~~婚約破棄から始まる天才少女と占星王女の天聖革命~~ 最強無敵の冷徹令嬢は最愛の王女様を救うため、世界をやり直すようです

静内燕

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3章

再び、スラム街へ

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「現実は厳しいよね」

「メンデスという人は信用してもいい。でも、周囲に寄ってくる人は違うわ。メンデスの優しさと、カイセドから溺愛されているという状況を利用しようとしてくる人が必ず出てくる。あなたたちは、そこを調べなさい。絶対に、何か出てくるはずよ」

「わかったわ」

 私はコクリとうなづいた。そうね、メンデスは信用してもいい人かもしれないけど、だからこそ、周囲にはそうでない人が集まってしまう。

 メンデスの、取り巻きの人。メンデスのためにも、周囲に目を光らせないと。


「じゃあさ、これからはメンデスの周囲を洗い流せばいいってこと?」

「確かに、ちょっと、調べれば十分埃が出てきそう。協力してくれるかしら?」

「ごもっとも。っていうかあるアルルちゃんも協力してくれるんだ~~ありがとう!」

「当然よ。とっても特殊な魔力なんだもの。調べがいがあるわ」

「ありがとう」

 アルルが味方になってくれたというのは、とても心強い。アルル──何百年と生きてきたせいか、怪しい気配を察知する嗅覚みたいなものがすごいのよね。人を見る目があるっていうか。私達とは経験が違うって感じ。
 これは、何かわかるかもしれない。


「知らなかった。確かに、以前の世界でもメンデスは人を引き付けるとは思っていたけど、こんな秘密があったなんて」

「私の世界線でもそうだったかな。それでシャマシュが正論で攻めて、周囲から反感を買うっていうお決まりのパターンにはまってました」

「私らしいな」


「自覚してるなら、それ何とかしなよ」

「出来るならとっくにやってるわよ。ミシェウだって、不真面目な性格そのままでしょ」

「まあ、そうねぇ」

 苦笑いして言葉を返してくるミシェウ。
 まあ、わたしだもの。どこの世界でも、そんなことを繰り返しているのね。性格ってのは自分に十何年も地味ついてしまったものだから簡単には変えられないかもしれないけど、何とか少しでも変えられるようにして、周囲のことを考えられるようになりたい。



 そして、私たちは建物を出る。

 これからも大変な日が続きそうだ。




「この人がおかしいのね」

「ええ。それで、今日ここで取引があるらしいわ」

「何が待っているのか楽しみだねぇ」

 アルルの部屋に行った日から数日後。
 私達は調査の名目で3人でいろいろな人の動きを見たり、王国の帳簿の調査などをしていた。その中で──怪しい動きをしている人がいたのだ。

 対象となったのはメンデスのコンラート家のところの領地の、ソボロフという地を収めている下級貴族ニコライ家の領主の弟──の隣にいる商人。

 聞いた情報によるとメンデスとも面識があり、商人を通じて珍しい物資や有用な鉱石、秘薬などを取引していて、商人とのつながりがある人として認識されているとか。

「この人、確かにメンデスや王族の人とも取引をしているんだけど──動きが不審なのよ。上流層の人と取引をしている割には、スラム街の商人なんかと会ったりもしているし、ちょっとつけてみたら何かるかもしれないわ」

「わかったわ。そこに行けばいいのね」

 ララーナにも協力を頼んだら、すぐに情報を見つけてくれた。とっても頼りになるわね。
 そして、アルルにも情報を報告して後をつけることにした。

 そして、対象の人物。ニコライ・クリークが外出したところを目撃。ひげを生やした、長身の中年くらいの男の人。
 すぐに後を追い、スラム街エリアまでやってきた。治安が悪そうなエリア。この前メンデスがいたところの近くにある、古びた今にも倒壊しそうな建物に私たちはいる。

 周囲に聞こえないように、ひそひそと話す。

「こんなところに入って──何か取引でもしているのかしら」

「──見ればわかると思うわ」

 そして、物陰からそっと建物の中を見てくる。

「おおっ!! クリーク、遅かったぞ」

「しょうがねぇだろ。最近、この回りを付け狙ってるやつがいるみたいでさ。色々とめんどくせぇんだよ」


 見回すと、それなりのスペースがある建物中には数人ほどの人がいる。そして、その中の一人が突っかかっているような状況だった。
 中の人はどれも、ぼろぼろの布切れの上に寝っ転がって長いパイプのようなものを喫煙具のようにして吸っている。
 どれも頬がこけていて、痩せ細っているのがわかる。病気か何かかな?

「変な光景だね」

「ああ……これはまさか」

 アルルはそう呟いてコクリとうなづいた。アルルは──この正体を掴んでいるという事かな?


 改めてみると、突っかかっている抗議した人も、肋骨が見えるくらい、やせぼそった人。痩せているのもそうだが──明らかに目つきがおかしい。どの人も目が何かを以上に欲しているように、ぎらついていた。その目は、クリークを見ているわけでもなく視線をうろつかせ焦点があってない。

 それだけじゃない。彼の後ろにいる人も似たような感じ。そして、男の人が四つん這いでクリークまで進むと、大きな布の袋をどさっと床に置く。

「まあいい、御託は後だ。金は持ってきた、早くあれをよこしてくれ。アヘン」


「わかったよ。これな」
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