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pin.09「砂地獄」
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「リッカ!上ってこれるか?!」
「っ」
虫というものはかつて指先程度のものであったらしい。
人間の足元に。草藪に。床下に。時には天井裏に巣を作り。家の中にまで侵入する事があった。
目に見えないサイズのモノもいれば、畏怖され、駆除の対象になるものも。病気を媒介する事もあったらしい。
そもそも、刺されても死なない。市販の塗り薬で済むというのだから羨ましい話だ。
「……うそだろ‥」
足場は崩れて半分砂に埋もれ、目の前にあるのは熊程はある悍ましい大あごと爪のある足。
丸い腹はぶくぶくと太って詰まっている。
リッカの足元には殆ど干からびた白服があった。
「……うそだ‥」
ああ。
どうしてこんなことに。
***
「虫のサイズはかつて指先程度だったんだ」
「はあ?!嘘だろ!?」
「小学校の時理科でやってたじゃん。今は当時より50倍とかになってんだって」
「ええ」
ブラッグを入れた籠を肩に背負い、リッカは仲間の背中を追いかけた。
最初こそ息揚々と踏み出したリッカは、しかし、少しも経たない内にアリジゴクの足場に飲まれかけてメグミによって救出された。
アリジゴクの体調は1m程。穴はその巨体を覆い隠してあまりある程深く広いのだ。歩いていてうっかり沈んでしまった。
スタンガンが通電する前に砂で汚れた少年はすっかり消沈し、今や進んでフラッグ輸送係になっている。
「初出動でよりによってコイツかあ」
「まあ、慣れないときついわよ‥ねっ」
フラッグの無い穴を見つけるや、キャラは槍の先で穴の底を掻き雑ぜた。
砂の動きを察知して姿を見せたアリジゴクの頭に槍の先を突き刺し、ずるりと釣り上げる様に持ち上げた。
「うわあああ!!」
体の割に小さな顔と発達した大あごが。ぶくぶくと膨らんだ腹が砂を落としながら引きずり出された。
80センチ程だろうか。思わずスタンガンを握りしめるも、キャラはにやりと笑うだけだ。
もがく巨体を軽々と宙へ放り、そのまま青く熱を帯びた鉄の柄で打ち据え落とした。
焼き切られたそれはもはや見る影もない。その上、メグミに燃やされては生きられまい。
「…すげえ」
流れ作業の様に駆除をこなす二人を呆然と見つめていると穴の傍にフラッグを突き刺したイツキが頷いた。
「当然でしょ。そもそも特化一班って本来相当な実力者じゃないと入れないんだから」
「そうなのか?じゃあ、俺場違い?」
「まあ、リッカは虫宿りだし、おれの友人だし、シロハさんが推してくれたから特別にね」
「ふぅん……ってことは‥」
「おれの実力もすごいってこと」
「………」
「ちょっと」
一部聞き流すことにする。
しかし、確かに他の白服とは全く違う印象のあるチームだった。
キャラは簡単に引っ張り出していたが、周りを見れば数人がかりで撒き餌を使って誘き出している。
「俺居る意味ある?」
「慣れるためには必要だよ。そもそも、今回の虫は罠を張るプロなんだ。蜂みたいに積極的に襲ってくるわけじゃなし、簡単にいくわけないよ」
「そうかあ」
「正直、俺もまだキャラさんみたいに誘き出す手段ないし、手持無沙汰」
アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫だ。
もし、公園内に蛹になった個体がいれば最悪夜に羽化する恐れもある。可能なら早々に片付けて蛹の捜索に移りたいのだろう。もどかしそうにトンファー型のスタンガンをくるくると回す。
「よし。この辺はだいたい片付いたな。シロハに連絡入れるぞ」
「そうね」
「賛成」
「………」
ああ。
結局殆ど役に立てなかった。
がっかりと肩を落としてシロハに連絡しているメグミを待つ間何となく周りを見渡した。
「…懐かしいな‥ここ…」
この公園はまつりと両親と来たことがある。
芝生の広場でシートを広げて母親の手作り弁当を食べ、住み着いていた野良猫と戯れた。
子どもには十分すぎるほどに広い公園だったのだ。
まつりはそのまま母親と散歩をしていたのだが、父親とリッカを追い掛けてアスレチックに来てターザンロープに乗りそびれて泣いていたっけ。
と。
「……あれ?」
違和感に気付いて歩き出した。
「リッカ?どうした?」
