ランブルビースト ~獣が強くて人類滅亡の危機なのでビッチがセックスで戦います~【東京編】

扶桑のイーグル

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少女達の守護者

48体目 少女と守護者の戯れ

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「あっあんっ!」

「はっん……ああっ!」

 部屋の中で二人の少女が交わる。その行為は激しくも優しさを帯びていた。

「菜々……ななっ!」

「緑! みどり!」

 互いの名を呼び合う。「日課」でも「訓練」でもない、好意を伝え合う幸せの一時。

「菜々っ! 出る!」

「うん来て! 出してっ!」

「あああっ! イっく……」

『えー、三瓶くん、佐伯くん、大神くん、レモンくん……あとサラダ。呼び出しがかかってるぞ! 貴賓室に来てくれたまえ!」

 頂点に登りつめる一歩手前で招集がかけられた。本来なら仕切り直すところだが、射精感を抑えられずにペニスから無残にも精子をドプドプと大量に出してしまう。

「……」

「……んっ……」

 子宮を叩く熱に、酷い雰囲気の中でも感じてしまう菜々。

「……」

「……」

 二人の身体が繋がったまま震える。別に感じてるわけではなく……。

「……あんのクソバカァーーーー! 今回ばかりは本気で殺さんと気がすまん!」

「地獄の底に突き落としてやるわよ! っつーか誰がサラダじゃー! ほんっとムカつくまじムカつく!」

 ……当然、至福の一時を邪魔され怒っているからであった。




「坂場ぁー!」

「今日こそは許さないわよ!」

 貴賓室のドアだというのに、力いっぱい開け放つ二人。しかしその音に驚くことも無く、男は二人に向き直った。

「早かったな。ほかの三人はまだか」

 中肉中背の白混じりのヒゲを生やした中年男性。これといった特徴の無いつまらなそうな男だ。

 ━━ただ一つ、目力が常人のそれとは明らかに違う事以外は。その男に睨まれたわけでもないのに、緑と菜々は敬礼しその場で立ちすくむ。

 本能がそうしろと訴えてきたからだ。次いで、階級を表す紀彰を見て絶句した。

(なんであの方がここに……!?)

(しっ知らないわよ! あんた何かしたんじゃないでしょうね!?)

