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第六十八話 久しぶり
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第六十八話 久しぶり
「ちょっと待て、ヒナ」
「彼はドライアドのナーブ」
なんとか部屋割りを終えて、二人がいない間に増えた島民(?)を紹介する事に。
「ドライアド!?」
「男のドライアドなんているのねぇ」
「こんな樹、前は無かったよな?」
「ああ、それは私が引っこ抜いてきた」
「「は?」」
何言ってんだこいつ、みたいな顔で見られた!わぁ、久しぶりだな、この感じ。
「ナーブ、この二人はジローとクレスね」
私の背に隠れているナーブ。やっぱり怖いようだ。
そして、私達を守る様に前に出るポチ。
「こいつ・・・魔獣、じゃないな」
腰の剣に手をやろうとするジローを慌てて止めた。
「この子はポチ。番犬・・・的な?」
「ちょっと待て。まさか、フェンリルじゃないよな?」
「大正解」
「「はぁ!?」」
「我はフェンリル。名はポチと言う。縁あって主に仕える事となった。よろしく頼む」
上手に挨拶できたので、わしゃわしゃに撫でて褒めてあげた。
ポチは畑のお手伝いの他に、島の見回りもしてもらっている。今度犬用のおやつあげてみよう。
次はノナさん達だ。
「ほう、お主らが・・・古龍の女王が言っておった、へなちょこ共か」
「「へなちょこ・・・」」
そんな風に言ってたのか。
ノナさんとリシュナは意外と話が合うんだよね。
「へなちょこじゃな」
「へなちょこじゃの」
「へなちょこじゃて」
あ、三婆が止めを刺した。
「えっと・・・二人も下宿に入るから、これからよろしくね」
「「「「ふぉっふぉっふぉっ」」」」
地味にへこんだ二人を連れて家に戻ると、セバスが現れた。
「ジロー殿、クレス殿、ご健勝そうで何より」
「あ、ああ。久しぶりだな」
「ふむ・・・ジロー様もこちらに下宿なさるのですか?お連れの方々は?」
「連れ?」
「大層お綺麗な方々とご一緒だったと聞いておりますが」
あれ?セバスが怒ってるような?
「ああ、あれは依頼でパーティを組む必要があったからな。一時的なパーティメンバーだ。別れてから何処で何してるのかも知らん」
「・・・そうですか。それはようございました。古龍の女王も、お二人の事を大層お気に掛けていらしたようですので」
リシュナの事が出た瞬間、二人がピキッと固まった。
「それでは、失礼いたします」
去っていくセバスを見送ると、二人が深いため息を吐いた。
「そう言えば、アヌリは?」
「え?ああ、彼は今トーナ王国に戻っているらしいわ。お祭りが終わったら連絡するって言ってたわね」
「お祭りかぁ」
この世界のお祭りって、どんな感じだろう?
でも、アヌリが参加するお祭り・・・たぶんと言うか、きっと始祖関連だよね?
見てみたいような、見ない方が身の為のような・・・。
「ヒナ、そろそろ昼ごはんにしないか?」
「ん?ああ、そうだね」
もうそんな時間だったのか。
「じゃあ、エストはトマト採って来てくれる?」
「わかった」
ジローもいるとは思わなかったけど、大量に作っておいたから大丈夫!
二人と一緒に食堂へ向かった。
「大勢の時はそっちのテーブルね。こっちのカウンターは五人までなら座れるから」
大人数用のテーブルの他にも、四人掛けと、厨房が見えるカウンター席も用意した。
食堂には猫達の樹も置いてあるが、もう少し緑を増やしても良いな。
作っておいた料理をテーブルに出していく。この方が熱々で出せるからね。
猫達のご飯を用意していると、エストがカゴに入れたトマトを持ってきてくれた。
「これくらいで良いか?」
「うん。ありがとう」
「洗っておく」
エストは厨房の中へ入ると、慣れた手つきでトマトを洗ってくれた。
今日はダイフクもこっちに連れてきているので、生ごみも直ぐに処理してくれる。
そうこうしている内にクロと猫達も食堂にやってきて、皆で「いただきます」をしてから食事開始。
「「くぅ・・・」」
ジローとクレスが唸った。
辛い物は出してないよな?
