『桜魂の継承者』-BLOOM OF ETERNAL BONEDS-

12話「市立図書館＋創作ラウンジでの自然な接点」

午後の陽射しが柔らかく差し込む市立図書館。静かな空間にページをめくる音だけが響く。
朋広は肩にカバンを掛け、創作ネタ探しを兼ねて入館する。原付事故からの回復後、身体は軽やかで、日常の延長線上のように行動している。

図書館の一角では、桐生さくら（18）が静かに本を開いている。制服姿で控えめながらも自然な存在感。朋広が通路を歩くたび、目線が交わる程度。さくらは何も言わず、読者にだけその存在が匂わされる。

茶室コーナーでは花房るり（18）が柔らかい笑みを浮かべながら読書。朋広が近くを通ると、ちらりと微笑みを交わす。
葵月すみれ（19）はピアノ室横のラウンジでノートを開き、偶然にも朋広の行動を観察しているように見えるが、当然彼は気づかない。

配信用PCを使う東雲ましろ（18）は明るく軽やかな動作で画面を操作する。朋広が座る隣席に近づく瞬間、わずかに距離感が縮まる。
彼は天然鈍感に「この席、空いてるんか？」と聞くだけで、周囲の少女たちの存在は匂わせ程度に描写される。

一方、外界では冥の影響が微細に残るが、朋広の自然な助けたい行動が、ガラス色の初期状態へと徐々に戻していく。
図書館内の空気は静かだが、読者にはキャラクターたちの心の動きや桜波長の微妙な変化が伝わる。