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第二章
35:大砂蟲(2)
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「あれを食らってまだ生きているだと……!?」
カインツの叫びを聞いて、錬は戦慄する。
二属性魔法は強力な魔法だった。間違いなく今までに見た中で最大火力の大魔法だ。
しかし大砂蟲の再生力は更に上だったらしい。残った尾部から肉が盛り上がり、頭部が元通り形作られてゆく。
「一発でだめなら撃ちまくれ!」
「バカか貴様! いくら僕の魔力が多いとはいえ、あんなものを連発できるわけがないだろう!」
「魔石はいっぱい持ってきてるだろ! ケチケチせず使えよ!?」
「あんな小粒の魔石では無理だ! ジドウシャの魔石を空にしてよいなら話は別だがな!!」
吐き捨てるようにカインツは叫ぶ。
どうやら先ほどの魔法は渾身の一撃だったらしい。
そんな中、ジエットが何かを探し始めた。
「レン! 工具箱はどこ!?」
「後部座席の荷物入れだが、何するつもりだ?」
「試したい事があるの!」
ジエットはハンマーと鉄釘を取り出し、揺れる車内で加工を始める。何やら魔石銃を改造しているようだ。
「これをこうして……カインツ君、金貨持ってる!?」
「な、何だいきなり!?」
「いいから!」
「小金貨なら持っているが……」
「ちょっと借して!」
カインツの手から小金貨を一枚取り、改造魔石銃の先端に添える。
ジエットはそれを大砂蟲へ向けた。
「いっけぇぇ――――ッ!!」
トリガーを引いた直後、赤熱する岩石群が放たれた。
円盤状に燃え盛るそれらは、さながら天より降り注ぐ流星雨のようだ。大砂蟲の体に無数のクレーターを作り、文字通り穴だらけにしてゆく。
カインツの魔法には遠く及ばないが、それでも即興の産物とは思えないほどの威力だ。
「やったぁ! 大成功だよ!」
ガッツポーズを見せるジエット。
そんな彼女に、カインツは驚愕の表情を向ける。
「貴様……その魔法は何だ!?」
「カインツ君のを真似してみたんだよ。二属性魔法なんてのがあるのなら、火炎石と核石を使えば同じ事ができるんじゃないかと思って」
「あ、あり得ん……そんな事が……」
たしかにあり得ない。魔樹の森で入手した核石はすべてデコイに加工したはずだ。
「すごいけど、核石はどこにあったんだ?」
「さっきレンを待ってる間に何個か拾っておいたの。森の近くに魔獣の死骸がいっぱいあったし、もったいなかったから」
「なるほど……」
あの短時間でそこまでやるとは思わなかった。抜け目のないお姫様である。
「呑気に話している場合じゃないですよ! 敵が追ってきています!!」
ノーラの叫び声に皆が我に返る。
後方では再生を終えた大砂蟲が迫っていた。
「デコイを使うよ!」
ジエットがデコイを手にして大きく振り被る。
だがその時、大砂蟲の口腔に魔法陣が浮かび上がった。
「なっ……あれは!? 全員伏せろ!!」
カインツの警告から一瞬遅れ、岩の棘が飛来した。
大砂蟲が地竜の魔法を放ったのだ。
人の脚ほどもあるその棘は車両を貫き、地面をうがつ。自動車の屋根が崩れ、車体の揺れで皆がつんのめる。
「あっ!?」
衝撃を受けて、ジエットのポーチが転がり落ちた。中のデコイがバラバラと車外に撒き散らされてゆく。
「そんな……デコイが……!」
愕然と空のポーチを見つめ、ジエットは蒼白になっていた。
「どうしてあいつが地竜の魔法を使えるんだ!?」
驚愕に打ち震える取り巻きのワンド達。
「地竜の核石を食べたから、その魔法が使えるようになった……のでしょうか?」
「そんなバカな事があるか! だったらあいつは今までに食った魔獣の魔法を全部使えると言うのかっ!?」
「あいつが来るぞ!?」
「いやだぁぁぁぁぁっ!!」
「――エルト・ル・グローア・ウォーレス・ソリドア!」
カインツの詠唱により、車両の後方に土壁が無数に隆起した。