「こっち、アスレチックがあったんだ」
「アスレチック?」
穴ぼこだらけになって通路も崩壊している。
しかし、トイレの近くの藪の向こう。そこは木製のアスレチックが設置されていた筈なのだ。
藪の向こうに見えていたアスレチックが見えない。
「イツキ。なんかおかしいぞ」
「………確かに、この先アスレチック広場だね。行ってみるか」
藪を超え、言葉を失った。
「な‥」
広場。そう、ここは広かったのだ。
ここにはアスレチックだけでなく、少し年上の男子がサッカーで遊べるようにゴールネットまで用意されていた筈。同時に遊んでも余裕がある広さだった。
「なんだこれえええええええ!!!!!!!!!」
その広場が丸ごと陥没している。
一歩踏み出したらはまってしまうそれは間違いなく"蟻地獄"そのものだ。
絶叫を上げるリッカの隣で言葉を失くしたイツキは、ふと、慌てて命綱を街灯に繋いだ。リッカに手を伸ばす。
「リッカ!お前もつけろ!!」
「あ、ああ!」
「キャラさん!メグミちゃん!!」
慌てるリッカの足元で蹴られた小石がころころと転がり落ちていく。
砂の動きに敏感な虫だ。もう気付かれている可能性が高い。
イツキは大声上げて近くにいる筈の仲間を呼んだ。
「リッカはこれ付けて。命綱になる」
「わ、わわかった」
太いマジックテープのベルトは頑丈で簡単に付けられる物だ。しかし、焦ったリッカは腰に巻くより早くテープ同士付けてしまい、苛立ちを見せる。
「早く!」
「わかってるよ!!」
崖淵に打ち付ける波の様に、飛沫の砂が二人に降りかかったのはその瞬間だった。
「うお!!」
「うっ?!」
穴の中から何度も何度も砂が波の様に二人を襲う。
水とは違う砂は小さな礫のように痛みを伴い、思わず目を守ったその隙に、リッカの足がずるりと滑った。
「うわあああああああ!!!!!!!!」
「リッカ!!!」
リッカはまだ命綱をつけていない。
慌てて掴んだイツキの手を頼りに這い上がろうと足掻く足は容易に滑ってずるずると沈んでいく。
「う‥くそお‥!」
「何とか上がって来い!早く!!」
「無茶言うなあ!」
「リッカ!イツキ!!」
「なんだこりゃああ!!?」
遅れて到着した二人は巨大な穴を見つけるなり絶叫上げた。
そして、今にも引きずり込まれようとしているリッカに驚き、手を伸ばした。
「リッカ!掴まれるか?!」
「メグミさんっ‥!」
あと一歩で届かない。
ずるずるとイツキの足元までも沈み始めている。
「キャラ!」
「わかってる」
イツキと同じ街灯に命綱を繋いでキャラが槍を構え、リッカとは真逆の方向に拳大の石を放り投げた。
途端、石の方向へ飛沫が飛ぶ。
「今の内に!」
「ああ!」
頼もしいが過ぎる。
「ああもう何なのよ最近の規格外の化け物は‥!ぅううあああらああ!!」
「キャラさん!」
「っ、早く上がりなさい!」
石を誘導に使ったキャラは砂に埋もれかけていたアスレチックのネットを引っ張り出し、穴の底をそれで覆った。
大あごが太いロープのネットに阻まれ、砂の礫すら砂煙程度に抑えられる。
「うう‥!」
「イツキ、お前ごと引き上げる。リッカを離すんじゃねえぞ!」
「メグミちゃん‥頼むよ‥!」
その隙にとメグミによって二人の体は半ば強引に引き上げられていた。
足を滑らせながらも足掻くリッカはその砂の中の異変に気付いて声を上げる。
「やばい!!二人とも離れろ!!!」
リッカの足下がドクンと脈打ち、イツキ、メグミの足元までも盛り上がっていく。
「やべえ!!」
「うそだろ‥?」
ズンッ。
地面が揺れて足場が崩れていく。
藪が砂に埋もれ、命綱を繋いだ街灯が滑り落ちた。
「うわっ‥!」
「おああ?!」
「アンタたち‥!」
細かな砂の中に滑り落ちる。
砂の中からリッカを狙った大あごに、キャラは容赦なく槍を突き立てた。
「キャラさん‥!」
「っ、ううっ‥!」
今までのサイズとは比べ物にならない、熊程はある巨体の個体だ。
キャラの槍はガツンッと鈍い音を立てて弾かれ、払われる。
「っ、あ!」
大あごに巻き込まれるように槍が穴の外に捨てられた。
リッカが足掻き、キャラの元に急ぐも足場が悪い。滑る足元は沈み、まるで底なし沼のようだ。
「くっそお!」
目の前でキャラの体が引き倒される。
胸元がゆさと揺れ、息を詰まらせながらも腰のテーザー銃に手を伸ばすが触れることも出来ずに砂まみれのカギ爪に縫い留められた。
「うっ、この‥!」
「キャラ!!」
砂に埋もれたメグミが火炎放射器の銃口を向けた。
