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第二章
38:マーサ・ローダン橋防衛戦(2)
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錬がトリガーを引く度、橋の上で爆炎が巻き起こる。
岩猪や小竜のほか、角が生えた兎や巨大な鎌を持つ甲虫など名も知らぬ魔獣達が燃え、吹き飛び、消し炭となって川へ落ちてゆく。
だが魔獣は後から後から湧いてきて、橋に雪崩れ込んでいた。
「終わりが見えないぞ! どうすりゃいい!?」
「敵が魔獣を誘導しているせいです! 杖持ちを倒さなければジリ貧です!」
「杖持ちを倒せったって、仲間を盾にして隠れてるんだが……!」
目の前の魔獣を蹴散らしつつ、時折杖持ちがいそうな場所へ魔法を撃ち込むが、しかしまったく手応えがない。
そんな中、突然掃射が止んだ。
トリガーを引き直しても反応がない。魔力切れを起こしたのだ。
「くそ、こんな時に……!?」
魔獣の群れは興奮したように目を血走らせ、迫ってくる。魔石を交換している余裕はない。
「――だったらこっちだ!」
ポーチに入れていたもう一つの魔石銃を抜く。ジエットからもらった二属性魔法の改造品だ。
そのトリガーを引くと、燃え盛る岩つぶてが無数に放たれた。橋の上に押し寄せる魔獣の群れを消し飛ばし、なおも衰える事なく飛んでゆく。
「ギッ!?」
迫る溶岩石群に杖持ちが慌てて障壁魔法を展開したが、無駄だったようだ。
薄紙を貫く銃弾のようにあっけなく、障壁もろとも杖持ちは骸に埋もれた。
「何とかなったか……」
赤熱して陽炎の立つ改造魔石銃を下ろし、錬は安堵の息をつく。
見れば、魔石は真っ黒になっていた。
「一発で魔石が空っぽかよ」
威力は高いが、その分消耗も大きい。一撃で葬れなければやられていたのはこちらだっただろう。
と、その時。
「ギャギャッ!!」
骸の山が動き出し、中から牙鬼が這い出てきた。
杖持ちを護衛していた小鬼の変異種だ。
牙鬼は地面に転がる杖をへし折り、死んだ杖持ちを足蹴にして喜んでいる。そして生き残った手下を集め、おぞましい笑みを向けてきた。
族長が代替わりしたのだ。
「おい……嘘だろっ!?」
棍棒を手に突撃してくる牙鬼と手下達。急いで魔石を交換するが、間に合いそうにない。
「レンさん!? くっ……エルト・ラ・スロヴ・ボーラ・フロギス……!!」
マーサ像の上からノーラが援護射撃してくれる。
牙鬼へ目掛けて放たれた火球はしかし、盾代わりにされた手下の小鬼を一匹燃やすに留まった。絶命した仲間を投げ捨て、牙鬼は棍棒を振り被る。
錬がやられれば、カインツが挟み撃ちになる。
(それだけは避けないと……!!)