「ヒナ、大丈夫だ」
「でも」
「大方、久しぶりのヒナの手料理に感動してるんだろ」
「そうなの?」
そう聞くと、二人は無言で頷いた。やれやれ。
暫くすると、テーブルの半分以上置いたお皿は綺麗に空っぽになった。
「幸せぇ」
「相変わらずヒナの料理は美味いな」
「そりゃどうもぉ」
空っぽになったお皿を見ると、嬉しい。
片付けをしていると、エストが残ったお皿を持ってきてくれた。
「手伝うか?」
「大丈夫、ありがと。お茶いる?」
「自分でやるから、良いよ」
エストは毎食、こうやって手伝ってくれるから助かるんだよね。
「「・・・・・」」
「ねぇ、ジロー」
「言うな」
ジローとクレスが何やら難しい顔をしているなぁ。
何を話しているかは聞こえないけど。
やっぱりお金を取るってのが駄目だったかなぁ。
「・・・ヒナ、ちょっとあいつを借りるな」
「へ?」
「おい、そこの坊主」
「あ?誰が坊主だ」
「お前だ。ちょっと来い」
エストがジローを連れて、食堂を出て行ってしまった。
少し怒っていたみたいだけど、大丈夫かなぁ。
*
「何だよ」
道場までやって来ると、ジローが不貞腐れた態度でエストを見つめた。
「俺の事が気に入らないんだろうが、ヒナの前で出すのは止めろ」
「そんな事、爺に言われる筋合いは」
「ヒナが心配しているのが分からんのか?」
「それは・・・」
「ヒナは、お前達がここにいても気に病む事の無いようにと下宿を考えたんだ」
エストはまるで若い騎士に言い聞かせるように話を続ける。
「惚れた女を困らせるな」
それだけ言うと、エストは入り口へと戻る。
「あんたはどうなんだよ」
「それを答えてやる義理はないな。俺の事を牽制する暇があったら、少しはヒナの事を考えてやれ」
エストはそれだけ言うと、道場を出て行った。
後に残されたジロー。
完全に子ども扱いされた。
「あ~、くそっ・・・」
ヒナにおんぶにだっこの状態を何とかしたくて島を出た。
そして今度は、用意された場所にのこのこと戻ってきてしまった。
自分達のいた場所に入り込んだエストに嫉妬までして・・・。
「あ~!ほんと、ガキみたいだなぁ」
ジローは床に座り込むと、ゴロリと転がった。
ここには何度も来た。見覚えのある天井。
「よし!」
気合を入れて起き上がると、クレスが道場に入って来るのが見えた。
「あら、意外と元気ね」
「煩い」
「ヒナちゃんがスイカ切ってくれるって」
立ち上がると、クレスがクスクスと笑った。
「何だよ、気持ち悪いな」
「失礼ね!ヒナちゃんが言った通りだと思っただけよ。ジローはスイカって言えば元気になるだろうって」
「俺は子供か!」
二百年近く生きてきたが、こんな気持ちは初めてだ。
頭をガシガシとかく。
不思議と、嫌な気分ではなかった。
「さっさと行くぞ。あの爺にばっか良い顔させてたまるか」
「そういう所が、ガキだって言われるのよ」
「変態エルフ」
「ムッツリ筋肉馬鹿エルフ」
何にせよ、これからはまたここでの生活が始まる。
色々と、楽しくなりそうだ。
「ちょっと待て、ヒナ」
「彼はドライアドのナーブ」
なんとか部屋割りを終えて、二人がいない間に増えた島民(?)を紹介する事に。
「ドライアド!?」
「男のドライアドなんているのねぇ」
「こんな樹、前は無かったよな?」
「ああ、それは私が引っこ抜いてきた」
「「は?」」
何言ってんだこいつ、みたいな顔で見られた!わぁ、久しぶりだな、この感じ。
「ナーブ、この二人はジローとクレスね」
私の背に隠れているナーブ。やっぱり怖いようだ。
そして、私達を守る様に前に出るポチ。
「こいつ・・・魔獣、じゃないな」
腰の剣に手をやろうとするジローを慌てて止めた。
「この子はポチ。番犬・・・的な?」
「ちょっと待て。まさか、フェンリルじゃないよな?」
「大正解」
「「はぁ!?」」
「我はフェンリル。名はポチと言う。縁あって主に仕える事となった。よろしく頼む」
上手に挨拶できたので、わしゃわしゃに撫でて褒めてあげた。
ポチは畑のお手伝いの他に、島の見回りもしてもらっている。今度犬用のおやつあげてみよう。
次はノナさん達だ。
「ほう、お主らが・・・古龍の女王が言っておった、へなちょこ共か」
「「へなちょこ・・・」」
そんな風に言ってたのか。
ノナさんとリシュナは意外と話が合うんだよね。
「へなちょこじゃな」
「へなちょこじゃの」
「へなちょこじゃて」
あ、三婆が止めを刺した。
「えっと・・・二人も下宿に入るから、これからよろしくね」
「「「「ふぉっふぉっふぉっ」」」」
地味にへこんだ二人を連れて家に戻ると、セバスが現れた。
「ジロー殿、クレス殿、ご健勝そうで何より」
「あ、ああ。久しぶりだな」
「ふむ・・・ジロー様もこちらに下宿なさるのですか?お連れの方々は?」
「連れ?」
「大層お綺麗な方々とご一緒だったと聞いておりますが」
あれ?セバスが怒ってるような?