炎とは違う。熱の塊が高速で発射されてアリジゴクの尻を焼くも砂まみれの体はほんの少し外皮を焼いただけだ。極上の餌を前に怯みもしない。
「くそっ!くそお!!」
メグミが足掻く。
しかし、焦る程に体は沈み、引っ掻き回す内に砂は混ぜられ沈んでいた"残骸"を浮かばせた。
「!」
死体だ。
それも人間の。
気付けば沼と化した穴のそこかしこに先に到着していただろう白服の成れの果てが沈んでいる。
「くそ‥こんなに喰ってやがったのか‥!」
イツキの困惑の声。
気付けば悍ましい光景に目を逸らしかけるが、リッカは顔を上げて足場を探した。
街灯は沈んでしまった。しかし、目を凝らせばアスレチックの支柱が残っている。
「あれがあれば‥なんとか‥!」
手を伸ばし、カホの言葉を思い出した。
虫よりも強い自分。欠片もわからない。だが、今、自分の意志で使えねば全員死ぬのだ。
「ぐうっ‥うううう!!!」
手の平に集中する。
目が熱い。ほたほたと滴る涙は赤く、手のひらも焼ける様に熱かった。
「いけええええええええ!!!」
気色の悪い感覚だ。
まるでそこの毛だけが急激に伸びているような凄まじい違和感。
しかし、伸びたのはやはり体毛などではなく粘着質な白い糸だった。糸は支柱に届く事もなく、直接アリジゴクの体に降りかかる。
「うわああ!!」
「きゃああっ!!!」
驚いたのはアリジゴクも同じ。
突然拘束されかけ、慌てたらしいアリジゴクは後ずさり、糸から抜け出そうと暴れた。
キャラが巻き込まれ、暴れるアリジゴクの下で体を丸めているのが見える。
「リッカ!!」
「そのまま抑えられるか!?」
「っ、無茶をさせないで!リッカ!糸を切り離しなさい!!」
メグミとイツキはリッカの本当の狙いなど露ほども知らない。
しかし、動きを止められるならと思考を変え、リッカは埋もれる砂の中で懸命に耐えようとした。
体の半分が砂の中。足場は沼。ここは相手の罠の中だ。当然、キャラの懸念通り耐えられるはずもなく、リッカの体は引き摺られて砂の壁に叩き付けられた。
「うぶっ」
痛みは無い。
しかし、身動きは一切取れなくされてしまった。
追い討ちとばかりに砂を叩き付けられてしまえば糸も切れ、武器も届かない。
「……うそだろ‥」
足場は崩れて半分砂に埋もれ、目の前にあるのは熊程はある虫の悍ましい大あごと爪のある足。
丸い腹はぶくぶくと太って詰まっている。
リッカの足元には殆ど干からびた白服があった。
「……うそだ‥」
ああ。
どうしてこんなことに。
自分では虫を駆除するどころか、仲間を助ける事すら出来ない。
瞳から滴る血は収まる気配もなく、体が急激に熱を持ったのがわかった。
霞む視界の中でイツキやメグミが懸命に砂から抜けだそうと、キャラを助けようと必死になっている。
だと言うのに自分は身動きすら出来ない。
「リッカ!!」
「っ」
唐突なシロハの鋭い声に顔を上げた。
見上げれば駆け付けてくれたのだろうシロハが惨状を見下ろし目を丸くする。
「シロハさん!」
「お前らみんな生きてるな!」
「は、はい!」
そうは言っても虫の息だ。
泣きそうになりながら声を張った。
シロハの手にはテーザー銃もスタンガンもなく、代わりにあるのは白服のドッグタグ。
「え?」
ぽかんと見つめるリッカの目の前で、シロハはそれを空に投げた。
「返すで!好きなだけ暴れろ!!」
瞬間。細い影がアリジゴクの頭を潰す。
押されて潰され、砂に埋もれたアリジゴクの頭に居るのは細身の白服だった。
突然の事で困惑している虫と違い、その人は安定した姿で指に引っ掛けたドッグタグをその首に下げている。
「え?」
間抜けな声が漏れる。
ここ数日で見慣れた白い髪、灰色の瞳の整った容姿。
見慣れないのは右耳の赤いピアスと腰に巻いたチェーン。それからその人の身を包む新品同様の白いツナギだろうか。
リンが白服姿でそこにいる。
「みんな、がんばったねえ」
朝、リッカとイツキを送り出した穏やかな声が耳をくすぐる。
しかし、あまりに懸け離れた状況に開いた口も塞がらないリッカに、リンはにこりと笑った。
唐突に腹に巻き付くチェーン。驚き見ればそれはリンの腰にあったものだ。
「どいててね?」
それはそのままリッカの体を引きずり出し、ポンッと、あまりにも簡単に砂の中から引っ張り出した。
「うおおおおああああああああ???!??」
世界が上下反転を繰り返す。
回る視界の中でその人を探して目を瞠った。
