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初等部一年
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正門から伸びる大通りの先、大きな噴水のある広場にやってきた。ここが新入生たちの集合場所だ。
広大な敷地には、花壇に春の花が咲き誇り、噴水のきらめきが目に眩しい。
先に来ていた新入生たちは、制服姿の先輩たちに引率されて、並んで待っているのが見えた。
あれはもしかして円卓の人たちかな?
『アウレリア円卓』。 それは中等部以上の上級貴族のみが所属する精鋭集団。学園卒業後には国の中枢を担うことになるので、学生のうちにコミュニケーションを取っておこうと設立された団体だ。
全ての学生たちの憧れの的にして、この学園のシンボル。
彼らはこうやって学園の重大なイベントにも顔を出している。
そして、私はその中の一人に声を掛けられた。
「リシェリア」
その声のする方を見ると、すごいイケメンの少年が手を差し伸べていた。
太陽の光を浴びたような柔らかな金髪。静かにたたえた水面のような澄んだ水色の瞳。
端正で整った顔立ち。眉はややきりっとしているが、目元にはやわらかさがある。
少年期ながら、すでにすらりとした長身。
何を隠そう、この美少年こそ私のお兄様にして円卓メンバーの一人、フェリクス・アルディアなのだ。うひょひょひょひょ!
いやあ、もうこんなの有料級ですわ。
「あっ、お兄さま……」
私はそっとその有料級の手に触れた。妹なのでいくら触っても無料だ。どうよ? 羨ましかろう。
「緊張しなくても大丈夫。さあ、会場に向かおう。今日は父さんと母さんも来ているよ」
お兄様の言葉に、小さくうなずく。
──まあ、本音を言えば今からでも帰りたいんですけどね!
そんな内心を必死で押し隠しながら、私たち新入生はお兄様たちに引率されて体育館へ向かった。
体育館の中はすでに整然と椅子が並べられ、後ろの席には保護者たちが座っていた。
人がいっぱいいてわからないが、あの中にお父様とお母様がいるのだろう。
天井は高く、ステンドグラスから射し込む光が、荘厳な雰囲気を一層引き立てていた。
私は指定された席に座る。
制服のリボンを整えながら、改めて自分の姿を見る。
ログレス学園初等部の制服は、白と紺を基調としたシンプルながら格式高いデザインだった。 紺色のジャケットに、胸元には家の紋章を模したブローチ。 スカートは膝丈で、清楚な印象を与える。
隣には、同じように緊張した面持ちの新入生たちが並んでいる。 王族、侯爵家、伯爵家、子爵家……格式高い家柄の子供たちだ。
ここ、ログレス学園は、初等部・中等部・高等部に分かれており、王都屈指のエリートたちが集う場所だ。
転生前の日本とは違い、初等部3年、中等部3年、高等部3年の計9年が義務教育となる。
初等部から高等部まで内部進学できるが、中等部・高等部の進級時には、他の学園からも優秀な生徒が編入してくる。
ぼーっとしてると、あっという間に落ちこぼれになってしまうのだ。 はあ、気が滅入る。
そんなことを考えていると、式が始まった。
──はじめのことば。
──国歌斉唱。
──学園長の話。
私は静かに姿勢を正し、淡々と進んでいく式次第に従った。
(ああ……クソつまらな──いえ、厳粛な式典なことですこと。)
心の中で毒づきつつ、真剣な眼差しで式を見つめる顔を貼り付けて真面目を装う。 ったく、はやく終わんねえかな。
やがて学級担任紹介が終わり、在校生代表の祝辞、校歌斉唱と続く。
式は無事に終了し、新入生たちは誘導されながら退場した。 やっと終わった──!
生徒たちの流れに任せて移動し、門の前まで戻ると、そこには大きなボードが設置されていた。 クラス分けが発表されているのだ。
私はドキドキしながらボードに近づいた。 今朝の警報アラートを思い出す。 あの絶対関わってはいけないという本能の叫びを。
(お願い、王太子殿下と同じクラスだけは、勘弁して……! 王太子は駄目……。王太子は駄目……。)
そんな願いが届いたのか、ボードに書かれていたクラスは──
リシェリア・アルディア──C組。
そして、ジルヴァン・フォン・アウレリア──A組。
(やったあああぁぁぁ! ありがとう、組み分け帽!!)
