~~婚約破棄から始まる天才少女と占星王女の天聖革命~~ 最強無敵の冷徹令嬢は最愛の王女様を救うため、世界をやり直すようです

静内燕

文字の大きさ
120 / 137
3章

激闘の戦場

しおりを挟む

 腹に覚悟を添えて、突っ込んでいく。

「みんな、いっせいに突っ込むぞ。逃げる出ないぞ。王国の兵士として、意地を見せよ!! 逃げたら、犠牲になるのは罪なき国民たちだ!」

 そうだ、逃げるわけにはいかない。どれだけ厳しい戦況になろうとも。逃げるわけにはいかないのだ。

 大量の兵士たちを、一人ずつ倒していく。一人一人はそこまで強くないとはいえ、この平原一体に魔王軍たちが埋め尽くすぐらいいる。

 この数──魔力が持つかどうか。私だけじゃない。ありったけの魔術師を集めてはいるが──それで何処まで兵力を削れるか。

 まずはそこが重要。


「シャマシュ、そろそろ反撃にでないと」

「わかったわ」

 そして、私とミシェウも戦いに参加していく。ここにいる以上、黙って見ているわけにはいかない。みんなが死力を尽くして戦っている中で、自分達だけ見ているだけなんて性に合わない。
 出来るだけ兵力を削って、前線の兵士の負担を軽くする。


 深呼吸をして精神を集中させてから、一度視線を合わせて、同じタイミングで術式を放つ。

 占星術 ──アストログラフ・フレイム──

 天候は──雷。私たちに力を──集いし光が、新たに輝く閃光となる。
 サンダー・ヨシュア・メタイオン

 2人同時に強力な術式を放っていく。絶対に負けない。そんな誰にも負けない強い想いを込めて──。


 大きな爆発音を放って、その場にいた魔王軍たちが何十人も吹き飛んでいく。

 同じように周囲にいた魔術師たちが次々と術式を放っていった。どれも、王国でもランクの高い
 放たれた攻撃たちは次々と命中していく。
 戦線の後方。間違って味方に損害を与えることがないよう奥の魔王軍たちがこっちに突っ込んでくるところを狙う。

 こっちの陣地から遠く離れた場所。
 というより、こっちの領地に近づかれると攻撃が放てない。味方に当たってしまうからだ。

 それでも、こうして遠距離攻撃で敵の数を減らしていけば、前線で戦う人たちの負担を減らせる。
 というより、接近戦で戦えないこっちができることと言えば、これくらいしかない。

「次行くよ、ひるまないでシャマシュ!!」

「は、はい!」

 ミシェウの強い掛け声に、私も、周囲の魔術師たちも強く呼応。次々と、威力の高い攻撃が繰り出されていく。

 ひとつの攻撃で、何十人という兵士がなぎ倒されていくが──それだけで敵をすべて倒すことはできない。倒したところに、後ろから次々と兵士たちがこっちに向かってくる。

 というより、敵の兵士は目の前で味方兵士の身体がバラバラに吹っ飛んでも進軍するのをやめない。

 よほど士気が高いのだろうか。それとも、逃げられないのだろうか──。

 攻撃を連打する中で、ロザリアの姿も見かけた。勇気をもって前線へ飛び出し、次々と相手をなぎ倒していた。部下らしき周囲の兵士たちも、ロザリアに呼応され、高い指揮で戦っているというのが見えとれる。



 とはいえ一人が局地的に活躍しても、他が続かなければ出来ることは限られる。全体としては──互角の戦いといったところか。
 今日の所は、周囲が奮戦して戦線が破られることはなかった。

 向かってくる敵に、私たちや魔術師が何度も何度も攻撃を与えていく。そして、それをかいくぐった敵たちを前線の兵士たちが倒していく。その繰り返しといった形。

 その繰り返しで夜になって、突撃してくる兵士たちはいなくなった。
 奇襲に備えて警備役をしている人を除いて、ひとまずの休息となる。


 一般兵は、食事をとったり負傷した人は負傷具合によって治療、もしくは後方へ帰還させたり──。

 前線では、体を休めている人や仲間たちと故郷の歌を歌ったり、踊りを踊ったり──明日からも死闘が続くという事もあり各自短い休養ととっていた。

 一方私達指揮官や上の立場の人間は──まだやるべきことがある。
 戦線の後ろにある簡易的な建物。そこに戦場での指揮官クラスやこっちにいる貴族組が集まっていた。
 現在の戦況の報告と確認を行う。

「とりあえず、敵の攻撃に耐えてはいます。被害も、こっちの方が敵の半分くらいに抑えております」

「そうね。私も確認したけど、戦線が突破された様子はなかったわ」

 その言葉に、少しだけ安堵。しかし、私は表情を緩めない。

「それはよかったです。しかし、まだまだこれからです」

 初日。何とか敵の攻撃を耐え、戦力の消費も魔王軍と比べて少なく済む結果となった。しかし、手放しに喜ぶわけにはいかない。
 人間である以上疲労はしてくる。どこまで、この戦いは維持できるかは未知数だ。

 真剣な表情で、周囲を見回しながら言う。

 そう、兵力だって無限じゃない。相手も同じだけど、数で負けてる分時間が経てば不利になっていくのはこっちだ。
 その前に、何とか策を施さないと。

「という事で、今日は長話はしません。手短に状況の共有をしたら現場で戦っている人は体を休めてください」

「わかりました」

 指揮官だって、疲労を押して戦っている。早く休ませて体力の消耗を抑えたほうがいい。


 それから貴族組同士で、今後の事や敵の攻撃予測などを行って──それで終わり。私たちも明日からも戦いが続くという事もあってこの場から返してもらった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」 「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」  私は思わずそう言った。  だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。  ***  私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。  お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。  だから父からも煙たがられているのは自覚があった。  しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。  「必ず仕返ししてやろう」って。  そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと宣言されたけどレベル1の状態でも実は最強な村娘!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
この世界の勇者達に道案内をして欲しいと言われ素直に従う村娘のケロナ。 その道中で【戦闘レベル】なる物の存在を知った彼女は教会でレベルアップに必要な経験値量を言われて唖然とする。 ケロナがたった1レベル上昇する為に必要な経験値は...なんと億越えだったのだ!!。 それを勇者パーティの面々に鼻で笑われてしまうケロナだったが彼女はめげない!!。 そもそも今の彼女は村娘で戦う必要がないから安心だよね?。 ※1話1話が物凄く短く500文字から1000文字程度で書かせていただくつもりです。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

処理中です...