声出して」
「あ、ごめん。絶妙に美味しくって」
「美味しい……?」
怪訝な顔をされたが、今の俺には関係ない。
流石だ、イベント実行委員会!
流石だ、陽希!
颯くんと悠真を掛け合わせるとは盲点だった!
悠真×里緒の公式を期待していた分ちょっと残念ではあるものの、ライバルで親友という関係の悠真と颯くんをペアにするだなんてマジで激アツ!
んーそうなると、いろんな情報をかき集めて責任を持ってマッチングさせたって言ってたし、きっと俺の相手も危ない相手ではないんだろうな。
特に陽希は、学園一と言っていいほどに顔が広くて情報通。間違っても、事件に発展するような危ない相手と組み合わせることはないはずだ。ハピエン主義だし。
でも、でもなぁ――。
「見ねーの?」
「ふぁっ!?」
急に視界に入り込んできた、爽やかイケメンのドアップに後ずさる。
さっきまで里緒と話してたんじゃないのか!
急にイケメンは心臓に悪い……っ!
悠真は不思議そうに小さく首を傾げる。
「ずっと突っ立ったままTSP見つめて、謎に百面相してるけど。ペア見ないのか?」
「あー見るけどさぁ……。なんか嫌な予感がして……」
「相良さん、すっごい藤咲くんのこと見てたもんね」
「そうだよな!? やっぱ気のせいじゃないよな!?」
「気のせいじゃないね。さっきの言葉は確実に、藤咲くんに向けたものだよ」
真剣な表情で頷く里緒に、俺は頭を抱えて項垂れた。
「だよなぁ、アイツ絶対に楽しんでやがるよな……。俺、ケイドロで捕まったの最後だったのになぁ……。俺の希望は通らなかったってことじゃんかよ~……。あーあ、2人とだったら俺は思いっきり楽しめたってのに……」
「まぁまぁ仕方ないじゃん。でも僕は、藤咲くんの名前も書いてたんだよ?」
「え、何その嬉しい情報……!」
「俺も書いてた~。蒼葉となら楽しめるって思ったしな」
「あなたたちは神か……っ!!」
両手を合わせて、上目遣いにキラキラお目目で言うと、2人はグッと言葉に詰まるような表情をした。
え、何? キモかった?
「……今のはわざとだね?」
「容姿をわかってるんだからわざとだろ。マジでビビるからやめろよな……」
「あ、良い感じに見えてたのね。よかった」
「よくない。周りを見なさい」
言われて見てみると、さっきまでわんさかいた人々が、かなり少なくなっていた。
みんな、ペアのところにでも行ったのか?
「人少なくなったから、静かになったな」
「確かに静かにはなったけど、パーティーはまだ続いてるんだからね? これ以上離脱者出さないで」
……ん?
「と言うことは、俺のせい?」
自分を指差し尋ねると、同時に頷かれた。
なるほど。俺の上目遣い、破壊力抜群だったってことだな。
そんな不毛な話をしていると、向こう側の朔から大きな声が飛んできた。
「なあなあ蒼葉!! 蒼葉はペア誰だったんだ!!??」
「まだ見てねーよ」
「そうなのか!? 見ないのか!!? 早く見ようぜっ!! オレ知りたいっ!!!」
「くそ……、現実逃避もここまでか……!」
「そうそう。どれだけ悩んだって、いつ見たって、結果は変わらないよ」
「わかってる……」
「そんな怖いか?」
「だってあの陽希が、自分の趣味嗜好全開にしてペアリングしてんだぞ? しかも俺の予想外の相手と。いくら危険はないって言われても怖くね?」
「あー……、そう言われると怖いな……」
「だろ?」
マジで、一体誰だろう?