私は心の中でガッツポーズを決めた。
広大な敷地には、花壇に春の花が咲き誇り、噴水のきらめきが目に眩しい。
先に来ていた新入生たちは、制服姿の先輩たちに引率されて、並んで待っているのが見えた。
あれはもしかして円卓の人たちかな?
『アウレリア円卓』。 それは中等部以上の上級貴族のみが所属する精鋭集団。学園卒業後には国の中枢を担うことになるので、学生のうちにコミュニケーションを取っておこうと設立された団体だ。
全ての学生たちの憧れの的にして、この学園のシンボル。
彼らはこうやって学園の重大なイベントにも顔を出している。
そして、私はその中の一人に声を掛けられた。
「リシェリア」
その声のする方を見ると、すごいイケメンの少年が手を差し伸べていた。
太陽の光を浴びたような柔らかな金髪。静かにたたえた水面のような澄んだ水色の瞳。
端正で整った顔立ち。眉はややきりっとしているが、目元にはやわらかさがある。
少年期ながら、すでにすらりとした長身。
何を隠そう、この美少年こそ私のお兄様にして円卓メンバーの一人、フェリクス・アルディアなのだ。うひょひょひょひょ!
いやあ、もうこんなの有料級ですわ。
「あっ、お兄さま……」
私はそっとその有料級の手に触れた。妹なのでいくら触っても無料だ。どうよ? 羨ましかろう。
「緊張しなくても大丈夫。さあ、会場に向かおう。今日は父さんと母さんも来ているよ」
お兄様の言葉に、小さくうなずく。
──まあ、本音を言えば今からでも帰りたいんですけどね!
そんな内心を必死で押し隠しながら、私たち新入生はお兄様たちに引率されて体育館へ向かった。
体育館の中はすでに整然と椅子が並べられ、後ろの席には保護者たちが座っていた。
人がいっぱいいてわからないが、あの中にお父様とお母様がいるのだろう。
天井は高く、ステンドグラスから射し込む光が、荘厳な雰囲気を一層引き立てていた。
私は指定された席に座る。
制服のリボンを整えながら、改めて自分の姿を見る。
ログレス学園初等部の制服は、白と紺を基調としたシンプルながら格式高いデザインだった。 紺色のジャケットに、胸元には家の紋章を模したブローチ。 スカートは膝丈で、清楚な印象を与える。
隣には、同じように緊張した面持ちの新入生たちが並んでいる。 王族、侯爵家、伯爵家、子爵家……格式高い家柄の子供たちだ。
ここ、ログレス学園は、初等部・中等部・高等部に分かれており、王都屈指のエリートたちが集う場所だ。
転生前の日本とは違い、初等部3年、中等部3年、高等部3年の計9年が義務教育となる。
初等部から高等部まで内部進学できるが、中等部・高等部の進級時には、他の学園からも優秀な生徒が編入してくる。
ぼーっとしてると、あっという間に落ちこぼれになってしまうのだ。 はあ、気が滅入る。
そんなことを考えていると、式が始まった。
──はじめのことば。
──国歌斉唱。
──学園長の話。
私は静かに姿勢を正し、淡々と進んでいく式次第に従った。
(ああ……クソつまらな──いえ、厳粛な式典なことですこと。)
心の中で毒づきつつ、真剣な眼差しで式を見つめる顔を貼り付けて真面目を装う。 ったく、はやく終わんねえかな。
やがて学級担任紹介が終わり、在校生代表の祝辞、校歌斉唱と続く。
式は無事に終了し、新入生たちは誘導されながら退場した。 やっと終わった──!
生徒たちの流れに任せて移動し、門の前まで戻ると、そこには大きなボードが設置されていた。 クラス分けが発表されているのだ。
私はドキドキしながらボードに近づいた。 今朝の警報アラートを思い出す。 あの絶対関わってはいけないという本能の叫びを。
(お願い、王太子殿下と同じクラスだけは、勘弁して……! 王太子は駄目……。王太子は駄目……。)
そんな願いが届いたのか、ボードに書かれていたクラスは──
リシェリア・アルディア──C組。
そして、ジルヴァン・フォン・アウレリア──A組。
(やったあああぁぁぁ! ありがとう、組み分け帽!!)
私は心の中でガッツポーズを決めた。
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