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大洗港奪還作戦
99体目 大洗港奪還戦
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「緑!」
一部始終を見ていた菜々が車の中から飛び出し、霧の前で緑の名を叫ぶ。当然他の者も心配そうに車から降り、その場で立ちすくんだ。
果たして緑は……。
「おーい! 生きてるぞ、菜々ー!」
これといって問題はなさそうだった。
菜々は恋人兼ライバルの安否を確認できて胸を撫で下ろす。
「無事なのね……良かった」
「無事かもしれないけど、霧の中に入ってしまったね」
後ろから、検査器具の入ったバッグを持った八雲が近づいてくる。
「霧の中に入ったからって問題ある……んだっけ?」
「君、ちゃんと海馬機能してる? 昔凄いストレスとか受けてたりしない?」
何となく霧の中に入ると良くないという事は感じていたものの、突然の出来事にその内容は飛んでいて八雲に確認する。
が、茶化された。
「うるっさいわね! 出られなくなるんでしょ!?」
「どういう理由かは分からんがな。坂場くん、とりあえずこれが何なのか、解析頼む」
陸佐は口をへの字に曲げる菜々と楽しそうに笑う八雲の間に割り込み、あごを撫でながら霧を仰ぎ見た。
「はい……と言っても、これだけの霧がドーム状にそびえ立っているなんて、一つしか考えられませんが……陸佐もお気づきになられていたから、わざわざ帝都の防衛を薄くしてまで主力を連れてきたのでしょう?」
「どうかな、上空写真だけでは分からない事の方が多かった。しかし私は、確かに褒められるべきだな」
陸佐は彼らしくもない言葉を言ってニヤリと笑う。
「カンが当たったよ」
この霧の発生には荒獣が関与している。陸佐は最初から、確信を持って見抜いていたのだった。
「……じゃあ、荒獣の前提で試験を行います」
八雲は淡々として解析に入る。小さな紙を一枚取り出し、霧に突っ込んで数秒待ち引き抜く。
紙は赤く染まり、その部分は水分の重さで垂れ下がっていた。
「……やや強い酸性。それに、霧が凄い密度です。もはやこれは、空気中に浮いている雨です」
次に八雲が取り出したのは、強アルカリ性の試薬。それが入った注射器を霧に差し込むが、反応は無く滴り落ちた所のアスファルトを焼く音だけが静かに気味の悪さを助長させる。
「なるほど。陸佐、この霧を調べても意味がありません。どこかにコアを持った本体がいるはずです」
「その本体はどこにいる」
「不明です。中に入って捜索をすれば現れるかも知れませんが危険すぎます」
「ふむ、どうしようか……」
本体で無いものに攻撃をしても意味は無いが、本体を探すには多大なリスクを背負わなければならない。陸佐が頭を悩ませたその時だった。
「ああああああああーーーー!」
「緑!?」
霧の中から、艶めかしい声が反響を伴って聞こえたのである。
「くあああっ……んぐっ! や、やめろ……あああ……」
「どう? この柔らかくて、緩やかな刺激のオマンコは」
緑の腰の上で優雅に身体を上下させる女の形をした霧は、そこにハンドルがあるにも関わらず何も無いような振る舞いを見せている。
霧の中に突っ込んでしまった緑は、すぐに脱出しようとギアをリバースに入れ、後進を開始した。
しかし、次の瞬間後方に見えたのはコンクリートの断崖絶壁とそこに波を打ち付ける海。
驚き慌ててブレーキを踏んだためエンジンが停止し、再始動を試みるも、慌てているため上手くいかない。
思えばシュミレーションでは必ずエンジンは最初からかかっている状態だった。走りのセンスはあるが、エンジンの始動に関しては素人なのだ。
そして、頭が冷えて手順を思い出す前にエアコンの空気口から霧の荒獣が現れ動きを封じられた。
即座に迎撃の体勢を整えた緑だったが霧の荒獣は緑の攻撃に動じず、逆にペニスに快感が返ってくる結果となり自爆絶頂へと至ってしまう。
現在、絶頂直後のペニスを嬲るような腰使いに翻弄され引き続きなすがままにされている。
上下だけではなく前後左右に水肉がうねり、蜂蜜のような硬さの手に敏感な裏筋を責められているよう。甘水が血流に溶け込み、全身の動きを鈍らせていく。
(な、なぜ車が瞬間移動した? それさえ無ければ今頃脱出できていたのに! しかもこいつ、なぜ感じないんだ……まさかあまりにも実力差が離れていて……いいやそんなわけがあるものか!)
