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戦いの地、ラングーン
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2週間後。私たちは戦場へと訪れた。熱帯雨林用の服装と荷物を用意。
王都から馬を借りて2週間ほど。広大な草原地帯やステップ気候の荒野、湿地帯を抜ける。途中、少数民族のウサギの亜人の人と出くわして、話を聞いたり。
何でも、変な力を使った見たことがないやつらが湿地帯のあたりをうろうろしているとか。
今は、戦いに集中しなきゃだけど気にしておいた方がいいかも。
後、ミシェウが時折石を興味津々に石を集めていた。手のひらサイズで青や黄色に輝く石──確か星魔石っていうんだっけ。
「占星術に必要でね、各地に遠征した時に集めてるのよね。いろいろな術式を開発するのに必要なの」
「そうなの」
移動の邪魔にならない程度に、色々なところから見つけては袋に詰め込んでいた。とてもきれいだったので、私もいくつか拾っちゃった。
そんな風にして、私たちは本拠地であるラングーンに到着。
戦場となるであろう西の方に視線を向ける。4000メートル級ともいわれるアッサム山脈が連なっている。
あれを超えると、魔王軍の国家の領地となる。あそこから周辺国への支援を行っていて、同時に違法な武器や薬物を密輸して利益を稼いでいる。
この戦いの目的は、このラングーンを進軍してジャングルの奥にある密輸ルートをつぶすこと。それから、こっちに進軍してくる敵たちを倒してラングーンの安全を確保すること。
そして、広大に広がるジャングル。ここまでもそうだったけど、色々な動物に遭遇するし、何十層も樹木や葉っぱが折り重なっていて薄暗く感じる。
前方の視界が悪く、敵が近くまで
接近しても気づきにくい。奇襲や夜襲が多そうな戦場といった感じだ。
だというのに──。
視線の先にある、ホーネルカーの行いを見てため息をついてあきれ返る。本当に、あれが指揮官の姿なのか──目を疑う。本当にひどい……。
「おうお~~う、そこの金髪はかわいいのう。おっぱいもませろ~~」
ジャングルの入り口にある、拠点のキャンプ地。ひときわ豪華な部屋があった。まるで、そこだけがみんなが死闘を繰り広げる戦場から隔離されているかのように。
そこで、ふかふかのソファーに座ったホーネルカー。にやついた表情で酒を飲みながら、おっぱいをもんだり、おしりを触ったり。
メイドの女性たちは、身分上拒絶することもできずただ愛想笑いを振り分けていた。
苦笑いをしているが、明らかに嫌がっているというのがわかる。酒におぼれ女をはべらかせて──到底これから国を掛けた戦いを行う指揮官の様子とは思えない。
一度目は戦場に来ないで宮殿にいたからわからなかったけど、こんなにひどいやつとは。ため息がこぼれる。
隣にいた、剣を持った冒険者が話かけてくる。
「ホーネルカーさん、いつもこうなんだよえぇ。出世してから、前線にろくに出回らず安全なところで女をはベラかせてばかり。それだけじゃない、作戦は根性頼みでうまくいかなかったら『現場の奴らが悪い、根性なしばかりでなっとらん。俺は悪くない』って怒鳴り散らしてばかり。本当に嫌な想いばかりだよ……」
大丈夫なの、これ。心配になってきた。ミシェウも、周囲を見ながら心配そうな表情をしている。
それから、苦笑いで話しかけてきた。
「とりあえず、指揮官の人にあいさつ回り行こうか」
「そうね」
指揮官の人は、地位も高い傾向がありここで仲良くなっておけば、王宮内で今後良い関係を築いたり、いざとなった時に味方になってもらえるかもしれない。
そうでなくとも、同じ敵と戦う仲間。顔を覚えてもらう必要があるし、親睦を深めておくに越したことはない。何かあった時に、助け合う関係になるかもしれないからだ。
「あの人達じゃない?」
ミシェウが指さした先では、普通の兵士と比べて新しく、充実した服装や装備を持った人が数人談笑をしていた。皆、服に金属でできた勲章をつけている。
あれが、指揮官の人達だろう。
「行ってみましょう」
「すいませ~~ん」
ミシェウが笑顔で、手を挙げて話しかける。指揮官たちがこっちを向く。
初めての人でも気さくに話しかけられるのは、やっぱりすごい。あこがれちゃう。
「2人も参加ですか?」
「まあ、作戦が成功するか心配なので……」
「じゅぱぱ~~こんにちは、ミシェウ様とシャマシュ様ですね?」
「は、はい……」
「じゅぱぱ~~わしが、最前線で指揮官を務める第一部隊隊長ホフマンよろしくのう」
「よろしくお願いします」
「ホフマン君ね、よろしく!」
「モルトケじゃぁ」
「ハインです」
そして、私たちは互いに握手した。いずれも、年配で経験豊かそうな人たち。経験豊かそうではあるが、以前の世界ではホフマン、モルトケはジャングルで生き残ることができず無残にも遺体となって発見された。
私はここに行っていなかったので何があったかは把握しきれていない。しかし、飢餓に苦しみ瘦せ細って、肉体の大部分はハゲタカに食われるという見るも無残な姿で発見されたと聞いている。
もちろん、そんなことはさせない。これからの戦い、少しでも戦力を大切にしていく必要がある。
