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荒廃した街
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「その声はリルカ……」
20代半ばくらい、180cmくらいの長身で整ったひげが特徴の男性リカルド・レッキーだった。
彼はこの貧困にあえぐこの街で孤児院の館長をしているらしく人間でも亜人でも関係なく身寄りを失った子供たちの父親になっているのであった。そして孤児院の裏にはバードランドから逃げてきた難民達が住んでいるという。
3人は孤児院に入り応接室に入る、そしてお茶を出されてそれを飲みながら話しを進める。どうやら治安自体は以前より落ち着いてきているらしい、しかしこの状況に乗じてマフィアたちがはびこっているとのこと。
最近誘拐事件が起こっているらしい。なんでもレッキーによると突然こともたちが行方不明になるという。しかし種族を超えての捜査が進まず一向に事件は解決できないのだとか。
「もうね、私にも抑えられないんですよ」
そう困った表情で彼は言い出す
そう、彼らは常に人間やほかの種族へのリスペクトを心掛けてきた
しかしいつの時代にも排他的な人もいるもので対立していく中で他の種族に武力で対抗せよと主張するものも多いらしく対立するなかでそういう声が大きくなって抑えきれなくなっていると言う。
「ほら、彼らがそうなんですよ」
彼がそう言って外の砂場辺りを指差すと3人くらいの頭に小さく羽の形をした毛耳をした男女がいたそして彼らはこっちに来てこの孤児院に入ろうとする。
その時、頭に毛耳が無い人間の子が彼らを横切ろうとする、すると──
「目障りなんだよ!!!!!」
そのうちの男性の1人が大声でどなりながらその子供を蹴っ飛ばす、それを見た幸乃は思わず建物から飛び出し叫び出す。
「ちょっと、あなた何やってんのよ!!子供相手に!!」
「あ、何で人間がいるんだよ!!ってリルカ、お前裏切ったのかよ!!」
「裏切ってません、私も鳥人の一人ですがおかしいのはあなたたちだと思います、すぐに泣いている子供に罪を認めて懺悔してください」
そう、リルカは毛耳こそないものの鳥人の一種だった。また、彼らは毛耳が無くても同じ鳥人かはにおいでわかるらしくリルカが鳥人であることは疑いもしなかった。
そして口論に発展していく、彼らは人間など知らないの一点張り、幸乃達はそれに反論するが彼らは聞く耳を持たなかった。
そしてレッキーが口をはさみ始める。
「わかりました、では私はギルドを通してあなた方双方に同じ仕事を頼みます、それでいいですね」
そう言うと彼は犯人グループの名前と子供たちが偶然それを見て書いてくれた顔の絵を双方に見せる。
その言葉のもと、双方はギルドへ向かいこの誘拐事件の解決の仕事をする事となった。
※
夜、空が暗くなるとこの街の繁華街に当たるこの地区は活気が出てくる。
もう一軒行こう!!と誰かが叫びながら店を出る狐の耳をした亜人の団体、べろんべろんに酔っぱらった犬の毛耳の中年男性や酔いつぶれて歩けず仲間に両肩を借りながら連れて行かれる妙齢の女性など、夜の繁華街ならでばの光景が見られた。
繁華街の大通りベルレボール通りを歩いて5分程し、横道に3人は入る。
薄暗い横道に周りにはゴミが散乱し、人相が悪そうなチンピラの集団やボロボロの服を着た店の食べ残しを狙うストリートチルドレンとすれ違い、ここが治安が悪く犯罪が起こりやすい場所だという事を3人は理解する。
7~8分ほど歩くとターゲットの店につく、そして……
「いいですか、売春婦の振りをして彼らに話を聞きます、感情的になってはいけませんよ」
「わ、分かったわよ……ま、作戦だから仕方ないわ──」
「はい、わかり……ました」
3人の作戦は売春婦のまねをして、ターゲットの2人から話を聞きまずは有力な情報を聞き出すとのことだった。
そして3人は店に入る。
バーカウンターのような席にターゲット2人を3人で挟むように座り、幸乃の隣にいるターゲットの彼は黒いジャケット、両耳には宝石が飾ってあるピアス、腕にはタトゥーをしておりジェルメソンと名乗る。
ジェメルソンのグラスにウイスキーを幸乃は注ぐ、彼は幸乃の体のラインを見る、程よく長身でスレンダーながらも胸は大きめでどこか色気を感じさせる体だった、その舐めまわすような視線に幸乃は気付かないはずもなく……
(ぅぅぅ……我慢我慢)
そして自分の感情を捨て、彼らの話を聞くことに専念する。まずは最近儲かっているのか聞いてみる、すると……
「んまあ、精々子供くらいだろうなぁ~~」
ジェルメソンのその言葉に幸乃は食いつく。
「まったくエルリス教は最高だぜ、ガキを売って金になるんだからよ」
身寄りのない子供たちを拉致して彼らの売りさばいているらしい、売ると結構な額になるようで特に珍しい鳥の亜種などはそこそこいい値段がつくと自信満々に言い出す、そしてエルリス教に売り裁いた後は新大陸の開拓の奴隷にしたりメンゲレ博士という研究員の人体実験に使うらしい。
一歩ベルも怖がっているリルカを右隣において左にもう一人のフランコと名乗る大柄の男性と話を進めていた。彼は黒いジャケット、指には高級そうな指輪を全ての指につけていてねっとりとベルを見て自身の右手でベルの左の胸を触りながら同じことをしゃべっていて、さらに金を2万オウル
eau
