料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子

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第3章 咲き誇る竜花と大龍の意志 料理屋「○」拡大成長編1

狼と虎と時々親父〜運輸と海運は国の動脈〜6

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ジャイアントバットはその名の通り、大きな蝙蝠で、こちらの攻撃はヒラヒラかわして正確に爪や牙で襲われる嫌な魔物だった

正直、低レベルな近距離攻撃しか持たないパーティには厳しいと思うが、ある程度熟練した魔法使いがいれば簡単な魔物だ

ただ、数が多くて面倒くさい

ニーナさんはいつも通り広範囲の炎魔法で燃やそうとしていた
うーむ多少広い空間とはいえ洞窟内で燃え盛るデカい蝙蝠の断末魔が広がるのは嫌だなぁ

「ニーナさん今回は俺に任せて貰って良いですか?」

「良いですけど、燃やす他に倒す方法があるんですか?」

「何種類か有りますが、とりあえずはいつも通りのやつで」

俺はオールターゲットでのエアアブソーブを発動!

「!?」

バサバサバサバサってどんだけいたのーってくらい
大量のジャイアントバットが天井から無傷で落ちてくる

「何これー気持ち悪~いワハハ」
ロックさんがゲラゲラ笑いながら落ち続けるジャイアントバットの死骸を眺める

「信じらんねぇぜ・・・大概は10匹も倒せば実力が分かって襲って来なくなるのに」

「根こそぎですか?ヤバー」

「あれ?俺またやらかしましたか?」

「ガハハハッやったなぁ!」
「流石!大賢者様・・・やることなす事桁違いですか」
「いやー面白いですよマスター真面目に冒険者になりません?」

なりません!
・・・ちょっと倒せばいいとか・・・知らなかったんだもん

「まぁすぐどっかから湧いて来ますから・・・こんな楽に倒したの初めてですけど・・・プフフ」

・・・どうやらロックさんは俺という存在がツボに入ったようで、その後、楽しそうに俺を観察するようになってしまった

「私はマスターの今後が心配ですぅ」
ニーナさんは呆れながら心配している

ジャイアントバットの素材は皮と翼と爪と牙
様々な薬や防具に使われるので実は素材としては一流、だが燃やすか斬って倒すと価値は下がるので、無傷のジャイアントバットは中々無い
・・・という事で全てマジックバックに収納する
数が多すぎて意外と時間かかってしまった

そういえば、この間の地下ダンジョンの素材もギルドに出してないや・・・後でまとめて出そっと!
次のセーフポイントを目指す俺達

鉱石は、鉄、銅、銀、金、宝石類を中心に色々と取れる良質な鉱山なのだが、奥に行けば行くほどレアな鉱石が取れるらしく

最近の鉱山からダンジョンに入り、途中廃鉱山に繋がってさらに奥に行く
すると廃鉱山なのに広がったダンジョン部に新しく鉱石の取れるエリアが広がっていると発見されてから、良質な鉱石を目指す鉱夫と冒険者が増えたとの事

「こちらの鉱山はまぁ初級と中級レベルなので、良くて高価な宝石くらいなら奥で取れますけど、廃鉱山の深部はまだ未開地も多いので、正直何が取れるかわかりません」
「だがよう、ミスリルが獲れたって一時期話題になってよ、もしかしたら奥に行けばもっと凄ぇのがあるんじゃないかって噂なんだぜ」

「ミスリルって魔力を貯める性質があるんでしたっけ?」

「そうなんですよ!だから武器や防具に使われます、冒険者にとってミスリルの価値は高いですね」
「さらに上の素材となるとアダマンタイトやオリハルコンなんてのもあるがそりゃ伝説級だな」

「へぇ良いなそんな包丁欲しいなぁ」

「包丁かよ!」
3人がガクッとしながら突っ込んでくる

「だって、魔力で素材の美味さを落とさない魔法込めた包丁なんてあったら夢みたいじゃないですか、他にも熱の伝導率の高い鍋やフライパンとか最高だなぁ」

「マスターが料理人で良かったわ・・・」
「アナスタシアは今日も平和ですね」
「全ての道具がミスリル以上の料理屋・・・王城が建てられるレベルですけどね」

「そんな高いの?!」

「まぁ買うにはね・・・逆に売ればね・・・凄いわよ!しばらく遊んで暮らせるくらいかな」
「はあ・・・まぁ気長にお金貯めておきますか」

「冒険者専属になればすぐに貯まりますよー」

「まぁたまにお小遣い程度に稼げれば今は充分幸せなんで・・・」

「面白い程、欲がないですねプフフ・・・そういえば、自動販売のお金って結構稼げるんですか?お店より少し高めの値段でしたけど・・・」

「まぁ最初は数えてましたけど、今は記録だけして保留してますね・・・お店で銅貨5枚のから揚げを銅貨6枚で売って1日200個売れるくらいまでは数えてましたけど、今は3人に作った個数を報告してもらって、減った分を俺が報告して補充してもらってという流れで1ヶ月まとめて後日計算しようかなと・・・」 

ニーナさんが驚愕の表情を浮かべ
「待って?から揚げだけで、毎日金貨12枚以上入ってきてるの?」

「今は珍しいサービスとしてお客様?が集中していると思うので、もっと多いかも・・・まぁしばらくしたら落ち着くと思いますよ」

「今はそうかもだけど、各ダンジョンに増やしていくじゃない・・・これやばいんじゃない?」
「そういや・・・俺らはエールも2杯必ずと言って良いほど頼んでるし、小腹が減ったらおにぎりやサンドイッチ、ポテトもつまみにしてるなぁ・・・それほぼ全員だぜ?」

「1人銀貨4枚だとして、200人以上毎日のように?さらに増えてるの?毎日金貨80枚以上、下手したら白金貨1枚くらい・・・1ヶ月で富豪じゃない?!」

「いやいや経費もかかるんで、実利はそんなにないですし、今は開店ラッシュのような一時期だけですよー」

「マスターの料理は間違いなくこの国でトップクラス・・・売上が落ちるとは考えにくいから・・・はぁ3番目でも良いから嫁にいきたいわ・・・ミャオちゃんとリュカ姉さんに飽きたら私に言ってね!」

「えー?!そんな感じ?!」

「マスターよぉ、大賢者レベル冒険者の貴族並の稼ぎがある優しい平民なんてモテねーはずねぇだろ・・・なんなら俺も嫁にして欲しいくらいだぜぇガハハハッ」
「僕も嫁にして欲しいですプフフ」

「みんな揶揄わないで下さいね・・・」

そろそろ2個目のセーフポイントだ



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