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3章
メンデスの周囲
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カイセドの胸で、泣いていたのかうっすらを目に涙が浮かんでいた。
「えぇと、皆さんありがとうございました。私、皆さんに励まされて……最初は怖くなってしまいましたが、頑張ろうって勇気が出ました。これからも、人々のために頑張ろうって思います」
そして、メンデスは頭を下げる。周囲からの反応は。
「メンデス様。私も協力しますぞ」
「流石はメンデス様。強きご覚悟が、素晴らしいですなぁ」
「応援してますぞ」
そんな感じだが、目つきがぎらついていて──たとえるならカルト宗教の教祖を見ているような感じだった。心を奪われているというか。
私も、メンデスを見ているだけで、胸がきゅんとなる、メンデスを見ているだけで、胸が高鳴って心臓がバクバクする。これが……魅了ってやつみたい。
もっとメンデスを見ていたい、尽くしたいという感情が芽生えてしまう。
無意識に魅了が発動してしまっているのね。こういった、メンデスが感情を出しているときに発動しやすいってことなのかしら。こんな感情や状況の時は気をつけないと。
「まあ、今ここで自分の力がわかったのはとても幸運だと思うよ。これから気をつければいいじゃん。まだ致命的なことをしたわけじゃないんだし」
「そうですね」
カイセドとメンデスに視線を向ける。
カイセドも、罪悪感を感じているのがわかる。表情が、どこか暗い。私は、カイセドの前に立って話しかけた。
「だから、今までの事を悔いるよりもこれからどうするかを考えなさい。私も、力になるから──」
「姉さん。ありがとう。ただ、やはり脳裏によぎってしまう。私は、まちがっていたのだろうか」
「大丈夫だって、カイ君は悪くないよ。自分を責める必要なんて全くないよ」
ミシェウがカイセドの肩に手をポンポンと置く。そして、笑顔を彼に向けた。
こういう周囲を励ますのは、わたしよりもミシェウの方がうまいというのがよくわかる。
「ミシェウありがとう。色々障害があるかもしれないが、乗り越えていくよ」
「私も、皆さんのために尽力いたしますので、今後共よろしくお願いいたします」
「わかったわ。だから、その気持ちを大切にしてね、わたしとの約束守ってよ!」
「はい、カイセドも、よろしくお願いします」
「ああメンデス。こちらこそ──君を一生愛合わせにするよ」
幸せそうな2人。メンデスのことを知ってもなお、2人の関係は変わらない。
そうだ、メンデスの魅了がどこまで発動していようと、愛する気持ちは本気なのだ。その気持ち自体を踏みにじることは許されない。
「大丈夫。俺のメンデスに対する心は変わらない。心配しないで、大切にするから」
「ありがとうございます」
抱き合う2人。これだけを見ても、2人が愛し合っているのだというのが一目でわかる。
幸せそう。これが国家とは関係がない身分だったら、幸せに愛し合う2人として私も応援していただろう。
「とりあえず、私が今わかることはここまでね。また、色々資料あさったり、何かわかったことがあったらみんなに伝えるわ」
「そうだな。俺もそろそろ宮殿へ戻ろうと思っていた所だ」
「ああ……私も政務があるのでそろそろ」
まずはメンデスとカイセドと、警備役の兵士の人。
周囲の人たちも徐々に席を立ち始めた。まあ、みんなこの国を動かすものとして、大なり小なりやることがあるもんね。今日はこのくらいにしようか。
そして、他に人たちは一人、また一人とこの場を去っていく。
ミシェウは、にっこりと彼らに手を振った。
みんながこの場からいなくなって、この場にいるのは私とミシェウ、今は背中を向けているアルルの3人だけとなる。
そう、いつもの3人。
そしてアルルはくるりとこっちを向いた
「居残りありがとう。察しがいいわね」
「どういたまして~~こうなることは予想してたし。アルちゃんが話したいこと、離していいよ」
「私達にしか、言えないことという事ね」
「察しがいいわね」
その言葉通り、私達にしか言えないことをここで言う気だ。何なのだろうか。胃が痛くなるようなことじゃないといいけど。
「じゃあ、3人になったことだし言いたいこと、言っていいよ」
ミシェウの言葉にアルルはこっちを見て、腕を組みながら話を始めた。
「人が信じると書いて儲けとは、よくいったものね」
「どういうこと?」
「あの取り巻き達、周囲をしっかり調べたほうがいいわ。なんか怪しそう」
「そうなの? メンデスちゃんの魅了に取り付かれちゃったんじゃないの?」
「それもあるかもしれないけど、今までの経験則からすると、ああいう人にの周りにはヒルみたいな人がまとわりつくのよね」
「そう?」
「考えてみいればわかるわ。保護欲があって、気弱そうな容姿。あまり人を疑ったりしないお人好しで優しい性格。おまけに、夫はメンデスを溺愛して国王。彼女を悪用しようとする人にとっては、付け入らない理由がないと思った方がいわ」
「そうよね」
うすうすとは感じていた。メンデスに、詐欺師みたいなやつが隣りにいてしまったら。疑うことを知らないメンデスは何の疑いもなく受け入れてしまうだろう。 そして、そんな奴がメンデスの力を悪用しようとしたら──取り返しのつかないことになるとは。