そもそも俺の第一希望は、陽希と同じようにソロ行動をすること。それが叶わなかった時のために書いた3人は、蓮・ちりちゃん・椛だった。
アンケートに里緒と悠真を挙げなかったのは、その2人でペアリングして欲しかったからだ。
というか、椛はともかく、蓮とちりちゃんなら絶対に俺の名前を出してくれる自信があったから、どちらかに決まるだろうと思っていた。
「つーか、蓮はどこだよ」
「あれ? そういや、ケイドロ後見てないな」
「寮で寝てるんじゃない? ケイドロでは大活躍だったみたいだし」
「部屋では見てないぞ!!!」
朔がそう言うのを当たり前だと聞き流す。
ケイドロ後は一度俺が連れ帰った。いまだに朔と同室は嫌だとか言うから。
でも、パーティー前に無理やり引っ張り出したんだよな。だから少なくとも、寮の外にはいるはずなんだけど……。
「ったくアイツは本当に……」
「蓮様のことはさておき、今はお前のペアだって蒼葉!」
「えー……」
「ここまで引っ張られると、なんだかちょっと興味出てきた。早く確認してよ藤咲くん」
「里緒まで……」
たくさんの瞳に見つめられ──1人瓶底メガネだけど。俺は気圧されるようにして手元のTSPに視線を落とした。
“予想してなかった相手”って陽希は言ってた。
アンケートに挙げた3人と、今この場にいる人物は違うことが確定。桜花ちゃんやナギもおそらくは違うだろう。
もっともっと、俺の信じられない人物。それって一体……。
TSPをじっと見つめる。
………………うーん。
「もー、じれったいなぁ。そんなに見るのが嫌なら、代わりに見てあげようか?」
「もしくは、光にでも聞くか? 実行委員だからペア決めに関わっていたはずだし、見るより聞く方が早いだろ。多分そろそろこっちに来てるだろうし」
「…………いや、見るよ」
TSPを握り締めて、一呼吸つく。
そして、画面をつけた。
悠真や里緒が覗き込む。
ペア相手として表示されていた名前は──。
「………………………………嘘だろ」
本当に、予想の斜め上を行く人物だった。
『"はい"って、後ちょっとなんだからやってくれりゃいいのに……。えーと、では改めて、TSPを確認してください。画面に表示された名前が、あなたのペアとなる人物です。後ほどご自身で連絡を取っていただければと思います。イベント実行委員会からは以上です。長々とお付き合いありがとうございました』
「明日はめちゃくちゃ楽しんでやー!! あ、パーティーはまだ続くでーっ!」
最後にマイクも使わずに大声で陽希が叫んで、イベント実行委員会は舞台を降りた。
なんだか大変そうだな、あの副委員長さん。
「よぉーし! オレのペアは誰かな~っ!!!」
テーブルを挟んで向かい側にいた朔が、鼻歌を歌いながらTSPを操作する。
他のみんなも、各自自分の画面を見始めた。
かく言う俺は、TSPを握りしめたまま……。
「おぉ、巧だ!!!! やったな巧!!!」
「わっ!? ちょ、急にくっつかないでよ……!」
「明日は楽しもうな!!!」
「……あ、あったりまえでしょ……っ!」
……なるほど、朔は巧くんとペアか。
同じクラスの2-Aは慣れてきたとはいえ、他生徒から見ればまだまだ得体の知れない転入生。下手に他の誰かとペアにしちゃうと台風の眼になりかねないもんな~、朔は。流石だ、イベント実行委員会の面々。
あーでもそうなると、マリモ取り巻き1号の颯くんは誰とペアになったんだろう?
「里緒~。ペア誰だった?」
「2-Bの京平くん。風紀繋がりだし名前挙げてたから良い感じかな。悠真くんは?」
「まさかの、颯」
「颯くん!!??」
「うお!? なんだよ、蒼葉……。急に大声出して」
「あ、ごめん。絶妙に美味しくって」
「美味しい……?」
怪訝な顔をされたが、今の俺には関係ない。
流石だ、イベント実行委員会!
流石だ、陽希!
颯くんと悠真を掛け合わせるとは盲点だった!
悠真×里緒の公式を期待していた分ちょっと残念ではあるものの、ライバルで親友という関係の悠真と颯くんをペアにするだなんてマジで激アツ!
んーそうなると、いろんな情報をかき集めて責任を持ってマッチングさせたって言ってたし、きっと俺の相手も危ない相手ではないんだろうな。
特に陽希は、学園一と言っていいほどに顔が広くて情報通。間違っても、事件に発展するような危ない相手と組み合わせることはないはずだ。ハピエン主義だし。
でも、でもなぁ――。
「見ねーの?」
「ふぁっ!?」
急に視界に入り込んできた、爽やかイケメンのドアップに後ずさる。
さっきまで里緒と話してたんじゃないのか!
急にイケメンは心臓に悪い……っ!