「えっ」
それはまるで演武だ。
きらりと白銀に輝く軌跡がリンの周りを旋回し、その体に触れる事もなく懐いた生き物のように手の中に戻っていく。
流れるような身のこなしでチェーンを操り、次々と仲間を放り投げたリンはそのまま暴れる虫の上から跳んだ。
仲間を助けた時とは違う。青く放電し、熱を帯びたチェーンは今は輪のようにリンをくるりと覆い、砂に降りた姿を狙う大あごを弾き折る。声にならない絶叫が上がった。
「いっっって!!!」
驚き見ていたリッカは次の瞬間にドンッと尻から地面に落ち、隣のシロハを見上げる。
「し、シロハさん‥!リッカさんが!!」
「ああ。アイツがこのチームの最後の一人や」
「えっ」
言葉を詰まらせるリッカとは裏腹にしれっと冷静なシロハの言葉。
驚いて穴の淵に手をつき、目を疑った。
「リン‥さん‥?」
笑っているのだ。
憎悪に染まった瞳で。口端を歪めて。
思わず息をのんだリッカの前でリンは埋もれる事もなく滑るようにつま先で砂の上を歩く。
逃げようと下がるアリジゴクの足を折り、大あごを折り、チェーンは空に投げられた。
落ちながら二つに折り曲がったチェーンを素早くキャッチして振り落とすと、質量を持ったチェーンはまるでしなる青い棍棒だ。
頭を叩き割りながら首をへし折り叩き切る残酷な演武。
その相手役にされた哀れな巨体は不自然な角度で頭だけを砂に埋め、それ以上動くことはなくなった。
「シロハ。フラッグをお願い」
「残念やったな。それで終いや」
「そう」
あんなにも苦戦した巨体があっけなく惨殺されてた。
唖然と見下ろした先のリンは先までの狂気じみた笑顔が嘘のように息も乱さず穏やかな顔をしている。
にこりと笑う様子からは不自然な程虫への関心が感じ取れなかった。
「…まじかよ‥」
その変貌が恐ろしい。
「…リン」
メグミが右手を上げる。
その手の中にチェーンの錘が投げられ、それを掴むと思い切り引き上げ、リンの体がふわりと跳んだ。
受け止め、肩を叩く。
「ありがと」
「こっちのセリフだ」
仲間は慣れているのか別段驚く様子もない。
イツキは目を輝かせ、キャラはやれやれと呟いて服の砂を払い、投げ捨てられた槍を拾っていた。
リッカの様に違和感を恐れる者など誰もいないかと思われた。
「シロハさん‥?」
「………」
シロハを除いては。
「リッカ」
「あ、ああ」
「ああなるなよ」
「え?」
シロハの表情は険しい。
しかしすぐに元通りの飄々とした顔を貼り付け、リンに歩み寄った。
「リン。間に合ったなあ」
「本当だよ。誰かさんがわたしのタグを持ってかなきゃ誰も怖い思いしなかったのに‥」
「こんなん持ってたら休まんやろ。くたばる程のケガしといて何を言うの。これからは自分の体も大事にしてくださいー」
「もう!」
ああ。
いつも通りだ。多分。
ポカンと見つめていると気付いたリンが振り向き、リッカの頭を撫でた。
「がんばったね、リッカさん。しんどくない?」
「え?あ‥」
そういえばまだ出血が止まっていない。目も回る。
それを言うが早いか体が浮き上がってはたと気付いた。
「メグミさん?!」
「シロハ。シバタの奴が待機してたよな?」
「ああ。運んだってくれ」
「ええ?!」
「もう。まだ使えもしないのに無茶するからよ」
「だからってこの運ばれ方は‥!」
横抱き。俗に言うお姫様抱っこだ。
余りの羞恥に暴れるもメグミの腕はピクリともせず、それでも諦められないリッカの鼻先をキャラの指が突いた。
「ありがと。助けようとしてくれて」
「!」
カアッと頬が熱を持つ。
大人の女性に言われた感謝の言葉がこそばゆい。
途端に大人しくなったリッカにイツキは呆れかえり、リンの隣に並んだ。
「そういえばリンさん。今日、トトは一緒じゃないんですか?」
「トトはシバタに預けてきたよ。危ないからね」
「ああなるほど」
「えっ!トトも来てるのか?!」
「トトはリンといつも一緒よ。あたしたちの仮眠室にはトトのゲージもあるんだから」
「ひええ」
なるほど思った以上に規格外な人だ。
楽し気に笑うリンに先までの狂気など欠片もない。が、その細い腰には確かに凶器が巻いていて口元を引き攣らせた。
「リッカさん」
「はい!」
慌てて返す。
「もうあんな無茶な虫の使い方しちゃダメだよ?教えてあげるから、ね?」
「は、はい‥?」
そうして思い出した。
チームの最後の一人は"虫宿し"で"人類種最強"。
「えっ」