魔石の交換をしながら、錬は腕の一、二本を覚悟して防御態勢を取る。
――その一瞬、白銀の繊維が頬を撫でた。
黒いガウンがはためくと、敵の雑兵が宙を舞う。振り下ろされた棍棒は錬の目の前で止まっていた。
ジエットが棍棒を素手で受け止めたのだ。
「間に合ったよ……!」
肩で息をしながらジエットは笑う。
後ろを見れば、援軍らしき人々が魔法で小鬼達を蹴散らしている。皆、王立魔法学園のガウンを着た教師や生徒達だ。
「後は任せて!」
叫ぶなり、ジエットは指が食い込むほどすさまじい力で棍棒を握り潰す。
「ギッ……!!」
押しても引いても動かないと見て、牙鬼は空いた拳で殴りかかった。
だがジエットは身をわずかに屈めてギリギリかわし、間髪入れずに敵の顔面へ拳を叩き込む。見事なクロスカウンターが決まり、牙鬼は白目を向きながら大地に沈んだ。
族長とその後継者を失った小鬼達はもはや烏合の衆だった。大慌てで橋を駆け抜け、暴走した魔獣に踏み潰されながらも蜘蛛の子を散らすように散り散りになっていく。
それを見て安堵の息をつき、ジエットは笑顔を見せてきた。
「レン、怪我はない?」
「俺は大丈夫だが……ジエット、その手……」
見れば彼女の手は青く腫れ上がっていた。ところどころ内出血しているようだ。
「あはは、棍棒を素手で受け止めたせいかな? でもこれくらいかすり傷だよ」
「そんなわけあるか。助けてくれたのは嬉しいけど、大事な体なんだから無茶するな」
「う、うん……」
「折れてはいないみたいだな。良かった」
錬が手をさすると、ジエットは頬を染めて恥ずかしそうにうつむいた。
「でもずいぶん早かったな。見たところ魔法学園の生徒しかいないみたいだが」
「バートン君が学園の皆に救援を呼びかけてくれたの。スタンピードの中では国に言ってもすぐに動いてくれないからって」
「あいつが……?」
バートン=アークレイ。カインツの取り巻きで子爵家の男子生徒だ。
これまでさんざん突っかかってきた嫌な奴だが、どうやら本気で心を改めてくれたらしい。それがカインツのためであったとしても、結果的に命を救われたのだ。今後は少しくらい礼儀をわきまえてもいいかもしれない。
「そうだ、カインツは?」
どうやら後ろも戦いは終わったようだった。
ノーラはすでにマーサ像の上にはおらず、倒れ込んだカインツのそばに座り込んでいる。
「二人とも無事か?」
「あたしは大丈夫ですが、カインツ様が……」
ガウンの袖がめくられると、矢を受けた左腕が青紫色に腫れていた。顔色も悪く、呼吸も乱れている。
「まさか毒か!?」
「おそらくは……」
ノーラは大きなポーチから道具を取り出し、麻のシートの上に並べてゆく。
「解毒できるのか?」
「小鬼が使う毒の対処法なら父に教わりました。手当ての道具も持ってきています。刺さってから時間が経っているのでどこまでやれるかわかりませんが……何とかやってみます」
そう言ってカインツの左腕を紐できつく縛った。
「少し痛いですが、我慢してください」
左腕に刺さっていた矢に手を添え、ノーラはゆっくりと引き抜く。
「う……ぐっ……!!」
「抜けました。次は毒抜きをします。口に含むと危険なので、専用の吸い出し器を使います」
木の筒で作られたスポイトのようなものを傷口に押し当て、取手を引く。すると血と共に緑色の液体が滲み出してきた。
「これでよし。あとは薬草で作った解毒の軟膏を塗れば手当てはひとまず完了です。あくまで応急処置ですから、王都へ戻ったらすぐ治癒師のところで診てもらってくださいね」
カインツは苦しげな顔をノーラへ向けた。
「……愚か者め。僕が死ねば、貴様がシャルドレイテ侯爵家の後継者になれるのだぞ……?」
「バカな事を言わないでください!」
小瓶の軟膏を傷口に塗りながらノーラは告げる。
「カインツ様の命と引き替えにするくらいなら、権力もお金もいりません!」
「ふん……嘘でも実際に行動に移せるなら大したものだ」
「嘘じゃないです! あたしはカインツ様に死んで欲しくない! どうして……どうして信じてくれないんですか!?」
肺の空気を絞り出すようにノーラは声を荒げた。涙を溢れさせ、丸眼鏡と手元を濡らしてゆく。
「あたしはただ、あなたと楽しくお話しして、お庭で一緒に遊んで、いつか大きくなった時に陰から支える事ができれば……それでよかったのに……っ」
彼女の叫びは、まるで実際にそういう事があったかのように錬には思えた。