悠真は不思議そうに小さく首を傾げる。
「ずっと突っ立ったままTSP見つめて、謎に百面相してるけど。ペア見ないのか?」
「あー見るけどさぁ……。なんか嫌な予感がして……」
「相良さん、すっごい藤咲くんのこと見てたもんね」
「そうだよな!? やっぱ気のせいじゃないよな!?」
「気のせいじゃないね。さっきの言葉は確実に、藤咲くんに向けたものだよ」
真剣な表情で頷く里緒に、俺は頭を抱えて項垂れた。
「だよなぁ、アイツ絶対に楽しんでやがるよな……。俺、ケイドロで捕まったの最後だったのになぁ……。俺の希望は通らなかったってことじゃんかよ~……。あーあ、2人とだったら俺は思いっきり楽しめたってのに……」
「まぁまぁ仕方ないじゃん。でも僕は、藤咲くんの名前も書いてたんだよ?」
「え、何その嬉しい情報……!」
「俺も書いてた~。蒼葉となら楽しめるって思ったしな」
「あなたたちは神か……っ!!」
両手を合わせて、上目遣いにキラキラお目目で言うと、2人はグッと言葉に詰まるような表情をした。
え、何? キモかった?
「……今のはわざとだね?」
「容姿をわかってるんだからわざとだろ。マジでビビるからやめろよな……」
「あ、良い感じに見えてたのね。よかった」
「よくない。周りを見なさい」
言われて見てみると、さっきまでわんさかいた人々が、かなり少なくなっていた。
みんな、ペアのところにでも行ったのか?
「人少なくなったから、静かになったな」
「確かに静かにはなったけど、パーティーはまだ続いてるんだからね? これ以上離脱者出さないで」
……ん?
「と言うことは、俺のせい?」
自分を指差し尋ねると、同時に頷かれた。
なるほど。俺の上目遣い、破壊力抜群だったってことだな。
そんな不毛な話をしていると、向こう側の朔から大きな声が飛んできた。
「なあなあ蒼葉!! 蒼葉はペア誰だったんだ!!??」
「まだ見てねーよ」
「そうなのか!? 見ないのか!!? 早く見ようぜっ!! オレ知りたいっ!!!」
「くそ……、現実逃避もここまでか……!」
「そうそう。どれだけ悩んだって、いつ見たって、結果は変わらないよ」
「わかってる……」
「そんな怖いか?」
「だってあの陽希が、自分の趣味嗜好全開にしてペアリングしてんだぞ? しかも俺の予想外の相手と。いくら危険はないって言われても怖くね?」
「あー……、そう言われると怖いな……」
「だろ?」
マジで、一体誰だろう?
そもそも俺の第一希望は、陽希と同じようにソロ行動をすること。それが叶わなかった時のために書いた3人は、蓮・ちりちゃん・椛だった。
アンケートに里緒と悠真を挙げなかったのは、その2人でペアリングして欲しかったからだ。
というか、椛はともかく、蓮とちりちゃんなら絶対に俺の名前を出してくれる自信があったから、どちらかに決まるだろうと思っていた。
「つーか、蓮はどこだよ」
「あれ? そういや、ケイドロ後見てないな」
「寮で寝てるんじゃない? ケイドロでは大活躍だったみたいだし」
「部屋では見てないぞ!!!」
朔がそう言うのを当たり前だと聞き流す。
ケイドロ後は一度俺が連れ帰った。いまだに朔と同室は嫌だとか言うから。
でも、パーティー前に無理やり引っ張り出したんだよな。だから少なくとも、寮の外にはいるはずなんだけど……。
「ったくアイツは本当に……」
「蓮様のことはさておき、今はお前のペアだって蒼葉!」
「えー……」
「ここまで引っ張られると、なんだかちょっと興味出てきた。早く確認してよ藤咲くん」
「里緒まで……」
たくさんの瞳に見つめられ──1人瓶底メガネだけど。俺は気圧されるようにして手元のTSPに視線を落とした。
“予想してなかった相手”って陽希は言ってた。
アンケートに挙げた3人と、今この場にいる人物は違うことが確定。桜花ちゃんやナギもおそらくは違うだろう。
もっともっと、俺の信じられない人物。それって一体……。
TSPをじっと見つめる。
………………うーん。
「もー、じれったいなぁ。そんなに見るのが嫌なら、代わりに見てあげようか?」
「もしくは、光にでも聞くか? 実行委員だからペア決めに関わっていたはずだし、見るより聞く方が早いだろ。多分そろそろこっちに来てるだろうし」
「…………いや、見るよ」
TSPを握り締めて、一呼吸つく。
そして、画面をつけた。
悠真や里緒が覗き込む。
ペア相手として表示されていた名前は──。
「………………………………嘘だろ」
本当に、予想の斜め上を行く人物だった。
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