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第二章
39:表彰式(1)
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「明日の表彰式に俺が……?」
学園長室で、錬は素っ頓狂な声を出した。
先の救助作戦から数日後の事である。
エスリは高そうな椅子に腰掛け、にこにこと笑っている。
いわく、マーサ・ローダン橋での防衛戦の件が王の耳に届き、残って奮闘した錬も王宮で開かれる表彰式へ招待されたらしい。
「正確に言うとレン君は招待されただけで、表彰されるのはカインツ君とノーラさんの二人だけなのだけれど」
「……じゃあなんで俺は呼ばれたんです?」
「防衛にはあなたの功績が大きかったからよ。無詠唱で魔法を連発する魔石銃は見せてもらったわ。すごいわね、アレ」
「発振器付き魔石銃ですか」
実際、あの連射機能がなければスタンピードを防ぎきる事は不可能だっただろう。
それに山のように折り重なった魔獣の遺骸から核石を大量に入手し、そのおかげで自由研究会の反対派を黙らせるほどの研究成果を提出できた。
王宮ですら新型魔石銃を功績と認めたなら、もはや自由研究会にケチを付けられる者など学園にはいないだろう。
「でも、だったらどうして俺は表彰されないんですか?」
「魔力至上主義が蔓延るこの国では、表だって魔力を持たない奴隷を表彰するわけにはいかないのよ。王宮もつじつま合わせに苦労しているみたいね」
「そりゃまたご苦労な事ですね……」
ジエットの素性の事もあるし、錬もあまり目立ちたくはないから好都合ではあるのだが、それでも不条理な世の中にぼやきたくもなるというものだ。
「不満かしら?」
「不満しかないですよ。何の用もないのに王宮へ呼ばれて自分以外が表彰されるところを見てろって、罰ゲームじゃないですか」
口を尖らせて言うと、エスリは苦笑した。
「気持ちはわかるけれど、陛下にお会いできる場は貴重よ。何かを訴えかけるには良い機会なのだし」
「それはまぁ……」
「あと表彰式にはバエナルド卿も出席するから、ついでに必要なものを注文しておきなさいな。たしか火炎石が欲しいと前に言っていなかったかしら?」
「言いましたが……」
「そういうわけだから、明日はよろしくね」
ウィンクを飛ばされ、錬は気乗りしないままうなずくほかなかった。
そんなこんなで表彰式の朝。
魔法学園の学生寮で、錬はされるがままにおめかしされていた。
「……なぁ、もうこれでいいんじゃないか?」
「だめだめ、見た目は大事だよ。王宮は怖いところなんだから!」
先の救助作戦で汚れたガウンはきれいに洗濯したのち、ジエットにより埃ひとつ逃さず取り除かれた。今は手櫛で髪を整えられている。
「こんなに手をかけたって、どうせ俺は表彰されないんだぞ?」
「別にいいじゃない。目立つとロクな事にならないしね」
「そうなんだけどさぁ……」
「もう、いつまでもぶー垂れないの。それより髪型が良い感じになったよ」
「鏡がないから違いがわからん」
そんなやりとりをしていると、入り口のドアが叩かれた。
「レンさん、そろそろ時間ですよ」
声の主はノーラである。竜車の出発準備が整ったので報せに来たのだ。
「今行く! 忘れ物は……ないな、よし」
ポーチの中身を確認したのち、ドアを開ける。
そこに立っていたのは、魔法学園のガウンを着たお嬢様だった。
野暮ったかった丸眼鏡は高級感のある銀縁眼鏡になり、ただのセミロングだった髪も上品に編み込まれてオシャレになっている。
「あの……あたし変じゃないでしょうか……?」
ノーラはもじもじと膝をすり合わせ、上目遣いで錬を見る。
「いいじゃないか。似合ってると思うよ」
「本当ですか!?」
満面の笑みで迫られ、錬は思わずたじろいだ。
「ほ、本当だよ……というか顔近いよ?」
「あ……す、すみません。少し浮かれてしまいました……」
何やら照れた様子で目を逸らすノーラ。
それを見たジエットは頬をむくれさせ、錬の腕を抱き寄せた。
