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第二章
36:殿《しんがり》
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魔獣の群れが起こす大地の鳴動に、皆の顔から血の気が引いていた。
「早く橋へ! 大多数の魔獣は川を越えられないはずです!」
ノーラの指示で全員橋の半ばまで駆けてゆく。
だが見える範囲とはいえ、徒歩では王都まで距離がある。乗り物がない以上、魔獣に追い付かれるのは必至。
「どうする? 隠れるか?」
「鼻の効く魔獣は非常に多いです。川の中だろうとすぐ見つかりますよ」
「なら、いっそ橋を壊したらどうだ?」
「歴史あるマーサ・ローダン橋を壊せと言うのか貴様……!」
カインツに襟首をつかみかかられ、錬も負けじと食って掛かる。
「そんな事言ってる場合じゃないだろ!」
「そんな事とはなんだ!? 我が祖への侮辱は許さんぞ!」
「ご先祖様を侮辱してるのはお前だろ! 橋かわいさに王都の人達を危険に晒すつもりか!?」
それを見たノーラが慌てて間に入った。
「二人とも落ち着いてください! 言いたい事はわかりますが、どのみち壊そうとしている間に魔獣の群れに押し潰されますよ!」
たしかに小鬼を爆殺した時にもビクともしなかった頑丈な石橋だ。カインツなら破壊できなくはないかもしれないが、それも魔力が万全の状態なればこそ。
魔獣の足音は迫っている。このまま逃げてもいずれ追い付かれ、蹂躙されるだけだ。
「逃げ切れない、橋は壊せない、隠れても無駄。となると迎え撃つしかないか」
「正気か……? 行きに出くわした群れを見る限り、百や二百ではないのだぞ?」
「王都がいくら堅牢とは言っても平民街を囲う最外壁は崩される恐れがある。そうなれば大きな被害が出るだろう。だったらこちらに有利なこのマーサ・ローダン橋の上で食い止めた方がいい」
「むぅ……」
錬の主張にカインツも渋々納得したようだ。
過去の偉人達が造った橋を戦場にするのは忍びないが、人々を守るためならマーサとローダンもきっと許してくれるに違いない。
「だが橋で迎え撃ってもジリ貧になるだけだぞ。あの数を相手に防ぎきれるとはとても思えん」
「だったら二手に分かれるか? 橋で防衛している間に援軍を呼べば、何とかなるかもしれない」
「たしかにそれなら可能性はあるが……」
カインツは口ごもる。周りの皆も不安そうに顔を見合わせている。
二手に分かれるのがこの場における最善の手。それは誰もがわかっている。
問題は、誰が残るかだ。
「……貴様が残れ」
男子生徒の一人が言った。
取り巻き三人の視線が錬の方へと向けられる。
「そ、そうだ! こういう時のための奴隷だろう!?」
「貴様が足止めをすれば皆が助かるのだ!」
怯えたような引きつった顔で口々に言う。
それを聞いたジエットは牙を剥いて怒りをあらわにした。
「レンはあなた達を助けに来たんだよ!?」
「ど、奴隷が貴族を助けるのは当然だろう!」
「そうだ! 王国法にも書いてある事だぞ!?」
「嫌なら貴様が残れ! 奴隷はあやつだけじゃないぞ!」
「そんな――」
「いいさ、俺が残るよ」
割って入るように錬が答えると、ジエットの表情が強張った。
「よ、良くないよ! こんなのレンに死ねって言ってるようなものじゃない!」
「たしかに一人じゃ限界はあるな。ある程度時間稼ぎするから、できるだけ早く援軍を寄越してくれ」
「時間を稼ぐって、一体何をどうするの!?」
「橋に残って魔獣を迎え撃つ。俺の作った魔石銃は詠唱がいらないし、替えの魔石もいっぱいある」
木箱を開けて小粒の魔石を一掴みして見せる。