蜂と戦ったリッカ達を引っ張り上げて助けた人類種最強の蝶は、リンだったらしい。
-to be continued-
「っ」
虫というものはかつて指先程度のものであったらしい。
人間の足元に。草藪に。床下に。時には天井裏に巣を作り。家の中にまで侵入する事があった。
目に見えないサイズのモノもいれば、畏怖され、駆除の対象になるものも。病気を媒介する事もあったらしい。
そもそも、刺されても死なない。市販の塗り薬で済むというのだから羨ましい話だ。
「……うそだろ‥」
足場は崩れて半分砂に埋もれ、目の前にあるのは熊程はある悍ましい大あごと爪のある足。
丸い腹はぶくぶくと太って詰まっている。
リッカの足元には殆ど干からびた白服があった。
「……うそだ‥」
ああ。
どうしてこんなことに。
***
「虫のサイズはかつて指先程度だったんだ」
「はあ?!嘘だろ!?」
「小学校の時理科でやってたじゃん。今は当時より50倍とかになってんだって」
「ええ」
ブラッグを入れた籠を肩に背負い、リッカは仲間の背中を追いかけた。
最初こそ息揚々と踏み出したリッカは、しかし、少しも経たない内にアリジゴクの足場に飲まれかけてメグミによって救出された。
アリジゴクの体調は1m程。穴はその巨体を覆い隠してあまりある程深く広いのだ。歩いていてうっかり沈んでしまった。
スタンガンが通電する前に砂で汚れた少年はすっかり消沈し、今や進んでフラッグ輸送係になっている。
「初出動でよりによってコイツかあ」
「まあ、慣れないときついわよ‥ねっ」
フラッグの無い穴を見つけるや、キャラは槍の先で穴の底を掻き雑ぜた。
砂の動きを察知して姿を見せたアリジゴクの頭に槍の先を突き刺し、ずるりと釣り上げる様に持ち上げた。
「うわあああ!!」
体の割に小さな顔と発達した大あごが。ぶくぶくと膨らんだ腹が砂を落としながら引きずり出された。
80センチ程だろうか。思わずスタンガンを握りしめるも、キャラはにやりと笑うだけだ。
もがく巨体を軽々と宙へ放り、そのまま青く熱を帯びた鉄の柄で打ち据え落とした。
焼き切られたそれはもはや見る影もない。その上、メグミに燃やされては生きられまい。
「…すげえ」
流れ作業の様に駆除をこなす二人を呆然と見つめていると穴の傍にフラッグを突き刺したイツキが頷いた。
「当然でしょ。そもそも特化一班って本来相当な実力者じゃないと入れないんだから」
「そうなのか?じゃあ、俺場違い?」
「まあ、リッカは虫宿りだし、おれの友人だし、シロハさんが推してくれたから特別にね」
「ふぅん……ってことは‥」
「おれの実力もすごいってこと」
「………」
「ちょっと」
一部聞き流すことにする。
しかし、確かに他の白服とは全く違う印象のあるチームだった。
キャラは簡単に引っ張り出していたが、周りを見れば数人がかりで撒き餌を使って誘き出している。
「俺居る意味ある?」
「慣れるためには必要だよ。そもそも、今回の虫は罠を張るプロなんだ。蜂みたいに積極的に襲ってくるわけじゃなし、簡単にいくわけないよ」
「そうかあ」
「正直、俺もまだキャラさんみたいに誘き出す手段ないし、手持無沙汰」
アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫だ。
もし、公園内に蛹になった個体がいれば最悪夜に羽化する恐れもある。可能なら早々に片付けて蛹の捜索に移りたいのだろう。もどかしそうにトンファー型のスタンガンをくるくると回す。
「よし。この辺はだいたい片付いたな。シロハに連絡入れるぞ」
「そうね」
「賛成」
「………」
ああ。
結局殆ど役に立てなかった。
がっかりと肩を落としてシロハに連絡しているメグミを待つ間何となく周りを見渡した。
「…懐かしいな‥ここ…」
この公園はまつりと両親と来たことがある。
芝生の広場でシートを広げて母親の手作り弁当を食べ、住み着いていた野良猫と戯れた。
子どもには十分すぎるほどに広い公園だったのだ。
まつりはそのまま母親と散歩をしていたのだが、父親とリッカを追い掛けてアスレチックに来てターザンロープに乗りそびれて泣いていたっけ。
と。
「……あれ?」
違和感に気付いて歩き出した。
「リッカ?どうした?」
「こっち、アスレチックがあったんだ」
「アスレチック?」
穴ぼこだらけになって通路も崩壊している。
しかし、トイレの近くの藪の向こう。そこは木製のアスレチックが設置されていた筈なのだ。