大砂蟲に押し潰されながら、なおも移動を阻むようにして土壁が生え続ける。
「うろたえるな!」
「カ、カインツ様……」
「勇敢になれとは言わん! ただ、死にたくなければ目の前の敵と戦え! 貴様らのその杖はお飾りか!?」
そんな叱咤激励で、取り巻きの三人は半泣きで震えつつも顔を上げた。
「うぅ……ちくしょう、死にたくねぇよ!!」
「や、やってやる! 食われる前に一矢報いてやるぞ!!」
「そうだ! 私だってワンドの一員なんだ!」
各々が短杖を構え、炎や風の魔法を放つ。
再生能力の前には焼け石に水だが、やらないよりはマシとばかりにがむしゃらに撃ちまくる。
そんな弾幕が少しは効いたか、それとも鬱陶しさに悶えているだけかはわからない。だが大砂蟲は自動車に追い付くほどの速度が出せないようだった。
とはいえそれもまた時間稼ぎに過ぎない。大砂蟲は依然として追撃の手を緩めないのだ。
錬は運転しながら、川に架かるマーサ・ローダン橋を睨む。
そこを越えたらすぐに王都だ。遮るものは何もない。
「大砂蟲を王都まで連れて行くわけにはいかない! 誰か良い案はないか!?」
「あるといえばありますけど……」
ノーラが手を挙げた。皆が一斉に彼女へ目を向ける。
「何でもいいから言ってくれ! 今やらなきゃ王都が戦場になる!」
「わ、わかりました……。ジエットさん、デコイはいくつ残ってますか?」
「あと一個しかないよ。手に持ってたのしか……」
「一個あれば大丈夫です。レンさん、このジドウシャを走りっぱなしにする事は可能ですか?」
「できるが……まさか!?」
ノーラはうなずいた。
「ジドウシャを囮にしましょう。川沿いには村があるのでそちらに行かないよう注意してください」
それを聞いた取り巻き達が青ざめた。
「冗談だろう!? スタンピードが起きているんだぞ!?」
「いくら王都付近とて、道中に魔獣がいるのではないか!?」
「無謀だ! 竜車なしでは生きて帰れるわけがない!」
反論ばかりで前に進まない彼らの意見に、錬は声を張り上げる。
「良い代案があるならさっさと言ってくれ! 無いならノーラさんのを採用するぞ!」
もはや言い争っている余裕はない。代案を出す者もおらず、全員口を閉じている。
答えは決まりだ。
「皆わかったな!? 今からこの自動車を走るデコイにする! 荷物を持って準備してくれ!」
錬は持ってきた麻紐でハンドルを固定し、積んであった工具箱と材料箱を抱えた。
目指す先はノーラが示した方角だ。川沿いを離れ、見渡す限り草原以外何もない平地である。
すべての準備が整い、錬は叫ぶ。
「全員飛び降りろッ!!」
それを合図に、皆一斉に自動車から脱出した。
地面を転がり、跳ね起き、少しでも遠ざからんと這うように移動する。そのすぐそばを大砂蟲が通り過ぎた。
今にも丸呑みされるのではと体が強張ったが、しかし錬の身には何も起きなかった。大砂蟲は凄まじい土煙を上げ、走るデコイを愚直なまでに追いすがる。
「助かった……?」
確認するようにして自分の体を撫で回す。擦り傷はたくさんあるが、骨は折れていない。魔獣に食われる事を思えば無傷と言ってもいい。
見れば他の皆も無事なようで、全員草と土にまみれながらも立ち上がる。足を怪我した男子生徒もジエットが抱えてくれていた。
「何とかなったか……」
「貴様も大丈夫そうだな。悪運の強い奴め」
「泥だらけの貴族様がよく言うよ」
カインツと悪態をつき合い、思わず笑いが込み上げてくる。
「とりあえず王都へ帰ろう。お腹空いちゃったよ」
腹の虫を鳴かせるジエットに、皆が苦笑した。
「こんな状況でもお腹が空くんですね」
「だ、だって晩ご飯食べてなかったもん……」
「それどころじゃなかったしな。だったら早く帰って遅めの夕食にしよう」
だがそんな弛緩した空気の中で、ふと地面の揺れに気付いた。
微弱ながら土が震え、絶えず足に伝わってくる。それは徐々に強く、大きくなっていく。
「……なぁ、この揺れってもしかして」
錬が目を向けると、ノーラはこめかみに汗を伝わせていた。
