『桜魂の継承者』-BLOOM OF ETERNAL BONEDS-

第38話「雨上がりの和喫茶」

午前の光が差し込む和喫茶《月待庵》。
窓際の席には、雨で濡れた髪を拭きながら白鳥つむぎが座っている。
ヘッドホンを外して、メニューを眺める姿は、まだ誰にも意識されない自然体。

「……こんな日に来るんも、悪くないな」
朋広はカウンターに腰を下ろし、軽くつぶやく。
スマホを手に取ると、割れたはずの画面はすでに修復されており、最新モデルの機能がちらりと光る。
「こんな機能まで……便利すぎるなぁ」
ノリボケ混じりに独り言。天然な反応は、周囲に違和感を与えない。


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店内の隅では鴉谷りつがバンド練習後の休憩中。
朋広が注文した飲み物を受け取りに行くと、自然に隣の席に座る。
「……あれ？ さっきからここに？」
朋広は軽く笑い、「いや、偶然や」と答えるだけ。
読者には「この人も重要キャラかも」と匂わせる程度。


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御影紫苑が神社帰りにふらりと休憩。
巫女の装束を纏った佇まいに、朋広は自然に道を譲る。
「お、お疲れ様です」
簡単な挨拶だけで、特別な意識はしていない。


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■監視者パート

屋上から見下ろす影は、朋広の周囲の微細な動きを確認する。
「対象：福田朋広。
　日常接点増加。
　潜在核未顕現。
　観測継続。予測値変動なし」

核や20才姿はまだ少ししか発現せず、主人公だけが永遠に気づかない状態が続く。