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第1章 揚げ出し鶏と淡い恋 料理屋「〇」黎明編1
揚げ出し鶏と淡い恋3
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「ぐぅぅぅ…」
抱き上げている黒猫から盛大な音がしたので、
「君は腹が減ってるのか?」
黒猫は恥ずかしそうに下を向きながら、頷いている
血抜きが終わるまでしばらくかかりそうだったので、ポーチからおもむろに三角の物体を取出し
「じゃあ俺が持ってきた飯でも食うか?おにぎりだけど…」
ものすごいキラキラした眼で俺を見上げるや否や…
「い…いただきますなのにゃー!!」
と、飛びつく勢いでおにぎりを取り上げられた
「こ・・・これは?!…初めて食べるにゃ…でもとっても美味なのにゃー!!」
中身は何のことはない最近出汁を作る為に市場にあった鰹節もどきで取った出汁から出てきたガラに
醤油を混ぜたいわゆるあれだ
「それは…おかかのおにぎりだよ」
「おかか?何なのにゃこれは…身体の隅々まで喜びがあふれる感じなのにゃ…
にゃんこまっしぐらなのにゃー!!」
「どこで覚えたんだかw…喜んでくれて嬉しいよ」
艶のある黒毛の猫だが、どうやら久しくご飯を食べられなかったのだろう、身体は少しやつれたような痩せぎすの身体、普段なら苦もしないであろうウッドバードの直線的な攻撃にも苦戦するほど腹が減っていたに違いない
「これも食べるか?」
「今度は何なのかにゃ?」 はむッと一口齧るとみるみる幸せそうなウットリとした表情でかみしめ始める
「それは昆布だな…甘辛く煮付けたから、ご飯がすすむだろw好きなだけ食えばいいさ」
海苔が巻いてあれば、なお嬉しいのだが、此方の世界ではまだ海苔は概念にないのか市場では売ってなかった
近いうちに港町や、海岸線の村にでも行き、海苔を作ろうかと考えてはいたが、今はシンプルに和食を作れる環境にあっただけでも儲けものと考えていた
美味いにゃ…幸せにゃ…うみゃー♡
黒猫は本当に喜んでくれていた…可愛くてずっと見ていられる
この情にほだされた態度をみせたのが間違いだった
「そういえば、君は名前はあるの?あるなら教えてほしい」
「ん?名前?名前は判らないのにゃ…ずっと一人だったからにゃ……」
少し寂しそうに笑っているな、かわいそうに
と思うと…
「そうにゃ!!ご主人様が名前を付けてくれたら嬉しいにゃ!!そうだにゃ!それが良いにゃ!!不束者だけどよろしくなのにゃ!!」
「へ?」
変な声が出た
「だからこれからご主人様と一緒に暮らすから好きに名前を付けてほしいにゃ…」
「ん??」
どういうこと?
「だからにゃ、助けてくれたということはこれから面倒をみると言ってくれたも同然にゃ!!だからご主人様に名前を付けてもらえると嬉しいのにゃ♡」
「ちょっ!!なんで?俺が君を助けたのは偶然…」
「偶然の出会いでも、助けるということは最後まで責任取るという事なのにゃ!!人生甘くないのにゃ!!というわけでよろしくお願いいたしますなのにゃー!!異論は認めないなのにゃ!!!」
「そんな横暴な・・・」
「こんなか弱いにゃんこを森の中でほっといて捨てていくのかにゃ…ご主人様は鬼なのですかにゃ?」
「……か弱いにゃんこにしては押しが強いんじゃ…」
「鬼さんがおにぎりくれたなんて洒落にもならないにゃ♡というわけにゃので末永くお願いなのにゃ♡」
「名前もよろしくなのにゃー♡♡♡」
「…………ぷッ」w
押し切られて笑ってしまったw
「仕方ないな、じゃあ君の名前はミャオ!ミャオって呼ぶことにするよ…よろしくな!!」
「そう来なくちゃなのにゃー!ミャオ嬉しいのにゃ!!ご主人様の名前も押してほしいのにゃ♡」
「俺はハル」
「ご主人様はハル様かにゃ…これからいっぱい尽くさせてもらうにゃ♡だからおいしいご飯よろしくなのにゃ♡」
「尽くすのは俺なのでは…?」