「えぇと、皆さんありがとうございました。私、皆さんに励まされて……最初は怖くなってしまいましたが、頑張ろうって勇気が出ました。これからも、人々のために頑張ろうって思います」
そして、メンデスは頭を下げる。周囲からの反応は。
「メンデス様。私も協力しますぞ」
「流石はメンデス様。強きご覚悟が、素晴らしいですなぁ」
「応援してますぞ」
そんな感じだが、目つきがぎらついていて──たとえるならカルト宗教の教祖を見ているような感じだった。心を奪われているというか。
私も、メンデスを見ているだけで、胸がきゅんとなる、メンデスを見ているだけで、胸が高鳴って心臓がバクバクする。これが……魅了ってやつみたい。
もっとメンデスを見ていたい、尽くしたいという感情が芽生えてしまう。
無意識に魅了が発動してしまっているのね。こういった、メンデスが感情を出しているときに発動しやすいってことなのかしら。こんな感情や状況の時は気をつけないと。
「まあ、今ここで自分の力がわかったのはとても幸運だと思うよ。これから気をつければいいじゃん。まだ致命的なことをしたわけじゃないんだし」
「そうですね」
カイセドとメンデスに視線を向ける。
カイセドも、罪悪感を感じているのがわかる。表情が、どこか暗い。私は、カイセドの前に立って話しかけた。
「だから、今までの事を悔いるよりもこれからどうするかを考えなさい。私も、力になるから──」
「姉さん。ありがとう。ただ、やはり脳裏によぎってしまう。私は、まちがっていたのだろうか」
「大丈夫だって、カイ君は悪くないよ。自分を責める必要なんて全くないよ」
ミシェウがカイセドの肩に手をポンポンと置く。そして、笑顔を彼に向けた。
こういう周囲を励ますのは、わたしよりもミシェウの方がうまいというのがよくわかる。
「ミシェウありがとう。色々障害があるかもしれないが、乗り越えていくよ」
「私も、皆さんのために尽力いたしますので、今後共よろしくお願いいたします」
「わかったわ。だから、その気持ちを大切にしてね、わたしとの約束守ってよ!」
「はい、カイセドも、よろしくお願いします」
「ああメンデス。こちらこそ──君を一生愛合わせにするよ」
幸せそうな2人。メンデスのことを知ってもなお、2人の関係は変わらない。
そうだ、メンデスの魅了がどこまで発動していようと、愛する気持ちは本気なのだ。その気持ち自体を踏みにじることは許されない。
「大丈夫。俺のメンデスに対する心は変わらない。心配しないで、大切にするから」
「ありがとうございます」
抱き合う2人。これだけを見ても、2人が愛し合っているのだというのが一目でわかる。
幸せそう。これが国家とは関係がない身分だったら、幸せに愛し合う2人として私も応援していただろう。
「とりあえず、私が今わかることはここまでね。また、色々資料あさったり、何かわかったことがあったらみんなに伝えるわ」
「そうだな。俺もそろそろ宮殿へ戻ろうと思っていた所だ」
「ああ……私も政務があるのでそろそろ」
まずはメンデスとカイセドと、警備役の兵士の人。
周囲の人たちも徐々に席を立ち始めた。まあ、みんなこの国を動かすものとして、大なり小なりやることがあるもんね。今日はこのくらいにしようか。
そして、他に人たちは一人、また一人とこの場を去っていく。
ミシェウは、にっこりと彼らに手を振った。
みんながこの場からいなくなって、この場にいるのは私とミシェウ、今は背中を向けているアルルの3人だけとなる。
そう、いつもの3人。
そしてアルルはくるりとこっちを向いた
「居残りありがとう。察しがいいわね」
「どういたまして~~こうなることは予想してたし。アルちゃんが話したいこと、離していいよ」
「私達にしか、言えないことという事ね」
「察しがいいわね」
その言葉通り、私達にしか言えないことをここで言う気だ。何なのだろうか。胃が痛くなるようなことじゃないといいけど。
「じゃあ、3人になったことだし言いたいこと、言っていいよ」
ミシェウの言葉にアルルはこっちを見て、腕を組みながら話を始めた。
「人が信じると書いて儲けとは、よくいったものね」
「どういうこと?」
「あの取り巻き達、周囲をしっかり調べたほうがいいわ。なんか怪しそう」
「そうなの? メンデスちゃんの魅了に取り付かれちゃったんじゃないの?」
「それもあるかもしれないけど、今までの経験則からすると、ああいう人にの周りにはヒルみたいな人がまとわりつくのよね」
「そう?」
「考えてみいればわかるわ。保護欲があって、気弱そうな容姿。あまり人を疑ったりしないお人好しで優しい性格。おまけに、夫はメンデスを溺愛して国王。彼女を悪用しようとする人にとっては、付け入らない理由がないと思った方がいわ」
「そうよね」
うすうすとは感じていた。メンデスに、詐欺師みたいなやつが隣りにいてしまったら。疑うことを知らないメンデスは何の疑いもなく受け入れてしまうだろう。 そして、そんな奴がメンデスの力を悪用しようとしたら──取り返しのつかないことになるとは。
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