あるいはもしかしたら、ノーラの父親が毒殺される以前の二人は、一緒に庭で遊んで楽しく会話するような仲の良いいとこ同士だったのかもしれない。
「……すまん」
「えっ?」
涙でぐしゃぐしゃの顔を上げ、ノーラは呆けたように口を半開きにする。まさか謝罪の言葉が聞けるなどとは考えもしなかったのだろう。
「師匠が……お前の父が毒殺された後に周りから色々言われて、僕は疑心暗鬼になっていたようだ。ノーラがそんな事を望むはずがないと、最初は信じていたはずなのにな……」
「カインツ様は悪くないです……。あんな事があれば誰だって疑いたくなります」
「それはお前も同じはずだ。僕だけが被害者面をして良い理由にはならん。もっと早く気付くべきだった。後ほど正式に詫びを入れよう」
「……!」
ノーラは感極まったようにまた涙をこぼし始めた。丸眼鏡を外して目元を拭い、嗚咽を漏らして洟をすする。
「ガインヅさまぁぁぁ……っ」
「お、おい……泣くな。詫びを入れると言っただろうが……」
狼狽するカインツを目にして、ふと錬は笑いが込み上げてきた。
「……何を笑っている?」
「いいや、別に」
「ごまかすな。今なら無礼講にしてやらんでもないぞ?」
「そう? じゃあ……いつもお高く止まってたお前の焦る顔がなかなか面白くてな」
錬がそう答えると、カインツは不機嫌そうに目を吊り上げる。
「……貴様、あとで覚えていろよ」
「あ、お前! 無礼講って言っただろ!?」
「さて、記憶にないな」
「はいはい、そんな事より早く王都に帰ろうよ」
流れをぶった切るように、ジエットは手を叩いた。
改めて周りを見れば、エスリと魔法学園の生徒達が錬とカインツに生温かい眼差しを向けていた。
「せっかく和解したんだし、こんなところで死んじゃだめだからね!」
「そうだな、とっとと帰ろう。カインツに死なれると俺も困るしな」
「心にもない事を言うな。気色悪いだろうが」
「本心だぞ。お前が死ぬと報酬の金貨がもらえなくなるだろ?」
満面の笑みで錬が言うと、カインツは初めてレンに向けて苦笑を返した。
「……食えない男だ、まったく」
岩猪や小竜のほか、角が生えた兎や巨大な鎌を持つ甲虫など名も知らぬ魔獣達が燃え、吹き飛び、消し炭となって川へ落ちてゆく。
だが魔獣は後から後から湧いてきて、橋に雪崩れ込んでいた。
「終わりが見えないぞ! どうすりゃいい!?」
「敵が魔獣を誘導しているせいです! 杖持ちを倒さなければジリ貧です!」
「杖持ちを倒せったって、仲間を盾にして隠れてるんだが……!」
目の前の魔獣を蹴散らしつつ、時折杖持ちがいそうな場所へ魔法を撃ち込むが、しかしまったく手応えがない。
そんな中、突然掃射が止んだ。
トリガーを引き直しても反応がない。魔力切れを起こしたのだ。
「くそ、こんな時に……!?」
魔獣の群れは興奮したように目を血走らせ、迫ってくる。魔石を交換している余裕はない。
「――だったらこっちだ!」
ポーチに入れていたもう一つの魔石銃を抜く。ジエットからもらった二属性魔法の改造品だ。
そのトリガーを引くと、燃え盛る岩つぶてが無数に放たれた。橋の上に押し寄せる魔獣の群れを消し飛ばし、なおも衰える事なく飛んでゆく。
「ギッ!?」
迫る溶岩石群に杖持ちが慌てて障壁魔法を展開したが、無駄だったようだ。
薄紙を貫く銃弾のようにあっけなく、障壁もろとも杖持ちは骸に埋もれた。
「何とかなったか……」
赤熱して陽炎の立つ改造魔石銃を下ろし、錬は安堵の息をつく。
見れば、魔石は真っ黒になっていた。
「一発で魔石が空っぽかよ」
威力は高いが、その分消耗も大きい。一撃で葬れなければやられていたのはこちらだっただろう。
と、その時。
「ギャギャッ!!」
骸の山が動き出し、中から牙鬼が這い出てきた。
杖持ちを護衛していた小鬼の変異種だ。
牙鬼は地面に転がる杖をへし折り、死んだ杖持ちを足蹴にして喜んでいる。そして生き残った手下を集め、おぞましい笑みを向けてきた。
族長が代替わりしたのだ。
「おい……嘘だろっ!?」
棍棒を手に突撃してくる牙鬼と手下達。急いで魔石を交換するが、間に合いそうにない。
「レンさん!? くっ……エルト・ラ・スロヴ・ボーラ・フロギス……!!」
マーサ像の上からノーラが援護射撃してくれる。
牙鬼へ目掛けて放たれた火球はしかし、盾代わりにされた手下の小鬼を一匹燃やすに留まった。絶命した仲間を投げ捨て、牙鬼は棍棒を振り被る。
錬がやられれば、カインツが挟み撃ちになる。
(それだけは避けないと……!!)