そんな疑問を抱きつつ、ミャオを抱えながらウッドバードと大量の森の恵みをゲットして家路につくのであった
抱き上げている黒猫から盛大な音がしたので、
「君は腹が減ってるのか?」
黒猫は恥ずかしそうに下を向きながら、頷いている
血抜きが終わるまでしばらくかかりそうだったので、ポーチからおもむろに三角の物体を取出し
「じゃあ俺が持ってきた飯でも食うか?おにぎりだけど…」
ものすごいキラキラした眼で俺を見上げるや否や…
「い…いただきますなのにゃー!!」
と、飛びつく勢いでおにぎりを取り上げられた
「こ・・・これは?!…初めて食べるにゃ…でもとっても美味なのにゃー!!」
中身は何のことはない最近出汁を作る為に市場にあった鰹節もどきで取った出汁から出てきたガラに
醤油を混ぜたいわゆるあれだ
「それは…おかかのおにぎりだよ」
「おかか?何なのにゃこれは…身体の隅々まで喜びがあふれる感じなのにゃ…
にゃんこまっしぐらなのにゃー!!」
「どこで覚えたんだかw…喜んでくれて嬉しいよ」
艶のある黒毛の猫だが、どうやら久しくご飯を食べられなかったのだろう、身体は少しやつれたような痩せぎすの身体、普段なら苦もしないであろうウッドバードの直線的な攻撃にも苦戦するほど腹が減っていたに違いない
「これも食べるか?」
「今度は何なのかにゃ?」 はむッと一口齧るとみるみる幸せそうなウットリとした表情でかみしめ始める
「それは昆布だな…甘辛く煮付けたから、ご飯がすすむだろw好きなだけ食えばいいさ」
海苔が巻いてあれば、なお嬉しいのだが、此方の世界ではまだ海苔は概念にないのか市場では売ってなかった
近いうちに港町や、海岸線の村にでも行き、海苔を作ろうかと考えてはいたが、今はシンプルに和食を作れる環境にあっただけでも儲けものと考えていた
美味いにゃ…幸せにゃ…うみゃー♡
黒猫は本当に喜んでくれていた…可愛くてずっと見ていられる
この情にほだされた態度をみせたのが間違いだった
「そういえば、君は名前はあるの?あるなら教えてほしい」
「ん?名前?名前は判らないのにゃ…ずっと一人だったからにゃ……」
少し寂しそうに笑っているな、かわいそうに
と思うと…
「そうにゃ!!ご主人様が名前を付けてくれたら嬉しいにゃ!!そうだにゃ!それが良いにゃ!!不束者だけどよろしくなのにゃ!!」
「へ?」
変な声が出た
「だからこれからご主人様と一緒に暮らすから好きに名前を付けてほしいにゃ…」
「ん??」
どういうこと?
「だからにゃ、助けてくれたということはこれから面倒をみると言ってくれたも同然にゃ!!だからご主人様に名前を付けてもらえると嬉しいのにゃ♡」
「ちょっ!!なんで?俺が君を助けたのは偶然…」
「偶然の出会いでも、助けるということは最後まで責任取るという事なのにゃ!!人生甘くないのにゃ!!というわけでよろしくお願いいたしますなのにゃー!!異論は認めないなのにゃ!!!」
「そんな横暴な・・・」
「こんなか弱いにゃんこを森の中でほっといて捨てていくのかにゃ…ご主人様は鬼なのですかにゃ?」
「……か弱いにゃんこにしては押しが強いんじゃ…」
「鬼さんがおにぎりくれたなんて洒落にもならないにゃ♡というわけにゃので末永くお願いなのにゃ♡」
「名前もよろしくなのにゃー♡♡♡」
「…………ぷッ」w
押し切られて笑ってしまったw
「仕方ないな、じゃあ君の名前はミャオ!ミャオって呼ぶことにするよ…よろしくな!!」
「そう来なくちゃなのにゃー!ミャオ嬉しいのにゃ!!ご主人様の名前も押してほしいのにゃ♡」
「俺はハル」
「ご主人様はハル様かにゃ…これからいっぱい尽くさせてもらうにゃ♡だからおいしいご飯よろしくなのにゃ♡」
「尽くすのは俺なのでは…?」
そんな疑問を抱きつつ、ミャオを抱えながらウッドバードと大量の森の恵みをゲットして家路につくのであった
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