「これだけあれば撃ち放題だ。おあつらえ向きに橋で狙いも付けやすい。魔獣なんか返り討ちにしてやるよ」
強気の笑みを浮かべてみせる。
実際はリロードの手間がある分、撃ち放題とまではいかないだろう。それでも彼女を安心させるにはこう言うべきだ。
正直なところ、錬だってやりたくはない。今すぐ安全なところへ逃げ帰りたい気持ちでいっぱいだ。
しかしもしここで拒否すれば、代わりにジエットが残される事になるかもしれない。
奴隷制度の廃止という目標を掲げる上で、ジエットは最重要人物である。王女が立ち上がれば大義名分を得られるからだ。
けれど奴隷が発起人となれば、それはただの反乱となる。支援者は全員テロリストだ。この違いはあまりにも大きい。何があろうと、今ここでジエットを死なせるわけにはいかない。
「レンが残るんだったら私も残る!」
「だめだ。ジエットが残ると負傷者が逃げられない。君以外に足を怪我した人間一人を担いで走れる者はいないんだから」
「で、でも……そんなのだめだよ……それならいっそ皆で残るとか」
「ここで全滅するつもりか? それこそ無駄死にだ。さぁ、行ってくれ」
「いや! 私も一緒に残る! レンを守るって約束したもん!」
涙を流してすがりついてくる。このままでは埒が明かない。
「カインツ。ジエットを連れて行ってくれ」
「……なぜ僕に言う」
「お前ならやってくれそうだから」
「……」
カインツは眉間にシワを寄せ、男子生徒達を横目で睨む。
錬の物言いが気に食わなかったというよりも、むしろ取り巻き三人の言動に怒りを覚えている感じだ。
しかし王国法にも書いているならば、彼らの主張自体はこの世界でごく一般的なものとなる。だから頭ごなしに否定する事もできない。そんな葛藤が渦巻いているように見える。
ならばあと一押し、カインツが動かざるをえない状況を作ってやればいい。
「そういやお前には教えてなかったな。実はジエットはヴァールハイト王国の第七王女、ジエッタニア姫なんだ」
「はぁ……?」
唐突な告白にカインツの目が点になった。
「レン!? それはまだ……!」
非難するような目を向けるジエットを手で制し、錬は続ける。
「お前は大貴族だろ? 王家に対する忠誠心があるなら、頼む。ジエットを助けてやってくれ」
「……いきなり何を言い出すのだ。それは笑える類いの冗談ではないぞ?」
「冗談じゃない、真実だ。まだ公表してない情報だから内緒にしててくれよ?」
笑って言う錬に、カインツは不愉快そうに顔を歪めた。
「後事を託したつもりか? くだらん」
それから金の短杖を抜き放ち、橋の向こう側を鋭く睨む。
「貴様一人ではすぐに死んで、時間稼ぎにすらならないかもしれん。だから僕も残ってやろう」
「カインツ様!?」
驚愕する取り巻きの男子生徒達。
彼らを一瞥し、カインツは不敵に笑う。
「なぁに、貴族なら他に三人もいるではないか。臆病で愚かでどうしようもないボンクラどもだが、こやつらとて王家に忠誠を誓った身。王女殿下を見事王都へ逃がしてくれるだろうよ」
「そうしてくれると助かるね。あとは――」
「あたしも残ります!」
錬の視線の意図に気付き、ノーラが声を張り上げた。
それを聞いたカインツが目を細める。
「やめておけ。落ちこぼれの魔法なぞ役に立たん」
「あたしは……!」
声を荒らげ、ノーラは怒ったようにカインツを見つめる。
「あたしは……たしかに弱いです。魔法も大したものは使えません。でも魔獣の習性と、その対処法を知っています! きっとお役に立ってみせます!」
その潤んだ瞳には、さしものカインツも動揺したようだった。
「言い争ってる余裕はないぞ。どうする?」