 普通なら絶対に会うことのない人物に構える二人を見て、男は穏やかな表情で取り繕う。

「そう固くならないでくれ。別に、説教するために呼んだのではない。ほら、休んだ休んだ」

 にこやかに、手を叩いて「休み」を命じる。

 緑と菜々は訓練生時代に散々叩き込まれた姿勢を取った。足を肩幅に開き、手を後ろで組む。軍隊式の「休み」だ。

 それと同時に、楽、菜津美、レモンの三人が部屋の中に入ってきた。

「いっちばー……ありゃ、先越されてた」

「おや、二人共どうしたんだい? そんな改まった格好で」

「……ちょっ! 楽様! どうしたんだい? じゃないです!」

 三人の中一人だけ男の正体に気がついたレモンが、知識を元に陸軍式の敬礼を取る。

「んー? ……うわっ! し、失礼しました!」

「は? え、何、なんでみんな……おっさんそんなに偉い人な……の……」

 まさかのおっさんと言い放った菜津美も、紀彰の数と種類に気づくと顔を真っ青にして同じ姿勢を取った。

「すみませんっでしたーっ! 一等陸佐どのー!」

「はっはっは、気にするな。あまり顔を出さない私も悪いのだ。それと、あまり堅苦しいのも好きではなくてな。休んでいてくれ」

 上司も上司、自分達を含め皇都全ての軍事力を指揮する存在では一番上の人間である。この場にいる全員、頭が上がらない。

 五人の少女達が仁王立ちのような格好になったところで、陸佐は話し始めた。

「もう噂は聞いているだろうが、君達が直接指示できる直掩部隊の紹介をしようと思ってな。数は……」

 陸佐は手を一杯に開いた。

「五……人?」

「……少なすぎるわ」

「いや、五台だね! やっぱり戦車だよ!」

「五個班(50人)って数え方はできないかい?」

「五組(30人)の方が現実的ではないでしょうか」

 五人はそれぞれに思考を巡らすが、少なすぎるか多すぎる戦力しか思い浮かばない。しかし、一人が正解を答えていた。

「三瓶くん、かな。正解だ」

 陸佐がそう言うと答えた緑までもが驚き、不安そうな表情を浮かべる。

「五人ですか!?」

「ちょっと不安ね」

「えー! 少な……何でもないです」

「……ふむ、どういう事だろうか」

「凄く強いとか……」

「今度は、レモンくんが正解だね。あまり焦らすのも良くないか。さ、入ってきてくれ」

 陸佐の合図で三人の男が、隣の部屋から入ってくる。確かに屈強そうではあるが、それだけではとても(特に与えられるだろう任務を考えると)守りきれるとは思えない。
 多数の荒獣に襲われれば為す術なく死ぬだろう……そう考え彼女達は、実際に会っている二人を除き小さく首を振る。それに、二人足りない。

 反対に、楽と奈津美は口をポカンと開けた後、顔を見合わせて満足そうに笑った。

「陸佐、三人だけですか?」

 菜々があからさまな数の違いにいち早く疑問を持った。

「今ここにいるのはな。いない二人は、今景色を楽しんでいるだろうね」

 陸佐は答えながら窓の外を見た。その言い回しが好きなのか、事情を知る男三人以外の頭に疑問符が浮かんでも、気に留める様子はない。

 ゆったりと向き直った後、男達に挨拶を促した。

「簡単に自己紹介してくれ」

「はっ! 私は高村刀也たかむらとうやと申します! 『性闘攻勢部隊防衛班』班長を務めさせていただきます!」

 まずは真ん中の男が聞きなれない言葉と共に自分の名前と所属、役割を述べた。三人の中では至って普通。目立たなそうな男で、相対する五人は本当に班長なのかと疑う。
 ただ一つ、その男は他二人と違い刀を腰にぶら下げていた。格好付けだろうか。

 緑はそんな男の口から発せられた単語を、自虐的にクスリと笑う。

(性闘攻勢部隊か。懐かしいものを)

 日本政府が定めた『ハンター』の正式名称。それが『性闘攻勢部隊』だ。現在では書類以外で使われることは無いに等しく、「長い」、「読みにくい」、「あからさま」等の不評を買い広報活動にすら現れない廃れた名称だ。

 攻勢などと付いているが、当然攻撃側に回ったことなど一度もなく、これまた「実情と違う」という不評の原因でもあったりする。

弓弦隼ゆみづるはやとです。よろしくお願いします」

武井僧帽たけいそうぼうです。精一杯お守りします!」

 残り二人もそれぞれに自己紹介を終えた。隼は線が細く、若干二人よりも背が高い。その上イケメンだ。感じのいい好青年に周りの期待が高まる。

 僧帽はガタイが良く、見るからに力強そうな男だ。服で隠れていてもその太さが見て取れるほどの、熊のような二の腕は威圧感がある。

「君達の事は事前に資料を渡してあるから、自己紹介は無しでいいぞ。それと明日、ここにいる全員非番とする。親善目的で遊びに行ってくれ」

 陸佐の粋な計らいに嬉しそうな声が上がる。しかし、菜々だけは違った。

「私達が非番で、その間防衛はどうするんですか?」

 高位荒獣が来たら他のハンターでは対応しきれない! と言わんばかりの顔だ。しかし陸佐は、食ってかかる菜々に笑ってこう言った。

「心配には及ばない。代わりを投入するからな。潜在能力は、君たちにも匹敵するだろう人材だ」

「へえ?」

 喧嘩っ早い菜々と緑は、休みよりも陸佐の口から出てきた「潜在能力が自分達に匹敵する代わり」の方に興味が引かれたようだった。

「それは聞き捨てならないですね」

「そうね……手合わせが楽しみだわ」

 二人ともそわそわし始める。随分早いが戦闘モードに突入したようだ。
「代わり」にいつ出会っても良いように……というよりは、陸佐の雰囲気から話の終わりが近いことを感じ取り、早くセックスを仕切り直したい思いの方が強い。

