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皇帝とシャレー
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「嬢ちゃん……勝ったつもりか?」
大柄でサングラスの男がにやりと笑いながらそう囁く──
「いくら強くたって数で魔力が尽きさせるまで戦わせれば問題ないんだよ!!」
その通り周りには数えきれないくらいのマフィアたちがいた。そして彼らは今にも武器を手にとって襲いかかろうとしていた、それを見て幸乃とベルは覚悟を決めたように自身の剣を握る。
両者が激突しようとしたその時──
聖なる守護の星よ、ここに集結せよ!!
スターライト・ベロボーグ
その叫び声と同時に無数の星が現れ、幸乃とベルはその星星の中に守られる形となる、そして……
「無限の時となりて切り刻め!!インフィニティ・エクスカリバー」
(この声──まさか?)
誰かが大きく叫ぶとベルがその声の主を思い出す。
そして──
ズバァァァァァァァァァァァァァァァァ
無数の剣で敵を引き裂く音とその人物がこの場を光のように駆け抜ける音がこの場を支配する。
そして1分程経つと敵を引き裂く音が消えるとともに星の防御結界が消滅する、2人が周りを見ると敵たちはすべて何者かに倒され意識を失っていた。
「リルカちゃん!!」
たまらず幸乃が叫ぶ、まず彼女の視界に入ったのは自身のデバイスである本を手にしているリルカの姿、そしてもう一人。
それは長身痩躯で金髪、長い剣を持った青年だった。
青年は赤いマントに冒険者のようだが豪華そうな服装をしていた。その彼が自信満々な態度で口を開き始める。
「お久しぶりですベルさん、幸乃さん始めまして私がヴェラッティです」
「だ、誰?」
ベルはその彼に指をさして2人に質問する。
「あ、あ、知らない?ちょっとカッコつけた感じだったんだけど」
彼は自信満々な表情からおどけた表情で笑い出す、それを見てリルカとベルが慌てて小声で説明し出す。
ゴニョゴニョ……
それを聞いた幸乃は──
「こ、こ、こ、新しい皇帝!!!」
その言葉に仰天し、そして──
慌てて土下座し叫ぶ。
「ももももも申し訳ございませんでしたぁ~~~」
そう、彼こそが2年前この国に新しく即位した若き皇帝マイエル=フォン=ヴェラッティであった。そしてマフィアたちをあっという間に倒したのも彼だった。
「まあいいよ、ちょっとカッコつけていっただけだし」
「え?無礼だからここで処刑とかしないよね??」
「ははは、まさか、しないよ……父さんじゃあるまいし」
明らかに動揺している幸乃におどけて笑いながら彼は対応する。
「っていうか2人は皇帝様と面識があるの?」
幸乃の質問に2人はうなずく。
そう、リルカとベルはヴェラッティと面識があった。リルカはバードランド、ベルはカラブロと行動していた時に出会ったことがあるという
先日のバルディビアとの戦いや彼らの悪行をカラブロを通して聞きつけて幸乃の事を知ったらしい。
そしてベルやリルカと一緒のこの地へ向かっていると聞き合流しようとした、しかしタッチの差で3人はスラム街へ向かってしまっていた
そこで3人を探していたら事件があった様な騒ぎがありそこに彼は向かう。そこにいたリルカに話しを聞き参戦したとのことだった。
隣には150cmくらいの小柄な体型で金髪のロングヘアーにド派手なドレスの少女。彼女がヴェラッティの妹のシャレーだった。
そしてシャレーが3人にあいさつをする。しかしその態度はどこかやさぐれた感じで素っ気ない口調だった。
「私がシャレー、よろしくね」
ヴェラッティはやることがあるのでと言って頼みだけ言って立ち去った。
そしてその頼みのためギルドのハンコを押したクエストの手紙を3人に渡し、その仕事を依頼した。
それはシャレーとともに街を査察するという内容だった。
皇帝直轄ともあり報酬は普通のクエストの倍くらいだった。
そして路地裏でシャレーは身元を隠すために変装をし始10分ほどで変装は終わる、そしてそのすがたを見る、すると……
「すごーい!!」
その変装術に幸乃は驚愕する。金髪だった髪型は茶色に染められており、ロングヘアーだった髪型はツインテールになっている、さらにダテ眼鏡をしていてさっきまでのシャレーとは思え無いほど完ぺきな変装だった。
「──おお、なまらすごいね」
幸乃も元の世界ではアイドル候補生としてプライベート用にそういった変装術を身に着けてはいたがそれに負けないくらいのものだった。
「じゃあ行こっか」
シャレーが素っ気なくそういって街の中へ進んでいくそして街の様子を査察する。
「本当にひどい……」
街はひどい有様だった。兵士たちは言う事を聞かず賄賂を要求するしか能がなく、現地人に横暴を振るう態度。市街地の一部は内乱があったかのように荒れ果てていた、話しによると難民となったバードランドからの人たちと現地人の一部の人の間でいざこざがあったという。
4人は街を3~4時間ほどで一通り観察したそして歩きつかれて休憩を取ろうと喫茶店に入る。
4人ともアイスココアやコーヒーなどの飲み物とパフェ、ケーキなど甘いものを頼み疲れをいやす。その中で食事をしながら幸乃はシャレーに質問する。
「ちょっといいかな?」
「皇帝さんから聞いたんだけど、この皇族の仕事に嫌気がさしてるって本当なの?」
幸乃がどこか言いずらそうに質問をするとシャレーは目を細めて外を見つめながら話しだす。
大柄でサングラスの男がにやりと笑いながらそう囁く──
「いくら強くたって数で魔力が尽きさせるまで戦わせれば問題ないんだよ!!」
その通り周りには数えきれないくらいのマフィアたちがいた。そして彼らは今にも武器を手にとって襲いかかろうとしていた、それを見て幸乃とベルは覚悟を決めたように自身の剣を握る。
両者が激突しようとしたその時──
聖なる守護の星よ、ここに集結せよ!!