「大砂蟲が草原の方へ向かったので、その辺りにいた魔獣の群れがこちらへ逃げてきたのかもしれません……」
スタンピードの夜はまだまだ明けそうにないようだ――
カインツの叫びを聞いて、錬は戦慄する。
二属性魔法は強力な魔法だった。間違いなく今までに見た中で最大火力の大魔法だ。
しかし大砂蟲の再生力は更に上だったらしい。残った尾部から肉が盛り上がり、頭部が元通り形作られてゆく。
「一発でだめなら撃ちまくれ!」
「バカか貴様! いくら僕の魔力が多いとはいえ、あんなものを連発できるわけがないだろう!」
「魔石はいっぱい持ってきてるだろ! ケチケチせず使えよ!?」
「あんな小粒の魔石では無理だ! ジドウシャの魔石を空にしてよいなら話は別だがな!!」
吐き捨てるようにカインツは叫ぶ。
どうやら先ほどの魔法は渾身の一撃だったらしい。
そんな中、ジエットが何かを探し始めた。
「レン! 工具箱はどこ!?」
「後部座席の荷物入れだが、何するつもりだ?」
「試したい事があるの!」
ジエットはハンマーと鉄釘を取り出し、揺れる車内で加工を始める。何やら魔石銃を改造しているようだ。
「これをこうして……カインツ君、金貨持ってる!?」
「な、何だいきなり!?」
「いいから!」
「小金貨なら持っているが……」
「ちょっと借して!」
カインツの手から小金貨を一枚取り、改造魔石銃の先端に添える。
ジエットはそれを大砂蟲へ向けた。
「いっけぇぇ――――ッ!!」
トリガーを引いた直後、赤熱する岩石群が放たれた。
円盤状に燃え盛るそれらは、さながら天より降り注ぐ流星雨のようだ。大砂蟲の体に無数のクレーターを作り、文字通り穴だらけにしてゆく。
カインツの魔法には遠く及ばないが、それでも即興の産物とは思えないほどの威力だ。
「やったぁ! 大成功だよ!」
ガッツポーズを見せるジエット。
そんな彼女に、カインツは驚愕の表情を向ける。
「貴様……その魔法は何だ!?」
「カインツ君のを真似してみたんだよ。二属性魔法なんてのがあるのなら、火炎石と核石を使えば同じ事ができるんじゃないかと思って」
「あ、あり得ん……そんな事が……」
たしかにあり得ない。魔樹の森で入手した核石はすべてデコイに加工したはずだ。
「すごいけど、核石はどこにあったんだ?」
「さっきレンを待ってる間に何個か拾っておいたの。森の近くに魔獣の死骸がいっぱいあったし、もったいなかったから」
「なるほど……」
あの短時間でそこまでやるとは思わなかった。抜け目のないお姫様である。
「呑気に話している場合じゃないですよ! 敵が追ってきています!!」
ノーラの叫び声に皆が我に返る。
後方では再生を終えた大砂蟲が迫っていた。
「デコイを使うよ!」
ジエットがデコイを手にして大きく振り被る。
だがその時、大砂蟲の口腔に魔法陣が浮かび上がった。
「なっ……あれは!? 全員伏せろ!!」
カインツの警告から一瞬遅れ、岩の棘が飛来した。
大砂蟲が地竜の魔法を放ったのだ。
人の脚ほどもあるその棘は車両を貫き、地面をうがつ。自動車の屋根が崩れ、車体の揺れで皆がつんのめる。
「あっ!?」
衝撃を受けて、ジエットのポーチが転がり落ちた。中のデコイがバラバラと車外に撒き散らされてゆく。
「そんな……デコイが……!」
愕然と空のポーチを見つめ、ジエットは蒼白になっていた。
「どうしてあいつが地竜の魔法を使えるんだ!?」
驚愕に打ち震える取り巻きのワンド達。
「地竜の核石を食べたから、その魔法が使えるようになった……のでしょうか?」
「そんなバカな事があるか! だったらあいつは今までに食った魔獣の魔法を全部使えると言うのかっ!?」
「あいつが来るぞ!?」
「いやだぁぁぁぁぁっ!!」
「――エルト・ル・グローア・ウォーレス・ソリドア!」
カインツの詠唱により、車両の後方に土壁が無数に隆起した。
大砂蟲に押し潰されながら、なおも移動を阻むようにして土壁が生え続ける。
「うろたえるな!」
「カ、カインツ様……」
「勇敢になれとは言わん! ただ、死にたくなければ目の前の敵と戦え! 貴様らのその杖はお飾りか!?」