「……好きにしろ」
それから背を向け、ぼそりとつぶやく。
「ノーラ、貴様には言いたい事が山ほどある。帰ったら覚悟しておけ」
「……! はい!」
舞い上がる土煙で水平線が隠され、振動が大きくなってきている。魔獣の姿も視認できる距離になり、錬は魔石銃を構えた。
「早く行け!」
「待って、あと一つだけ!」
ジエットが持っていた魔石銃を手渡してくる。土と火の二属性魔法を組み込んだ改造品だ。
「いい? 必ず助けに戻るから! だからそれまで死んじゃだめだよ。約束して!」
「約束だ」
「絶対だよ!? 嘘ついたらレンの事、嫌いになるからっ!」
そう言って涙と迷いを払うように首を振り、ジエットは負傷者を背負って走り出した。他の取り巻き二人もそれに続く。
ノーラは石橋のマーサ像によじ登り、単眼鏡を覗く。どうやら観測支援を担当するようだ。
錬が魔獣の群れを見ていると、隣でカインツがおもむろに口を開いた。
「貴様らは恋人同士なのか?」
「ぶっ」
緊張感を吹き飛ばす発言に思わず噴き出す錬である。
「いきなり何を言い出すんだよ……」
「そういう風に見えただけだ」
カインツは言うだけ言って、後はだんまりを決め込む。
あくまでクールを装っているが、しかし短杖を握る手は震えていた。如何に勇猛果敢な言葉を並べようと、この状況に恐怖を感じているのかもしれない。
「なぁ、カインツ」
「なんだ」
「ビビってる?」
「……ふざけているのか貴様」
押し殺した声で睨んでくるが、図星だったようで顔を赤くしていた。もはや照れ隠しにしか見えない。
「森狼が来ました!」
ノーラの声で、いち早く橋に到達した魔獣の群れに魔石銃の狙いを定める。カインツも金の短杖を構えた。
「無駄口を叩く暇があったらこの場を生き延びる方法でも考えていろ!」
「へいへい。俺の足を引っ張るなよ?」
「貴様こそ、早々にくたばってくれるなよッ!」
目を合わせる事なく、けれど錬達は互いに笑みを浮かべるのだった。
「早く橋へ! 大多数の魔獣は川を越えられないはずです!」
ノーラの指示で全員橋の半ばまで駆けてゆく。
だが見える範囲とはいえ、徒歩では王都まで距離がある。乗り物がない以上、魔獣に追い付かれるのは必至。
「どうする? 隠れるか?」
「鼻の効く魔獣は非常に多いです。川の中だろうとすぐ見つかりますよ」
「なら、いっそ橋を壊したらどうだ?」
「歴史あるマーサ・ローダン橋を壊せと言うのか貴様……!」
カインツに襟首をつかみかかられ、錬も負けじと食って掛かる。
「そんな事言ってる場合じゃないだろ!」
「そんな事とはなんだ!? 我が祖への侮辱は許さんぞ!」
「ご先祖様を侮辱してるのはお前だろ! 橋かわいさに王都の人達を危険に晒すつもりか!?」
それを見たノーラが慌てて間に入った。
「二人とも落ち着いてください! 言いたい事はわかりますが、どのみち壊そうとしている間に魔獣の群れに押し潰されますよ!」
たしかに小鬼を爆殺した時にもビクともしなかった頑丈な石橋だ。カインツなら破壊できなくはないかもしれないが、それも魔力が万全の状態なればこそ。
魔獣の足音は迫っている。このまま逃げてもいずれ追い付かれ、蹂躙されるだけだ。
「逃げ切れない、橋は壊せない、隠れても無駄。となると迎え撃つしかないか」
「正気か……? 行きに出くわした群れを見る限り、百や二百ではないのだぞ?」
「王都がいくら堅牢とは言っても平民街を囲う最外壁は崩される恐れがある。そうなれば大きな被害が出るだろう。だったらこちらに有利なこのマーサ・ローダン橋の上で食い止めた方がいい」
「むぅ……」
錬の主張にカインツも渋々納得したようだ。