スターライト・ベロボーグ
その叫び声と同時に無数の星が現れ、幸乃とベルはその星星の中に守られる形となる、そして……
「無限の時となりて切り刻め!!インフィニティ・エクスカリバー」
(この声──まさか?)
誰かが大きく叫ぶとベルがその声の主を思い出す。
そして──
ズバァァァァァァァァァァァァァァァァ
無数の剣で敵を引き裂く音とその人物がこの場を光のように駆け抜ける音がこの場を支配する。
そして1分程経つと敵を引き裂く音が消えるとともに星の防御結界が消滅する、2人が周りを見ると敵たちはすべて何者かに倒され意識を失っていた。
「リルカちゃん!!」
たまらず幸乃が叫ぶ、まず彼女の視界に入ったのは自身のデバイスである本を手にしているリルカの姿、そしてもう一人。
それは長身痩躯で金髪、長い剣を持った青年だった。
青年は赤いマントに冒険者のようだが豪華そうな服装をしていた。その彼が自信満々な態度で口を開き始める。
「お久しぶりですベルさん、幸乃さん始めまして私がヴェラッティです」
「だ、誰?」
ベルはその彼に指をさして2人に質問する。
「あ、あ、知らない?ちょっとカッコつけた感じだったんだけど」
彼は自信満々な表情からおどけた表情で笑い出す、それを見てリルカとベルが慌てて小声で説明し出す。
ゴニョゴニョ……
それを聞いた幸乃は──
「こ、こ、こ、新しい皇帝!!!」
その言葉に仰天し、そして──
慌てて土下座し叫ぶ。
「ももももも申し訳ございませんでしたぁ~~~」
そう、彼こそが2年前この国に新しく即位した若き皇帝マイエル=フォン=ヴェラッティであった。そしてマフィアたちをあっという間に倒したのも彼だった。
「まあいいよ、ちょっとカッコつけていっただけだし」
「え?無礼だからここで処刑とかしないよね??」
「ははは、まさか、しないよ……父さんじゃあるまいし」
明らかに動揺している幸乃におどけて笑いながら彼は対応する。
「っていうか2人は皇帝様と面識があるの?」
幸乃の質問に2人はうなずく。
そう、リルカとベルはヴェラッティと面識があった。リルカはバードランド、ベルはカラブロと行動していた時に出会ったことがあるという
先日のバルディビアとの戦いや彼らの悪行をカラブロを通して聞きつけて幸乃の事を知ったらしい。
そしてベルやリルカと一緒のこの地へ向かっていると聞き合流しようとした、しかしタッチの差で3人はスラム街へ向かってしまっていた
そこで3人を探していたら事件があった様な騒ぎがありそこに彼は向かう。そこにいたリルカに話しを聞き参戦したとのことだった。
隣には150cmくらいの小柄な体型で金髪のロングヘアーにド派手なドレスの少女。彼女がヴェラッティの妹のシャレーだった。
そしてシャレーが3人にあいさつをする。しかしその態度はどこかやさぐれた感じで素っ気ない口調だった。
「私がシャレー、よろしくね」
ヴェラッティはやることがあるのでと言って頼みだけ言って立ち去った。
そしてその頼みのためギルドのハンコを押したクエストの手紙を3人に渡し、その仕事を依頼した。
それはシャレーとともに街を査察するという内容だった。
皇帝直轄ともあり報酬は普通のクエストの倍くらいだった。
そして路地裏でシャレーは身元を隠すために変装をし始10分ほどで変装は終わる、そしてそのすがたを見る、すると……
「すごーい!!」
その変装術に幸乃は驚愕する。金髪だった髪型は茶色に染められており、ロングヘアーだった髪型はツインテールになっている、さらにダテ眼鏡をしていてさっきまでのシャレーとは思え無いほど完ぺきな変装だった。
「──おお、なまらすごいね」
幸乃も元の世界ではアイドル候補生としてプライベート用にそういった変装術を身に着けてはいたがそれに負けないくらいのものだった。
「じゃあ行こっか」
シャレーが素っ気なくそういって街の中へ進んでいくそして街の様子を査察する。
「本当にひどい……」
街はひどい有様だった。兵士たちは言う事を聞かず賄賂を要求するしか能がなく、現地人に横暴を振るう態度。市街地の一部は内乱があったかのように荒れ果てていた、話しによると難民となったバードランドからの人たちと現地人の一部の人の間でいざこざがあったという。
4人は街を3~4時間ほどで一通り観察したそして歩きつかれて休憩を取ろうと喫茶店に入る。
4人ともアイスココアやコーヒーなどの飲み物とパフェ、ケーキなど甘いものを頼み疲れをいやす。その中で食事をしながら幸乃はシャレーに質問する。
「ちょっといいかな?」
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