藪の向こうに見えていたアスレチックが見えない。
「イツキ。なんかおかしいぞ」
「………確かに、この先アスレチック広場だね。行ってみるか」
藪を超え、言葉を失った。
「な‥」
広場。そう、ここは広かったのだ。
ここにはアスレチックだけでなく、少し年上の男子がサッカーで遊べるようにゴールネットまで用意されていた筈。同時に遊んでも余裕がある広さだった。
「なんだこれえええええええ!!!!!!!!!」
その広場が丸ごと陥没している。
一歩踏み出したらはまってしまうそれは間違いなく"蟻地獄"そのものだ。
絶叫を上げるリッカの隣で言葉を失くしたイツキは、ふと、慌てて命綱を街灯に繋いだ。リッカに手を伸ばす。
「リッカ!お前もつけろ!!」
「あ、ああ!」
「キャラさん!メグミちゃん!!」
慌てるリッカの足元で蹴られた小石がころころと転がり落ちていく。
砂の動きに敏感な虫だ。もう気付かれている可能性が高い。
イツキは大声上げて近くにいる筈の仲間を呼んだ。
「リッカはこれ付けて。命綱になる」
「わ、わわかった」
太いマジックテープのベルトは頑丈で簡単に付けられる物だ。しかし、焦ったリッカは腰に巻くより早くテープ同士付けてしまい、苛立ちを見せる。
「早く!」
「わかってるよ!!」
崖淵に打ち付ける波の様に、飛沫の砂が二人に降りかかったのはその瞬間だった。
「うお!!」
「うっ?!」
穴の中から何度も何度も砂が波の様に二人を襲う。
水とは違う砂は小さな礫のように痛みを伴い、思わず目を守ったその隙に、リッカの足がずるりと滑った。
「うわあああああああ!!!!!!!!」
「リッカ!!!」
リッカはまだ命綱をつけていない。
慌てて掴んだイツキの手を頼りに這い上がろうと足掻く足は容易に滑ってずるずると沈んでいく。
「う‥くそお‥!」
「何とか上がって来い!早く!!」
「無茶言うなあ!」
「リッカ!イツキ!!」
「なんだこりゃああ!!?」
遅れて到着した二人は巨大な穴を見つけるなり絶叫上げた。
そして、今にも引きずり込まれようとしているリッカに驚き、手を伸ばした。
「リッカ!掴まれるか?!」
「メグミさんっ‥!」
あと一歩で届かない。
ずるずるとイツキの足元までも沈み始めている。
「キャラ!」
「わかってる」
イツキと同じ街灯に命綱を繋いでキャラが槍を構え、リッカとは真逆の方向に拳大の石を放り投げた。
途端、石の方向へ飛沫が飛ぶ。
「今の内に!」
「ああ!」
頼もしいが過ぎる。
「ああもう何なのよ最近の規格外の化け物は‥!ぅううあああらああ!!」
「キャラさん!」
「っ、早く上がりなさい!」
石を誘導に使ったキャラは砂に埋もれかけていたアスレチックのネットを引っ張り出し、穴の底をそれで覆った。
大あごが太いロープのネットに阻まれ、砂の礫すら砂煙程度に抑えられる。
「うう‥!」
「イツキ、お前ごと引き上げる。リッカを離すんじゃねえぞ!」
「メグミちゃん‥頼むよ‥!」
その隙にとメグミによって二人の体は半ば強引に引き上げられていた。
足を滑らせながらも足掻くリッカはその砂の中の異変に気付いて声を上げる。
「やばい!!二人とも離れろ!!!」
リッカの足下がドクンと脈打ち、イツキ、メグミの足元までも盛り上がっていく。
「やべえ!!」
「うそだろ‥?」
ズンッ。
地面が揺れて足場が崩れていく。
藪が砂に埋もれ、命綱を繋いだ街灯が滑り落ちた。
「うわっ‥!」
「おああ?!」
「アンタたち‥!」
細かな砂の中に滑り落ちる。
砂の中からリッカを狙った大あごに、キャラは容赦なく槍を突き立てた。
「キャラさん‥!」
「っ、ううっ‥!」
今までのサイズとは比べ物にならない、熊程はある巨体の個体だ。
キャラの槍はガツンッと鈍い音を立てて弾かれ、払われる。
「っ、あ!」
大あごに巻き込まれるように槍が穴の外に捨てられた。
リッカが足掻き、キャラの元に急ぐも足場が悪い。滑る足元は沈み、まるで底なし沼のようだ。
「くっそお!」
目の前でキャラの体が引き倒される。
胸元がゆさと揺れ、息を詰まらせながらも腰のテーザー銃に手を伸ばすが触れることも出来ずに砂まみれのカギ爪に縫い留められた。
「うっ、この‥!」
「キャラ!!」
砂に埋もれたメグミが火炎放射器の銃口を向けた。
炎とは違う。熱の塊が高速で発射されてアリジゴクの尻を焼くも砂まみれの体はほんの少し外皮を焼いただけだ。極上の餌を前に怯みもしない。
「くそっ!くそお!!」
メグミが足掻く。