「……あげないよ?」
「ち、違いますよ! そういうのじゃなくて、その……カインツ様が色々新調してくださったので……」
「なるほど、それで眼鏡が変わったのか」
「そうなんです」
嬉しそうにノーラは眼鏡のつるを摘まんでみせる。
「高価なものなので最初は断ったのですが、着けなければ王都に住めなくなると思えと言われたのでいただいたんです」
「それ脅されてない? 大丈夫か……?」
ただのツンデレだと思いたいが、今までが今までのため不安が拭えない錬である。
「ねぇねぇレン、私はどう?」
ジエットが袖を引いてくる。
胸元まである銀色の髪にフサフサの熊耳を生やし、見慣れたガウンを着ている。
「いつもと同じだな」
「むぅぅ~……」
「いつも通り可愛いぞ」
「かわっ……!?」
不意打ちのように言ったせいか、ジエットが真っ赤になった。
「ああっ! もしかしてからかってる!?」
「おっと、そろそろ時間だ。カインツが怒り出す前に行こう」
「ごまかさないで!」
赤面するジエットに追いかけられ、錬は学園前までダッシュする。
そこには豪華な竜車とドレスを着たエスリ、その前で足をトントン打ち付けるカインツの姿があった。
「遅いぞ貴様ら」
「す、すみませんカインツ様……!」
「悪い、ちょっと立て込んでたんだ」
カインツは足を打ち付けるのを止め、錬を睨んでくる。
「貴様は相変わらず無礼な物言いだな。僕が侯爵家の人間だという事を忘れていないか?」
「なら敬語に直した方がよろしいでしょうか?」
錬が礼儀正しく胸に手を当てて言うと、カインツは一瞬呆気に取られたが、すぐに表情をわずかに緩めた。
「……いや、そのままで構わん。貴様のような奴には粗野な口調がお似合いだ」
「素直じゃない奴」
「ほざけ」
言葉をぶつけ合いながらも、ふと互いに笑みがこぼれる。出会った頃からすると、カインツもずいぶん丸くなったものだ。
「ほらほらあなた達、仲良しなのは結構だけれど出発時間よ」
エスリに言われて竜車へ乗り、扉が閉められる。
「気を付けてね!」
「ああ、行ってくる!」
ジエットの見送りに、錬は窓から手を振り返すのだった。
学園長室で、錬は素っ頓狂な声を出した。
先の救助作戦から数日後の事である。
エスリは高そうな椅子に腰掛け、にこにこと笑っている。
いわく、マーサ・ローダン橋での防衛戦の件が王の耳に届き、残って奮闘した錬も王宮で開かれる表彰式へ招待されたらしい。
「正確に言うとレン君は招待されただけで、表彰されるのはカインツ君とノーラさんの二人だけなのだけれど」
「……じゃあなんで俺は呼ばれたんです?」
「防衛にはあなたの功績が大きかったからよ。無詠唱で魔法を連発する魔石銃は見せてもらったわ。すごいわね、アレ」
「発振器付き魔石銃ですか」
実際、あの連射機能がなければスタンピードを防ぎきる事は不可能だっただろう。
それに山のように折り重なった魔獣の遺骸から核石を大量に入手し、そのおかげで自由研究会の反対派を黙らせるほどの研究成果を提出できた。
王宮ですら新型魔石銃を功績と認めたなら、もはや自由研究会にケチを付けられる者など学園にはいないだろう。
「でも、だったらどうして俺は表彰されないんですか?」
「魔力至上主義が蔓延るこの国では、表だって魔力を持たない奴隷を表彰するわけにはいかないのよ。王宮もつじつま合わせに苦労しているみたいね」
「そりゃまたご苦労な事ですね……」
ジエットの素性の事もあるし、錬もあまり目立ちたくはないから好都合ではあるのだが、それでも不条理な世の中にぼやきたくもなるというものだ。
「不満かしら?」
「不満しかないですよ。何の用もないのに王宮へ呼ばれて自分以外が表彰されるところを見てろって、罰ゲームじゃないですか」
口を尖らせて言うと、エスリは苦笑した。
「気持ちはわかるけれど、陛下にお会いできる場は貴重よ。何かを訴えかけるには良い機会なのだし」
「それはまぁ……」
「あと表彰式にはバエナルド卿も出席するから、ついでに必要なものを注文しておきなさいな。たしか火炎石が欲しいと前に言っていなかったかしら?」