みんなを守りきるために、この戦場で何があったかをまじかで見て、一人でも多く人を救わないと。
王都から馬を借りて2週間ほど。広大な草原地帯やステップ気候の荒野、湿地帯を抜ける。途中、少数民族のウサギの亜人の人と出くわして、話を聞いたり。
何でも、変な力を使った見たことがないやつらが湿地帯のあたりをうろうろしているとか。
今は、戦いに集中しなきゃだけど気にしておいた方がいいかも。
後、ミシェウが時折石を興味津々に石を集めていた。手のひらサイズで青や黄色に輝く石──確か星魔石っていうんだっけ。
「占星術に必要でね、各地に遠征した時に集めてるのよね。いろいろな術式を開発するのに必要なの」
「そうなの」
移動の邪魔にならない程度に、色々なところから見つけては袋に詰め込んでいた。とてもきれいだったので、私もいくつか拾っちゃった。
そんな風にして、私たちは本拠地であるラングーンに到着。
戦場となるであろう西の方に視線を向ける。4000メートル級ともいわれるアッサム山脈が連なっている。
あれを超えると、魔王軍の国家の領地となる。あそこから周辺国への支援を行っていて、同時に違法な武器や薬物を密輸して利益を稼いでいる。
この戦いの目的は、このラングーンを進軍してジャングルの奥にある密輸ルートをつぶすこと。それから、こっちに進軍してくる敵たちを倒してラングーンの安全を確保すること。
そして、広大に広がるジャングル。ここまでもそうだったけど、色々な動物に遭遇するし、何十層も樹木や葉っぱが折り重なっていて薄暗く感じる。
前方の視界が悪く、敵が近くまで
接近しても気づきにくい。奇襲や夜襲が多そうな戦場といった感じだ。
だというのに──。
視線の先にある、ホーネルカーの行いを見てため息をついてあきれ返る。本当に、あれが指揮官の姿なのか──目を疑う。本当にひどい……。
「おうお~~う、そこの金髪はかわいいのう。おっぱいもませろ~~」
ジャングルの入り口にある、拠点のキャンプ地。ひときわ豪華な部屋があった。まるで、そこだけがみんなが死闘を繰り広げる戦場から隔離されているかのように。
そこで、ふかふかのソファーに座ったホーネルカー。にやついた表情で酒を飲みながら、おっぱいをもんだり、おしりを触ったり。
メイドの女性たちは、身分上拒絶することもできずただ愛想笑いを振り分けていた。
苦笑いをしているが、明らかに嫌がっているというのがわかる。酒におぼれ女をはべらかせて──到底これから国を掛けた戦いを行う指揮官の様子とは思えない。
一度目は戦場に来ないで宮殿にいたからわからなかったけど、こんなにひどいやつとは。ため息がこぼれる。
隣にいた、剣を持った冒険者が話かけてくる。
「ホーネルカーさん、いつもこうなんだよえぇ。出世してから、前線にろくに出回らず安全なところで女をはベラかせてばかり。それだけじゃない、作戦は根性頼みでうまくいかなかったら『現場の奴らが悪い、根性なしばかりでなっとらん。俺は悪くない』って怒鳴り散らしてばかり。本当に嫌な想いばかりだよ……」
大丈夫なの、これ。心配になってきた。ミシェウも、周囲を見ながら心配そうな表情をしている。
それから、苦笑いで話しかけてきた。
「とりあえず、指揮官の人にあいさつ回り行こうか」
「そうね」
指揮官の人は、地位も高い傾向がありここで仲良くなっておけば、王宮内で今後良い関係を築いたり、いざとなった時に味方になってもらえるかもしれない。
そうでなくとも、同じ敵と戦う仲間。顔を覚えてもらう必要があるし、親睦を深めておくに越したことはない。何かあった時に、助け合う関係になるかもしれないからだ。
「あの人達じゃない?」
ミシェウが指さした先では、普通の兵士と比べて新しく、充実した服装や装備を持った人が数人談笑をしていた。皆、服に金属でできた勲章をつけている。
あれが、指揮官の人達だろう。
「行ってみましょう」
「すいませ~~ん」
ミシェウが笑顔で、手を挙げて話しかける。指揮官たちがこっちを向く。
初めての人でも気さくに話しかけられるのは、やっぱりすごい。あこがれちゃう。
「2人も参加ですか?」
「まあ、作戦が成功するか心配なので……」
「じゅぱぱ~~こんにちは、ミシェウ様とシャマシュ様ですね?」
「は、はい……」
「じゅぱぱ~~わしが、最前線で指揮官を務める第一部隊隊長ホフマンよろしくのう」
「よろしくお願いします」
「ホフマン君ね、よろしく!」
「モルトケじゃぁ」
「ハインです」
そして、私たちは互いに握手した。いずれも、年配で経験豊かそうな人たち。経験豊かそうではあるが、以前の世界ではホフマン、モルトケはジャングルで生き残ることができず無残にも遺体となって発見された。
私はここに行っていなかったので何があったかは把握しきれていない。しかし、飢餓に苦しみ瘦せ細って、肉体の大部分はハゲタカに食われるという見るも無残な姿で発見されたと聞いている。
もちろん、そんなことはさせない。これからの戦い、少しでも戦力を大切にしていく必要がある。
みんなを守りきるために、この戦場で何があったかをまじかで見て、一人でも多く人を救わないと。
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