「ははは。むしろこちらからお願いしたいくらいだ。あいつはまだ実戦経験が無くて、奢っている所があるからな。その時は頼むよ」

「勿論だ!」

「望むところよ!」

「うん、いい返事だ。それでは解散。…………………………あー、言い忘れてたがまた明日、十時にこの部屋の前に集まるように……っと、早々に出ていってしまったか」

 気の早い少女達は陸佐がクルリと背を向けた隙に、明日着る服を選びに駆け足で帰っていった。全員で街に繰り出す事など最近なかったからだろうか、完全に浮かれている。

 だが、陸佐の心配に応えるように一人だけ廊下から貴賓室に舞い戻ってきた。

「大丈夫です、聞いてました!」

「おおレモンくんか。荒獣でありながら協力的な姿勢、感謝するよ」

 トテトテと可愛らしく自分の元に歩いてきたレモンの頭を節くれだった手で撫でながら、陸佐はニッコリと笑った。

「えへへ……感謝は楽様にお願いします。楽様がいなければ、私は今頃死んでいますから」

「死んでいる」という言葉に、陸佐の顔から笑みが消える。

「それもそうだな。……レモンくん、明日は、君にとって楽しいばかりの日にはならないかもしれない。もし嫌なら部屋にこもっていてもいいが……どうかね」

「お気持ちだけ受け取っておきます」

「やはりか……」

 陸佐は残念そうに頭を垂れた。レモンが外に出るということ。それは即ち暴言や、そこまで行かなくとも暴力的な視線の嵐に晒される事を意味している。

 それでレモンが傷つき立ち直れなくなることを危惧したのだが、レモン本人はきっぱりとした考えでいた。

「色々と批判は見てきました。覚悟はできてます」

「……そこまで言うなら、仕方がないな。だが、文字を見るのと実際に言われるのでは随分違う。それだけは理解しておいてくれ」

「はい、ご心配ありがとうございます」

 もし傷ついたとしてもいい勉強になるだろうと思ったのか、陸佐は大して引き止めはしなかった。

「……さ、お前達もゆっくり休め。ここ一週間働き詰めだったろう」

 続いて、まだ後ろで腕を組んで立っている三人にも声をかける。だが。

「お言葉感謝します。ただ……その……」

「なんだ」

 三人はそれぞれに顔を見合わせ、この部屋に入って初めて、恥ずかしそうにではあるが笑った。

「レモンさんの身体……触ってみてもよろしいでしょうか」

「は、はい!? 私ですか!?」

 いきなりの不躾なお願いに顔が引き攣るレモン。その様子を見て、刀也は慌てて否定する。

「ああいえ! 別に変な意味ではなく……柔らかそうだなと……」

 何が柔らかそうなのか何をされるのかとドン引きするレモンを見て、すかさず後ろの隼と僧帽がフォローを入れた。なるほどチームワークは良いらしい。

「隊長、誤解されてます」

「言い方が変質者です隊長」

「じゃ何て言えばいいんだよ!」

「「普通に毛並みが柔らかそうだから触ってみたかったって言えばいい話でしょうが!」」

 部下に総ツッコミをくらいながらレモンの方を向いて「と、言うことです」などと誤解を解きに走る刀也隊長。

 触って見たい、柔らかそうなどと言われて警戒したレモンも話の大筋が見え、安心するも動物的な扱いに若干残念そうにしながら、そういう事ならと快く承諾する。

「良いですよ」

「よっしゃ!」

 大きな手がおずおずと伸びてきて、でも最初は毛の表面を撫でるだけ。次第に遠慮が無くなり、ポリエステルのような弾力がありながらもマシュマロのようにどこまでも柔らかい毛を堪能し始める。

 その内手の数が一本から二本、二本から四本と増え、三人に毛をくまなく触られることになってしまう。

(うあああ……き、気持ちいいんですけど、ちょっとウザい……)

 まんま猫か羊辺りの扱いだが、レモンは逃げずに大人しく耐えた。

 暫くすると満足したのか手が離れる。ゆっくり目を開けてみると、そこには大満足の三人が幸せそうな顔で立っていた。

「いいわあこれ……」

「至高ですね」

「ふぉおおお……」

 ガッツポーズをしながら。

(……ちょっと変な人達なのかな)

 かくして空挺三人衆の最初のイメージは「変な人たち」という不名誉なものになったのである。
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