しかし、焦る程に体は沈み、引っ掻き回す内に砂は混ぜられ沈んでいた"残骸"を浮かばせた。
「!」
死体だ。
それも人間の。
気付けば沼と化した穴のそこかしこに先に到着していただろう白服の成れの果てが沈んでいる。
「くそ‥こんなに喰ってやがったのか‥!」
イツキの困惑の声。
気付けば悍ましい光景に目を逸らしかけるが、リッカは顔を上げて足場を探した。
街灯は沈んでしまった。しかし、目を凝らせばアスレチックの支柱が残っている。
「あれがあれば‥なんとか‥!」
手を伸ばし、カホの言葉を思い出した。
虫よりも強い自分。欠片もわからない。だが、今、自分の意志で使えねば全員死ぬのだ。
「ぐうっ‥うううう!!!」
手の平に集中する。
目が熱い。ほたほたと滴る涙は赤く、手のひらも焼ける様に熱かった。
「いけええええええええ!!!」
気色の悪い感覚だ。
まるでそこの毛だけが急激に伸びているような凄まじい違和感。
しかし、伸びたのはやはり体毛などではなく粘着質な白い糸だった。糸は支柱に届く事もなく、直接アリジゴクの体に降りかかる。
「うわああ!!」
「きゃああっ!!!」
驚いたのはアリジゴクも同じ。
突然拘束されかけ、慌てたらしいアリジゴクは後ずさり、糸から抜け出そうと暴れた。
キャラが巻き込まれ、暴れるアリジゴクの下で体を丸めているのが見える。
「リッカ!!」
「そのまま抑えられるか!?」
「っ、無茶をさせないで!リッカ!糸を切り離しなさい!!」
メグミとイツキはリッカの本当の狙いなど露ほども知らない。
しかし、動きを止められるならと思考を変え、リッカは埋もれる砂の中で懸命に耐えようとした。
体の半分が砂の中。足場は沼。ここは相手の罠の中だ。当然、キャラの懸念通り耐えられるはずもなく、リッカの体は引き摺られて砂の壁に叩き付けられた。
「うぶっ」
痛みは無い。
しかし、身動きは一切取れなくされてしまった。
追い討ちとばかりに砂を叩き付けられてしまえば糸も切れ、武器も届かない。
「……うそだろ‥」
足場は崩れて半分砂に埋もれ、目の前にあるのは熊程はある虫の悍ましい大あごと爪のある足。
丸い腹はぶくぶくと太って詰まっている。
リッカの足元には殆ど干からびた白服があった。
「……うそだ‥」
ああ。
どうしてこんなことに。
自分では虫を駆除するどころか、仲間を助ける事すら出来ない。
瞳から滴る血は収まる気配もなく、体が急激に熱を持ったのがわかった。
霞む視界の中でイツキやメグミが懸命に砂から抜けだそうと、キャラを助けようと必死になっている。
だと言うのに自分は身動きすら出来ない。
「リッカ!!」
「っ」
唐突なシロハの鋭い声に顔を上げた。
見上げれば駆け付けてくれたのだろうシロハが惨状を見下ろし目を丸くする。
「シロハさん!」
「お前らみんな生きてるな!」
「は、はい!」
そうは言っても虫の息だ。
泣きそうになりながら声を張った。
シロハの手にはテーザー銃もスタンガンもなく、代わりにあるのは白服のドッグタグ。
「え?」
ぽかんと見つめるリッカの目の前で、シロハはそれを空に投げた。
「返すで!好きなだけ暴れろ!!」
瞬間。細い影がアリジゴクの頭を潰す。
押されて潰され、砂に埋もれたアリジゴクの頭に居るのは細身の白服だった。
突然の事で困惑している虫と違い、その人は安定した姿で指に引っ掛けたドッグタグをその首に下げている。
「え?」
間抜けな声が漏れる。
ここ数日で見慣れた白い髪、灰色の瞳の整った容姿。
見慣れないのは右耳の赤いピアスと腰に巻いたチェーン。それからその人の身を包む新品同様の白いツナギだろうか。
リンが白服姿でそこにいる。
「みんな、がんばったねえ」
朝、リッカとイツキを送り出した穏やかな声が耳をくすぐる。
しかし、あまりに懸け離れた状況に開いた口も塞がらないリッカに、リンはにこりと笑った。
唐突に腹に巻き付くチェーン。驚き見ればそれはリンの腰にあったものだ。
「どいててね?」
それはそのままリッカの体を引きずり出し、ポンッと、あまりにも簡単に砂の中から引っ張り出した。
「うおおおおああああああああ???!??」
世界が上下反転を繰り返す。
回る視界の中でその人を探して目を瞠った。
「えっ」
それはまるで演武だ。
きらりと白銀に輝く軌跡がリンの周りを旋回し、その体に触れる事もなく懐いた生き物のように手の中に戻っていく。