魔石の交換をしながら、錬は腕の一、二本を覚悟して防御態勢を取る。
――その一瞬、白銀の繊維が頬を撫でた。
黒いガウンがはためくと、敵の雑兵が宙を舞う。振り下ろされた棍棒は錬の目の前で止まっていた。
ジエットが棍棒を素手で受け止めたのだ。
「間に合ったよ……!」
肩で息をしながらジエットは笑う。
後ろを見れば、援軍らしき人々が魔法で小鬼達を蹴散らしている。皆、王立魔法学園のガウンを着た教師や生徒達だ。
「後は任せて!」
叫ぶなり、ジエットは指が食い込むほどすさまじい力で棍棒を握り潰す。
「ギッ……!!」
押しても引いても動かないと見て、牙鬼は空いた拳で殴りかかった。
だがジエットは身をわずかに屈めてギリギリかわし、間髪入れずに敵の顔面へ拳を叩き込む。見事なクロスカウンターが決まり、牙鬼は白目を向きながら大地に沈んだ。
族長とその後継者を失った小鬼達はもはや烏合の衆だった。大慌てで橋を駆け抜け、暴走した魔獣に踏み潰されながらも蜘蛛の子を散らすように散り散りになっていく。
それを見て安堵の息をつき、ジエットは笑顔を見せてきた。
「レン、怪我はない?」
「俺は大丈夫だが……ジエット、その手……」
見れば彼女の手は青く腫れ上がっていた。ところどころ内出血しているようだ。
「あはは、棍棒を素手で受け止めたせいかな? でもこれくらいかすり傷だよ」
「そんなわけあるか。助けてくれたのは嬉しいけど、大事な体なんだから無茶するな」
「う、うん……」
「折れてはいないみたいだな。良かった」
錬が手をさすると、ジエットは頬を染めて恥ずかしそうにうつむいた。
「でもずいぶん早かったな。見たところ魔法学園の生徒しかいないみたいだが」
「バートン君が学園の皆に救援を呼びかけてくれたの。スタンピードの中では国に言ってもすぐに動いてくれないからって」
「あいつが……?」
バートン=アークレイ。カインツの取り巻きで子爵家の男子生徒だ。
これまでさんざん突っかかってきた嫌な奴だが、どうやら本気で心を改めてくれたらしい。それがカインツのためであったとしても、結果的に命を救われたのだ。今後は少しくらい礼儀をわきまえてもいいかもしれない。
「そうだ、カインツは?」
どうやら後ろも戦いは終わったようだった。
ノーラはすでにマーサ像の上にはおらず、倒れ込んだカインツのそばに座り込んでいる。
「二人とも無事か?」
「あたしは大丈夫ですが、カインツ様が……」
ガウンの袖がめくられると、矢を受けた左腕が青紫色に腫れていた。顔色も悪く、呼吸も乱れている。
「まさか毒か!?」
「おそらくは……」
ノーラは大きなポーチから道具を取り出し、麻のシートの上に並べてゆく。
「解毒できるのか?」
「小鬼が使う毒の対処法なら父に教わりました。手当ての道具も持ってきています。刺さってから時間が経っているのでどこまでやれるかわかりませんが……何とかやってみます」
そう言ってカインツの左腕を紐できつく縛った。
「少し痛いですが、我慢してください」
左腕に刺さっていた矢に手を添え、ノーラはゆっくりと引き抜く。
「う……ぐっ……!!」
「抜けました。次は毒抜きをします。口に含むと危険なので、専用の吸い出し器を使います」
木の筒で作られたスポイトのようなものを傷口に押し当て、取手を引く。すると血と共に緑色の液体が滲み出してきた。
