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第二章
37:マーサ・ローダン橋防衛戦(1)
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月明かりに照らされたマーサ・ローダン橋の上で、錬は魔石銃を構える。
夜の空気は少し冷えていたが、しかし緊張からか額に汗が滲んでいた。
「グルァァァッ!!」
「来たぞ!」
隣に立つカインツが一瞥をくれる。
先陣を切って突っ込んできたのは四つ目の魔獣、森狼の群れだ。その数、およそ十匹。
「悪いがここは通行止めだ!」
錬はトリガーを引いた。
フルオート射撃で放たれる炎の弾幕が橋を駆ける森狼を骸へと変える。
――だが。
「一匹撃ち漏らしています!」
ノーラの指摘で錬は気付いた。
一匹が変則的なジグザグ走行でかわし、猛然と突っ込んでくる。
「くそ、当たらない!?」
「奴は任せろ――エルト・ル・クローザ・プリゼル・ソリドア!」
杖先が光るや地面から棘が生え、石の檻となった。
「ガゥゥゥッ!!!!」
閉じ込められた森狼が激しく唸り、格子をかじっている。強固な岩にヒビが入るが、しかし足止めには充分だ。
「今だ、やれ!」
「ナイスアシストッ!」
再びトリガーを引き絞る。
森狼が檻の中で暴れるが、炎の輪が檻ごと焼き切り上下真っ二つに分断した。
それを見た後続の森狼は橋の手前で足を止め、尻尾を巻いて逃げてゆく。
「ふん、臆病な犬っころめ」
「目が四つもある狼を犬と呼んでいいものかね……」
「知るか。くだらん事を言ってる間に次の来客だぞ」
カインツが指差す先には岩猪の群れがあった。
頭に大きな角を生やして押し寄せるその様は、さながら古代史の密集陣形を彷彿させる。見える範囲だけでもざっと数えて百近くはおり、後続がどれだけいるかはまったくわからない。
「あの数はまずいぞ……。壁とか作って橋を封鎖できないか?」
「岩猪に壁なんて無意味です。やるなら距離のある内に――」
「エルト・ラ・バルセタ・オーラ・フロギス!!」
平原が光り輝いた。
岩猪が宙を舞い、遅れて衝撃波と爆風が押し寄せる。
「うおっ!?」
「ひゃぁっ!?」
強い風圧にガウンが激しくたなびく。ノーラもマーサ像から落ちそうになって悲鳴を上げている。
「やる前に言ってくれよ!? びっくりするだろ!」
「ちょうどいい距離だったのでな。説明している間に機を逃しては敵わん」
涼しげな表情で白々しく言うカインツである。
「うぐぐ……やっぱお前嫌な奴だな! 友達いないだろ!」
「なっ……友人くらい大勢いる!」
「取り巻きの間違いだろ?」
「それとて友人に含まれるだろう!」
「岩猪が橋に入りましたよ! 二人とも仲良く戦ってください!」
「「こんな奴と仲良くできるかッ!!」」
言い争いながらも錬は魔石銃をぶっ放し、撃ち漏らした岩猪をカインツが魔法で仕留める。
カインツは思いのほか戦い慣れているらしく、フォローは的確だった。何より、小威力の魔法を無詠唱でばらまける魔石銃に対し、詠唱こそ必要だが大火力の魔法に支援魔法まで使えるカインツという組み合わせは互いの弱点を補う形で相性が良い。
「貴族のボンボンのくせにやるじゃないか!」
「貴様もな! 便所掃除なら雇ってやってもいい!」
やがて岩猪の群れに他の魔獣が混ざり始めた。
無尽蔵とも思えるほどの数だったが、大多数の群れは川沿いに逸れ、走り去ってしまったらしい。大きなアーチ橋とはいえ、入れる魔獣の数には限界があるのだ。
(意外と何とかなりそうじゃないか……?)