過去の偉人達が造った橋を戦場にするのは忍びないが、人々を守るためならマーサとローダンもきっと許してくれるに違いない。
「だが橋で迎え撃ってもジリ貧になるだけだぞ。あの数を相手に防ぎきれるとはとても思えん」
「だったら二手に分かれるか? 橋で防衛している間に援軍を呼べば、何とかなるかもしれない」
「たしかにそれなら可能性はあるが……」
カインツは口ごもる。周りの皆も不安そうに顔を見合わせている。
二手に分かれるのがこの場における最善の手。それは誰もがわかっている。
問題は、誰が残るかだ。
「……貴様が残れ」
男子生徒の一人が言った。
取り巻き三人の視線が錬の方へと向けられる。
「そ、そうだ! こういう時のための奴隷だろう!?」
「貴様が足止めをすれば皆が助かるのだ!」
怯えたような引きつった顔で口々に言う。
それを聞いたジエットは牙を剥いて怒りをあらわにした。
「レンはあなた達を助けに来たんだよ!?」
「ど、奴隷が貴族を助けるのは当然だろう!」
「そうだ! 王国法にも書いてある事だぞ!?」
「嫌なら貴様が残れ! 奴隷はあやつだけじゃないぞ!」
「そんな――」
「いいさ、俺が残るよ」
割って入るように錬が答えると、ジエットの表情が強張った。
「よ、良くないよ! こんなのレンに死ねって言ってるようなものじゃない!」
「たしかに一人じゃ限界はあるな。ある程度時間稼ぎするから、できるだけ早く援軍を寄越してくれ」
「時間を稼ぐって、一体何をどうするの!?」
「橋に残って魔獣を迎え撃つ。俺の作った魔石銃は詠唱がいらないし、替えの魔石もいっぱいある」
木箱を開けて小粒の魔石を一掴みして見せる。
「これだけあれば撃ち放題だ。おあつらえ向きに橋で狙いも付けやすい。魔獣なんか返り討ちにしてやるよ」
強気の笑みを浮かべてみせる。
実際はリロードの手間がある分、撃ち放題とまではいかないだろう。それでも彼女を安心させるにはこう言うべきだ。
正直なところ、錬だってやりたくはない。今すぐ安全なところへ逃げ帰りたい気持ちでいっぱいだ。
しかしもしここで拒否すれば、代わりにジエットが残される事になるかもしれない。
奴隷制度の廃止という目標を掲げる上で、ジエットは最重要人物である。王女が立ち上がれば大義名分を得られるからだ。
けれど奴隷が発起人となれば、それはただの反乱となる。支援者は全員テロリストだ。この違いはあまりにも大きい。何があろうと、今ここでジエットを死なせるわけにはいかない。
「レンが残るんだったら私も残る!」
「だめだ。ジエットが残ると負傷者が逃げられない。君以外に足を怪我した人間一人を担いで走れる者はいないんだから」
「で、でも……そんなのだめだよ……それならいっそ皆で残るとか」
「ここで全滅するつもりか? それこそ無駄死にだ。さぁ、行ってくれ」
「いや! 私も一緒に残る! レンを守るって約束したもん!」
涙を流してすがりついてくる。このままでは埒が明かない。
「カインツ。ジエットを連れて行ってくれ」
「……なぜ僕に言う」
「お前ならやってくれそうだから」
「……」
カインツは眉間にシワを寄せ、男子生徒達を横目で睨む。
錬の物言いが気に食わなかったというよりも、むしろ取り巻き三人の言動に怒りを覚えている感じだ。
しかし王国法にも書いているならば、彼らの主張自体はこの世界でごく一般的なものとなる。だから頭ごなしに否定する事もできない。そんな葛藤が渦巻いているように見える。
ならばあと一押し、カインツが動かざるをえない状況を作ってやればいい。
「そういやお前には教えてなかったな。実はジエットはヴァールハイト王国の第七王女、ジエッタニア姫なんだ」
「はぁ……?」
唐突な告白にカインツの目が点になった。
