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暗殺者ってなーに?
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5月20日
今日僕は暗殺者になった。机の上にある黒いボストンバッグにはきらきらと尖ったナイフやずっしりと重い真っ黒な拳銃が入っている。かっこよくて憧れの仕事。小さい頃に両親と見たスパイ映画の様だと思ったからだった。拳銃もナイフもかっこいいし、心が弾んだ。
6月2日
僕の住んでいる家に手紙が着た。真っ白ななかにも模様が浮き出ている立派な封筒に黒に赤が混じったような色のシーリングスタンプが堂々と押してあった。手紙には〔西の森・椿の木・木の家・松河健治郎〕とだけ書いてあった。この手紙を見て眉をしかめた。手紙によって暗殺は現実味を増し、どうやって行おうか僕を悩ませたからだ。
6月3日
昨日の手紙に引き続き藁半紙で包まれた小包が着た。中には毒のつくり方が書いてある本が5冊ほど入っていた。本当のスパイのようで胸が踊った。午後には裏の小山に行って、毒の材料を探し作ってみた。とろとろとした無色透明な液状の毒とクリーム色でさらさらしたの粉ような毒が出来た。本当に毒が効くのか確かめたいから明日やってみようと思う。
6月4日
昨日作った毒を庭にいた鼠で試してみた。毒の粉を溶かした水を小鉢に入れ、籠に鼠とその小鉢を入れた。少し経つと鼠は水を口にした。するとみるみるうちに泡を吹き、血をちょうど咳をするように吐き死んだ。僕の中に鼠を支配したという、一種の優越感が込上がってきた。
6月13日
とうとう今日が暗殺する日だ。西の森に入ってそこにある小川を辿ると、奥に椿の木が植わっている木の家があった。僕は胸元のポケットに仕込んだナイフの冷たさを感じひとつ深呼吸をした。ナイフには手製の毒がたっぷりと塗られていた。木の家の玄関をノックする。その時に初めて自分の手が震えていることに気がついた。松河健治郎はすぐに出てきた。一人だった様子で安心できた。奴はまるい体型で人の良さそうな奴だった。僕は道に迷ったと嘘をついて中に入れてもらった。奴は麦茶を用意してやるよとにこにこしながら言った。これからこいつを殺すということを忘れてしまいそうな程いい奴だった。麦茶を飲みしばらく話をしていると奴は途中トイレに行った。僕はいいことを思い付いた。奴の麦茶に粉の毒を混ぜればいいのだ。僕は粉をいれ持っていた鉛筆でよくかき混ぜた。奴は帰ってきて自分の麦茶を飲んだ。僕はしめたっと頭の中で叫んだ。鼠よりは毒の廻りが遅くて焦ったが泡を吹いて木の椅子から倒れ落ちた。僕は震える手を押さえてさっきのナイフでとどめをさした。あばら骨や心臓を突き抜ける固いような柔らかいような奇妙な感覚がナイフ越しに僕の手に伝わってきた。ぱっと赤いのが木の床一面に広がる。それも怖かったが、何よりも鏡が怖かった。掛けてある大きい鏡に映る自分は、薄気味悪く笑っていた。
今日僕は暗殺者になった。机の上にある黒いボストンバッグにはきらきらと尖ったナイフやずっしりと重い真っ黒な拳銃が入っている。かっこよくて憧れの仕事。小さい頃に両親と見たスパイ映画の様だと思ったからだった。拳銃もナイフもかっこいいし、心が弾んだ。
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僕の住んでいる家に手紙が着た。真っ白ななかにも模様が浮き出ている立派な封筒に黒に赤が混じったような色のシーリングスタンプが堂々と押してあった。手紙には〔西の森・椿の木・木の家・松河健治郎〕とだけ書いてあった。この手紙を見て眉をしかめた。手紙によって暗殺は現実味を増し、どうやって行おうか僕を悩ませたからだ。
6月3日
昨日の手紙に引き続き藁半紙で包まれた小包が着た。中には毒のつくり方が書いてある本が5冊ほど入っていた。本当のスパイのようで胸が踊った。午後には裏の小山に行って、毒の材料を探し作ってみた。とろとろとした無色透明な液状の毒とクリーム色でさらさらしたの粉ような毒が出来た。本当に毒が効くのか確かめたいから明日やってみようと思う。
6月4日
昨日作った毒を庭にいた鼠で試してみた。毒の粉を溶かした水を小鉢に入れ、籠に鼠とその小鉢を入れた。少し経つと鼠は水を口にした。するとみるみるうちに泡を吹き、血をちょうど咳をするように吐き死んだ。僕の中に鼠を支配したという、一種の優越感が込上がってきた。
6月13日
とうとう今日が暗殺する日だ。西の森に入ってそこにある小川を辿ると、奥に椿の木が植わっている木の家があった。僕は胸元のポケットに仕込んだナイフの冷たさを感じひとつ深呼吸をした。ナイフには手製の毒がたっぷりと塗られていた。木の家の玄関をノックする。その時に初めて自分の手が震えていることに気がついた。松河健治郎はすぐに出てきた。一人だった様子で安心できた。奴はまるい体型で人の良さそうな奴だった。僕は道に迷ったと嘘をついて中に入れてもらった。奴は麦茶を用意してやるよとにこにこしながら言った。これからこいつを殺すということを忘れてしまいそうな程いい奴だった。麦茶を飲みしばらく話をしていると奴は途中トイレに行った。僕はいいことを思い付いた。奴の麦茶に粉の毒を混ぜればいいのだ。僕は粉をいれ持っていた鉛筆でよくかき混ぜた。奴は帰ってきて自分の麦茶を飲んだ。僕はしめたっと頭の中で叫んだ。鼠よりは毒の廻りが遅くて焦ったが泡を吹いて木の椅子から倒れ落ちた。僕は震える手を押さえてさっきのナイフでとどめをさした。あばら骨や心臓を突き抜ける固いような柔らかいような奇妙な感覚がナイフ越しに僕の手に伝わってきた。ぱっと赤いのが木の床一面に広がる。それも怖かったが、何よりも鏡が怖かった。掛けてある大きい鏡に映る自分は、薄気味悪く笑っていた。
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