流れるような身のこなしでチェーンを操り、次々と仲間を放り投げたリンはそのまま暴れる虫の上から跳んだ。
仲間を助けた時とは違う。青く放電し、熱を帯びたチェーンは今は輪のようにリンをくるりと覆い、砂に降りた姿を狙う大あごを弾き折る。声にならない絶叫が上がった。
「いっっって!!!」
驚き見ていたリッカは次の瞬間にドンッと尻から地面に落ち、隣のシロハを見上げる。
「し、シロハさん‥!リッカさんが!!」
「ああ。アイツがこのチームの最後の一人や」
「えっ」
言葉を詰まらせるリッカとは裏腹にしれっと冷静なシロハの言葉。
驚いて穴の淵に手をつき、目を疑った。
「リン‥さん‥?」
笑っているのだ。
憎悪に染まった瞳で。口端を歪めて。
思わず息をのんだリッカの前でリンは埋もれる事もなく滑るようにつま先で砂の上を歩く。
逃げようと下がるアリジゴクの足を折り、大あごを折り、チェーンは空に投げられた。
落ちながら二つに折り曲がったチェーンを素早くキャッチして振り落とすと、質量を持ったチェーンはまるでしなる青い棍棒だ。
頭を叩き割りながら首をへし折り叩き切る残酷な演武。
その相手役にされた哀れな巨体は不自然な角度で頭だけを砂に埋め、それ以上動くことはなくなった。
「シロハ。フラッグをお願い」
「残念やったな。それで終いや」
「そう」
あんなにも苦戦した巨体があっけなく惨殺されてた。
唖然と見下ろした先のリンは先までの狂気じみた笑顔が嘘のように息も乱さず穏やかな顔をしている。
にこりと笑う様子からは不自然な程虫への関心が感じ取れなかった。
「…まじかよ‥」
その変貌が恐ろしい。
「…リン」
メグミが右手を上げる。
その手の中にチェーンの錘が投げられ、それを掴むと思い切り引き上げ、リンの体がふわりと跳んだ。
受け止め、肩を叩く。
「ありがと」
「こっちのセリフだ」
仲間は慣れているのか別段驚く様子もない。
イツキは目を輝かせ、キャラはやれやれと呟いて服の砂を払い、投げ捨てられた槍を拾っていた。
リッカの様に違和感を恐れる者など誰もいないかと思われた。
「シロハさん‥?」
「………」
シロハを除いては。
「リッカ」
「あ、ああ」
「ああなるなよ」
「え?」
シロハの表情は険しい。
しかしすぐに元通りの飄々とした顔を貼り付け、リンに歩み寄った。
「リン。間に合ったなあ」
「本当だよ。誰かさんがわたしのタグを持ってかなきゃ誰も怖い思いしなかったのに‥」
「こんなん持ってたら休まんやろ。くたばる程のケガしといて何を言うの。これからは自分の体も大事にしてくださいー」
「もう!」
ああ。
いつも通りだ。多分。
ポカンと見つめていると気付いたリンが振り向き、リッカの頭を撫でた。
「がんばったね、リッカさん。しんどくない?」
「え?あ‥」
そういえばまだ出血が止まっていない。目も回る。
それを言うが早いか体が浮き上がってはたと気付いた。
「メグミさん?!」
「シロハ。シバタの奴が待機してたよな?」
「ああ。運んだってくれ」
「ええ?!」
「もう。まだ使えもしないのに無茶するからよ」
「だからってこの運ばれ方は‥!」
横抱き。俗に言うお姫様抱っこだ。
余りの羞恥に暴れるもメグミの腕はピクリともせず、それでも諦められないリッカの鼻先をキャラの指が突いた。
「ありがと。助けようとしてくれて」
「!」
カアッと頬が熱を持つ。
大人の女性に言われた感謝の言葉がこそばゆい。
途端に大人しくなったリッカにイツキは呆れかえり、リンの隣に並んだ。
「そういえばリンさん。今日、トトは一緒じゃないんですか?」
「トトはシバタに預けてきたよ。危ないからね」
「ああなるほど」
「えっ!トトも来てるのか?!」
「トトはリンといつも一緒よ。あたしたちの仮眠室にはトトのゲージもあるんだから」
「ひええ」
なるほど思った以上に規格外な人だ。
楽し気に笑うリンに先までの狂気など欠片もない。が、その細い腰には確かに凶器が巻いていて口元を引き攣らせた。
「リッカさん」
「はい!」
慌てて返す。
「もうあんな無茶な虫の使い方しちゃダメだよ?教えてあげるから、ね?」
「は、はい‥?」
そうして思い出した。
チームの最後の一人は"虫宿し"で"人類種最強"。
「えっ」
蜂と戦ったリッカ達を引っ張り上げて助けた人類種最強の蝶は、リンだったらしい。
-to be continued-
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