料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子

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第1章 揚げ出し鶏と淡い恋 料理屋「〇」黎明編1

揚げ出し鶏と淡い恋5

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ウッドバードの骨と関節、筋に沿って肉を切り剥がしていく、軟骨の様なリンパ節は外しておく

今回使うのは一番柔らかく食べ応えのあるモモ肉なので、それ以外の肉や内臓、皮等の食える部位はマジックバッグ(状態保存、冷蔵機能付き)に戻す
冷蔵庫という概念はまだこちらの世界にはないようなので、便利なマジックバッグで保存した方がいい

細かく一口大に切り分けたもも肉に塩適量、ぺッパの粉(胡椒の代わり)少々、アホの実スライス(ニンニクの代わり)、ジジャの根のすりおろし(しょうがの代わり)少々、そして隠し味程度に魚醬とセサミン油(ごま油の代わり)を大匙で1匙
大きなボウル皿の中で愛情込めて混ぜる

から揚げ用のもも肉の仕込みだが、汎用性が高いから他の料理にも使える
これも味が染みるころにマジックバッグに戻しておく

同時進行で油に火を入れ、揚げ油を用意しつつ、隣のコンロで米を炊く
アナスタシアは小さい港もあるので、国外からの食材も比較的手に入りやすい街だったので、市場で見つけた時には泣いて喜んだくらいだw
市場の食材は豊富なのに味付けは塩か砂糖しか使わない人も多く、料理という分野は未開の国と言っても過言ではないくらい

本当にもったいない…

米が炊き上がる頃に合わせて、出汁に魚醬と、米から作ったみりん、同じく米から作った酒を入れた鍋を沸かし、森で見つけたカタクリの根っこから作った片栗粉を水と同量で溶いて餡にする

下味をつけたウッドバードの肉を片栗粉を少しまぶして揚げる
揚げ油は菜箸を入れて気泡が出てシュワっとするくらいで5分位…揚げた肉は余分な油をきった所で皿に移し
先程作った餡をかけて、千切りのジジャの実と色味でネーギの刻みをかけて完成

「お待たせ!今日の賄は揚げ出し鶏だよ!」
新鮮な肉とご飯と吸い物…簡単な賄いではあるが、間違いなく美味い

「待ってたニャー♡あげだしドリー-ってよくわかんないけど美味そうなのにゃー♡」

拭いてもらったテーブルに座ってもらい、トレーに料理を乗せて出す
作りたての料理は全て熱々でミャオはなかなか手を出せずにいた
フォークとスプーンを手渡し、両手に持ちつつフーフー息をかけている

俺は手作りの箸で肉をつまんで口に運ぶ…口の中に鶏の旨味と出汁の柔らかな餡が溶け合い口の中に美味しさが洪水の様だ

「んー美味い!!やっぱ新鮮だと最高だな!」
「ずるいのにゃ!早く食べたいけど熱そうだニャー!!ウゥゥ」

フーフーフーフー!!
行けると思ったミャオが口に肉を運ぶ

「これは美味いのにゃーーーーーー♡」

ミャオの喜ぶ笑顔は本当に可愛いw
「ご飯と一緒に食べるともっと美味しいよ」

「そうなのかにゃ?白いやつはおにぎりと一緒かにゃ?…ハルが美味しそうに食べてたから…エイッ」
パクっとご飯と一緒に食べると
「うみゃー♡これは最高のコンビなのにゃーーー♡スープも美味しいにゃ♡」

…猫舌なのは仕方ないが、温かいうちにご飯が食べれてよかった…

「おかわりもあるか…らな」
「おかわりなのにゃー!!!」かぶせ気味でおかわり強請られてしまったが…

「はいはい!」

喜んで食べてくれる人がいるだけでいつも食卓がとても楽しい空間になる
心からミャオを助けて良かったと俺は思った

出来ればお客さんにもこの幸せを共有していきたい…

「今日こそは…お客さんにも美味しい料理を食べてもらいたいな…」

「大丈夫にゃ!!こんなにおいしい料理にゃ♡お客さん喜ぶにゃ♡」

「ありがとう!頑張ろうな!」

まもなく開店時間が来る
俺は心の中で心配な気持ちを払拭するかのように気合を入れなおして看板を出し、暖簾を掲げたのであった











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