そんな事を考えた矢先の事だ。
「二人とも下がってください!!」
「!」
ノーラに言われてバックステップを決めると、先ほどいた場所に数本の矢が突き立った。
橋の向こうを見てみると、森狼にまたがり弓を携える小鬼達の姿があった。新たな矢をつがえるその背後に、弓を引き絞る第二陣の列がある。
「いかん! エルト・ル・パステ・シエルタ・ウィンダーレ!!」
間髪入れずにカインツが詠唱すると風の渦が頭上を覆い、矢の雨を絡め取った。
「後退だ! 急げ!」
風の障壁に守られている間に、錬とカインツは橋の袂まで後退する。
そんな中、ノーラが単眼鏡を覗きながら声を荒げた。
「杖持ちがいます! 警戒してください!!」
「杖持ち?」
錬が振り返ると、一匹の小鬼と目が合った。
他の連中が棍棒や弓で武装する中で、一人だけ無骨な木の杖を持っている。藁葺きのローブに鳥羽根の冠を身に着け、頬には呪術的な意味でもあるのか赤や黄の化粧が塗られていた。
(なんだあいつ……?)
その薄気味悪い笑みを見て直感的に危険を感じ、錬は魔石銃を乱射する。うち一発が、風の障壁を貫く岩石の槍とぶつかり相殺された。
「あいつ魔法を撃ってきたぞ!?」
「なんだと!? ノーラ、杖持ちとはなんだ!?」
「魔法を使う小鬼の事です! たしか族長などの支配階級だったかと」
ノーラが単眼鏡越しに橋の向こうを睨む。だが魔法を放った後は護衛らしき大柄な小鬼の後ろに隠れ、姿を見る事は叶わない。
「杖持ちを守っているのは変異種の牙鬼ですね。魔法こそ使えませんが、あれも強力な個体です」
「仲間の背に隠れて攻撃とは小賢しい真似を……」
「それお前が言っちゃうの……? 俺も散々小賢しい真似をされた気がするんだけど」
「や、やかましい!!」
口では怒りつつも錬を非難する気配はない。多少の自覚はあるようだ。
「というか魔法ならこっちだって使えるじゃないか。それに杖持ちが族長なら、敵の魔法使いは少数って事だろ?」
ノーラは石像の上で首を横に振った。
「杖持ちは指揮官です。統率が取れた軍隊を相手にすると思ってください」
「なるほど……それは厄介だな」
錬達が後退した事で、敵は勢い付いたのだろう。木の槍や棍棒を持った小鬼達が橋を渡ってくる。
「統率が取れた軍隊が厄介なら、統率を崩せばいいんじゃないか?」
「どうやってですか?」
「こうやって」
錬は魔石銃をぶっ放した。
燃え盛る円輪がばらまかれ、小鬼達を薙ぎ払う。
「ギィィ!?」
目の前で仲間がやられ、後続の小鬼達がたたらを踏んだ。錬の放った魔法に対する恐怖が伝播し、士気が崩壊しかける。
だが――
「ギギャッ!!」
耳障りな声が夜の橋に鳴り響いた。
杖持ちが杖を振ると、逃げようとした数匹の小鬼が燃え上がる。
粛正された仲間を目にした小鬼達は退路を無くして反転、再び突撃してきた。
「……だめだったようだな」
カインツがつまらなさそうな顔でぼそりとつぶやく。
「ひどいなおい! あいつら仲間じゃないの!?」
「彼らは完全な縦社会ですから……」
「下っ端は奴隷って事かよ……!」
向かってくる小鬼に同情しつつも、情けをかければ殺されるためそのすべてを討ち滅ぼしていく。
小鬼の突撃が無駄とわかったか、一旦攻勢が止んだ。そして何のつもりか、杖持ちは闇夜の空へ目掛けて火球を放つ。
(花火……?)