「これでよし。あとは薬草で作った解毒の軟膏を塗れば手当てはひとまず完了です。あくまで応急処置ですから、王都へ戻ったらすぐ治癒師のところで診てもらってくださいね」
カインツは苦しげな顔をノーラへ向けた。
「……愚か者め。僕が死ねば、貴様がシャルドレイテ侯爵家の後継者になれるのだぞ……?」
「バカな事を言わないでください!」
小瓶の軟膏を傷口に塗りながらノーラは告げる。
「カインツ様の命と引き替えにするくらいなら、権力もお金もいりません!」
「ふん……嘘でも実際に行動に移せるなら大したものだ」
「嘘じゃないです! あたしはカインツ様に死んで欲しくない! どうして……どうして信じてくれないんですか!?」
肺の空気を絞り出すようにノーラは声を荒げた。涙を溢れさせ、丸眼鏡と手元を濡らしてゆく。
「あたしはただ、あなたと楽しくお話しして、お庭で一緒に遊んで、いつか大きくなった時に陰から支える事ができれば……それでよかったのに……っ」
彼女の叫びは、まるで実際にそういう事があったかのように錬には思えた。
あるいはもしかしたら、ノーラの父親が毒殺される以前の二人は、一緒に庭で遊んで楽しく会話するような仲の良いいとこ同士だったのかもしれない。
「……すまん」
「えっ?」
涙でぐしゃぐしゃの顔を上げ、ノーラは呆けたように口を半開きにする。まさか謝罪の言葉が聞けるなどとは考えもしなかったのだろう。
「師匠が……お前の父が毒殺された後に周りから色々言われて、僕は疑心暗鬼になっていたようだ。ノーラがそんな事を望むはずがないと、最初は信じていたはずなのにな……」
「カインツ様は悪くないです……。あんな事があれば誰だって疑いたくなります」
「それはお前も同じはずだ。僕だけが被害者面をして良い理由にはならん。もっと早く気付くべきだった。後ほど正式に詫びを入れよう」
「……!」
ノーラは感極まったようにまた涙をこぼし始めた。丸眼鏡を外して目元を拭い、嗚咽を漏らして洟をすする。
「ガインヅさまぁぁぁ……っ」
「お、おい……泣くな。詫びを入れると言っただろうが……」
狼狽するカインツを目にして、ふと錬は笑いが込み上げてきた。
「……何を笑っている?」
「いいや、別に」
「ごまかすな。今なら無礼講にしてやらんでもないぞ?」
「そう? じゃあ……いつもお高く止まってたお前の焦る顔がなかなか面白くてな」
錬がそう答えると、カインツは不機嫌そうに目を吊り上げる。
「……貴様、あとで覚えていろよ」
「あ、お前! 無礼講って言っただろ!?」
「さて、記憶にないな」
「はいはい、そんな事より早く王都に帰ろうよ」
流れをぶった切るように、ジエットは手を叩いた。
改めて周りを見れば、エスリと魔法学園の生徒達が錬とカインツに生温かい眼差しを向けていた。
「せっかく和解したんだし、こんなところで死んじゃだめだからね!」
「そうだな、とっとと帰ろう。カインツに死なれると俺も困るしな」
「心にもない事を言うな。気色悪いだろうが」
「本心だぞ。お前が死ぬと報酬の金貨がもらえなくなるだろ?」
満面の笑みで錬が言うと、カインツは初めてレンに向けて苦笑を返した。
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