そんな叱咤激励で、取り巻きの三人は半泣きで震えつつも顔を上げた。
「うぅ……ちくしょう、死にたくねぇよ!!」
「や、やってやる! 食われる前に一矢報いてやるぞ!!」
「そうだ! 私だってワンドの一員なんだ!」
各々が短杖を構え、炎や風の魔法を放つ。
再生能力の前には焼け石に水だが、やらないよりはマシとばかりにがむしゃらに撃ちまくる。
そんな弾幕が少しは効いたか、それとも鬱陶しさに悶えているだけかはわからない。だが大砂蟲は自動車に追い付くほどの速度が出せないようだった。
とはいえそれもまた時間稼ぎに過ぎない。大砂蟲は依然として追撃の手を緩めないのだ。
錬は運転しながら、川に架かるマーサ・ローダン橋を睨む。
そこを越えたらすぐに王都だ。遮るものは何もない。
「大砂蟲を王都まで連れて行くわけにはいかない! 誰か良い案はないか!?」
「あるといえばありますけど……」
ノーラが手を挙げた。皆が一斉に彼女へ目を向ける。
「何でもいいから言ってくれ! 今やらなきゃ王都が戦場になる!」
「わ、わかりました……。ジエットさん、デコイはいくつ残ってますか?」
「あと一個しかないよ。手に持ってたのしか……」
「一個あれば大丈夫です。レンさん、このジドウシャを走りっぱなしにする事は可能ですか?」
「できるが……まさか!?」
ノーラはうなずいた。
「ジドウシャを囮にしましょう。川沿いには村があるのでそちらに行かないよう注意してください」
それを聞いた取り巻き達が青ざめた。
「冗談だろう!? スタンピードが起きているんだぞ!?」
「いくら王都付近とて、道中に魔獣がいるのではないか!?」
「無謀だ! 竜車なしでは生きて帰れるわけがない!」
反論ばかりで前に進まない彼らの意見に、錬は声を張り上げる。
「良い代案があるならさっさと言ってくれ! 無いならノーラさんのを採用するぞ!」
もはや言い争っている余裕はない。代案を出す者もおらず、全員口を閉じている。
答えは決まりだ。
「皆わかったな!? 今からこの自動車を走るデコイにする! 荷物を持って準備してくれ!」
錬は持ってきた麻紐でハンドルを固定し、積んであった工具箱と材料箱を抱えた。
目指す先はノーラが示した方角だ。川沿いを離れ、見渡す限り草原以外何もない平地である。
すべての準備が整い、錬は叫ぶ。
「全員飛び降りろッ!!」
それを合図に、皆一斉に自動車から脱出した。
地面を転がり、跳ね起き、少しでも遠ざからんと這うように移動する。そのすぐそばを大砂蟲が通り過ぎた。
今にも丸呑みされるのではと体が強張ったが、しかし錬の身には何も起きなかった。大砂蟲は凄まじい土煙を上げ、走るデコイを愚直なまでに追いすがる。
「助かった……?」
確認するようにして自分の体を撫で回す。擦り傷はたくさんあるが、骨は折れていない。魔獣に食われる事を思えば無傷と言ってもいい。
見れば他の皆も無事なようで、全員草と土にまみれながらも立ち上がる。足を怪我した男子生徒もジエットが抱えてくれていた。
「何とかなったか……」
「貴様も大丈夫そうだな。悪運の強い奴め」
「泥だらけの貴族様がよく言うよ」
カインツと悪態をつき合い、思わず笑いが込み上げてくる。
「とりあえず王都へ帰ろう。お腹空いちゃったよ」
腹の虫を鳴かせるジエットに、皆が苦笑した。
「こんな状況でもお腹が空くんですね」
「だ、だって晩ご飯食べてなかったもん……」
「それどころじゃなかったしな。だったら早く帰って遅めの夕食にしよう」
だがそんな弛緩した空気の中で、ふと地面の揺れに気付いた。
微弱ながら土が震え、絶えず足に伝わってくる。それは徐々に強く、大きくなっていく。
「……なぁ、この揺れってもしかして」
錬が目を向けると、ノーラはこめかみに汗を伝わせていた。
「大砂蟲が草原の方へ向かったので、その辺りにいた魔獣の群れがこちらへ逃げてきたのかもしれません……」
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