「レン!? それはまだ……!」
非難するような目を向けるジエットを手で制し、錬は続ける。
「お前は大貴族だろ? 王家に対する忠誠心があるなら、頼む。ジエットを助けてやってくれ」
「……いきなり何を言い出すのだ。それは笑える類いの冗談ではないぞ?」
「冗談じゃない、真実だ。まだ公表してない情報だから内緒にしててくれよ?」
笑って言う錬に、カインツは不愉快そうに顔を歪めた。
「後事を託したつもりか? くだらん」
それから金の短杖を抜き放ち、橋の向こう側を鋭く睨む。
「貴様一人ではすぐに死んで、時間稼ぎにすらならないかもしれん。だから僕も残ってやろう」
「カインツ様!?」
驚愕する取り巻きの男子生徒達。
彼らを一瞥し、カインツは不敵に笑う。
「なぁに、貴族なら他に三人もいるではないか。臆病で愚かでどうしようもないボンクラどもだが、こやつらとて王家に忠誠を誓った身。王女殿下を見事王都へ逃がしてくれるだろうよ」
「そうしてくれると助かるね。あとは――」
「あたしも残ります!」
錬の視線の意図に気付き、ノーラが声を張り上げた。
それを聞いたカインツが目を細める。
「やめておけ。落ちこぼれの魔法なぞ役に立たん」
「あたしは……!」
声を荒らげ、ノーラは怒ったようにカインツを見つめる。
「あたしは……たしかに弱いです。魔法も大したものは使えません。でも魔獣の習性と、その対処法を知っています! きっとお役に立ってみせます!」
その潤んだ瞳には、さしものカインツも動揺したようだった。
「言い争ってる余裕はないぞ。どうする?」
「……好きにしろ」
それから背を向け、ぼそりとつぶやく。
「ノーラ、貴様には言いたい事が山ほどある。帰ったら覚悟しておけ」
「……! はい!」
舞い上がる土煙で水平線が隠され、振動が大きくなってきている。魔獣の姿も視認できる距離になり、錬は魔石銃を構えた。
「早く行け!」
「待って、あと一つだけ!」
ジエットが持っていた魔石銃を手渡してくる。土と火の二属性魔法を組み込んだ改造品だ。
「いい? 必ず助けに戻るから! だからそれまで死んじゃだめだよ。約束して!」
「約束だ」
「絶対だよ!? 嘘ついたらレンの事、嫌いになるからっ!」
そう言って涙と迷いを払うように首を振り、ジエットは負傷者を背負って走り出した。他の取り巻き二人もそれに続く。
ノーラは石橋のマーサ像によじ登り、単眼鏡を覗く。どうやら観測支援を担当するようだ。
錬が魔獣の群れを見ていると、隣でカインツがおもむろに口を開いた。
「貴様らは恋人同士なのか?」
「ぶっ」
緊張感を吹き飛ばす発言に思わず噴き出す錬である。
「いきなり何を言い出すんだよ……」
「そういう風に見えただけだ」
カインツは言うだけ言って、後はだんまりを決め込む。
あくまでクールを装っているが、しかし短杖を握る手は震えていた。如何に勇猛果敢な言葉を並べようと、この状況に恐怖を感じているのかもしれない。
「なぁ、カインツ」
「なんだ」
「ビビってる?」
「……ふざけているのか貴様」
押し殺した声で睨んでくるが、図星だったようで顔を赤くしていた。もはや照れ隠しにしか見えない。
「森狼が来ました!」
ノーラの声で、いち早く橋に到達した魔獣の群れに魔石銃の狙いを定める。カインツも金の短杖を構えた。
「無駄口を叩く暇があったらこの場を生き延びる方法でも考えていろ!」
「へいへい。俺の足を引っ張るなよ?」
「貴様こそ、早々にくたばってくれるなよッ!」
目を合わせる事なく、けれど錬達は互いに笑みを浮かべるのだった。
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