「言いましたが……」
「そういうわけだから、明日はよろしくね」
ウィンクを飛ばされ、錬は気乗りしないままうなずくほかなかった。
そんなこんなで表彰式の朝。
魔法学園の学生寮で、錬はされるがままにおめかしされていた。
「……なぁ、もうこれでいいんじゃないか?」
「だめだめ、見た目は大事だよ。王宮は怖いところなんだから!」
先の救助作戦で汚れたガウンはきれいに洗濯したのち、ジエットにより埃ひとつ逃さず取り除かれた。今は手櫛で髪を整えられている。
「こんなに手をかけたって、どうせ俺は表彰されないんだぞ?」
「別にいいじゃない。目立つとロクな事にならないしね」
「そうなんだけどさぁ……」
「もう、いつまでもぶー垂れないの。それより髪型が良い感じになったよ」
「鏡がないから違いがわからん」
そんなやりとりをしていると、入り口のドアが叩かれた。
「レンさん、そろそろ時間ですよ」
声の主はノーラである。竜車の出発準備が整ったので報せに来たのだ。
「今行く! 忘れ物は……ないな、よし」
ポーチの中身を確認したのち、ドアを開ける。
そこに立っていたのは、魔法学園のガウンを着たお嬢様だった。
野暮ったかった丸眼鏡は高級感のある銀縁眼鏡になり、ただのセミロングだった髪も上品に編み込まれてオシャレになっている。
「あの……あたし変じゃないでしょうか……?」
ノーラはもじもじと膝をすり合わせ、上目遣いで錬を見る。
「いいじゃないか。似合ってると思うよ」
「本当ですか!?」
満面の笑みで迫られ、錬は思わずたじろいだ。
「ほ、本当だよ……というか顔近いよ?」
「あ……す、すみません。少し浮かれてしまいました……」
何やら照れた様子で目を逸らすノーラ。
それを見たジエットは頬をむくれさせ、錬の腕を抱き寄せた。
「……あげないよ?」
「ち、違いますよ! そういうのじゃなくて、その……カインツ様が色々新調してくださったので……」
「なるほど、それで眼鏡が変わったのか」
「そうなんです」
嬉しそうにノーラは眼鏡のつるを摘まんでみせる。
「高価なものなので最初は断ったのですが、着けなければ王都に住めなくなると思えと言われたのでいただいたんです」
「それ脅されてない? 大丈夫か……?」
ただのツンデレだと思いたいが、今までが今までのため不安が拭えない錬である。
「ねぇねぇレン、私はどう?」
ジエットが袖を引いてくる。
胸元まである銀色の髪にフサフサの熊耳を生やし、見慣れたガウンを着ている。
「いつもと同じだな」
「むぅぅ~……」
「いつも通り可愛いぞ」
「かわっ……!?」
不意打ちのように言ったせいか、ジエットが真っ赤になった。
「ああっ! もしかしてからかってる!?」
「おっと、そろそろ時間だ。カインツが怒り出す前に行こう」
「ごまかさないで!」
赤面するジエットに追いかけられ、錬は学園前までダッシュする。
そこには豪華な竜車とドレスを着たエスリ、その前で足をトントン打ち付けるカインツの姿があった。
「遅いぞ貴様ら」
「す、すみませんカインツ様……!」
「悪い、ちょっと立て込んでたんだ」
カインツは足を打ち付けるのを止め、錬を睨んでくる。
「貴様は相変わらず無礼な物言いだな。僕が侯爵家の人間だという事を忘れていないか?」
「なら敬語に直した方がよろしいでしょうか?」
錬が礼儀正しく胸に手を当てて言うと、カインツは一瞬呆気に取られたが、すぐに表情をわずかに緩めた。
「……いや、そのままで構わん。貴様のような奴には粗野な口調がお似合いだ」
「素直じゃない奴」
「ほざけ」
言葉をぶつけ合いながらも、ふと互いに笑みがこぼれる。出会った頃からすると、カインツもずいぶん丸くなったものだ。
「ほらほらあなた達、仲良しなのは結構だけれど出発時間よ」
エスリに言われて竜車へ乗り、扉が閉められる。
「気を付けてね!」
「ああ、行ってくる!」
ジエットの見送りに、錬は窓から手を振り返すのだった。
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