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ふたなりへの道
32体目 緑、ふたなりになる8
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「……はっ!」
目が覚め慌てて飛び起きる緑。周りを見渡せば、菜々、楽、菜津美、レモン全員が自分を見守るように囲っていた。
「やっと起きたわね。全く」
「少し心配したよ」
「大丈夫ですか?」
「お昼食べ損ねたねー」
「お前ら……迷惑かけたな。この通り大丈夫だ。……ん? 昼? 今日は確か……ああっ!」
菜津美の一言を聞いて緑は慌てる。が、現時刻は昼飯の時間をとっくに過ぎた夕方六時であり、それを確認すると力無くベッドに倒れた。
「何、いきなり……」
菜々は、感情の起伏が激しい緑に若干引き気味で説明を求める。
「……マグロ」
「は?」
「マグロの竜田揚げぇ……」
本日の昼メニュー「マグロの竜田揚げ」は、荒獣によって侵攻され荒廃した日本では港の復旧が進んでおらず(それでも海上輸送の力は大きく、輸出入の殆どを担っているが)、かなり珍しい料理となっている。
とはいえ肉類はある程度自給できており、専ら鶏肉で腹は満たされるのだが……。
「あ、あれ好きなの?」
「う~……」
緑は味が好みらしく、数ヶ月に一度しか出ないこの料理は大好物であった。
「ツイてない……しかも菜津美は先に復帰してるし……」
「まーそこは流石に体力の差だよね! 私に正面突破で完勝しようとか810年早いのだー! ……あれ、みどりん? え、本気で泣いてる?」
「うるさい! 泣いてない!」
緑は枕に顔を埋めながら、くぐもった声で精一杯叫んでみる。残念ながら、誰がどう見ても泣いてるようにしか見えなかった。
「あーあ。泣かせちゃったね。菜々くん?」
「あえ? なんで私なのよ」
「ちょっと酷いです……菜々さん」
「えー……私が悪い空気なのこれ」
「そーだよサラダ」
「アンタは黙ってなさい」
「塩対応!」
緑が泣いていることなどほぼ他人事でしかない外野だったが、誰かが慰めてあげないといけない事は理解しているようだ。
何故か菜々にフォロー役が回ってくる。菜々はかける言葉を幾つか考えた後、緑の背中をさすりながら優しい言葉を投げかける事にした。
「た、確かにツイてなかったかもしれないけど、またあれは食べられるし、悪いことばかりじゃ無いんじゃないの? ほら、あんたの小さかったおちんちんも寝てる間に一回り大きくなってるじゃない!」
「ふー……退散しよう」
「ダメみたいですね」
「サラダは何やってもサラダって事だね」
「ちょっとお! なんでそうなるのよ!」
勝手にフォロー役を菜々に回した三人は、同じように勝手極まりない態度で部屋を後にする。
ベッドの上には菜々と……怒った緑が残された。
「菜々……貴様……」
「えぇ……なんで怒ってるの……」
「そんな所を褒められても嬉しくないからだー!」
「きゃー!」
枕を投げながら菜々に覆いかぶさる緑。まるで不満をぶつけるように、菜々の身体をまさぐり始める。
「あっ! ちょっ! ふぁんっ!? やめ……止めてよぉ!」
「フォローになってると思ったのか! このっ! このっ!」
「あははくすぐったい! ……あぁん! 痛っ! やーん! もーなんでこうなるのよー!」
その後、菜々はヤケになった緑にくすぐられ、緑の気が済むまで解放されなかったとか。
目が覚め慌てて飛び起きる緑。周りを見渡せば、菜々、楽、菜津美、レモン全員が自分を見守るように囲っていた。
「やっと起きたわね。全く」
「少し心配したよ」
「大丈夫ですか?」
「お昼食べ損ねたねー」
「お前ら……迷惑かけたな。この通り大丈夫だ。……ん? 昼? 今日は確か……ああっ!」
菜津美の一言を聞いて緑は慌てる。が、現時刻は昼飯の時間をとっくに過ぎた夕方六時であり、それを確認すると力無くベッドに倒れた。
「何、いきなり……」
菜々は、感情の起伏が激しい緑に若干引き気味で説明を求める。
「……マグロ」
「は?」
「マグロの竜田揚げぇ……」
本日の昼メニュー「マグロの竜田揚げ」は、荒獣によって侵攻され荒廃した日本では港の復旧が進んでおらず(それでも海上輸送の力は大きく、輸出入の殆どを担っているが)、かなり珍しい料理となっている。
とはいえ肉類はある程度自給できており、専ら鶏肉で腹は満たされるのだが……。
「あ、あれ好きなの?」
「う~……」
緑は味が好みらしく、数ヶ月に一度しか出ないこの料理は大好物であった。
「ツイてない……しかも菜津美は先に復帰してるし……」
「まーそこは流石に体力の差だよね! 私に正面突破で完勝しようとか810年早いのだー! ……あれ、みどりん? え、本気で泣いてる?」
「うるさい! 泣いてない!」
緑は枕に顔を埋めながら、くぐもった声で精一杯叫んでみる。残念ながら、誰がどう見ても泣いてるようにしか見えなかった。
「あーあ。泣かせちゃったね。菜々くん?」
「あえ? なんで私なのよ」
「ちょっと酷いです……菜々さん」
「えー……私が悪い空気なのこれ」
「そーだよサラダ」
「アンタは黙ってなさい」
「塩対応!」
緑が泣いていることなどほぼ他人事でしかない外野だったが、誰かが慰めてあげないといけない事は理解しているようだ。
何故か菜々にフォロー役が回ってくる。菜々はかける言葉を幾つか考えた後、緑の背中をさすりながら優しい言葉を投げかける事にした。
「た、確かにツイてなかったかもしれないけど、またあれは食べられるし、悪いことばかりじゃ無いんじゃないの? ほら、あんたの小さかったおちんちんも寝てる間に一回り大きくなってるじゃない!」
「ふー……退散しよう」
「ダメみたいですね」
「サラダは何やってもサラダって事だね」
「ちょっとお! なんでそうなるのよ!」
勝手にフォロー役を菜々に回した三人は、同じように勝手極まりない態度で部屋を後にする。
ベッドの上には菜々と……怒った緑が残された。
「菜々……貴様……」
「えぇ……なんで怒ってるの……」
「そんな所を褒められても嬉しくないからだー!」
「きゃー!」
枕を投げながら菜々に覆いかぶさる緑。まるで不満をぶつけるように、菜々の身体をまさぐり始める。
「あっ! ちょっ! ふぁんっ!? やめ……止めてよぉ!」
「フォローになってると思ったのか! このっ! このっ!」
「あははくすぐったい! ……あぁん! 痛っ! やーん! もーなんでこうなるのよー!」
その後、菜々はヤケになった緑にくすぐられ、緑の気が済むまで解放されなかったとか。
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