マイナス思考を正し、自らを奮い立たせるも反撃の一つできずにされるがまま。肩をシートに押し付けられ、トロリとした舌が口内を舐り後に残って快楽をひりつかせる。
腰を打ち付ける振動がジンジンと熱く響き、身体中に甘く広がる。
更に悪い事に、霧がもう一体エアコンの送風口から出現したのだった。
一部始終を見ていた菜々が車の中から飛び出し、霧の前で緑の名を叫ぶ。当然他の者も心配そうに車から降り、その場で立ちすくんだ。
果たして緑は……。
「おーい! 生きてるぞ、菜々ー!」
これといって問題はなさそうだった。
菜々は恋人兼ライバルの安否を確認できて胸を撫で下ろす。
「無事なのね……良かった」
「無事かもしれないけど、霧の中に入ってしまったね」
後ろから、検査器具の入ったバッグを持った八雲が近づいてくる。
「霧の中に入ったからって問題ある……んだっけ?」
「君、ちゃんと海馬機能してる? 昔凄いストレスとか受けてたりしない?」
何となく霧の中に入ると良くないという事は感じていたものの、突然の出来事にその内容は飛んでいて八雲に確認する。
が、茶化された。
「うるっさいわね! 出られなくなるんでしょ!?」
「どういう理由かは分からんがな。坂場くん、とりあえずこれが何なのか、解析頼む」
陸佐は口をへの字に曲げる菜々と楽しそうに笑う八雲の間に割り込み、あごを撫でながら霧を仰ぎ見た。
「はい……と言っても、これだけの霧がドーム状にそびえ立っているなんて、一つしか考えられませんが……陸佐もお気づきになられていたから、わざわざ帝都の防衛を薄くしてまで主力を連れてきたのでしょう?」
「どうかな、上空写真だけでは分からない事の方が多かった。しかし私は、確かに褒められるべきだな」
陸佐は彼らしくもない言葉を言ってニヤリと笑う。
「カンが当たったよ」
この霧の発生には荒獣が関与している。陸佐は最初から、確信を持って見抜いていたのだった。
「……じゃあ、荒獣の前提で試験を行います」
八雲は淡々として解析に入る。小さな紙を一枚取り出し、霧に突っ込んで数秒待ち引き抜く。
紙は赤く染まり、その部分は水分の重さで垂れ下がっていた。
「……やや強い酸性。それに、霧が凄い密度です。もはやこれは、空気中に浮いている雨です」
次に八雲が取り出したのは、強アルカリ性の試薬。それが入った注射器を霧に差し込むが、反応は無く滴り落ちた所のアスファルトを焼く音だけが静かに気味の悪さを助長させる。
「なるほど。陸佐、この霧を調べても意味がありません。どこかにコアを持った本体がいるはずです」
「その本体はどこにいる」
「不明です。中に入って捜索をすれば現れるかも知れませんが危険すぎます」
「ふむ、どうしようか……」
本体で無いものに攻撃をしても意味は無いが、本体を探すには多大なリスクを背負わなければならない。陸佐が頭を悩ませたその時だった。
「ああああああああーーーー!」
「緑!?」
霧の中から、艶めかしい声が反響を伴って聞こえたのである。
「くあああっ……んぐっ! や、やめろ……あああ……」
「どう? この柔らかくて、緩やかな刺激のオマンコは」
緑の腰の上で優雅に身体を上下させる女の形をした霧は、そこにハンドルがあるにも関わらず何も無いような振る舞いを見せている。
霧の中に突っ込んでしまった緑は、すぐに脱出しようとギアをリバースに入れ、後進を開始した。
しかし、次の瞬間後方に見えたのはコンクリートの断崖絶壁とそこに波を打ち付ける海。
驚き慌ててブレーキを踏んだためエンジンが停止し、再始動を試みるも、慌てているため上手くいかない。
思えばシュミレーションでは必ずエンジンは最初からかかっている状態だった。走りのセンスはあるが、エンジンの始動に関しては素人なのだ。
そして、頭が冷えて手順を思い出す前にエアコンの空気口から霧の荒獣が現れ動きを封じられた。
即座に迎撃の体勢を整えた緑だったが霧の荒獣は緑の攻撃に動じず、逆にペニスに快感が返ってくる結果となり自爆絶頂へと至ってしまう。
現在、絶頂直後のペニスを嬲るような腰使いに翻弄され引き続きなすがままにされている。
上下だけではなく前後左右に水肉がうねり、蜂蜜のような硬さの手に敏感な裏筋を責められているよう。甘水が血流に溶け込み、全身の動きを鈍らせていく。
(な、なぜ車が瞬間移動した? それさえ無ければ今頃脱出できていたのに! しかもこいつ、なぜ感じないんだ……まさかあまりにも実力差が離れていて……いいやそんなわけがあるものか!)
マイナス思考を正し、自らを奮い立たせるも反撃の一つできずにされるがまま。肩をシートに押し付けられ、トロリとした舌が口内を舐り後に残って快楽をひりつかせる。
腰を打ち付ける振動がジンジンと熱く響き、身体中に甘く広がる。
更に悪い事に、霧がもう一体エアコンの送風口から出現したのだった。
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