一瞬そんな事を考えたが、しかしその間も岩猪や小竜など多種多様な魔獣が橋に詰め掛けている。手を休める余裕はない。
「何かおかしくないですか……?」
「何かって?」
「いくらなんでも橋を渡ろうとする魔獣が多すぎます。知能の高い一部の種ならともかく、岩猪のような魔獣までもが何度も橋を目指すのはさすがに異常ではないかと――」
話しながら、ノーラは何かに気付いたように瞠目した。
「……まさか、小鬼が魔獣達を誘導しているのでは!?」
「バカを言うな! 小鬼どもにそんな頭があるわけないだろう!?」
「杖持ちならばありえます! あれは魔法を習得したエリートなのですから!」
そんなノーラの主張を耳にして、ふと錬の脳裏に疑問が浮かぶ。
(行きの段階ですでに小鬼達はこの橋まで辿り着いていたはずだ。ならどうして杖持ちは橋の向こう側にいるんだ?)
そこまで考えて、錬は恐るべき事実に思い至った。
先ほど空へ放った火球――あれはいわば信号弾なのだ。
(……もしかしてこいつら、スタンピードを利用して王都を攻めようとしてるんじゃないか!?)
それならば、わざわざ魔獣達を誘導するのも理解できる。それにスタンピードが起こるたび住処を追われていたなら、安住の地を求めるのが道理。しかも王都には彼らの食糧がたくさんいる!
「ノーラさん! 後方も警戒を――」
「ぐっ……!?」
突如カインツが左腕に矢を受け、痛みに顔を歪める。
背後から撃たれたのだ。
「カインツ様!? エ……エルト・ラ・スロヴ・ボーラ・フロギス!」
「ギャッ!?」
マーサ像の上からノーラが火球を放つと、何かが燃えて悲鳴を上げた。潜んでいた敵に当たったようだ。
そんな骸を焼く炎に照らされ、後方の草むらに無数の小さな人影が浮かび上がった。
暗くてわかりづらいが、揺らめく弓のシルエットが見える。おそらく小鬼の斥候部隊だろう。
「おのれ……エルト・ル・ベイル・グラン・レクアド!」
カインツが詠唱するや、後方の地面がぬかるみに沈んだ。範囲内にいた小鬼達の体が腰まで埋まり、動けなくなる。
「後ろは僕がやる! 貴様は前を叩け!」
「了解、死ぬなよ!」
「貴様もな!」
錬はカインツと背中合わせになり、魔石銃を構えた。
夜の空気は少し冷えていたが、しかし緊張からか額に汗が滲んでいた。
「グルァァァッ!!」
「来たぞ!」
隣に立つカインツが一瞥をくれる。
先陣を切って突っ込んできたのは四つ目の魔獣、森狼の群れだ。その数、およそ十匹。
「悪いがここは通行止めだ!」
錬はトリガーを引いた。
フルオート射撃で放たれる炎の弾幕が橋を駆ける森狼を骸へと変える。
――だが。
「一匹撃ち漏らしています!」
ノーラの指摘で錬は気付いた。
一匹が変則的なジグザグ走行でかわし、猛然と突っ込んでくる。
「くそ、当たらない!?」
「奴は任せろ――エルト・ル・クローザ・プリゼル・ソリドア!」
杖先が光るや地面から棘が生え、石の檻となった。
「ガゥゥゥッ!!!!」
閉じ込められた森狼が激しく唸り、格子をかじっている。強固な岩にヒビが入るが、しかし足止めには充分だ。
「今だ、やれ!」
「ナイスアシストッ!」
再びトリガーを引き絞る。
森狼が檻の中で暴れるが、炎の輪が檻ごと焼き切り上下真っ二つに分断した。