ほど出して今日はこれで一晩どうかと交渉に入っていた。
──その時
ガタッ
20代半ばくらい、180cmくらいの長身で整ったひげが特徴の男性リカルド・レッキーだった。
彼はこの貧困にあえぐこの街で孤児院の館長をしているらしく人間でも亜人でも関係なく身寄りを失った子供たちの父親になっているのであった。そして孤児院の裏にはバードランドから逃げてきた難民達が住んでいるという。
3人は孤児院に入り応接室に入る、そしてお茶を出されてそれを飲みながら話しを進める。どうやら治安自体は以前より落ち着いてきているらしい、しかしこの状況に乗じてマフィアたちがはびこっているとのこと。
最近誘拐事件が起こっているらしい。なんでもレッキーによると突然こともたちが行方不明になるという。しかし種族を超えての捜査が進まず一向に事件は解決できないのだとか。
「もうね、私にも抑えられないんですよ」
そう困った表情で彼は言い出す
そう、彼らは常に人間やほかの種族へのリスペクトを心掛けてきた
しかしいつの時代にも排他的な人もいるもので対立していく中で他の種族に武力で対抗せよと主張するものも多いらしく対立するなかでそういう声が大きくなって抑えきれなくなっていると言う。
「ほら、彼らがそうなんですよ」
彼がそう言って外の砂場辺りを指差すと3人くらいの頭に小さく羽の形をした毛耳をした男女がいたそして彼らはこっちに来てこの孤児院に入ろうとする。
その時、頭に毛耳が無い人間の子が彼らを横切ろうとする、すると──
「目障りなんだよ!!!!!」
そのうちの男性の1人が大声でどなりながらその子供を蹴っ飛ばす、それを見た幸乃は思わず建物から飛び出し叫び出す。
「ちょっと、あなた何やってんのよ!!子供相手に!!」
「あ、何で人間がいるんだよ!!ってリルカ、お前裏切ったのかよ!!」
「裏切ってません、私も鳥人の一人ですがおかしいのはあなたたちだと思います、すぐに泣いている子供に罪を認めて懺悔してください」
そう、リルカは毛耳こそないものの鳥人の一種だった。また、彼らは毛耳が無くても同じ鳥人かはにおいでわかるらしくリルカが鳥人であることは疑いもしなかった。
そして口論に発展していく、彼らは人間など知らないの一点張り、幸乃達はそれに反論するが彼らは聞く耳を持たなかった。
そしてレッキーが口をはさみ始める。
「わかりました、では私はギルドを通してあなた方双方に同じ仕事を頼みます、それでいいですね」
そう言うと彼は犯人グループの名前と子供たちが偶然それを見て書いてくれた顔の絵を双方に見せる。
その言葉のもと、双方はギルドへ向かいこの誘拐事件の解決の仕事をする事となった。
※
夜、空が暗くなるとこの街の繁華街に当たるこの地区は活気が出てくる。
もう一軒行こう!!と誰かが叫びながら店を出る狐の耳をした亜人の団体、べろんべろんに酔っぱらった犬の毛耳の中年男性や酔いつぶれて歩けず仲間に両肩を借りながら連れて行かれる妙齢の女性など、夜の繁華街ならでばの光景が見られた。
繁華街の大通りベルレボール通りを歩いて5分程し、横道に3人は入る。
薄暗い横道に周りにはゴミが散乱し、人相が悪そうなチンピラの集団やボロボロの服を着た店の食べ残しを狙うストリートチルドレンとすれ違い、ここが治安が悪く犯罪が起こりやすい場所だという事を3人は理解する。
7~8分ほど歩くとターゲットの店につく、そして……
「いいですか、売春婦の振りをして彼らに話を聞きます、感情的になってはいけませんよ」
「わ、分かったわよ……ま、作戦だから仕方ないわ──」
「はい、わかり……ました」
3人の作戦は売春婦のまねをして、ターゲットの2人から話を聞きまずは有力な情報を聞き出すとのことだった。
そして3人は店に入る。
バーカウンターのような席にターゲット2人を3人で挟むように座り、幸乃の隣にいるターゲットの彼は黒いジャケット、両耳には宝石が飾ってあるピアス、腕にはタトゥーをしておりジェルメソンと名乗る。
ジェメルソンのグラスにウイスキーを幸乃は注ぐ、彼は幸乃の体のラインを見る、程よく長身でスレンダーながらも胸は大きめでどこか色気を感じさせる体だった、その舐めまわすような視線に幸乃は気付かないはずもなく……
(ぅぅぅ……我慢我慢)
そして自分の感情を捨て、彼らの話を聞くことに専念する。まずは最近儲かっているのか聞いてみる、すると……
「んまあ、精々子供くらいだろうなぁ~~」
ジェルメソンのその言葉に幸乃は食いつく。
「まったくエルリス教は最高だぜ、ガキを売って金になるんだからよ」
身寄りのない子供たちを拉致して彼らの売りさばいているらしい、売ると結構な額になるようで特に珍しい鳥の亜種などはそこそこいい値段がつくと自信満々に言い出す、そしてエルリス教に売り裁いた後は新大陸の開拓の奴隷にしたりメンゲレ博士という研究員の人体実験に使うらしい。
一歩ベルも怖がっているリルカを右隣において左にもう一人のフランコと名乗る大柄の男性と話を進めていた。彼は黒いジャケット、指には高級そうな指輪を全ての指につけていてねっとりとベルを見て自身の右手でベルの左の胸を触りながら同じことをしゃべっていて、さらに金を2万オウル
eau
ほど出して今日はこれで一晩どうかと交渉に入っていた。
──その時
ガタッ
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