「ああ、あれは依頼でパーティを組む必要があったからな。一時的なパーティメンバーだ。別れてから何処で何してるのかも知らん」
「・・・そうですか。それはようございました。古龍の女王も、お二人の事を大層お気に掛けていらしたようですので」
リシュナの事が出た瞬間、二人がピキッと固まった。
「それでは、失礼いたします」
去っていくセバスを見送ると、二人が深いため息を吐いた。
「そう言えば、アヌリは?」
「え?ああ、彼は今トーナ王国に戻っているらしいわ。お祭りが終わったら連絡するって言ってたわね」
「お祭りかぁ」
この世界のお祭りって、どんな感じだろう?
でも、アヌリが参加するお祭り・・・たぶんと言うか、きっと始祖関連だよね?
見てみたいような、見ない方が身の為のような・・・。
「ヒナ、そろそろ昼ごはんにしないか?」
「ん?ああ、そうだね」
もうそんな時間だったのか。
「じゃあ、エストはトマト採って来てくれる?」
「わかった」
ジローもいるとは思わなかったけど、大量に作っておいたから大丈夫!
二人と一緒に食堂へ向かった。
「大勢の時はそっちのテーブルね。こっちのカウンターは五人までなら座れるから」
大人数用のテーブルの他にも、四人掛けと、厨房が見えるカウンター席も用意した。
食堂には猫達の樹も置いてあるが、もう少し緑を増やしても良いな。
作っておいた料理をテーブルに出していく。この方が熱々で出せるからね。
猫達のご飯を用意していると、エストがカゴに入れたトマトを持ってきてくれた。
「これくらいで良いか?」
「うん。ありがとう」
「洗っておく」
エストは厨房の中へ入ると、慣れた手つきでトマトを洗ってくれた。
今日はダイフクもこっちに連れてきているので、生ごみも直ぐに処理してくれる。
そうこうしている内にクロと猫達も食堂にやってきて、皆で「いただきます」をしてから食事開始。
「「くぅ・・・」」
ジローとクレスが唸った。
辛い物は出してないよな?
「ヒナ、大丈夫だ」
「でも」
「大方、久しぶりのヒナの手料理に感動してるんだろ」
「そうなの?」
そう聞くと、二人は無言で頷いた。やれやれ。
暫くすると、テーブルの半分以上置いたお皿は綺麗に空っぽになった。
「幸せぇ」
「相変わらずヒナの料理は美味いな」
「そりゃどうもぉ」
空っぽになったお皿を見ると、嬉しい。
片付けをしていると、エストが残ったお皿を持ってきてくれた。
「手伝うか?」
「大丈夫、ありがと。お茶いる?」
「自分でやるから、良いよ」
エストは毎食、こうやって手伝ってくれるから助かるんだよね。
「「・・・・・」」
「ねぇ、ジロー」
「言うな」
ジローとクレスが何やら難しい顔をしているなぁ。
何を話しているかは聞こえないけど。
やっぱりお金を取るってのが駄目だったかなぁ。
「・・・ヒナ、ちょっとあいつを借りるな」
「へ?」
「おい、そこの坊主」
「あ?誰が坊主だ」
「お前だ。ちょっと来い」
エストがジローを連れて、食堂を出て行ってしまった。
少し怒っていたみたいだけど、大丈夫かなぁ。
*
「何だよ」
道場までやって来ると、ジローが不貞腐れた態度でエストを見つめた。
「俺の事が気に入らないんだろうが、ヒナの前で出すのは止めろ」
「そんな事、爺に言われる筋合いは」
「ヒナが心配しているのが分からんのか?」
「それは・・・」
「ヒナは、お前達がここにいても気に病む事の無いようにと下宿を考えたんだ」
エストはまるで若い騎士に言い聞かせるように話を続ける。
「惚れた女を困らせるな」
それだけ言うと、エストは入り口へと戻る。
「あんたはどうなんだよ」
「それを答えてやる義理はないな。俺の事を牽制する暇があったら、少しはヒナの事を考えてやれ」
エストはそれだけ言うと、道場を出て行った。
後に残されたジロー。
完全に子ども扱いされた。
「あ~、くそっ・・・」
ヒナにおんぶにだっこの状態を何とかしたくて島を出た。
そして今度は、用意された場所にのこのこと戻ってきてしまった。
自分達のいた場所に入り込んだエストに嫉妬までして・・・。
「あ~!ほんと、ガキみたいだなぁ」
ジローは床に座り込むと、ゴロリと転がった。
ここには何度も来た。見覚えのある天井。
「よし!」
気合を入れて起き上がると、クレスが道場に入って来るのが見えた。
「あら、意外と元気ね」
「煩い」
「ヒナちゃんがスイカ切ってくれるって」
立ち上がると、クレスがクスクスと笑った。
「何だよ、気持ち悪いな」
「失礼ね!ヒナちゃんが言った通りだと思っただけよ。ジローはスイカって言えば元気になるだろうって」
「俺は子供か!」
二百年近く生きてきたが、こんな気持ちは初めてだ。
頭をガシガシとかく。
不思議と、嫌な気分ではなかった。
「さっさと行くぞ。あの爺にばっか良い顔させてたまるか」
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