それを見た後続の森狼は橋の手前で足を止め、尻尾を巻いて逃げてゆく。
「ふん、臆病な犬っころめ」
「目が四つもある狼を犬と呼んでいいものかね……」
「知るか。くだらん事を言ってる間に次の来客だぞ」
カインツが指差す先には岩猪の群れがあった。
頭に大きな角を生やして押し寄せるその様は、さながら古代史の密集陣形を彷彿させる。見える範囲だけでもざっと数えて百近くはおり、後続がどれだけいるかはまったくわからない。
「あの数はまずいぞ……。壁とか作って橋を封鎖できないか?」
「岩猪に壁なんて無意味です。やるなら距離のある内に――」
「エルト・ラ・バルセタ・オーラ・フロギス!!」
平原が光り輝いた。
岩猪が宙を舞い、遅れて衝撃波と爆風が押し寄せる。
「うおっ!?」
「ひゃぁっ!?」
強い風圧にガウンが激しくたなびく。ノーラもマーサ像から落ちそうになって悲鳴を上げている。
「やる前に言ってくれよ!? びっくりするだろ!」
「ちょうどいい距離だったのでな。説明している間に機を逃しては敵わん」
涼しげな表情で白々しく言うカインツである。
「うぐぐ……やっぱお前嫌な奴だな! 友達いないだろ!」
「なっ……友人くらい大勢いる!」
「取り巻きの間違いだろ?」
「それとて友人に含まれるだろう!」
「岩猪が橋に入りましたよ! 二人とも仲良く戦ってください!」
「「こんな奴と仲良くできるかッ!!」」
言い争いながらも錬は魔石銃をぶっ放し、撃ち漏らした岩猪をカインツが魔法で仕留める。
カインツは思いのほか戦い慣れているらしく、フォローは的確だった。何より、小威力の魔法を無詠唱でばらまける魔石銃に対し、詠唱こそ必要だが大火力の魔法に支援魔法まで使えるカインツという組み合わせは互いの弱点を補う形で相性が良い。
「貴族のボンボンのくせにやるじゃないか!」
「貴様もな! 便所掃除なら雇ってやってもいい!」
やがて岩猪の群れに他の魔獣が混ざり始めた。
無尽蔵とも思えるほどの数だったが、大多数の群れは川沿いに逸れ、走り去ってしまったらしい。大きなアーチ橋とはいえ、入れる魔獣の数には限界があるのだ。
(意外と何とかなりそうじゃないか……?)
そんな事を考えた矢先の事だ。
「二人とも下がってください!!」
「!」
ノーラに言われてバックステップを決めると、先ほどいた場所に数本の矢が突き立った。
橋の向こうを見てみると、森狼にまたがり弓を携える小鬼達の姿があった。新たな矢をつがえるその背後に、弓を引き絞る第二陣の列がある。
「いかん! エルト・ル・パステ・シエルタ・ウィンダーレ!!」
間髪入れずにカインツが詠唱すると風の渦が頭上を覆い、矢の雨を絡め取った。
「後退だ! 急げ!」
風の障壁に守られている間に、錬とカインツは橋の袂まで後退する。
そんな中、ノーラが単眼鏡を覗きながら声を荒げた。
「杖持ちがいます! 警戒してください!!」
「杖持ち?」
錬が振り返ると、一匹の小鬼と目が合った。
他の連中が棍棒や弓で武装する中で、一人だけ無骨な木の杖を持っている。藁葺きのローブに鳥羽根の冠を身に着け、頬には呪術的な意味でもあるのか赤や黄の化粧が塗られていた。
(なんだあいつ……?)
その薄気味悪い笑みを見て直感的に危険を感じ、錬は魔石銃を乱射する。うち一発が、風の障壁を貫く岩石の槍とぶつかり相殺された。
「あいつ魔法を撃ってきたぞ!?」
「なんだと!? ノーラ、杖持ちとはなんだ!?」
「魔法を使う小鬼の事です! たしか族長などの支配階級だったかと」
ノーラが単眼鏡越しに橋の向こうを睨む。だが魔法を放った後は護衛らしき大柄な小鬼の後ろに隠れ、姿を見る事は叶わない。
「杖持ちを守っているのは変異種の牙鬼ですね。魔法こそ使えませんが、あれも強力な個体です」
「仲間の背に隠れて攻撃とは小賢しい真似を……」
「それお前が言っちゃうの……? 俺も散々小賢しい真似をされた気がするんだけど」
「や、やかましい!!」
口では怒りつつも錬を非難する気配はない。多少の自覚はあるようだ。
「というか魔法ならこっちだって使えるじゃないか。それに杖持ちが族長なら、敵の魔法使いは少数って事だろ?」
ノーラは石像の上で首を横に振った。
「杖持ちは指揮官です。統率が取れた軍隊を相手にすると思ってください」
「なるほど……それは厄介だな」
錬達が後退した事で、敵は勢い付いたのだろう。木の槍や棍棒を持った小鬼達が橋を渡ってくる。
「統率が取れた軍隊が厄介なら、統率を崩せばいいんじゃないか?」
「どうやってですか?」
「こうやって」
錬は魔石銃をぶっ放した。
燃え盛る円輪がばらまかれ、小鬼達を薙ぎ払う。
「ギィィ!?」
目の前で仲間がやられ、後続の小鬼達がたたらを踏んだ。錬の放った魔法に対する恐怖が伝播し、士気が崩壊しかける。
だが――
「ギギャッ!!」
耳障りな声が夜の橋に鳴り響いた。
杖持ちが杖を振ると、逃げようとした数匹の小鬼が燃え上がる。
粛正された仲間を目にした小鬼達は退路を無くして反転、再び突撃してきた。
「……だめだったようだな」
カインツがつまらなさそうな顔でぼそりとつぶやく。
「ひどいなおい! あいつら仲間じゃないの!?」
「彼らは完全な縦社会ですから……」
「下っ端は奴隷って事かよ……!」
向かってくる小鬼に同情しつつも、情けをかければ殺されるためそのすべてを討ち滅ぼしていく。
小鬼の突撃が無駄とわかったか、一旦攻勢が止んだ。そして何のつもりか、杖持ちは闇夜の空へ目掛けて火球を放つ。
(花火……?)
一瞬そんな事を考えたが、しかしその間も岩猪や小竜など多種多様な魔獣が橋に詰め掛けている。手を休める余裕はない。
「何かおかしくないですか……?」
「何かって?」
「いくらなんでも橋を渡ろうとする魔獣が多すぎます。知能の高い一部の種ならともかく、岩猪のような魔獣までもが何度も橋を目指すのはさすがに異常ではないかと――」
話しながら、ノーラは何かに気付いたように瞠目した。
「……まさか、小鬼が魔獣達を誘導しているのでは!?」
「バカを言うな! 小鬼どもにそんな頭があるわけないだろう!?」
「杖持ちならばありえます! あれは魔法を習得したエリートなのですから!」
そんなノーラの主張を耳にして、ふと錬の脳裏に疑問が浮かぶ。
(行きの段階ですでに小鬼達はこの橋まで辿り着いていたはずだ。ならどうして杖持ちは橋の向こう側にいるんだ?)
そこまで考えて、錬は恐るべき事実に思い至った。
先ほど空へ放った火球――あれはいわば信号弾なのだ。
(……もしかしてこいつら、スタンピードを利用して王都を攻めようとしてるんじゃないか!?)
それならば、わざわざ魔獣達を誘導するのも理解できる。それにスタンピードが起こるたび住処を追われていたなら、安住の地を求めるのが道理。しかも王都には彼らの食糧がたくさんいる!
「ノーラさん! 後方も警戒を――」
「ぐっ……!?」
突如カインツが左腕に矢を受け、痛みに顔を歪める。
背後から撃たれたのだ。
「カインツ様!? エ……エルト・ラ・スロヴ・ボーラ・フロギス!」
「ギャッ!?」
マーサ像の上からノーラが火球を放つと、何かが燃えて悲鳴を上げた。潜んでいた敵に当たったようだ。
そんな骸を焼く炎に照らされ、後方の草むらに無数の小さな人影が浮かび上がった。
暗くてわかりづらいが、揺らめく弓のシルエットが見える。おそらく小鬼の斥候部隊だろう。
「おのれ……エルト・ル・ベイル・グラン・レクアド!」
カインツが詠唱するや、後方の地面がぬかるみに沈んだ。範囲内にいた小鬼達の体が腰まで埋まり、動けなくなる。
「後ろは僕がやる! 貴様は前を叩け!」
「了解、死ぬなよ!」
「貴様もな!」
錬はカインツと背中合わせになり、魔石銃を構えた。
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